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沖縄-辺野古・高江から-2016年12月12日

 「警察が市民を撮影するには現行犯であることなど、厳格な縛りがある。」。
 当たり前のことである。
 「50代の女性は『地元のおじさん、おばさんが平和に抗議しているだけ。警察が法律の通り公平中正なら、抗議くらい自由にさせてほしい』と求める。」(沖縄タイムス)。
警察は、安部晋三政権は、違法な撮影行為をやめなくてはならない。


 2016年12月12日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-歩道に立つだけなのに… 大宜味村でのヘリパッド建設抗議、警察が撮影-2016年12月12日 07:40


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍ヘリパッド建設に反対する大宜味村民が歩道に立つだけの抗議行動に対して、警察がビデオカメラを向け続けている。警察が市民を撮影するには現行犯であることなど、厳格な縛りがある。弁護士は撮影を違法と断じ、市民も「表現の自由を萎縮させる狙いだ」と反発する。県警は「個別案件には答えを差し控える」と回答しなかった。」
②「9日午前8時すぎ、大宜味村喜如嘉の国道58号。ヘリパッド建設用の砂利を東村高江まで運ぶダンプの車列が南下してきた。住民8人が歩道上でプラカードを掲げて抗議。すると、車列の中にいた警察車両2台から、警察官がビデオカメラを住民に向けた。抗議行動はこの夏、高江まで行けなくても意思表示したい、と大宜味村内の3カ所で自然発生的に始まった。参加者には90代の女性もいる。車道に飛び出したりせず、平和に行動することを申し合わせている。だが、警察による撮影は開始当初から恒常的に続いているという。窓を開け、速度を落として『なめるように』撮る警官もいる。」
③喜如嘉区の大山美佐子区長は『脅しなのか。絶対に許せない』と憤る。50代の女性は『地元のおじさん、おばさんが平和に抗議しているだけ。警察が法律の通り公平中正なら、抗議くらい自由にさせてほしい』と求める。」
④「警官が市民のデモを撮影するのは『現に犯罪が行われた』などの場合に限ると示した最高裁判例(1969年)がある。住民らは6日、判例を添えて県警ウェブサイトから苦情を申し出たが、まだ回答はないという。小口幸人弁護士は『大宜味の現場で犯罪は起きておらず、撮影目的も不明。純粋に違法だ』と指摘する。『萎縮すれば思うつぼ。警察の人権侵害に抗議し、憲法に定められた通り、不断の努力で権利を守っていく必要がある』と話した。一方、県警は本紙取材に対し「(ダンプの)出発地点から到着地点までの間で反対派による飛び出し、寝転びなどの違法行為が行われてきている。事案の発生に備え、法令、判例を踏まえ適切な警察活動を行っている」と一般論で説明。大宜味村の現場での撮影が合法かどうかについては答えなかった。」


