第3次嘉手納爆音訴訟が結審。

 嘉手納町や沖縄市など米軍嘉手納基地周辺の住民約2万2千人が、国に深夜・早朝の米軍機飛行差し止めと損害賠償などを求めた「第3次嘉手納爆音訴訟」が2016年8月25日、那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)で結審した。
判決日は、「追って指定される。」、とされている。
この訴訟の原告について、「2011年4月に提起した3次訴訟の原告2万2千人余は、全国の米軍基地訴訟でも最大規模だ。1982年の1次提訴から34年にわたる住民と国の争い。騒音による心身への影響、墜落の危険との隣り合わせの暮らしが続く中、救済を求める住民は、1次約900人の24倍、2次約5500人の4倍にまで膨れ上がっている。」、と沖縄タイムスは伝えた。
 また、原告団の新川秀清団長の「司法の正義をもって静かな夜と、人間が人間として尊厳されるよう切に願う」、との意見陳述での強い訴えを報じた。
 なお、「第1、2次訴訟ではいずれも、騒音の違法性や過去分の損害賠償を認めたが、差し止め請求は退けている。」。
 沖縄タイムスは、この訴訟の争点を次のように伝えている。


(1)住民側は①午後7時~午前7時まで全ての米軍機の離着陸禁止。エンジン調整音などの騒音を40デシベル以下に制限、②午前7時~午後7時まで、騒音を65デシベル以下に制限③過去、将来分の損害賠償―を求めている。
(2)対して国側は請求を退けるよう求め、全面的に争っている。
(3)提訴は2011年4月。航空機騒音による睡眠妨害を通じた心疾患や高血圧が発症しているなどとして、住民側が立証を重ねた「騒音と健康影響の因果関係」が最大の争点。


 また、沖縄タイムスは、住民側の飛行差し止めポイントを、次のように説明している。


(1)住民側が飛行差し止めのポイントとして力を入れたのが、騒音と健康被害の因果関係だ。2次で騒音性難聴の個別立証をしたのに続き、3次訴訟では特に夜間騒音に着目。睡眠妨害や睡眠障害を通じ、心臓血管系疾患や精神機能への影響といった健康被害が生じているとの科学的な立証を重ねた。「騒音に起因し同基地周辺では毎年4人が死亡」との専門家証言もなされた。
(2)これまで、裁判所が差し止めを退けてきた根拠は、日本政府の主権の及ばない米軍の飛行に日本政府へ差し止めを命じることはできないという「第三者行為論」だ。3次では、本訴訟とは別に、第三者行為論を崩す試みとして、2010年施行の民事裁判権法を根拠とし、米国政府へ直接、米軍機の飛行差し止めを求めた「対米訴訟」も提起している。


 さらに、沖縄タイムスは、もう一つの焦点となっている「すべての原告の賠償請求を認めるか」について、次のように伝えた。


(1)原告2万2千人余は、嘉手納町、沖縄市、北谷町、うるま市、読谷村の5市町村、原告団6支部にまたがる。国の作成した騒音予測分布図(コンター)で、うるささ指数(W値)75以上の地域に全員が住んでいる。
(2)国の環境基準では飛行場周辺の住宅用地域はW値70以下。W値75以上は住宅防音工事の対象だ。第2次嘉手納や1次普天間、4次厚木など近年の訴訟では、W値75以上の地域に賠償を認める判断が踏襲されている。ただし、読谷村の座喜味以北は、W値75でも被害が少ないとして2次で請求が棄却された。今回、すべての原告の賠償請求を認めるかも焦点の一つとなる。
(3)一方、防衛省は嘉手納周辺のコンター見直しを10月末をめどに進めている。東京・横田基地など、見直し前に比べコンターが縮小したケースもあり、原告団や弁護団には、「結果次第では今後の控訴審に影響が出るかもしれない」との懸念が広がっている。


 あらためて、嘉手納爆音訴訟が、「静かな夜と、人間が人間として尊厳される」ための
住民の切なる、あたりまえの要求・要望であることを確認する。
 であるとするなら、日米両政府の果たす役割は、すでに決まっているではないか。


 以下、沖縄タイムスの引用。








沖縄タイムス-第3次嘉手納爆音訴訟、きょう午前に結審 地裁沖縄支部-2016年8月25日 05:02



 嘉手納町や沖縄市など米軍嘉手納基地周辺の住民約2万2千人が、国に深夜・早朝の米軍機飛行差し止めと損害賠償などを求めた「第3次嘉手納爆音訴訟」が25日、那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)で結審する。

