戦争法案(安保法制)採決から、1年が経過した。

 2016年9月19日、戦争法案(安保法制)採決から、1年が経過した。
 このことの意味を、日本弁護士連合会の「安保法制採決から1年を迎え、改めて安保法制の適用・運用に反対し、廃止を求める会長談話」から考える。
 「会長談話」は、次のように記す。


 まず、安保法制そのものについて、次のように再確認する。


「安保法制が容認した集団的自衛権の行使や後方支援の拡大等は、海外での武力の行使を容認し、又は、武力の行使に至る危険性が高いものであり、日本国憲法前文及び第9条に定める恒久平和主義に反する。また、憲法改正手続を経ずに、閣議決定及び法律の制定によって実質的に憲法を改変するものであり、立憲主義に反する。」


 次に、安保法制採決後のこの1年間について、このようにまとめる。


「安保法制をめぐっては、採決後のこの一年の間も、全国で違憲訴訟が提起されるなど、安保法制が憲法違反であることを訴える市民の活動は続けられている。これに対し、政府は、市民に対する説明を十分に尽くさないまま、安保法制の適用・運用に向けた準備を進めており、南スーダンに国連平和維持活動(PKO)の部隊として派遣される自衛隊の交替部隊について、「駆け付け警護」や「宿営地の共同防護」の訓練を始めることを表明している。」


 特に、南ス-ダンの現状と問題について、次のように指摘する。


「南スーダンでは、政府と反政府勢力との間で戦闘が再燃し、JICA職員も避難したと報じられており、PKO参加5原則の一つである『紛争当事者間の停戦合意の成立』が崩れているとの懸念もある中で、『駆け付け警護』等の任務と権限を与えられた自衛隊が派遣されることにより、自衛隊員が殺傷し、あるいは殺傷される危険が現実のものになろうとしている。9月から始まる臨時国会では、政府は南スーダンの情勢やそこでの自衛隊員等へのリスクを丁寧に説明し、その危険性について十分に審議すべきである。」


 日本弁護士連合会は、このような状況を受けて、会としての決意を表明する。


「当連合会は、憲法違反の安保法制に基づく運用が積み重ねられていることは、立憲主義や恒久平和主義に対するより深刻な危機となることから、これに反対するとともに、安保法制の廃止を求めて、引き続き市民とともに取り組む決意を改めて表明する。」


 私たちは、戦争法(安保法制)が、「安保法制が容認した集団的自衛権の行使や後方支援の拡大等は、海外での武力の行使を容認し、又は、武力の行使に至る危険性が高いものであり、日本国憲法前文及び第9条に定める恒久平和主義に反する。また、憲法改正手続を経ずに、閣議決定及び法律の制定によって実質的に憲法を改変するものであり、立憲主義に反する。」、であることを常に確認しつつ、安保法制の廃止を求めて行かなくてはならない。
 特に、南スーダンの状況が、PKO参加5原則の一つである「紛争当事者間の停戦合意の成立」が崩れているなかで、安倍晋三政権が意図する「自衛隊員が殺傷し、あるいは殺傷される危険が現実のものになる」ことを、阻止しなければならない。


以下、日弁連会長談話の引用。








安保法制採決から1年を迎え、改めて安保法制の適用・運用に反対し、廃止を求める会長談話



本日、平和安全法制整備法及び国際平和支援法(以下併せて「安保法制」という。)が採決されてから1年を迎えた。

安保法制が容認した集団的自衛権の行使や後方支援の拡大等は、海外での武力の行使を容認し、又は、武力の行使に至る危険性が高いものであり、日本国憲法前文及び第9条に定める恒久平和主義に反する。また、憲法改正手続を経ずに、閣議決定及び法律の制定によって実質的に憲法を改変するものであり、立憲主義に反する。

安保法制をめぐっては、採決後のこの一年の間も、全国で違憲訴訟が提起されるなど、安保法制が憲法違反であることを訴える市民の活動は続けられている。これに対し、政府は、市民に対する説明を十分に尽くさないまま、安保法制の適用・運用に向けた準備を進めており、南スーダンに国連平和維持活動(PKO)の部隊として派遣される自衛隊の交替部隊について、「駆け付け警護」や「宿営地の共同防護」の訓練を始めることを表明している。

南スーダンでは、政府と反政府勢力との間で戦闘が再燃し、JICA職員も避難したと報じられており、PKO参加5原則の一つである「紛争当事者間の停戦合意の成立」が崩れているとの懸念もある中で、「駆け付け警護」等の任務と権限を与えられた自衛隊が派遣されることにより、自衛隊員が殺傷し、あるいは殺傷される危険が現実のものになろうとしている。9月から始まる臨時国会では、政府は南スーダンの情勢やそこでの自衛隊員等へのリスクを丁寧に説明し、その危険性について十分に審議すべきである。

当連合会は、憲法違反の安保法制に基づく運用が積み重ねられていることは、立憲主義や恒久平和主義に対するより深刻な危機となることから、これに反対するとともに、安保法制の廃止を求めて、引き続き市民とともに取り組む決意を改めて表明する。

 2016年(平成28年)9月19日
                  日本弁護士連合会
                           会長 中本 和洋



by asyagi-df-2014 | 2016-09-23 06:06 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