「どこつかんどんじゃ。土人が」

 2016年10月18日、機動隊員は、抗議する市民に対し、「どこつかんどんじゃ。土人が」
、と吐き捨てた。
 このことについて、琉球新報はその社説で、「高江の警察活動 『二重基準』を疑わせる」、沖縄タイムスは「記者の視点」で、「『土人』発言、歴史に刻まれる暴言 警察は県民に謝罪を」、と記者の生の声で批判した。


琉球新報派、まず最初に、現場で活動する警察官、県警幹部に、「警察法を読み返してほしい。」、と投げかける。
 その警察法第3条には、「警察の職務を行うすべての職員は日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且(か)つ公平中正にその職務を遂行する旨の宣誓を行う」、とあるよと。
 琉球新報は、次に、「現状を見る限り、北部訓練場周辺では警察官としての初心を忘れたとしか思えない警察活動が続く。」、と次の事実を指摘する。


(1)工事に必要な砂利を運搬するダンプカーに道路車両運送法違反の不正改造などが疑われるとして、沖縄総合事務局陸運事務所は、市民からの資料提供を受け、業者に実態を確認する予定だ。現場にいる警察官は、不正改造が疑われる車が目前を通過したのに、なぜ注意や指導をしなかったのか。
(2)抗議の市民らはブレーキランプ故障などわずかな整備不良でも注意されるという。目視だけで注意できるのであれば、ダンプカーにも同様に対処すべきであろう。市民から恣意(しい)的とみられかねない取り締まりは慎むべきだ。
(3)一方、名護署は抗議活動の中心人物である沖縄平和運動センターの山城博治議長を器物損壊容疑で逮捕した。提供施設と工事現場を隔てる有刺鉄線を切断したというのが逮捕容疑だ。この問題に対し、抗議活動の市民らは「抗議活動の中心人物を狙った」「運動を萎縮させる目的」などと批判している。


 琉球新報は、こうした事実の基に、現行のあり方が、「工事を推進するためなら多少の不都合は見過ごしても、抗議する市民の側は徹底的に取り締まるという二重基準がありはしないか。これまでにも工事車両を警察車両が先導したり、工事車両の荷台に警察官を乗せて運んだりする例もあった。『不偏不党、公平中正』の理念を疑わせる。」、と批判する。
 そして、「政府が沖縄の声に耳を傾けず、工事を強行することへの憤りが、訓練場内での阻止行動に市民を駆り立てている一面もある。警察は公平中正に市民と向き合ってもらいたい。」、と。


沖縄タイムスは、今回の「土人」発言について、「警察官による『土人』発言は歴史的暴言である。警察は発言者を特定、処分し、その結果を発表しなければならない。ビデオがインターネットで公開されている。すぐにできるだろう。」とし、「市民らは発言者が大阪府警の機動隊員だとしている。事実なら府警本部長が沖縄に来て、受け入れた沖縄県警本部長と並んで県民に謝罪する必要がある。逆に警察がきちんと対処しない場合、それはこの暴言を組織として容認することを示す。若い機動隊員を現場に投入する前に、『相手は土人だ。何を言っても、やっても構わない』と指導しているのだろうか。」、と怒りをもって続ける。
 また、この暴言の意味を次のように指摘する。


「この暴言が歴史的だと言う時には二つの意味がある。まず琉球処分以来、本土の人間に脈々と受け継がれる沖縄差別が露呈した。そしてもう一つ、この暴言は歴史の節目として長く記憶に刻まれるだろう。琉球処分時の軍隊、警察とほぼ同じ全国500人の機動隊を投入した事実を象徴するものとして。」


