労働問題-京労働局と三田労働基準監督署は、労働基準法違反の疑いで広告大手、電通の本社に立ち入り調査に入った。

 朝日新聞は2016年10月14日、「電通、労基法違反容疑で立件視野 本支社一斉抜き打ち」、と報じた。
 この事件について、「女性新入社員(当時24)が過労自殺し、労災認定されたことを受けた抜き打ちの調査だった。違法な長時間労働が全社的に常態化していた疑いがあるとみて、刑事事件としての立件を視野に調べを進める。」、と朝日新聞は伝えている。
また、この事件について、朝日新聞は、2016年10月8日に、次のように伝えていた。


(1)広告大手の電通に勤務していた女性新入社員(当時24)が昨年末に自殺したのは、長時間の過重労働が原因だったとして労災が認められた。遺族と代理人弁護士が7日、記者会見して明らかにした。電通では1991年にも入社2年目の男性社員が長時間労働が原因で自殺し、遺族が起こした裁判で最高裁が会社側の責任を認定。過労自殺で会社の責任を認める司法判断の流れをつくった。その電通で、若手社員の過労自殺が繰り返された。
(2)亡くなったのは、入社1年目だった高橋まつりさん。三田労働基準監督署(東京)が労災認定した。認定は9月30日付。高橋さんは東大文学部を卒業後、昨年4月に電通に入社。インターネット広告を担当するデジタル・アカウント部に配属された。代理人弁護士によると、10月以降に業務が大幅に増え、労基署が認定した高橋さんの1カ月(10月9日~11月7日)の時間外労働は約105時間にのぼった。
(3)高橋さんは昨年12月25日、住んでいた都内の電通の女子寮で自殺。その前から、SNSで「死にたい」などのメッセージを同僚・友人らに送っていた。三田労基署は「仕事量が著しく増加し、時間外労働も大幅に増える状況になった」と認定し、心理的負荷による精神障害で過労自殺に至ったと結論づけた。
(4)電通は先月、インターネット広告業務で不正な取引があり、広告主に代金の過大請求を繰り返していたと発表した。担当部署が恒常的な人手不足に陥っていたと説明し、「現場を理解して人員配置すべきだった」として経営に責任があるとしていた。高橋さんが所属していたのも、ネット広告業務を扱う部署だった。
(5)電通は00年の最高裁判決以降、社員の出退勤時間の管理を徹底するなどとしていたが、過労自殺の再発を防げなかった。代理人弁護士によると、電通は労基署に届け出た時間外労働の上限を超えないように、「勤務状況報告書」を作成するよう社員に指導していたという。電通は「社員の自殺については厳粛に受け止めている。労災認定については内容を把握していないので、コメントは差し控える」としている。


 さらに、高橋さんの家族の記者会見の様子について次のように伝えた。


(1)広告大手、電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が、過労自殺だったとして労災認定された。母親の幸美さん(53)は7日、厚生労働省で記者会見し、「労災認定されても娘は戻ってこない。いのちより大切な仕事はありません。過労死を繰り返さないで」と訴えた。
(2)遺族側の代理人弁護士によると、高橋さんが配属されたのはインターネット広告を担当する部署だった。自動車保険などの広告を担当し、クライアント企業の広告データの集計・分析、リポートの作成などが主な業務だったという。業務が大幅に増えたのは、試用期間が終わり、本採用になった昨年10月以降。部署の人数が14人から6人に減ったうえ、担当する企業が増えた。月100時間を超える時間外労働をこなしたこともあり、高橋さんは精神障害による労災認定の基準の一つを超えたと判断された。
(3)電通では、社内の飲み会の準備をする幹事業務も新入社員に担当させており、「接待やプレゼンテーションの企画・立案・実行を実践する重要な訓練の場」と位置づけている。飲み会の後には「反省会」が開かれ、深夜まで先輩社員から細かい指導を受けていた。上司から「君の残業時間は会社にとって無駄」「髪がボサボサ、目が充血したまま出勤するな」「女子力がない」などと注意もされていたという。
(4)「本気で死んでしまいたい」「寝たい以外の感情を失った」「こんなストレスフルな毎日を乗り越えた先に何が残るんだろうか」。高橋さんはSNSなどで友人や母親に、仕事のつらさを打ち明けていた。心配した幸美さんが電話すると、まつりさんは「転職するか休職するか、自分で決断する」と答えた。11月には上司に仕事を減らしてもらうよう頼んでいた。幸美さんは「自分で解決してくれる」と娘を信じた。昨年12月25日朝、まつりさんから幸美さんに「今までありがとう」とメールが来た。幸美さんが電話で「死んではだめ」と呼びかけると、まつりさんは「うん」と答えた。それが、最後のやりとりになった。


