年金抑制法案が、強行採決される。

 年金制度改革法案は2016年11月25日、衆院厚生労働委員会で、自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決された。
このことについて、朝日新聞は2016年11月26日、次のように報じた。


(1)公的年金の支給額を引き下げる新しいルールを盛り込んだ年金制度改革法案は25日の衆院厚生労働委員会で、自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決された。民進、共産両党は審議継続を求めたが、与党が採決を強行した。政府・与党は同法案の今国会成立に万全を期すため、11月末までの臨時国会の会期を延長する方針だ。今国会では、環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案と関連法案に続く採決強行となった。年金制度改革法案は29日に衆院を通過する見通しだ。
(2)法案に盛り込まれた新ルールでは、これまで賃金が下がっても物価が上がれば年金が据え置かれていたシステムを変え、新たに賃金の下げ幅に連動して支給額も下げる。2021年度から導入する方針だ。また、支給額が上がる場合でも増加額を毎年1%程度ずつ目減りさせる「マクロ経済スライド」のルールも、18年度から強化する。こうした減額ルールを設けるのは、将来の年金水準を維持する狙いがある。
(3)安倍晋三首相は25日の委員会で「いわば将来の年金水準確保法案だ。世代間の公平性が確保され、若い世代が安心して今の高齢者の年金を支えることができる」と説明。野党側は「老後の実態を見ていない。このまま年金を削って年金の役割を果たせるとは思えない」(長妻昭・元厚生労働相)と反発した。採決後、民進党の蓮舫代表は記者団に「首相の思うがままに立法府は動くと勘違いしている。政権のおごり、上から目線が非常に残念だ」と述べた。
(4)一方、現在の会期では参院での審議時間が確保できないことから、自民党の二階俊博幹事長は首相と会談し、会期を延長する方針を確認。政府・与党は12月半ばまで延長する方向で調整に入った。


 また、朝日新聞は、年金改悪の強行採決について次のように記した。


「『私が述べたことを全くご理解頂いていないようであれば、こんな議論を何時間やっても同じですよ』。安倍晋三首相はこの日の委員会で『強行採決は行わないと約束を』と求める野党議員に言い放った。その後、採決は強行された。」

 さらに、その背景について、次のような視点を示した。


(1)背景には、萩生田光一官房副長官の「田舎のプロレス」発言のように、数を持たぬ野党を軽んじ、数で押し切ればいいという自民党内の空気がある。年金問題は国民の生活にとって極めて重要なテーマだが、議論は不十分だった。与党は数を持つ責任ゆえに、野党に対してもっと真摯(しんし)に向き合う必要があったはずだ。
(2)ある自民党国対委員長経験者は「権力は恐れおののき使うもの」と語る。野党のためではない。国会運営でおごりを見せれば、民意という形で自分にはね返ってくると知っているからだ。ところがいまの自民党は数の力にまかせ、野党の背後にもいる多くの国民の存在を忘れているようだ。


 年金は、国の基本政策の基本の一つである。
 その方向性は、筋力を握った政権がどこに視点が向いているのかを端的に示す。
 むごい政権である。


 以下、朝日新聞の引用。









朝日新聞-年金抑制法案、採決強行 自公などで可決 衆院委-2016年11月26日05時00分


 公的年金の支給額を引き下げる新しいルールを盛り込んだ年金制度改革法案は25日の衆院厚生労働委員会で、自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決された。民進、共産両党は審議継続を求めたが、与党が採決を強行した。政府・与党は同法案の今国会成立に万全を期すため、11月末までの臨時国会の会期を延長する方針だ。

 今国会では、環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案と関連法案に続く採決強行となった。年金制度改革法案は29日に衆院を通過する見通しだ。

 法案に盛り込まれた新ルールでは、これまで賃金が下がっても物価が上がれば年金が据え置かれていたシステムを変え、新たに賃金の下げ幅に連動して支給額も下げる。2021年度から導入する方針だ。また、支給額が上がる場合でも増加額を毎年1%程度ずつ目減りさせる「マクロ経済スライド」のルールも、18年度から強化する。

 こうした減額ルールを設けるのは、将来の年金水準を維持する狙いがある。

 安倍晋三首相は25日の委員会で「いわば将来の年金水準確保法案だ。世代間の公平性が確保され、若い世代が安心して今の高齢者の年金を支えることができる」と説明。野党側は「老後の実態を見ていない。このまま年金を削って年金の役割を果たせるとは思えない」(長妻昭・元厚生労働相)と反発した。

 採決後、民進党の蓮舫代表は記者団に「首相の思うがままに立法府は動くと勘違いしている。政権のおごり、上から目線が非常に残念だ」と述べた。

 一方、現在の会期では参院での審議時間が確保できないことから、自民党の二階俊博幹事長は首相と会談し、会期を延長する方針を確認。政府・与党は12月半ばまで延長する方向で調整に入った。(南彰)
 ■<視点>TPPに続き、数の力
 「私が述べたことを全くご理解頂いていないようであれば、こんな議論を何時間やっても同じですよ」

 安倍晋三首相はこの日の委員会で「強行採決は行わないと約束を」と求める野党議員に言い放った。その後、採決は強行された。

 背景には、萩生田光一官房副長官の「田舎のプロレス」発言のように、数を持たぬ野党を軽んじ、数で押し切ればいいという自民党内の空気がある。年金問題は国民の生活にとって極めて重要なテーマだが、議論は不十分だった。与党は数を持つ責任ゆえに、野党に対してもっと真摯(しんし)に向き合う必要があったはずだ。

 ある自民党国対委員長経験者は「権力は恐れおののき使うもの」と語る。野党のためではない。国会運営でおごりを見せれば、民意という形で自分にはね返ってくると知っているからだ。ところがいまの自民党は数の力にまかせ、野党の背後にもいる多くの国民の存在を忘れているようだ。(国会担当キャップ・園田耕司)


by asyagi-df-2014 | 2016-11-28 10:39 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