沖縄の基地負担軽減について、沖縄タイムスで考える。(2)

 沖縄の基地負担軽減について考える。
 沖縄タイムスは、2016年10月1日付けの記事で、「<米軍基地問題>説得力欠く首相の『沖縄の負担軽減』」、と主張した。
 この主張の起点となるものは、「安倍晋三首相は9月26日の所信表明演説でこの北部訓練場に触れた。『(沖縄の)本土復帰後、最大の返還が、0・96ヘクタールのヘリパッド移設で実現が可能となる』。しかし面積だけで語れるのだろうか。沖縄の基地問題は、過去と将来を視野に入れて考察すべきではないか。」、ということである。
まず、この記事の要約をする。
Ⅰ.高江について
(1)沖縄県北部の東村高江は那覇市から車で2時間余り。150人ほどの小さな集落だ。国内最大規模の米軍専用施設「北部訓練場」の部分返還を巡り国と住民の激しい対立が続いている。
(2)日米両政府が総面積約7800ヘクタールのうち約4千ヘクタールの返還で合意したのは20年前。ただ返還区域にあるヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)を米軍側に残す区域に移設する条件付きだった。その後、高江の集落を取り囲む新たなヘリパッドの建設計画や新型輸送機オスプレイの運用が明らかになり、一部住民らが反対の声を上げた。
(3)今年7月の参院選。基地負担軽減を訴える新人が勝利した直後に、日本政府が未完のヘリパッド工事に着手したため反対運動が広がった。これに対して政府は全国から機動隊を投入。搬入ゲート前で抗議する住民を避け、自衛隊ヘリで工事用重機を運搬したのは既に報道されている通りだ。
(4)国の特別天然記念物ノグチゲラなどの希少生物が生息する「やんばる」と呼ばれる森林地帯を、米軍はジャングル戦の演習に使ってきた。ベトナム戦争当時には訓練用の「ベトナム村」が作られ、高江の人々は「標的」の住民役をさせられたという。その集落をオスプレイの騒音が覆う。
Ⅱ.懸念、または不信感
(1)〈高江の〉将来はどうか。米海兵隊が2013年にまとめた「戦略展望2025」は、北部訓練場に関し「約51%の使用不可能な訓練場を日本政府に返還し、限られた土地を最大限に活用する訓練場を新たに開発する」と記す。また米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先として計画される名護市辺野古のキャンプ・シュワブは「ものすごい変化を遂げる」としている。
(2)新たな施設・基地は連動した活用が想定されているだろう。だとすれば沖縄本島の中北部で進むのは機能を強化した米軍施設の整備ではないか。「沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」という所信表明に説得力はない。
(3)この問題で同時に考えさせられるのは、参院選が終わったとたんに動きだした政府の姿勢だ。これは小さな集落だけに向けられた強権発動なのか。それとも全国どこでも起こり得る事態なのか―。


 高江・辺野古で起こっている問題が、「「憲法が定める地方自治の本旨に反し、自治権が侵害されているのは明らか」である以上、「これは小さな集落だけに向けられた強権発動なのか。それとも全国どこでも起こり得る事態なのか―。」、という投げかけに関して言うならば、すぐにでも日本全国で起こりうる問題である。
 この国の政府の政策実態は、例えば「戦略展望2025」を見る時、-「米海兵隊が2013年にまとめた『戦略展望2025』は、北部訓練場に関し『約51%の使用不可能な訓練場を日本政府に返還し、限られた土地を最大限に活用する訓練場を新たに開発する』と記す。また米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先として計画される名護市辺野古のキャンプ・シュワブは『ものすごい変化を遂げる』としている。」-実は、これをなぞっているに過ぎないことがわかる。
 最も、残念なことは、こうした実態が一方では明らかになっているにもかかわらず、「最大の返還が、0・96ヘクタールのヘリパッド移設で実現が可能となる」、と言ってはばからない輩が、この国の首相になっているという事実である。


 以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス-<米軍基地問題>説得力欠く首相の「沖縄の負担軽減」【深掘り】-2016年10月1日 16:46



 沖縄県北部の東村高江は那覇市から車で2時間余り。150人ほどの小さな集落だ。国内最大規模の米軍専用施設「北部訓練場」の部分返還を巡り国と住民の激しい対立が続いている。

 日米両政府が総面積約7800ヘクタールのうち約4千ヘクタールの返還で合意したのは20年前。ただ返還区域にあるヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)を米軍側に残す区域に移設する条件付きだった。

 その後、高江の集落を取り囲む新たなヘリパッドの建設計画や新型輸送機オスプレイの運用が明らかになり、一部住民らが反対の声を上げた。

 今年7月の参院選。基地負担軽減を訴える新人が勝利した直後に、日本政府が未完のヘリパッド工事に着手したため反対運動が広がった。これに対して政府は全国から機動隊を投入。搬入ゲート前で抗議する住民を避け、自衛隊ヘリで工事用重機を運搬したのは既に報道されている通りだ。

 安倍晋三首相は9月26日の所信表明演説でこの北部訓練場に触れた。「(沖縄の)本土復帰後、最大の返還が、0・96ヘクタールのヘリパッド移設で実現が可能となる」

 しかし面積だけで語れるのだろうか。沖縄の基地問題は、過去と将来を視野に入れて考察すべきではないか。

 国の特別天然記念物ノグチゲラなどの希少生物が生息する「やんばる」と呼ばれる森林地帯を、米軍はジャングル戦の演習に使ってきた。ベトナム戦争当時には訓練用の「ベトナム村」が作られ、高江の人々は「標的」の住民役をさせられたという。その集落をオスプレイの騒音が覆う。

 将来はどうか。米海兵隊が2013年にまとめた「戦略展望2025」は、北部訓練場に関し「約51%の使用不可能な訓練場を日本政府に返還し、限られた土地を最大限に活用する訓練場を新たに開発する」と記す。

 また米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先として計画される名護市辺野古のキャンプ・シュワブは「ものすごい変化を遂げる」としている。

 新たな施設・基地は連動した活用が想定されているだろう。だとすれば沖縄本島の中北部で進むのは機能を強化した米軍施設の整備ではないか。「沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」という所信表明に説得力はない。

 この問題で同時に考えさせられるのは、参院選が終わったとたんに動きだした政府の姿勢だ。これは小さな集落だけに向けられた強権発動なのか。それとも全国どこでも起こり得る事態なのか―。(共同通信編集委員 川上高志)


by asyagi-df-2014 | 2016-10-11 10:33 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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