(2)沖縄タイムス-知事不在の高江の闘い 容認釈明は国際社会では通じず[平安名純代の想い風]-2016年12月12日 09:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「『奇跡が起きた。われわれの誇りを懸けた闘いが実を結んだのだ!』」
②「12月4日。ノースダコタ州の石油パイプラインの建設計画をめぐり、体が凍りつく厳寒のなかで寝泊まりしながら抗議してきたアメリカ先住民や環境活動家らに、米陸軍省が建設計画の休止を決定したという知らせがもたらされた。空にこだまするほどの大きな歓声が巻き起こり、涙を流しながら抱き合って喜ぶ感動的な瞬間を米主要メディアはそれぞれ大きく報じた。」
③「企業利益のために母なる大地を壊し、水と神聖な先住民の土地を脅かしてはならない、奪われた土地を守らねばと立ち上がったスタンディングロック・スー族の闘いは、初めはごく少人数の孤独なものだった。メディアは関心を示さず、裁判を起こしても訴えは退けられる。同部族の代表はジュネーブの国連人権委員会に足を運び、同計画の中止と先住民の主権の尊重を訴えたが、事業主側は計画を諦めず、警察当局は、非暴力で抵抗する先住民らに犬をけしかけ、銃をつきつけるなど過剰な武力を行使。そうした実態がソーシャル・ネットワークなどで広まり、バーニー・サンダースやレオナルド・ディカプリオら著名人らが次々と計画の反対を表明。注目度は次第に高まり、11月下旬には約2千人の退役軍人が『人間の盾になろう』と現地入りするなど抗議活動に勢いがついた。強制立ち退き命令の最終期限日にもたらされた大きな勝利に、スタンディングロック・スー族の代表は、『オバマ政権の歴史的な決断への感謝をわれわれは永遠に忘れない』と敬意を表し、トランプ次期大統領がこの決定を尊重するよう想いを託した。」
④「初めは孤独だったアメリカ先住民の闘いは、米政府を動かす力を得て勝利を手にしたものの、高江での闘いは見えにくいままだ。
 沖縄は土地を奪われたと主張する翁長雄志知事は昨年9月、ジュネーブの国連人権理事会で、米軍が沖縄の土地を強制接収した歴史や自己決定権を主張した。一方で、沖縄が『先住民族』かどうかについては『その言葉を私自身は今日まで使ったことはない』と県議会で否定している。」
⑤「高江のヘリパッド建設を巡っては11月末、『苦渋の選択』と事実上容認。その後の記者会見や県議会での答弁で『決して容認したわけではない』と釈明を続けるが、高江で闘いを続けている人々への言及は一切ない。知事の苦しい言い訳は国際社会では通じない。米政府関係者らは『沖縄の代表者も高江ヘリパッドを公認』と解釈し、高江の闘いを応援してきた米国人の間では動揺が広がっている。」
⑥「年の終わりを前に『奪われた土地』を返還する式典がもうすぐ執り行われる。すでに米メディアは『最大規模の返還』と沖縄の負担軽減に大きく貢献と評価する報道が先行している。高江の闘いを見えないものにしているものは何なのか。高江を守れと日米両政府に立ち向かう代表者が不在な中で、誇りを懸けた人々の闘いは今も続いている。」


(3)沖縄タイムス-発見に機動隊員も「ほんまや!」 沖縄・高江のオキナワキノボリトカゲ-2016年12月12日 10:34


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「東村高江の県道70号。米軍北部訓練場のヘリパッド建設に、土砂を積んだトラックが向かう。工事現場の出入り口、N1地区ゲートから約80メートル。記者の足元をモスグリーンの小さな体が横切り、路肩の草陰に消えていった。そっと近づいてみると…オキナワキノボリトカゲだ。体長約15センチ、つぶらな瞳に長いしっぽ。『アタクー』や『グリーンバンバン』など呼び名も多いなじみのトカゲだが、乱獲や生息地の破壊で数が減っているという。隣にしゃがみ、地上40センチからトラックの往来を見つめてみた。」
②「トラックが通るたび、排ガスを含んだ風が草木を揺らす。トカゲは道路側を向いて小枝につかまり、頭を左右にカクカクと振る。周りの葉は飛び散った泥で灰色の斑点模様。マスクの中までほこりっぽいが、トカゲはその場を離れない。
 「何かおるんですか?」
 機動隊員が話し掛けてきた。緊張が続くゲート付近でかれこれ15分、トカゲよろしく地面にへばりついているのだ。目につくのも無理はない。
 「トカゲがいますよ」
 指さした先を隊員がのぞき込む。
 「ほんまや!」
 その場の空気が一瞬、和らいだ気がした。
 目の前に来た別の隊員にも知らせてみる。記者に鋭い視線を向けるだけで、トカゲに興味はなさそうだ。」
③「N1地区の工事が始まった7月以降、多い日には約120台のトラックが行き交う。『ドドドド』。足元で感じる音や振動は、より大きい。耐えかねたのか、トカゲが先に後退する。揺れる草木をかいくぐり、あっという間に見えなくなった。半時間が過ぎていた。
 ヘリパッド建設で足元の動物たちはどうなるのだろうか。高江の森を知るチョウ類研究者の宮城秋乃さん(38)は『はっきりとした影響を人の目で見るのは難しい』と話す。」
④「森の木が切られ、地表がむき出しになる。直射日光が降り注ぎ、気温が上がる。そこから暖かい風が森に入り込み、湿度を奪う-。宮城さんは『影響が連鎖的に広がる』と説明する。オキナワシリケンイモリやリュウキュウヤマガメなど湿度を必要とする多くの動物はすみづらくなり、追いやられた生息地で餌やすみかの競争が激化するという。木や清流に依存する鳥やチョウも同じだ。」
⑤「あのオキナワキノボリトカゲの日常を想像する。ヒトに表情があるように、状況によって体の色を変え、朝には体温を上げるために日光浴をする。でも、ヒトのように泣(鳴)くことはできないという。この声なき生き物は環境省の絶滅危惧2種に指定されている。」


