沖縄-辺野古・高江から-2016年7月31日

 2016年7月31日沖縄-辺野古・高江の今を沖縄タイムスと琉球新報は次のように表した。
 特に、日本の安倍晋三政権の常識は非常識ということが「残念」ながら確認されることになってしまった。それは、IUCNの「何が言いたいか分からない」との回答がすべてを物語っている。



(1)琉球新報-高江新着陸帯「オスプレイが主に使用」 四軍調整官が明言-2016年7月31日 05:00



 琉球新報は、「在日米軍は29日、米軍北部訓練場の部分返還に向けた手続きを日本政府と進めているとの声明を発表した。部分返還には東村高江集落周辺にヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)六つを新設することが条件とされている。声明でローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官は新設するヘリパッドは「オスプレイやその他航空機」が使用するとし、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが主要な運用機種となるとの認識を示した。」、と報じた。
 また、「在日米軍は声明で『ヘリコプター着陸帯を建設することで4千ヘクタールの土地返還が可能になった。沖縄返還以来、最大の土地返還となる』と負担軽減を強調した。」、と伝えた。
 さらに、「那覇防衛施設局(当時)が2007年に作成した環境影響評価図書では、ヘリパッドを使用する航空機の機種変更の可能性を質問した知事意見に対し、同局が『使用機種の変更はないものと理解している』と回答していた。米海兵隊が太平洋地域の基地運用計画をまとめた『戦略展望2025』は、北部訓練場の部分返還について『最大で約51%の使用不可能な北部演習場を日本政府に返還する間に、限られた土地を最大限に活用する訓練場が新たに開発される』と明記。米側の利点を認識している。」、と報じた。



(2)沖縄タイムス-IUCN、政府の「辺野古」削除要請を却下 沖縄の外来種対策勧告案-2016年7月31日 05:01



 沖縄タイムスは、「9月に米ハワイ州である国際自然保護連合(IUCN)の第6回総会に向け、国内の非政府組織(NGO)6団体が共同提出した沖縄本島の外来種対策を求める勧告案を巡り、外務省がIUCNに対し、文案から「辺野古」関連の記述の削除を2度求めていたことが30日、関係者への取材で分かった。IUCN側は外務省の訴えを却下。名護市辺野古の新基地建設計画に触れる文言は残り、総会を前に8月3日から電子投票にかけられることになった。」、と報じた。
 その内容は、次のとおり。



①「IUCNは160カ国の政府やNGOなどで構成する。外務省の削除要求は勧告案の文言を議論するため開設されたウェブサイト上にあり、IUCNメンバーのみ閲覧できた。日本自然保護協会などNGO側が提案した勧告案は、県外から大量の土砂が搬入される新基地計画に触れ、日本政府に外来生物の混入防止対策の徹底を求める内容だ。」
②「最初の削除要求は5月26日。『那覇空港第2滑走路など多くの埋め立て事業で同じような手法を取ってきた』と説明。勧告案は『不適切で矛盾し、恣意(しい)的だ』とし、辺野古関連の文言を『削除か見直すべき』と訴えた。日本政府が国内法に基づき、適切な環境保全策を講じたことも強調した。」
③「これに対しIUCN側は『何が言いたいか分からない」と回答。外務省が再び「辺野古」関連の文言に訂正線を引いて訴えたため、IUCNもいったん削除に応じたものの他メンバーから反論が出て、最終的に外務省側の要求を却下した。」
④「辺野古埋め立ては、県外から過去最大の1700万立方メートルの土砂を搬入する計画。アルゼンチンアリなど沖縄にいない外来生物が混入し、沖縄固有の生態系を脅かす可能性がある。日本政府が比較対象にした第2滑走路で搬入予定の県外石材は、約30万トンにとどまる。」



(3)琉球新報-海兵隊撤退を初決議 海人の会、辺野古と高江中止も求める-2016年7月31日 05:01



 琉球新報は、「辺野古新基地建設への反対を掲げる漁業関係者らで構成する『ちゅら海を守り、活かす海人の会』は30日、うるま市健康福祉センターうるみんで定期総会を開き、海兵隊の県外撤退の要求などを含む特別決議を全会一致で可決した。辺野古の新基地建設と東村高江のヘリパッド建設の中止も求めた。」、と報じた。
 また、「海兵隊撤退要求は、米軍属女性暴行殺人事件を受けて決議に盛り込んだ。西銘仁正共同代表理事は『(海兵隊撤退は)会として初の要求だ。海兵隊を撤退させなければ、悲惨な事件・事故はなくならない』と訴えた。同会は15年5月に結成。定期総会でサンゴ礁の定点観測などの15年度の事業報告を行い、引き続き、辺野古への新基地建設に反対することを確認した。大城忠共同代表理事は『辺野古と高江の問題は避けては通れない。沖縄の海を豊かにするために頑張っていこう』と呼び掛けた。」、と伝えた。



