普天間19施設の補修の前に、普天間飛行場の運用を停止すべきだ。

 標題について、琉球新報は2016年8月20日、「普天間19施設、補修へ 年内着手、日本が経費負担」、と報じた。
 琉球新報は、「防衛省は19日、米軍普天間飛行場で老朽化が進んでいる格納庫や管理棟、兵舎、貯水槽など19施設を補修すると発表した。『安全な運用の維持などに支障を来し得る状態』と理由を述べた。普天間飛行場の補修事業は2013年度から、兵舎2棟や汚水排水施設など5事業・事業費約56億円を日本側が負担して実施してきた。今回追加された補修施設の具体的規模や予算は未定だが、防衛省はこれまでの補修予算を上回るとの見通しを示した。防衛省は近日中に老朽度調査に着手し、年内をめどに調査を終え、2~3年のうちに補修工事を終える計画。施設の一部については、年内に着手する。」、と報じた。


 このことについて、琉球新報はその社説で、「日本政府は普天間飛行場を19年2月までに運用停止にするとの約束を沖縄県知事と交わしているはずだ。運用停止の期限まであと2年7カ月を切っている。期限を過ぎても補修が続けられるとは一体どういうことか。その後も飛行場を運用するとでもいうのだろうか。」、と批判した。
 また、このことの問題点を次のように挙げた。


(1)「5年以内の運用停止は13年末、仲井真弘多前知事が首相官邸で安倍晋三首相に直接求めたものだ。その時、安倍首相は『最大限実現するよう努力したい』と明言した。仲井真前知事は『一国の総理が言ったことが最高の担保』と述べ、大きな期待を寄せた。その後、政府は起点を普天間飛行場負担軽減推進会議を設置した14年2月と決め、19年2月を返還期限に定めた。」
(2)「ところが政府はこれまで、米国と運用停止について一度も正式交渉をしていない。米政府側は『普天間飛行場は代替施設が運用可能になった段階で閉鎖する』として5年以内を否定している。」
(3)「運用停止の定義についても二転三転している。15年3月の衆院安保委員会で当時の中谷元・防衛相は運用停止を『飛行機が飛ばないこと』と定義した。しかし1カ月後には同じ委員会で『幻想を与えるようなことは言うべきではない。撤回する』」と述べている。運用停止後も滑走路から飛行機が離陸すると説明しているのだ。それは『運用停止』などとは呼ばない。誰にでも分かることだ。」
(4)「そして今回の大幅補修の表明だ。政府は運用停止を実現するつもりなどなかったとしか思えない。しかし約束をほごにすることは許されない。政府は『普天間の危険性除去』を繰り返し、安倍首相や菅義偉官房長官も『普天間飛行場は世界一危険だ』と言及しているからだ。」


 私たちは、この琉球新報の指摘からあらためて受け取る。


(1)日本政府はこれまで、米国と運用停止について一度も正式交渉をしていない。
(2)日本政府の「運用停止」の約束は、もともと「政府は運用停止を実現するつもりなどなかったとしか思えない。」


 琉球新報の「このまま運用を続けることは、政府が県民を危険にさらしたまま放置することになる。国民の安全を守らない政府があるだろうか。補修工事ではなく、運用停止の実現に努力するのが先決だ。」、との指摘を、日本政府及び米国政府に訴える。


 以下、琉球新報の引用。








琉球新報社説-普天間飛行場補修 運用停止の実現こそ先決だ-2016年8月21日



 防衛省は米軍普天間飛行場の格納庫や管理棟、兵舎、貯水槽など19施設を「老朽化が進んでいる」として、日本側の負担で補修することを発表した。予算額は未定のようだが、2013年度から実施してきた5事業約56億円を上回るという。年内に老朽度調査を実施し、大幅補修に着手するようだ。

 補修が完了するのは2~3年後だという。ちょっと待ってほしい。日本政府は普天間飛行場を19年2月までに運用停止にするとの約束を沖縄県知事と交わしているはずだ。運用停止の期限まであと2年7カ月を切っている。期限を過ぎても補修が続けられるとは一体どういうことか。その後も飛行場を運用するとでもいうのだろうか。
 5年以内の運用停止は13年末、仲井真弘多前知事が首相官邸で安倍晋三首相に直接求めたものだ。その時、安倍首相は「最大限実現するよう努力したい」と明言した。仲井真前知事は「一国の総理が言ったことが最高の担保」と述べ、大きな期待を寄せた。その後、政府は起点を普天間飛行場負担軽減推進会議を設置した14年2月と決め、19年2月を返還期限に定めた。
 ところが政府はこれまで、米国と運用停止について一度も正式交渉をしていない。米政府側は「普天間飛行場は代替施設が運用可能になった段階で閉鎖する」として5年以内を否定している。
 運用停止の定義についても二転三転している。15年3月の衆院安保委員会で当時の中谷元・防衛相は運用停止を「飛行機が飛ばないこと」と定義した。しかし1カ月後には同じ委員会で「幻想を与えるようなことは言うべきではない。撤回する」と述べている。運用停止後も滑走路から飛行機が離陸すると説明しているのだ。それは「運用停止」などとは呼ばない。誰にでも分かることだ。
 そして今回の大幅補修の表明だ。政府は運用停止を実現するつもりなどなかったとしか思えない。しかし約束をほごにすることは許されない。政府は「普天間の危険性除去」を繰り返し、安倍首相や菅義偉官房長官も「普天間飛行場は世界一危険だ」と言及しているからだ。
 このまま運用を続けることは、政府が県民を危険にさらしたまま放置することになる。国民の安全を守らない政府があるだろうか。補修工事ではなく、運用停止の実現に努力するのが先決だ。


琉球新報-普天間19施設、補修へ 年内着手、日本が経費負担-2016年8月20日 11:31



 【東京】防衛省は19日、米軍普天間飛行場で老朽化が進んでいる格納庫や管理棟、兵舎、貯水槽など19施設を補修すると発表した。「安全な運用の維持などに支障を来し得る状態」と理由を述べた。普天間飛行場の補修事業は2013年度から、兵舎2棟や汚水排水施設など5事業・事業費約56億円を日本側が負担して実施してきた。今回追加された補修施設の具体的規模や予算は未定だが、防衛省はこれまでの補修予算を上回るとの見通しを示した。


 防衛省は近日中に老朽度調査に着手し、年内をめどに調査を終え、2~3年のうちに補修工事を終える計画。施設の一部については、年内に着手する。

 同省によると、補修対象施設の選定については、米側から要望があり、日米で協議して最終的に19施設に絞った。米側の要望施設の中には娯楽施設や厚生施設も入っていたが、日本側は、効率的な予算の運用や、娯楽性・収益性の高い施設は国民の理解を得られないとの観点から対象施設から省いたという。

 追加補修する施設の老朽化の内容については「住宅に例えれば、立て替えではなくリフォームだ。古い施設では50年以上になる。雨漏りや壁がはがれるなどの状態がある」と説明した。調査費の予算は防衛省の予算でやりくりするが、補修事業の予算の財源は未定で、今後、財務省などと折衝するという。

 日本側が補修事業の経費を負担する法的根拠については、米側に負担をかけずに施設を提供することなどを定めた日米地位協定の24条2項を挙げた。


by asyagi-df-2014 | 2016-08-22 05:38 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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