「土人」「シナ人」発言を考える。(14)

 大阪府警の機動隊員による「土人」「シナ人」発言を考える。
 「差別する側の意識が変わらないと問題は解決しない」、と識者は評する。
 つまり、差別する側の植民者の自覚がなされるのかどうかだ。
 人種差別撤廃条約に違反する問題なのだ。


 愛媛新聞は2016年10月24日、「沖縄への暴言 潜在する「差別意識」を憂慮する」、とその社説を掲載した。
愛媛新聞は、「まだ20代の隊員から沖縄への露骨な差別の言葉が出たことに驚きと失望を禁じ得ない。」、と始める。
この社説を見る。
 愛媛新聞は、その論調を次のように展開する。


(1)府警は当事者2人をいずれも戒告の懲戒処分としたが、単なる個人的な問題で片付けてはならない。発言は、本土の一部の者が沖縄に向ける差別意識が影響している可能性がある。府警はもちろん、全国の警察組織が警察官への再教育を徹底し、再発防止に努めるべきだ。
(2)「シナ」は中国の古い呼称。戦前、戦中の日本による中国占領期の呼び方と重なり、侮辱的な言葉とされる。「土人」と合わせ、米軍基地問題を巡る沖縄の反対運動をあざけり、沖縄の人たちをののしる言葉として近年、ネット上で頻繁に見かけるようになった。街頭でのヘイトスピーチ(憎悪表現)を繰り返す者たちが在日外国人を侮辱する言葉ともつながる。
(3)隊員2人は日ごろの職務などを通じて、こうした言葉に接していた可能性が否定できない。「差別的な意味や歴史的な意味を持つ言葉とは知らなかった」という釈明は、ヘイトスピーチに目を光らせるべき警察官としても信じがたい。
(4)沖縄は1879年、明治政府の廃藩置県により琉球藩が廃止されて以来、差別的な扱いに苦しめられてきた。1903年には大阪で開かれた内国勧業博覧会で、沖縄の女性2人が朝鮮人やアイヌ民族らとともに見せ物扱いされる「人類館」事件が起きた。先の大戦では本土防衛の「捨て石」とされ、県民の4人に1人が犠牲になった。
(5)隊員たちが沖縄のこうした歴史を知っていれば、「土人」などの言葉を浴びせられた人たちがどれだけ傷つくか、容易に想像できるはずだ。仮に知らなかったのなら、府警が厳しく指導しなければならない。
(6)沖縄に他の都道府県警から多数の機動隊員が送られるようになったのは今年から。反対派とにらみ合う形となり、隊員らの間に、沖縄県民を「反政府」と敵視する風潮が広がっているのではないかと危惧する。
(7)あきれるのは大阪府の松井一郎知事が自身のツイッターに、派遣された機動隊員をねぎらう発言を書き込んだことだ。翁長雄志沖縄県知事から不快感を示された後も、反対行動をする人たちに責任があるかのような主張を重ねている。府警を管理する知事として極めて不適切な態度と言わざるを得ない。発言を撤回するべきだ。


 愛媛新聞は、最後にこのように主張する。


 沖縄県民は選挙を通じて何度も、米軍の基地負担に「ノー」の民意を示している。反対行動は、その思いを踏みにじり工事を強行する政府に対するやむにやまれぬ抗議活動でもある。戦後70年余りを経た今もなお、沖縄に犠牲を強いる政府こそが態度を改めなければならない。


 確かに。
 愛媛新聞は、まっとうである。
 「戦後70年余りを経た今もなお、沖縄に犠牲を強いる政府こそが態度を改めなければならない。」、との愛媛新聞の論調こそが、正しい。


 以下、愛媛新聞の引用。








愛媛新聞社説-沖縄への暴言 潜在する「差別意識」を憂慮する-2016年10月24日(月)




 沖縄県の米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設工事を巡り、大阪府警から派遣された機動隊員2人が反対派の人たちに向かって「土人」「シナ人」という暴言を吐いた。まだ20代の隊員から沖縄への露骨な差別の言葉が出たことに驚きと失望を禁じ得ない。

 府警は当事者2人をいずれも戒告の懲戒処分としたが、単なる個人的な問題で片付けてはならない。発言は、本土の一部の者が沖縄に向ける差別意識が影響している可能性がある。府警はもちろん、全国の警察組織が警察官への再教育を徹底し、再発防止に努めるべきだ。

 「シナ」は中国の古い呼称。戦前、戦中の日本による中国占領期の呼び方と重なり、侮辱的な言葉とされる。「土人」と合わせ、米軍基地問題を巡る沖縄の反対運動をあざけり、沖縄の人たちをののしる言葉として近年、ネット上で頻繁に見かけるようになった。街頭でのヘイトスピーチ(憎悪表現)を繰り返す者たちが在日外国人を侮辱する言葉ともつながる。

 隊員2人は日ごろの職務などを通じて、こうした言葉に接していた可能性が否定できない。「差別的な意味や歴史的な意味を持つ言葉とは知らなかった」という釈明は、ヘイトスピーチに目を光らせるべき警察官としても信じがたい。

 沖縄は1879年、明治政府の廃藩置県により琉球藩が廃止されて以来、差別的な扱いに苦しめられてきた。1903年には大阪で開かれた内国勧業博覧会で、沖縄の女性2人が朝鮮人やアイヌ民族らとともに見せ物扱いされる「人類館」事件が起きた。先の大戦では本土防衛の「捨て石」とされ、県民の4人に1人が犠牲になった。

 隊員たちが沖縄のこうした歴史を知っていれば、「土人」などの言葉を浴びせられた人たちがどれだけ傷つくか、容易に想像できるはずだ。仮に知らなかったのなら、府警が厳しく指導しなければならない。

 沖縄に他の都道府県警から多数の機動隊員が送られるようになったのは今年から。反対派とにらみ合う形となり、隊員らの間に、沖縄県民を「反政府」と敵視する風潮が広がっているのではないかと危惧する。

 あきれるのは大阪府の松井一郎知事が自身のツイッターに、派遣された機動隊員をねぎらう発言を書き込んだことだ。翁長雄志沖縄県知事から不快感を示された後も、反対行動をする人たちに責任があるかのような主張を重ねている。府警を管理する知事として極めて不適切な態度と言わざるを得ない。発言を撤回するべきだ。

 沖縄県民は選挙を通じて何度も、米軍の基地負担に「ノー」の民意を示している。反対行動は、その思いを踏みにじり工事を強行する政府に対するやむにやまれぬ抗議活動でもある。戦後70年余りを経た今もなお、沖縄に犠牲を強いる政府こそが態度を改めなければならない。


by asyagi-df-2014 | 2016-11-04 12:01 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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