(4)沖縄タイムス-高江着陸帯は米軍運用を優先 2007年の環境アセス-2016年7月31日 07:31



 沖縄タイムスは、「政府が住民の反対の声を押し切り着手した米軍北部訓練場のヘリパッド(着陸帯)建設は、訓練場約4千ヘクタール返還の条件だ。米軍高官は『大規模な返還に向けた小さな代償だ』とヘリパッド建設は沖縄の負担軽減に寄与すると強調する。だが、2007年に那覇防衛施設局(当時)がまとめた環境影響評価(アセスメント)図書では貴重なやんばるの動植物の存在が明らかになる一方、米軍の運用を優先して6カ所の建設場所が選定された経緯などが浮き彫りとなっている。県はアセスが前提としていなかったオスプレイの騒音や排ガスなどの影響の調査を求めているが沖縄防衛局は応じておらず、周辺住民、自然環境への影響が判然としないまま、工事だけが強行されている。」、と報じた。
沖縄タイムスは、高江の環境や問題点について次のように伝える。


①「米軍北部訓練場のヘリパッド建設に向け那覇防衛施設局(当時)が07年にまとめた環境影響評価(アセスメント)図書の調査では、国の特別天然記念物ノグチゲラの巣穴が建設予定地の4地区6カ所で計35カ所確認された。現在、沖縄防衛局が建設に向け作業を進めているN1地区では8カ所、今後進入路を整備して建設に着手するG地区は15カ所、H地区では11カ所の巣穴が見つかった。ノグチゲラは世界中でやんばるにだけ生息し、生息数は推定で400~500羽、環境省レッドリストで最も絶滅の恐れが高い『絶滅危惧1A類』に分類されている希少な鳥だ。」
②「ノグチゲラだけではない。アセスでは4地区で2086種の動物が確認されヤンバルクイナやヤンバルテナガコガネなど97種の貴重な動物が見つかっている。国は、アセスで建設地一帯のやんばる地域を『特に貴重な動植物がある自然豊かな地域』とし、ヘリパッド移設先の選定の基本方針として『より自然環境に与える影響が少ない区域』と明記している。」
③「だが、自然環境よりも米軍の運用を重視しているのが実態だ。アセスでは、4地区の選定理由としていずれも『米軍の運用上の要望』があったことを明らかにしている。中でも、ノグチゲラの巣穴15カ所が確認されたG地区は、米側から海域を含めた訓練のために『必ず必要との要望があった』と記述している。国はアセスの調査で、動植物の繁殖環境として重要な『Aランク』地区上空を昼夜問わず米軍ヘリが飛んでいると認める一方、『ノグチゲラの営巣木が既存着陸帯(ヘリパッド)から73~516メートル範囲内で複数確認されている』と指摘。4地区6カ所のヘリパッドが完成しても同程度の米軍機の運用では『影響は生じない』と国側に都合のいい解釈をしている。『米軍の運用は明らかではない』とする一方、供用後の訓練頻度が現状と同程度の場合は『動植物の繁殖を脅かす影響は生じない』など、結論ありきともとれる調査結果となっている。」
④「07年の環境影響評価(アセスメント)図書で、那覇防衛施設局(当時)はヘリパッドのオスプレイの使用を明確に否定している。オスプレイは下降気流が強く、熱風を排出するほか、低周波音や騒音などと合わせ自然環境に重大な影響を与えるのは確実。アセスと実態との乖離(かいり)が浮き彫りになっている。国はアセスで米軍には訓練形態や機種変更がないことを確認しており、『使用機種の変更はないと理解している』と明記している。米側は1992年に米海軍省が内部資料に普天間への配備を明記し、第3海兵遠征軍副司令官らが配備計画に言及してきた。一方、日本側は配備前年の2011年6月に初めて正式に認めた。アセス図書では、低周波音に関し、周辺集落への影響は『極めて小さい』と記述。そのため、今後、低周波音に関する事後調査は実施しないとした。研究者の調査ではオスプレイの低周波音は国の基準を大きく上回ることが明らかになっているが、騒音がもたらす影響さえ国側は把握する姿勢をみせない。」
⑤「これに対し県は、世界自然遺産登録を前提にした『やんばる国立公園』の指定に向け、7月中にもオスプレイなどの米軍機による低周波音や騒音による動植物への影響を調べる独自調査に初めて乗り出す方針だ。」
⑥「実際に、米軍がN4の使用を開始してから騒音は激増している。N4に近い東村高江では、ことし6月の夜間騒音発生回数が383回に上った。14年度の年平均16・2回の実に約24倍だ。睡眠不足などで体調不良を訴える子どもも相次ぎ、村や県の教育委員会が実態調査に乗り出す事態になっている。防衛省幹部は、残り4カ所のヘリパッドが完成すれば『訓練が分散することでN4に集中している騒音は軽減される』と言うが、日本政府は米軍の運用の実態に関し、一切把握できないのが現状だ。」
⑦「県は、ヘリパッド建設工事の資材搬入で沖縄島にいない国内外来生物の混入や、オスプレイの排ガスに伴う化学物質で周辺の植物が枯れた可能性を指摘、沖縄防衛局に万全の対策を要求している。県の要望をくむかどうかは同局の裁量に委ねられているのが実情だ。那覇防衛施設局(当時)は07年、環境影響評価(アセスメント)を実施。だが、県が再三求めてきたオスプレイの実機調査による環境影響評価には応じていない。」
⑧「沖縄防衛局は11日、07年に実施したアセスから工法のスケジュールなどに変更があったとして独自に『環境影響評価検討図書』を提出した。県は22日、防衛局に『適切な環境影響評価が実施されたと言えず、計画変更すべきではない』との意見を伝えた。現時点で防衛局から反応はない。県の環境影響評価条例は通常、滑走路の長さが30メートルを超えるヘリポートが対象で、今回のような円状のヘリパットは対象外となる。施設局は『環境に配慮するため』として、07年に同条例に準じて自主的にアセスを実施、その後も年に1度の事後調査報告書を県に提出している。県はそのたびに環境保全措置要求を出しているが、強制力はな00い。」
⑨「動物生態学が専門の沖縄国際大学名誉教授の宮城邦治氏は『オスプレイが配備されることは日米両国の前提だったはずだ』と指摘。『工事中の現場だけではなく実質的運用が開始したN4地区のアセスをすぐに実施すべきだ』と語った。」



