大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に無断で隠しカメラを設置していた問題。(3)

 大分県弁護士会は2016年9月7日、大分県別府警察署によるビデオカメラ設置等の問題に関する会長声明を発表した。
この声明では、本件の問題点を次の3点にまとめている。


(1)本件ビデオカメラ設置等行為は、捜査目的のために行われたとのことであるが、他人の管理する敷地内に無断で侵入し、同敷地内にビデオカメラを無断で設置し、撮影するものであり、強制処分に該当することから、原則として令状が必要である(憲法第35条第1項)。それにもかかわらず、令状に基づくことなく本件ビデオカメラ設置等行為をしたことは違憲・違法である。
(2)本件ビデオカメラ設置等行為は、特定の政党の候補を支援する団体が使用する施設に出入りする不特定多数人の顔や行動を撮影し続けるものであるから、肖像権の侵害にとどまらず、思想信条の自由(憲法第19条)、政治活動の自由(憲法第21条第1項)に萎縮効果を与える重大な行為であり、ひいては民主主義の根幹をなす重大な基本的人権の保障を揺るがすものといわなければならない。
(3)本件ビデオカメラ設置等行為は令状主義に違反し、ひいては政治活動の自由等に萎縮効果を与え、民主主義の根幹をなす重大な基本的人権の保障を揺るがすものと考える


 この上で、大分県弁護士会は、次のように主張する。


(1)大分県警察に対し強く抗議する。
(2)本件ビデオカメラを設置した経緯及びその責任の所在を明らかにするため、早急かつ適正な調査を実施し、その調査結果及び再発防止策を公表することを強く求める。


 以下、大分県弁護士会の会長声明の引用。








大分県別府警察署によるビデオカメラ設置等の問題に関する会長声明



1第24回参議院議員通常選挙(平成28年6月22日公示、同年7月10日投開票)の公示日前の平成28年6月18日深夜、大分県別府警察署の署員2名が、特定の政党の候補を支援する団体が使用していた別府市内の別府地区労働福祉会館(以下、「本件会館」という)の敷地内に無許可でビデオカメラ(以下、「本件ビデオカメラ」という)を設置(設置は同月24日まで)し撮影をした(以下、「本件ビデオカメラ設置等行為」という)。この問題について、大分県警察本部は、同年8月26日、本件ビデオカメラ設置等行為が建造物侵入罪に該当する違法行為である上、カメラを設置し、他人の敷地内を撮影するだけの必要性及び相当性は認められないことから、不適正な捜査であったとの調査結果を公表した。
また、本件ビデオカメラを設置した目的については、公職選挙法で選挙運動が禁止されている特定の人物が選挙運動をしているとの情報を受け、証拠を押さえるためであると説明している。
2本件ビデオカメラ設置等行為は、捜査目的のために行われたとのことであるが、他人の管理する敷地内に無断で侵入し、同敷地内にビデオカメラを無断で設置し、撮影するものであり、強制処分に該当することから、原則として令状が必要である(憲法第35条第1項)。それにもかかわらず、令状に基づくことなく本件ビデオカメラ設置等行為をしたことは違憲・違法である。
また、本件ビデオカメラ設置等行為は、特定の政党の候補を支援する団体が使用する施設に出入りする不特定多数人の顔や行動を撮影し続けるものであるから、肖像権の侵害にとどまらず、思想信条の自由(憲法第19条)、政治活動の自由(憲法第21条第1項)に萎縮効果を与える重大な行為であり、ひいては民主主義の根幹をなす重大な基本的人権の保障を揺るがすものといわなければならない。

3以上より、当会としては、本件ビデオカメラ設置等行為は令状主義に違反し、ひいては政治活動の自由等に萎縮効果を与え、民主主義の根幹をなす重大な基本的人権の保障を揺るがすものと考えるため、大分県警察に対し強く抗議するとともに、本件ビデオカメラを設置した経緯及びその責任の所在を明らかにするため、早急かつ適正な調査を実施し、その調査結果及び再発防止策を公表することを強く求める。


2016年(平成28年)9月7日
大分県弁護士会
会長 須賀 陽二


by asyagi-df-2014 | 2016-09-17 06:08 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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