沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(35)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(35)を考える。
 第35回目は、「日米地位協定は運用改善で十分か?」、ということについて。
 今回の沖縄タイムスは、今回の政府の対応について、次のように説明する。



「沖縄県内で起きた元米海兵隊員で軍属の男による暴行殺人事件を受け、再発防止策を協議してきた日米両政府は5日、日米地位協定を適用する『軍属』の範囲を明確化する方向性を確認した。外務省飯倉公館で岸田文雄外相、中谷元・防衛相、ケネディ駐日米大使、ドーラン在日米軍司令官が出席し、発表する力の入れようだった。
 中谷氏は『管理や指示が末端まで行き渡るようにするのが狙い。軍属の地位を有さないと判断された人は日本の裁判、刑事手続きが完全に実施され、特権はなくなる』と述べ、米軍関係者に対する『特権』が、事件・事故の背景にあることを認めた。」



 しかし、今回の政府の「特権」対応について、このように反論する。



(1)「県内から『トカゲのしっぽ切りで、凶悪犯罪を防げるわけがない』『特権が続けば、基地の集中する沖縄で地位協定のしわ寄せも続く』と批判が相次いだ。日米地位協定では、公務中の事件・事故の第1次裁判権は米側にあることや、公務外であっても容疑者の身柄を米側が先に確保すれば、原則として起訴するまで日本側に引き渡されないなど『特権』が存在する。今回の発表内容では、基地内の民間企業で働く従業員らに地位協定を適用するなど、これまであいまいだった線引きを見直すにすぎない。」
(2)「県幹部は、問題の本質である『特権』に切り込まず、お茶を濁すような対応を、こう嘆いた。『地位協定の抜本的な改定を議論の俎上(そじょう)にも載せず、政府も一生懸命にやってますよ、という国民向けのパフォーマンスだ』」
(3)「昨年9月に結ばれた環境補足協定にも新たな支障が出ている。これまで現地司令官の裁量で認められてきた米軍普天間飛行場やキャンプ瑞慶覧での文化財調査を、米軍が新協定を理由に不許可としたのだ。新協定では環境調査や文化財調査などで立ち入る際、『返還7カ月前』を基準と定めた。返還時期が決まっていない場合などは、年4回の日米合同委員会環境部会で立ち入りに合意しなければならない。日米両政府が『実質的な地位協定改定』と胸を張った新協定だが、思惑とは逆行するように、新たな足かせとなっている。」


 沖縄タイムスは、「政府関係者は『地位協定に触れるには米側の壁が厚く、外交の中でも最も難しい作業。沖縄県民が納得するとは毛頭考えておらず、国民向けのパフォーマンスと言われても、否定できない』と“運用改善”の限界を示唆している。」、と指摘する。



 以下、沖縄タイムスの引用。






沖縄タイムス-日米地位協定は運用改善で十分か?【誤解だらけの沖縄基地・35】-2016年7月25日



 沖縄県内で起きた元米海兵隊員で軍属の男による暴行殺人事件を受け、再発防止策を協議してきた日米両政府は5日、日米地位協定を適用する「軍属」の範囲を明確化する方向性を確認した。外務省飯倉公館で岸田文雄外相、中谷元・防衛相、ケネディ駐日米大使、ドーラン在日米軍司令官が出席し、発表する力の入れようだった。

 中谷氏は「管理や指示が末端まで行き渡るようにするのが狙い。軍属の地位を有さないと判断された人は日本の裁判、刑事手続きが完全に実施され、特権はなくなる」と述べ、米軍関係者に対する「特権」が、事件・事故の背景にあることを認めた。

 一方、県内から「トカゲのしっぽ切りで、凶悪犯罪を防げるわけがない」「特権が続けば、基地の集中する沖縄で地位協定のしわ寄せも続く」と批判が相次いだ。

 日米地位協定では、公務中の事件・事故の第1次裁判権は米側にあることや、公務外であっても容疑者の身柄を米側が先に確保すれば、原則として起訴するまで日本側に引き渡されないなど「特権」が存在する。

 今回の発表内容では、基地内の民間企業で働く従業員らに地位協定を適用するなど、これまであいまいだった線引きを見直すにすぎない。

 県幹部は、問題の本質である「特権」に切り込まず、お茶を濁すような対応を、こう嘆いた。「地位協定の抜本的な改定を議論の俎上(そじょう)にも載せず、政府も一生懸命にやってますよ、という国民向けのパフォーマンスだ」

 昨年9月に結ばれた環境補足協定にも新たな支障が出ている。これまで現地司令官の裁量で認められてきた米軍普天間飛行場やキャンプ瑞慶覧での文化財調査を、米軍が新協定を理由に不許可としたのだ。

 新協定では環境調査や文化財調査などで立ち入る際、「返還7カ月前」を基準と定めた。返還時期が決まっていない場合などは、年4回の日米合同委員会環境部会で立ち入りに合意しなければならない。

 日米両政府が「実質的な地位協定改定」と胸を張った新協定だが、思惑とは逆行するように、新たな足かせとなっている。

 政府関係者は「地位協定に触れるには米側の壁が厚く、外交の中でも最も難しい作業。沖縄県民が納得するとは毛頭考えておらず、国民向けのパフォーマンスと言われても、否定できない」と“運用改善”の限界を示唆している。(「沖縄基地」取材班)

by asyagi-df-2014 | 2016-08-03 05:52 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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