 住民側は、①午後7時~午前7時まで全ての米軍機の離着陸を禁止し、エンジン調整音などの騒音を40デシベル以下に制限②午前7時~午後7時まで騒音を65デシベル以下に制限③過去・将来分の損害賠償―を求めている。国側は請求を退けるよう求め、全面的に争っている。

 提訴は2011年4月。航空機騒音による睡眠妨害を通じた心疾患や高血圧が発症しているなどとして、住民側が立証を重ねた「騒音と健康影響の因果関係」が最大の争点となっている。

 口頭弁論では、新川秀清原告団長が意見陳述するほか、住民側弁護団と国側は双方とも、最終準備書面の要旨を述べて審理を終える見込み。新川原告団長は「県民が受けている不条理に対して、差し止めを判断するのが司法の役目。判決でしっかり答えを出してほしい」と期待した。

 第1次・第2次訴訟はいずれも、騒音の違法性や過去分の損害賠償を認めたが、差し止め請求は退けている。



沖縄タイムス-【訴訟の経緯】34年にわたる住民と国の争い-2016年8月25日



 2011年4月に提起した3次訴訟の原告2万2千人余は、全国の米軍基地訴訟でも最大規模だ。1982年の1次提訴から34年にわたる住民と国の争い。騒音による心身への影響、墜落の危険との隣り合わせの暮らしが続く中、救済を求める住民は、1次約900人の24倍、2次約5500人の4倍にまで膨れ上がっている。

 住民側が飛行差し止めのポイントとして力を入れたのが、騒音と健康被害の因果関係だ。2次で騒音性難聴の個別立証をしたのに続き、3次訴訟では特に夜間騒音に着目。睡眠妨害や睡眠障害を通じ、心臓血管系疾患や精神機能への影響といった健康被害が生じているとの科学的な立証を重ねた。「騒音に起因し同基地周辺では毎年4人が死亡」との専門家証言もなされた。

 これまで、裁判所が差し止めを退けてきた根拠は、日本政府の主権の及ばない米軍の飛行に日本政府へ差し止めを命じることはできないという「第三者行為論」だ。3次では、本訴訟とは別に、第三者行為論を崩す試みとして、2010年施行の民事裁判権法を根拠とし、米国政府へ直接、米軍機の飛行差し止めを求めた「対米訴訟」も提起している。

【騒音分布と居住地】全員の賠償認定なるか

 原告2万2千人余は、嘉手納町、沖縄市、北谷町、うるま市、読谷村の5市町村、原告団6支部にまたがる。国の作成した騒音予測分布図(コンター)で、うるささ指数(W値)75以上の地域に全員が住んでいる。

 国の環境基準では飛行場周辺の住宅用地域はW値70以下。W値75以上は住宅防音工事の対象だ。第2次嘉手納や1次普天間、4次厚木など近年の訴訟では、W値75以上の地域に賠償を認める判断が踏襲されている。ただし、読谷村の座喜味以北は、W値75でも被害が少ないとして2次で請求が棄却された。今回、すべての原告の賠償請求を認めるかも焦点の一つとなる。

 一方、防衛省は嘉手納周辺のコンター見直しを10月末をめどに進めている。東京・横田基地など、見直し前に比べコンターが縮小したケースもあり、原告団や弁護団には、「結果次第では今後の控訴審に影響が出るかもしれない」との懸念が広がっている。



沖縄タイムス-第3次嘉手納爆音訴訟が結審 「人間として尊厳されるよう切に願う」-2016年8月25日 11:33


 沖縄県嘉手納町や沖縄市など米軍嘉手納基地周辺の住民約2万2千人が、国に深夜早朝の米軍機飛行差し止めと損害賠償などを求めた「第3次嘉手納爆音訴訟」が25日午前、那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)で結審した。判決日は、追って指定される。

 原告団の新川秀清団長は意見陳述し、「司法の正義をもって静かな夜と、人間が人間として尊厳されるよう切に願う」と差し止め判決を出すよう強く訴えた。

 住民側は①午後7時~午前7時まで全ての米軍機の離着陸禁止。エンジン調整音などの騒音を40デシベル以下に制限、②午前7時~午後7時まで、騒音を65デシベル以下に制限③過去、将来分の損害賠償―を求めている。対して国側は請求を退けるよう求め、全面的に争っている。

 提訴は2011年4月。航空機騒音による睡眠妨害を通じた心疾患や高血圧が発症しているなどとして、住民側が立証を重ねた「騒音と健康影響の因果関係」が最大の争点。

 第1、2次訴訟ではいずれも、騒音の違法性や過去分の損害賠償を認めたが、差し止め請求は退けている。


by asyagi-df-2014 | 2016-08-29 05:48 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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