 あわせて、朝日新聞は、過労死に関して次のように報じている。


(1)電通では1991年にも入社2年目の社員(当時24)が自殺。電通は当時、会社としての責任を認めなかったが、00年3月の最高裁判決は「会社は過労で社員が心身の健康を損なわないようにする責任がある」と認定。過労自殺で会社の責任を認める司法判断の流れをつくった。電通はその後、遺族と和解。責任を認めて再発防止を誓った。この裁判を担当したのが、高橋さん側の代理人を務めている川人博弁護士だ。川人氏は7日の会見で、労働時間の把握がずさんだったり、上司の安全配慮に対する意識が十分でなかったりした可能性を指摘。「企業責任は重大。抜本的な企業体質の改善が必要だ」と強調した。
(2)「過労死・過労自殺のない社会をつくりたい」という遺族の願いから生まれた過労死等防止対策推進法が2年前に施行され、7日には初の「過労死等防止対策白書」が閣議決定された。しかし、過労死・過労自殺は後を絶たない。最近は高橋さんのような若い世代が、心の病で自ら命を絶つケースが目立つ。
(3)08年6月にはワタミグループの居酒屋で働く新入社員が自殺。月141時間の時間外労働があったとして、労災認定された。遺族が会社の法的責任を追及して提訴し、15年12月には会社や創業者の渡辺美樹氏(現自民党参院議員)が法的責任を認めている。


 朝日新聞は、川人博弁護士の「企業責任は重大。抜本的な企業体質の改善が必要だ」、「防止法の成立後も、職場の深刻な実態が続いている。国と企業が過労死防止に全力で取り組むよう心より訴えたい」、との言葉で日本の過労死の現状を警告している。


 以下、朝日新聞の引用。








朝日新聞-電通、労基法違反容疑で立件視野 本支社一斉抜き打ち-2016年10月14日20時16分


東京労働局と三田労働基準監督署は14日、労働基準法違反の疑いで広告大手、電通の本社(東京都港区)に立ち入り調査に入った。女性新入社員(当時24)が過労自殺し、労災認定されたことを受けた抜き打ちの調査だった。違法な長時間労働が全社的に常態化していた疑いがあるとみて、刑事事件としての立件を視野に調べを進める。

 午後1時、黄色の腕章を着けた労働基準監督官ら8人が東京・汐留の本社ビルに入った。長時間労働の調査を専門的に手がける「過重労働撲滅特別対策班」のメンバーが含まれ、労務管理の資料の確認や人事担当者への聞き取りなどをして、勤務時間の管理体制を中心に調べたという。今後も断続的に立ち入りや聞き取りを続ける方針。関西(大阪市)、京都(京都市)、中部(名古屋市)の3支社にも各地の労働局が同日までに調査に入った。「同時期に本社と支社を一斉に調査するのは異例」(厚生労働省の関係者)という。

 入社1年目だった高橋まつりさんが昨年末に都内の女子寮で自殺し、三田労基署が先月30日に労災認定した。高橋さんの1カ月(昨年10月9日~11月7日)の時間外労働は約105時間と認定された。遺族側の代理人弁護士によると、電通が労基署に届け出た上限の時間を大幅に超えており、東京労働局は労基法違反にあたるとみている。

 電通コーポレート・コミュニケーション室は「全面的に調査に協力している」とのコメントを出した。(千葉卓朗)


朝日新聞-「死んでしまいたい」 過労自殺の電通社員、悲痛な叫び-2016年10月8日00時15分


 広告大手、電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が、過労自殺だったとして労災認定された。母親の幸美さん(53)は7日、厚生労働省で記者会見し、「労災認定されても娘は戻ってこない。いのちより大切な仕事はありません。過労死を繰り返さないで」と訴えた。

 遺族側の代理人弁護士によると、高橋さんが配属されたのはインターネット広告を担当する部署だった。自動車保険などの広告を担当し、クライアント企業の広告データの集計・分析、リポートの作成などが主な業務だったという。

 業務が大幅に増えたのは、試用期間が終わり、本採用になった昨年10月以降。部署の人数が14人から6人に減ったうえ、担当する企業が増えた。月100時間を超える時間外労働をこなしたこともあり、高橋さんは精神障害による労災認定の基準の一つを超えたと判断された。

 電通では、社内の飲み会の準備をする幹事業務も新入社員に担当させており、「接待やプレゼンテーションの企画・立案・実行を実践する重要な訓練の場」と位置づけている。飲み会の後には「反省会」が開かれ、深夜まで先輩社員から細かい指導を受けていた。上司から「君の残業時間は会社にとって無駄」「髪がボサボサ、目が充血したまま出勤するな」「女子力がない」などと注意もされていたという。