(4)琉球新報-沖縄振興策「基地次第」 鶴保氏、予算リンクは否定-2016年12月12日 14:22


 琉球新報は、「鶴保庸介沖縄北方担当相は12日の参院沖縄北方特別委員会で、沖縄県内の米軍基地の返還状況と政府の沖縄振興策に関し『基地がどういう状況になるかで振興策が変化するのは当然だ』と強調した。振興予算の額については『基地問題とリンクしない』と述べた。2017年度の振興予算に関しては「繰り越しや不要額が恒常的に生じている事例もある。全く無視して決めるわけにはいかない」と指摘し、項目によって減額もあり得るとの認識を示した。沖縄県の米軍北部訓練場の工事反対派に警察官が『土人』と発言した問題を巡っては『発言を容認するものではないが、差別であるかどうかを判断する立場にはない』と重ねて主張した。」、と報じた。


(5)沖縄タイムス-辺野古違法確認訴訟、沖縄県の敗訴確定 埋め立て工事再開へ-2016年12月12日 15:34


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設を巡り、石井啓一国土交通相が翁長雄志知事を訴えた『辺野古違法確認訴訟』で最高裁は12日までに、上告審判決を今月20日午後3時に言い渡すことを決めた。辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しを違法とし、知事が敗訴した福岡高裁那覇支部の判決の見直しに必要な弁論を開かないため、県側敗訴が確定する見通し。今後、知事は今後、埋め立て承認取り消しを撤回する手続きに入る。」
②「国は早期に埋め立て工事を再開する考え。ただ、国が工事を進めるために必要な設計概要や岩礁破砕の許可申請に対し、県は不許可とすることを検討。埋め立て承認の撤回も視野に入れている。新基地建設を巡る国と県の争いは新たな段階に突入する。」    ③「新基地建設を巡っては、翁長知事が昨年10月に埋め立て承認を取り消し、翌月に国が県を相手とする代執行訴訟を高裁那覇支部に起こした。県側も国に対して抗告訴訟を起こすなどして対抗。3月の和解後で、代執行訴訟などの取り下げと工事の停止が決まった。
和解後に国と県は「円満解決」に向けて協議したが、『辺野古唯一』を掲げる国と『新基地建設阻止』を訴える県の溝は埋まらず、7月に国が違法確認訴訟を高裁那覇支部に提起した。同支部の多見谷寿郎裁判長は9月に『仲井真弘多前知事の判断に瑕疵かしはなく、翁長知事の取り消しは裁量を逸脱しているとした』と判決。知事は『憲法や地方自治法の解釈を誤った判決で、到底受け入れられない』と批判していた。」


(6)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>資材積んだ車両32台がゲート内へ-2016年12月12日 13:17


 沖縄タイムスは、「東村高江周辺の米軍北部訓練場ヘリパッド建設に向け12日、砂利を積んだ20トントレーラー8台と10トンダンプ24台が正午までにN1地区に入った。メーンゲート北にあるN1ゲート付近には、工事に反対する市民ら約100人が集まり、道路脇に座って抗議した。メーンゲートへの搬入がなかったことを受け、参加者からは『どのゲートからも工事車両が入れないようにできれば一番いいが、抗議活動がある程度成果を出せたと思う』との声が上がった。市民らは『軍事基地いらない』『自然を守ろう』などと声を合わせながら付近を行進し、午前中の集会を終えた。」、と報じた。



