「土人」「シナ人」発言を考える。(7)

 大阪府警の機動隊員による「土人」「シナ人」発言を考える。
 「差別する側の意識が変わらないと問題は解決しない」、と識者は評する。
 つまり、差別する側の植民者の自覚がなされるのかどうかだ。
 人種差別撤廃条約に違反する問題なのだ。


 北海道新聞は、2016年10月22日の社説で「沖縄侮辱発言 差別構造が底流にある」、と論評した。
その主張は、次のものである。


(1)翁長雄志(おながたけし)知事は隊員を管理する沖縄県警の本部長に「言語道断」と抗議した。本部長は謝罪したが、問題を若い隊員のお粗末な言動として片付けてはならない。米軍基地の負担を沖縄に押しつけようとする政府の姿勢や、社会のある部分に潜む沖縄への差別や偏見が底流にあるとみるべきだ。

(2)暴言は反対派と隊員が対峙(たいじ)する混乱の中で出たが、公権力を行使する警察官ならなおさら、絶対口にしてはならない言葉だ。

(3)太平洋戦争で本土を守る「捨て石」にされた沖縄は戦後も長く米軍の統治下に置かれ、土地を奪われて基地が造られた。いまも過重な基地負担に苦しむ沖縄の現状は「構造的差別」と指摘され、翁長氏は「魂の飢餓感がある」と県民の心情を代弁する。ところがどうだ。普天間飛行場の名護市辺野古への移設には県民の反対の意思が選挙で何度も示されているにもかかわらず、政府は強引に進めようとしている。北部訓練場でも、完成した2カ所のヘリパッドで新型輸送機オスプレイの騒音被害が深刻だ。「負担軽減」をうたいながら、安全保障のためには新たな痛みにも耐えよと言わんばかりに沖縄を見下す政府の姿勢が、現場の警察官にも影響を与えていないか。

(4)2013年1月、那覇市長時代の翁長氏も参加し東京で行ったオスプレイ反対デモには、沿道から「売国奴」「中国のスパイ」などと屈辱的な言葉が飛んだという。沖縄への無理解、無知を象徴する出来事だ。沖縄の歴史や基地問題を正確に知る必要がある。そうでないと、差別と偏見に満ちた暴言が繰り返されかねない。


 北海道新聞は、「私たちの社会も問われている。」、とする。
 いや、私たちの社会が、問われているのだ。


 以下、北海道新聞の引用。







北海道新聞社説-沖縄侮辱発言 差別構造が底流にある-2016年10月22日


 沖縄県の米軍北部訓練場にヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)を建設する工事の警備に当たっていた大阪府警派遣の機動隊員2人が、工事反対の人たちに「土人」「シナ人」と暴言を浴びせた。

 翁長雄志(おながたけし)知事は隊員を管理する沖縄県警の本部長に「言語道断」と抗議した。本部長は謝罪したが、問題を若い隊員のお粗末な言動として片付けてはならない。

 米軍基地の負担を沖縄に押しつけようとする政府の姿勢や、社会のある部分に潜む沖縄への差別や偏見が底流にあるとみるべきだ。

 松井一郎大阪府知事は「表現が不適切だとしても、一生懸命職務を遂行しているのが分かった」などと隊員を擁護するかのような発言をツイッターに投稿した。

 本来なら隊員を注意すべき要職にありながら、沖縄の置かれた状況に鈍感なあきれた発言だ。

 北部訓練場は総面積の半分の約4千ヘクタールが12月に返還される予定で、返還条件として6カ所のヘリパッド建設が進められている。

 だが工事現場では建設反対の抗議活動が続き、警視庁など全国から機動隊が動員されている。

 暴言は反対派と隊員が対峙(たいじ)する混乱の中で出たが、公権力を行使する警察官ならなおさら、絶対口にしてはならない言葉だ。

 太平洋戦争で本土を守る「捨て石」にされた沖縄は戦後も長く米軍の統治下に置かれ、土地を奪われて基地が造られた。

 いまも過重な基地負担に苦しむ沖縄の現状は「構造的差別」と指摘され、翁長氏は「魂の飢餓感がある」と県民の心情を代弁する。

 ところがどうだ。普天間飛行場の名護市辺野古への移設には県民の反対の意思が選挙で何度も示されているにもかかわらず、政府は強引に進めようとしている。

 北部訓練場でも、完成した2カ所のヘリパッドで新型輸送機オスプレイの騒音被害が深刻だ。

 「負担軽減」をうたいながら、安全保障のためには新たな痛みにも耐えよと言わんばかりに沖縄を見下す政府の姿勢が、現場の警察官にも影響を与えていないか。

 私たちの社会も問われている。

 2013年1月、那覇市長時代の翁長氏も参加し東京で行ったオスプレイ反対デモには、沿道から「売国奴」「中国のスパイ」などと屈辱的な言葉が飛んだという。

 沖縄への無理解、無知を象徴する出来事だ。沖縄の歴史や基地問題を正確に知る必要がある。そうでないと、差別と偏見に満ちた暴言が繰り返されかねない。


by asyagi-df-2014 | 2016-10-28 17:27 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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