 ログイン前の続き「本気で死んでしまいたい」「寝たい以外の感情を失った」「こんなストレスフルな毎日を乗り越えた先に何が残るんだろうか」。高橋さんはSNSなどで友人や母親に、仕事のつらさを打ち明けていた。

 心配した幸美さんが電話すると、まつりさんは「転職するか休職するか、自分で決断する」と答えた。11月には上司に仕事を減らしてもらうよう頼んでいた。幸美さんは「自分で解決してくれる」と娘を信じた。

 昨年12月25日朝、まつりさんから幸美さんに「今までありがとう」とメールが来た。幸美さんが電話で「死んではだめ」と呼びかけると、まつりさんは「うん」と答えた。それが、最後のやりとりになった。
■電通、再発防止を誓うも…
 電通では1991年にも入社2年目の社員(当時24)が自殺。電通は当時、会社としての責任を認めなかったが、00年3月の最高裁判決は「会社は過労で社員が心身の健康を損なわないようにする責任がある」と認定。過労自殺で会社の責任を認める司法判断の流れをつくった。電通はその後、遺族と和解。責任を認めて再発防止を誓った。

 この裁判を担当したのが、高橋さん側の代理人を務めている川人博弁護士だ。川人氏は7日の会見で、労働時間の把握がずさんだったり、上司の安全配慮に対する意識が十分でなかったりした可能性を指摘。「企業責任は重大。抜本的な企業体質の改善が必要だ」と強調した。

 「過労死・過労自殺のない社会をつくりたい」という遺族の願いから生まれた過労死等防止対策推進法が2年前に施行され、7日には初の「過労死等防止対策白書」が閣議決定された。

 しかし、過労死・過労自殺は後を絶たない。最近は高橋さんのような若い世代が、心の病で自ら命を絶つケースが目立つ。

 08年6月にはワタミグループの居酒屋で働く新入社員が自殺。月141時間の時間外労働があったとして、労災認定された。遺族が会社の法的責任を追及して提訴し、15年12月には会社や創業者の渡辺美樹氏(現自民党参院議員)が法的責任を認めている。

 川人氏は「防止法の成立後も、職場の深刻な実態が続いている。国と企業が過労死防止に全力で取り組むよう心より訴えたい」と話した。(千葉卓朗、編集委員・沢路毅彦)


朝日新聞-電通の女性新入社員自殺、労災と認定 残業月105時間-2016年10月8日08時43分


 広告大手の電通に勤務していた女性新入社員(当時24)が昨年末に自殺したのは、長時間の過重労働が原因だったとして労災が認められた。遺族と代理人弁護士が7日、記者会見して明らかにした。電通では1991年にも入社2年目の男性社員が長時間労働が原因で自殺し、遺族が起こした裁判で最高裁が会社側の責任を認定。過労自殺で会社の責任を認める司法判断の流れをつくった。その電通で、若手社員の過労自殺が繰り返された。

 亡くなったのは、入社1年目だった高橋まつりさん。三田労働基準監督署(東京)が労災認定した。認定は9月30日付。

 高橋さんは東大文学部を卒業後、昨年4月に電通に入社。インターネット広告を担当するデジタル・アカウント部に配属された。代理人弁護士によると、10月以降に業務が大幅に増え、労基署が認定した高橋さんの1カ月(10月9日~11月7日)の時間外労働は約105時間にのぼった。

 高橋さんは昨年12月25日、住んでいた都内の電通の女子寮で自殺。その前から、SNSで「死にたい」などのメッセージを同僚・友人らに送っていた。三田労基署は「仕事量が著しく増加し、時間外労働も大幅に増える状況になった」と認定し、心理的負荷による精神障害で過労自殺に至ったと結論づけた。

 電通は先月、インターネット広告業務で不正な取引があり、広告主に代金の過大請求を繰り返していたと発表した。担当部署が恒常的な人手不足に陥っていたと説明し、「現場を理解して人員配置すべきだった」として経営に責任があるとしていた。高橋さんが所属していたのも、ネット広告業務を扱う部署だった。

 電通は00年の最高裁判決以降、社員の出退勤時間の管理を徹底するなどとしていたが、過労自殺の再発を防げなかった。代理人弁護士によると、電通は労基署に届け出た時間外労働の上限を超えないように、「勤務状況報告書」を作成するよう社員に指導していたという。電通は「社員の自殺については厳粛に受け止めている。労災認定については内容を把握していないので、コメントは差し控える」としている。(千葉卓朗)


by asyagi-df-2014 | 2016-10-21 07:11 | 書くことから-労働 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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