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「土人」「シナ人」発言を考える。(50)

 沖縄タイムスは2016年12月4日、「根底に日本人のおごり 映画監督/作家・森達也さん【インタビュー「土人」発言・25】」の記事を掲載した。なお、沖縄タイムスのこの問題のインタビュー特集はこれで終了した。
 森達也さんは、インタビューで次のように語る。


(1)とっくに消えていなければいけない言葉が出た。若い機動隊員が「土人」「シナ人」という言葉を使ったことに驚いた。その後の政治家の対応にさらに驚いた。
(2)若い機動隊員は、意味を知らずに口にした言葉だったかもしれない。しかし、沖縄から怒りの声が上がる中、問題発生から時間が経過していろいろ考えることもできたはずなのに、鶴保庸介沖縄担当相や菅義偉官房長官は「差別と断定できない」とした。そこに根の深い問題がある。
(3)日本には、アジアに対する蔑視感情がある。大東亜共栄圏思想が昭和初期まで続く中で、本来なら大戦に負けて、その意識を変えなければいけなかった。米国に負けたという意識はあっても、中国に負けていないという意識がある。
(4)アジアを加害したという実感もなく戦後を迎え、経済大国になってアジアでナンバーワンになったという意識。そこにあるのは、アジアは劣等国という蔑視感情だ。その感情が沖縄にも向けられている。常に自分より下のものをつくっておきたいという日本人のおごりが根底にある。
(5)沖縄と本土の溝をどう埋めるか。そこは歴史認識が重要だ。一人一人が近現代史をもっとかみ締めなければいけない。


 日本人は、「いつになったら」と考える。
森さんが指摘する次の差別意識を本当に超えることができるだろうか。


「アジアを加害したという実感もなく戦後を迎え、経済大国になってアジアでナンバーワンになったという意識。そこにあるのは、アジアは劣等国という蔑視感情だ。その感情が沖縄にも向けられている。常に自分より下のものをつくっておきたいという日本人のおごりが根底にある。」


 今回の「土人」「シナ人」発言は、ただ単に沖縄だけに向けられた差別意識だけではなく、日本人の構造的差別感を問うたものである。したがって、「構造的沖縄差別」を克服する道は、日本人の植民地主義の克服とともにある。


 以下、沖縄タイムスの引用。








沖縄タイムス-根底に日本人のおごり 映画監督/作家・森達也さん【インタビュー「土人」発言・25】-2016年12月4日 09:02


 とっくに消えていなければいけない言葉が出た。若い機動隊員が「土人」「シナ人」という言葉を使ったことに驚いた。その後の政治家の対応にさらに驚いた。

 若い機動隊員は、意味を知らずに口にした言葉だったかもしれない。しかし、沖縄から怒りの声が上がる中、問題発生から時間が経過していろいろ考えることもできたはずなのに、鶴保庸介沖縄担当相や菅義偉官房長官は「差別と断定できない」とした。そこに根の深い問題がある。

 日本には、アジアに対する蔑視感情がある。大東亜共栄圏思想が昭和初期まで続く中で、本来なら大戦に負けて、その意識を変えなければいけなかった。米国に負けたという意識はあっても、中国に負けていないという意識がある。

 アジアを加害したという実感もなく戦後を迎え、経済大国になってアジアでナンバーワンになったという意識。そこにあるのは、アジアは劣等国という蔑視感情だ。その感情が沖縄にも向けられている。常に自分より下のものをつくっておきたいという日本人のおごりが根底にある。

 沖縄と本土の溝をどう埋めるか。そこは歴史認識が重要だ。一人一人が近現代史をもっとかみ締めなければいけない。(おわり)


by asyagi-df-2014 | 2016-12-30 16:52 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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