 沖縄タイムスは、阿部岳記者の次の言葉で安倍晋三政権並びに日本国民に問いかける。


「ヘリパッドを完成させ、米軍に差し出すことはできるかもしれない。政府は引き換えに、県民の深い絶望に直面するだろう。取り返しはつくのだろうか。」


 「軍事植民地主義」、「構造的沖縄差別」、という言葉だけではなく、「沖縄県民の深い絶望」がそこにはある。


 以下、琉球新報、沖縄タイムスの引用。








(1)琉球新報社説-高江の警察活動 「二重基準」を疑わせる-2016年10月19日 06:02


 米軍北部訓練場の返還に伴う新たなヘリコプター着陸帯工事に関し、現場で活動する警察官、県警幹部に警察法を読み返してほしい。

 警察法3条にはこう書かれている。「警察の職務を行うすべての職員は日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且(か)つ公平中正にその職務を遂行する旨の宣誓を行う」
 現状を見る限り、北部訓練場周辺では警察官としての初心を忘れたとしか思えない警察活動が続く。
 工事に必要な砂利を運搬するダンプカーに道路車両運送法違反の不正改造などが疑われるとして、沖縄総合事務局陸運事務所は、市民からの資料提供を受け、業者に実態を確認する予定だ。
 現場にいる警察官は、不正改造が疑われる車が目前を通過したのに、なぜ注意や指導をしなかったのか。
 抗議の市民らはブレーキランプ故障などわずかな整備不良でも注意されるという。目視だけで注意できるのであれば、ダンプカーにも同様に対処すべきであろう。市民から恣意(しい)的とみられかねない取り締まりは慎むべきだ。
 一方、名護署は抗議活動の中心人物である沖縄平和運動センターの山城博治議長を器物損壊容疑で逮捕した。提供施設と工事現場を隔てる有刺鉄線を切断したというのが逮捕容疑だ。この問題に対し、抗議活動の市民らは「抗議活動の中心人物を狙った」「運動を萎縮させる目的」などと批判している。
 工事を推進するためなら多少の不都合は見過ごしても、抗議する市民の側は徹底的に取り締まるという二重基準がありはしないか。これまでにも工事車両を警察車両が先導したり、工事車両の荷台に警察官を乗せて運んだりする例もあった。「不偏不党、公平中正」の理念を疑わせる。
 着陸帯建設に対しては、大宜味村議会や県議会などが工事中止を求める意見書を可決し、地元の東村は、集落近くに新設されたN4地区の着陸帯使用禁止を求める意見書と抗議決議を可決している。
 各議会に共通するのは、高江区や県民の反対を押し切って着陸帯建設が強行されることへの憤りだ。
 政府が沖縄の声に耳を傾けず、工事を強行することへの憤りが、訓練場内での阻止行動に市民を駆り立てている一面もある。警察は公平中正に市民と向き合ってもらいたい。


(2)沖縄タイムス-「土人」発言、歴史に刻まれる暴言 警察は県民に謝罪を 【記者の視点】-2016年10月19日 07:10


 警察官による「土人」発言は歴史的暴言である。警察は発言者を特定、処分し、その結果を発表しなければならない。ビデオがインターネットで公開されている。すぐにできるだろう。

 市民らは発言者が大阪府警の機動隊員だとしている。事実なら府警本部長が沖縄に来て、受け入れた沖縄県警本部長と並んで県民に謝罪する必要がある。

 逆に警察がきちんと対処しない場合、それはこの暴言を組織として容認することを示す。若い機動隊員を現場に投入する前に、「相手は土人だ。何を言っても、やっても構わない」と指導しているのだろうか。

 この暴言が歴史的だと言う時には二つの意味がある。まず琉球処分以来、本土の人間に脈々と受け継がれる沖縄差別が露呈した。

 そしてもう一つ、この暴言は歴史の節目として長く記憶に刻まれるだろう。琉球処分時の軍隊、警察とほぼ同じ全国500人の機動隊を投入した事実を象徴するものとして。

 ヘリパッドを完成させ、米軍に差し出すことはできるかもしれない。政府は引き換えに、県民の深い絶望に直面するだろう。取り返しはつくのだろうか。(北部報道部・阿部岳)


by asyagi-df-2014 | 2016-10-20 09:11 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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