 以下、琉球新報、沖縄タイムスの引用。







(1)沖縄タイムス-歩道に立つだけなのに… 大宜味村でのヘリパッド建設抗議、警察が撮影-2016年12月12日 07:40


 【大宜味】米軍ヘリパッド建設に反対する大宜味村民が歩道に立つだけの抗議行動に対して、警察がビデオカメラを向け続けている。警察が市民を撮影するには現行犯であることなど、厳格な縛りがある。弁護士は撮影を違法と断じ、市民も「表現の自由を萎縮させる狙いだ」と反発する。県警は「個別案件には答えを差し控える」と回答しなかった。(北部報道部・阿部岳)

 9日午前8時すぎ、大宜味村喜如嘉の国道58号。ヘリパッド建設用の砂利を東村高江まで運ぶダンプの車列が南下してきた。住民8人が歩道上でプラカードを掲げて抗議。すると、車列の中にいた警察車両2台から、警察官がビデオカメラを住民に向けた。抗議行動はこの夏、高江まで行けなくても意思表示したい、と大宜味村内の3カ所で自然発生的に始まった。参加者には90代の女性もいる。車道に飛び出したりせず、平和に行動することを申し合わせている。

 だが、警察による撮影は開始当初から恒常的に続いているという。窓を開け、速度を落として「なめるように」撮る警官もいる。

 喜如嘉区の大山美佐子区長は「脅しなのか。絶対に許せない」と憤る。50代の女性は「地元のおじさん、おばさんが平和に抗議しているだけ。警察が法律の通り公平中正なら、抗議くらい自由にさせてほしい」と求める。

 警官が市民のデモを撮影するのは「現に犯罪が行われた」などの場合に限ると示した最高裁判例(1969年)がある。住民らは6日、判例を添えて県警ウェブサイトから苦情を申し出たが、まだ回答はないという。

 小口幸人弁護士は「大宜味の現場で犯罪は起きておらず、撮影目的も不明。純粋に違法だ」と指摘する。「萎縮すれば思うつぼ。警察の人権侵害に抗議し、憲法に定められた通り、不断の努力で権利を守っていく必要がある」と話した。

 一方、県警は本紙取材に対し「(ダンプの)出発地点から到着地点までの間で反対派による飛び出し、寝転びなどの違法行為が行われてきている。事案の発生に備え、法令、判例を踏まえ適切な警察活動を行っている」と一般論で説明。大宜味村の現場での撮影が合法かどうかについては答えなかった。


(2)沖縄タイムス-知事不在の高江の闘い 容認釈明は国際社会では通じず[平安名純代の想い風]-2016年12月12日 09:00


 「奇跡が起きた。われわれの誇りを懸けた闘いが実を結んだのだ!」

 12月4日。ノースダコタ州の石油パイプラインの建設計画をめぐり、体が凍りつく厳寒のなかで寝泊まりしながら抗議してきたアメリカ先住民や環境活動家らに、米陸軍省が建設計画の休止を決定したという知らせがもたらされた。空にこだまするほどの大きな歓声が巻き起こり、涙を流しながら抱き合って喜ぶ感動的な瞬間を米主要メディアはそれぞれ大きく報じた。

 企業利益のために母なる大地を壊し、水と神聖な先住民の土地を脅かしてはならない、奪われた土地を守らねばと立ち上がったスタンディングロック・スー族の闘いは、初めはごく少人数の孤独なものだった。

 メディアは関心を示さず、裁判を起こしても訴えは退けられる。同部族の代表はジュネーブの国連人権委員会に足を運び、同計画の中止と先住民の主権の尊重を訴えたが、事業主側は計画を諦めず、警察当局は、非暴力で抵抗する先住民らに犬をけしかけ、銃をつきつけるなど過剰な武力を行使。そうした実態がソーシャル・ネットワークなどで広まり、バーニー・サンダースやレオナルド・ディカプリオら著名人らが次々と計画の反対を表明。注目度は次第に高まり、11月下旬には約2千人の退役軍人が「人間の盾になろう」と現地入りするなど抗議活動に勢いがついた。

