「土人」「シナ人」発言を考える。(8)

 大阪府警の機動隊員による「土人」「シナ人」発言を考える。
 「差別する側の意識が変わらないと問題は解決しない」、と識者は評する。
 つまり、差別する側の植民者の自覚がなされるのかどうかだ。
 人種差別撤廃条約に違反する問題なのだ。


 高知新聞は、2016年10月22日、その社説で「【機動隊員の暴言】沖縄の心を踏みにじった」、と論評した。
 高知新聞は、「驚くほどの差別発言だ。」、とこの問題への批判を次のように展開する。


(1)機動隊員は全国から派遣されている。米軍基地問題や歴史など、沖縄に関する基本的な教育はなされただろうか。不偏不党、公正中立などを定めた警察法を厳守するよう徹底はされていたか。こうした若い隊員による暴言の要因は何だろう。なぜ、差別意識むき出しのひどい言葉が出るのか。そこを考えておく必要がある。

(2)隊員による差別発言の源には、沖縄を軽視するような政府の姿勢がありはしないか。
 明治政府が日本に強制的に統合した「琉球処分」など、沖縄には差別的な言動に苦しんだ記憶が残る。2015年4月28日付の高知新聞の特集「秋(とき)のしずく」は、約70年前に同僚から「琉球の土人」と聞いた沖縄の女性の悔しさを紹介している。心に突き刺さる忘れられない言葉なのだ。

(3)最も問われるべきは、地元が反対しているにもかかわらず、ヘリパッド建設を力ずくで推し進める政府の姿勢だ。1人の警察官による暴言だと安易に片付けることなく、誠実に対応してもらいたい。


 高知新聞は、自らの内省として、自らの記事から歴史を顧みている。
 だからこそ、「最も問われるべきは、地元が反対しているにもかかわらず、ヘリパッド建設を力ずくで推し進める政府の姿勢だ。」、と見通すのだ。


 以下、高知新聞の引用。








高知新聞社説-【機動隊員の暴言】沖縄の心を踏みにじった-2016年10月22日


 驚くほどの差別発言だ。
 沖縄県の米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設に反対する人々に、大阪府警から派遣され現場警備に当たっていた20代の機動隊員が「土人」と暴言を吐いた。公務員の言葉とは思えない。
 菅官房長官は記者会見で、「不適切な発言で大変残念だ。許すまじきことだ」と不快感を示している。
 別の隊員が「黙れ、こら、シナ人」と発言する映像も動画投稿サイトにある。
 大阪府警は、2人をいずれも戒告の懲戒処分とした。
 ヘリパッドでは、運用が予定されている米軍の新型輸送機オスプレイの騒音や事故を心配する住民らが反対し、抗議活動を続けている。警察は警備を強化しており、双方の衝突が激しさを増している。
 当時はフェンスを挟んで双方が向き合っていた。当の隊員も興奮していたはずだ。だからといって、とっさに口から出る言葉ではなかろう。
 機動隊員は全国から派遣されている。米軍基地問題や歴史など、沖縄に関する基本的な教育はなされただろうか。不偏不党、公正中立などを定めた警察法を厳守するよう徹底はされていたか。
 こうした若い隊員による暴言の要因は何だろう。なぜ、差別意識むき出しのひどい言葉が出るのか。そこを考えておく必要がある。
 ヘリパッド建設現場では8月に、取材中だった琉球新報と沖縄タイムスの両地元紙記者が、機動隊員によって住民らと一緒に強制排除されたばかりである。
 これについて沖縄選出の衆院議員が「報道の自由を侵害し、極めて悪質」とする質問趣意書を出した。ところが、政府は問題はなかったとする答弁書を決めて送付した。憲法が定めた表現の自由も顧みず「指摘は当たらない」と一蹴した。
 基地負担の軽減を求める民意に向き合わず、政府は普天間飛行場の辺野古移設を進める姿勢を崩さない。沖縄担当相は、自民党議員の選挙勝利と振興予算を関連付け、アメとムチを思わせる発言をする。
 隊員による差別発言の源には、沖縄を軽視するような政府の姿勢がありはしないか。
 明治政府が日本に強制的に統合した「琉球処分」など、沖縄には差別的な言動に苦しんだ記憶が残る。
 2015年4月28日付の高知新聞の特集「秋(とき)のしずく」は、約70年前に同僚から「琉球の土人」と聞いた沖縄の女性の悔しさを紹介している。心に突き刺さる忘れられない言葉なのだ。
 松井大阪府知事は暴言について記者団に「表現は悪かったし、反省すべきだ」と述べたものの、擁護するかのような発言もした。深刻に受け止めている様子はうかがえない。
 最も問われるべきは、地元が反対しているにもかかわらず、ヘリパッド建設を力ずくで推し進める政府の姿勢だ。1人の警察官による暴言だと安易に片付けることなく、誠実に対応してもらいたい。


by asyagi-df-2014 | 2016-10-29 11:58 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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