(5)琉球新報-県外から支援相次ぐ 北部ヘリパッド建設反対 杉並区議がゲート前訪問-2016年7月31日 12:33



 琉球新報は、「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設工事で、抗議する市民らが集まる東村高江の同基地N1地区ゲート前に31日午前、杉並区の新城節子、結柴誠一両区議が訪れ、同区で24日に開いた集会で募ったカンパ金8万円を市民らに手渡した。集会は15人の超党派区議で呼び掛けた『沖縄と結ぶ杉並集会』で、2002年から続いている。今回で12回目。高江や辺野古の現状を知ってもらおうと、県出身の新城区議が呼び掛けた。新城区議は『若い人もインターネットで高江についてよく調べている』と話し、関心の高まりを実感しているという。カンパ金は高江と辺野古に8万円ずつ託す。
 全国学校事務労働組合連絡会議の交流会の一環で約40人がゲート前を訪れ、市民らから説明を受けるなどして沖縄の基地問題について理解を深めた。
 『N1』地区ゲートへの工事資材の搬入などは午前11時半時点で確認されていない。」



 以下、沖縄タイムス及び琉球新報の引用。





(1)琉球新報-高江新着陸帯「オスプレイが主に使用」 四軍調整官が明言-2016年7月31日 05:00



 在日米軍は29日、米軍北部訓練場の部分返還に向けた手続きを日本政府と進めているとの声明を発表した。部分返還には東村高江集落周辺にヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)六つを新設することが条件とされている。声明でローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官は新設するヘリパッドは「オスプレイやその他航空機」が使用するとし、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが主要な運用機種となるとの認識を示した。

 在日米軍は声明で「ヘリコプター着陸帯を建設することで4千ヘクタールの土地返還が可能になった。沖縄返還以来、最大の土地返還となる」と負担軽減を強調した。
 那覇防衛施設局(当時)が2007年に作成した環境影響評価図書では、ヘリパッドを使用する航空機の機種変更の可能性を質問した知事意見に対し、同局が「使用機種の変更はないものと理解している」と回答していた。
 米海兵隊が太平洋地域の基地運用計画をまとめた「戦略展望2025」は、北部訓練場の部分返還について「最大で約51%の使用不可能な北部演習場を日本政府に返還する間に、限られた土地を最大限に活用する訓練場が新たに開発される」と明記。米側の利点を認識している。



(2)沖縄タイムス-IUCN、政府の「辺野古」削除要請を却下 沖縄の外来種対策勧告案-2016年7月31日 05:01



 9月に米ハワイ州である国際自然保護連合(IUCN)の第6回総会に向け、国内の非政府組織(NGO)6団体が共同提出した沖縄本島の外来種対策を求める勧告案を巡り、外務省がIUCNに対し、文案から「辺野古」関連の記述の削除を2度求めていたことが30日、関係者への取材で分かった。IUCN側は外務省の訴えを却下。名護市辺野古の新基地建設計画に触れる文言は残り、総会を前に8月3日から電子投票にかけられることになった。(社会部・知花徳和、篠原知恵)