 強制立ち退き命令の最終期限日にもたらされた大きな勝利に、スタンディングロック・スー族の代表は、「オバマ政権の歴史的な決断への感謝をわれわれは永遠に忘れない」と敬意を表し、トランプ次期大統領がこの決定を尊重するよう想いを託した。

 初めは孤独だったアメリカ先住民の闘いは、米政府を動かす力を得て勝利を手にしたものの、高江での闘いは見えにくいままだ。

 沖縄は土地を奪われたと主張する翁長雄志知事は昨年9月、ジュネーブの国連人権理事会で、米軍が沖縄の土地を強制接収した歴史や自己決定権を主張した。一方で、沖縄が「先住民族」かどうかについては「その言葉を私自身は今日まで使ったことはない」と県議会で否定している。

 高江のヘリパッド建設を巡っては11月末、「苦渋の選択」と事実上容認。その後の記者会見や県議会での答弁で「決して容認したわけではない」と釈明を続けるが、高江で闘いを続けている人々への言及は一切ない。

 知事の苦しい言い訳は国際社会では通じない。米政府関係者らは「沖縄の代表者も高江ヘリパッドを公認」と解釈し、高江の闘いを応援してきた米国人の間では動揺が広がっている。

 年の終わりを前に「奪われた土地」を返還する式典がもうすぐ執り行われる。すでに米メディアは「最大規模の返還」と沖縄の負担軽減に大きく貢献と評価する報道が先行している。

 高江の闘いを見えないものにしているものは何なのか。高江を守れと日米両政府に立ち向かう代表者が不在な中で、誇りを懸けた人々の闘いは今も続いている。(平安名純代・米国特約記者)


(3)沖縄タイムス-発見に機動隊員も「ほんまや!」 沖縄・高江のオキナワキノボリトカゲ-2016年12月12日 10:34


 東村高江の県道70号。米軍北部訓練場のヘリパッド建設に、土砂を積んだトラックが向かう。工事現場の出入り口、N1地区ゲートから約80メートル。記者の足元をモスグリーンの小さな体が横切り、路肩の草陰に消えていった。そっと近づいてみると…オキナワキノボリトカゲだ。(学芸部・榮門琴音)

 体長約15センチ、つぶらな瞳に長いしっぽ。「アタクー」や「グリーンバンバン」など呼び名も多いなじみのトカゲだが、乱獲や生息地の破壊で数が減っているという。隣にしゃがみ、地上40センチからトラックの往来を見つめてみた。

 トラックが通るたび、排ガスを含んだ風が草木を揺らす。トカゲは道路側を向いて小枝につかまり、頭を左右にカクカクと振る。周りの葉は飛び散った泥で灰色の斑点模様。マスクの中までほこりっぽいが、トカゲはその場を離れない。

 「何かおるんですか?」

 機動隊員が話し掛けてきた。緊張が続くゲート付近でかれこれ15分、トカゲよろしく地面にへばりついているのだ。目につくのも無理はない。

 「トカゲがいますよ」

 指さした先を隊員がのぞき込む。

 「ほんまや!」

 その場の空気が一瞬、和らいだ気がした。

 目の前に来た別の隊員にも知らせてみる。記者に鋭い視線を向けるだけで、トカゲに興味はなさそうだ。

 N1地区の工事が始まった7月以降、多い日には約120台のトラックが行き交う。「ドドドド」。足元で感じる音や振動は、より大きい。耐えかねたのか、トカゲが先に後退する。揺れる草木をかいくぐり、あっという間に見えなくなった。半時間が過ぎていた。

 ヘリパッド建設で足元の動物たちはどうなるのだろうか。高江の森を知るチョウ類研究者の宮城秋乃さん(38)は「はっきりとした影響を人の目で見るのは難しい」と話す。

 森の木が切られ、地表がむき出しになる。直射日光が降り注ぎ、気温が上がる。そこから暖かい風が森に入り込み、湿度を奪う-。宮城さんは「影響が連鎖的に広がる」と説明する。

