本からのもの-戦争に負けないための二〇章

著書名;「戦争に負けないための二〇章」
著作者:池田浩士(文)髙谷光雄(絵)
出版社;共和国


 この本には、独特の思想が流れている。
 なぜなら、表紙の部分に、こう書かれています。


答えを示すことや、何が正しいかを伝えることは、この絵物語の目的ではありません。
状況が急激に動いていくからこそ、いま立ち止まって共に感じ、共に感じること、そして、正しいとされるものも疑い、私たち自身の感性を私たち自身が深め鋭敏にすること、これがますます大切になっています。隠された現実を発見するのは、私たち自身です。
そのための素材の一つでありたいというのが、この一冊に込められた希いです。


 そして、「戦争と向き合うすべての人に。」、と。


 そうでした、この本は、戦争に向き合わざるをえなくなった私たち自身に、「どうやっていくのか」を考えましょう、と呼びかけているのです。
あなた自身の頭で、と。


 まずは、最初に触発されたものがありました。
第三「武勇を尚ぶ」第一二章「それでも一国では国を守ることはできません」では、こう綴られています。


「遠交近攻」という言葉があります。遠くの国と親交を結んでおいて近い国を攻めるということで、戦争のための大原則です。欧州大戦(第一次世界大戦)に日本が参戦したのは、「日英同盟」を結んでいたからですが、はるか遠くの英国との同盟のおかげで、敗戦国となったドイツの植民地、太平洋の南洋群島を日本は獲得しました。この新領土がなければ、のちの大東亜戦争はそもそもありえなかったでしょう。
 現在の日米同盟も、「遠交近攻」のもっとも理想的な一例です。日本の近隣諸国は、いぜれもみな、古い歴史上の日本の行いをいつまでも口実にして、日本の発展を妨げようとしつづけています。日本一国ではとうてい国を守ることはできません。
 遠い同盟国の力を借りようとすれば、同盟国の軍事基地や資材、必要な人員などを日本が提供するのは当然のことですが、日本にとっても負担と損失が小さいように配慮することも当然必要です。日本に植民地があったころなら、この問題は容易に解決できたのですが、それがない現在、植民地に代わる地方の活用こそが唯一最善の道なのです。
 


 この記述に、沖縄の状況-辺野古・高江を始め、与那国・石垣・宮古が抱えさせられている現実-を、見つめることをあらためて始めています。
米軍再編という新たな「口実」は、「植民地に代わる地方の活用こそが唯一最善の道」を必要としている。それは、植民地主義という言葉で表現されるものかもしれない。
もちろんそれは、「日本にとっても負担と損失が小さいように配慮することも当然必要」 、という「本音」の中で。
日本という国は、日本人は、いつまでたっても「遠交近攻」を自らの思惑のなかで、ころがし続けようとしているのか。


 恐らく、この本は、側に置いて眺め、そして思い当たっては手に取ってみる、そんな本なのかもしれない。



by asyagi-df-2014 | 2016-09-21 07:23 | 本等からのもの | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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