 オキナワシリケンイモリやリュウキュウヤマガメなど湿度を必要とする多くの動物はすみづらくなり、追いやられた生息地で餌やすみかの競争が激化するという。木や清流に依存する鳥やチョウも同じだ。

 あのオキナワキノボリトカゲの日常を想像する。ヒトに表情があるように、状況によって体の色を変え、朝には体温を上げるために日光浴をする。でも、ヒトのように泣(鳴)くことはできないという。この声なき生き物は環境省の絶滅危惧2種に指定されている。


(4)琉球新報-沖縄振興策「基地次第」 鶴保氏、予算リンクは否定-2016年12月12日 14:22


 鶴保庸介沖縄北方担当相は12日の参院沖縄北方特別委員会で、沖縄県内の米軍基地の返還状況と政府の沖縄振興策に関し「基地がどういう状況になるかで振興策が変化するのは当然だ」と強調した。振興予算の額については「基地問題とリンクしない」と述べた。

 2017年度の振興予算に関しては「繰り越しや不要額が恒常的に生じている事例もある。全く無視して決めるわけにはいかない」と指摘し、項目によって減額もあり得るとの認識を示した。

 沖縄県の米軍北部訓練場の工事反対派に警察官が「土人」と発言した問題を巡っては「発言を容認するものではないが、差別であるかどうかを判断する立場にはない」と重ねて主張した。
(共同通信)


(5)沖縄タイムス-辺野古違法確認訴訟、沖縄県の敗訴確定 埋め立て工事再開へ-2016年12月12日 15:34


 名護市辺野古の新基地建設を巡り、石井啓一国土交通相が翁長雄志知事を訴えた「辺野古違法確認訴訟」で最高裁は12日までに、上告審判決を今月20日午後3時に言い渡すことを決めた。辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しを違法とし、知事が敗訴した福岡高裁那覇支部の判決の見直しに必要な弁論を開かないため、県側敗訴が確定する見通し。今後、知事は今後、埋め立て承認取り消しを撤回する手続きに入る。

 国は早期に埋め立て工事を再開する考え。ただ、国が工事を進めるために必要な設計概要や岩礁破砕の許可申請に対し、県は不許可とすることを検討。埋め立て承認の撤回も視野に入れている。新基地建設を巡る国と県の争いは新たな段階に突入する。

 新基地建設を巡っては、翁長知事が昨年10月に埋め立て承認を取り消し、翌月に国が県を相手とする代執行訴訟を高裁那覇支部に起こした。県側も国に対して抗告訴訟を起こすなどして対抗。3月の和解後で、代執行訴訟などの取り下げと工事の停止が決まった。

 和解後に国と県は「円満解決」に向けて協議したが、「辺野古唯一」を掲げる国と「新基地建設阻止」を訴える県の溝は埋まらず、7月に国が違法確認訴訟を高裁那覇支部に提起した。

 同支部の多見谷寿郎裁判長は9月に「仲井真弘多前知事の判断に瑕疵かしはなく、翁長知事の取り消しは裁量を逸脱しているとした」と判決。知事は「憲法や地方自治法の解釈を誤った判決で、到底受け入れられない」と批判していた。


(6)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>資材積んだ車両32台がゲート内へ-2016年12月12日 13:17


 東村高江周辺の米軍北部訓練場ヘリパッド建設に向け12日、砂利を積んだ20トントレーラー8台と10トンダンプ24台が正午までにN1地区に入った。

 メーンゲート北にあるN1ゲート付近には、工事に反対する市民ら約100人が集まり、道路脇に座って抗議した。メーンゲートへの搬入がなかったことを受け、参加者からは「どのゲートからも工事車両が入れないようにできれば一番いいが、抗議活動がある程度成果を出せたと思う」との声が上がった。

 市民らは「軍事基地いらない」「自然を守ろう」などと声を合わせながら付近を行進し、午前中の集会を終えた。


by asyagi-df-2014 | 2016-12-12 18:59 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人