 IUCNは160カ国の政府やNGOなどで構成する。外務省の削除要求は勧告案の文言を議論するため開設されたウェブサイト上にあり、IUCNメンバーのみ閲覧できた。日本自然保護協会などNGO側が提案した勧告案は、県外から大量の土砂が搬入される新基地計画に触れ、日本政府に外来生物の混入防止対策の徹底を求める内容だ。

 最初の削除要求は5月26日。「那覇空港第2滑走路など多くの埋め立て事業で同じような手法を取ってきた」と説明。勧告案は「不適切で矛盾し、恣意(しい)的だ」とし、辺野古関連の文言を「削除か見直すべき」と訴えた。日本政府が国内法に基づき、適切な環境保全策を講じたことも強調した。

 これに対しIUCN側は「何が言いたいか分からない」と回答。外務省が再び「辺野古」関連の文言に訂正線を引いて訴えたため、IUCNもいったん削除に応じたものの他メンバーから反論が出て、最終的に外務省側の要求を却下した。

 辺野古埋め立ては、県外から過去最大の1700万立方メートルの土砂を搬入する計画。アルゼンチンアリなど沖縄にいない外来生物が混入し、沖縄固有の生態系を脅かす可能性がある。日本政府が比較対象にした第2滑走路で搬入予定の県外石材は、約30万トンにとどまる。



(3)琉球新報-海兵隊撤退を初決議 海人の会、辺野古と高江中止も求める-2016年7月31日 05:01



 【うるま】辺野古新基地建設への反対を掲げる漁業関係者らで構成する「ちゅら海を守り、活かす海人の会」は30日、うるま市健康福祉センターうるみんで定期総会を開き、海兵隊の県外撤退の要求などを含む特別決議を全会一致で可決した。辺野古の新基地建設と東村高江のヘリパッド建設の中止も求めた。

 海兵隊撤退要求は、米軍属女性暴行殺人事件を受けて決議に盛り込んだ。西銘仁正共同代表理事は「(海兵隊撤退は)会として初の要求だ。海兵隊を撤退させなければ、悲惨な事件・事故はなくならない」と訴えた。
 同会は15年5月に結成。定期総会でサンゴ礁の定点観測などの15年度の事業報告を行い、引き続き、辺野古への新基地建設に反対することを確認した。
 大城忠共同代表理事は「辺野古と高江の問題は避けては通れない。沖縄の海を豊かにするために頑張っていこう」と呼び掛けた。
 同決議文は東アジア共同体研究所(鳩山友紀夫理事長)が8月11日に、米国バークレー市で開く写真展「オキナワ・辺野古は今」で英文展示される。



(4)沖縄タイムス-高江着陸帯は米軍運用を優先 2007年の環境アセス-2016年7月31日 07:31



 政府が住民の反対の声を押し切り着手した米軍北部訓練場のヘリパッド(着陸帯)建設は、訓練場約4千ヘクタール返還の条件だ。米軍高官は「大規模な返還に向けた小さな代償だ」とヘリパッド建設は沖縄の負担軽減に寄与すると強調する。だが、2007年に那覇防衛施設局(当時)がまとめた環境影響評価(アセスメント)図書では貴重なやんばるの動植物の存在が明らかになる一方、米軍の運用を優先して6カ所の建設場所が選定された経緯などが浮き彫りとなっている。県はアセスが前提としていなかったオスプレイの騒音や排ガスなどの影響の調査を求めているが沖縄防衛局は応じておらず、周辺住民、自然環境への影響が判然としないまま、工事だけが強行されている。(政経部・大野亨恭、社会部・知花徳和)
<ノグチゲラ巣35カ所確認>国は「環境に影響ない」
 米軍北部訓練場のヘリパッド建設に向け那覇防衛施設局(当時)が07年にまとめた環境影響評価(アセスメント)図書の調査では、国の特別天然記念物ノグチゲラの巣穴が建設予定地の4地区6カ所で計35カ所確認された。

 現在、沖縄防衛局が建設に向け作業を進めているN1地区では8カ所、今後進入路を整備して建設に着手するG地区は15カ所、H地区では11カ所の巣穴が見つかった。

 ノグチゲラは世界中でやんばるにだけ生息し、生息数は推定で400~500羽、環境省レッドリストで最も絶滅の恐れが高い「絶滅危惧1A類」に分類されている希少な鳥だ。

 ノグチゲラだけではない。アセスでは4地区で2086種の動物が確認されヤンバルクイナやヤンバルテナガコガネなど97種の貴重な動物が見つかっている。

 国は、アセスで建設地一帯のやんばる地域を「特に貴重な動植物がある自然豊かな地域」とし、ヘリパッド移設先の選定の基本方針として「より自然環境に与える影響が少ない区域」と明記している。

 だが、自然環境よりも米軍の運用を重視しているのが実態だ。

 アセスでは、4地区の選定理由としていずれも「米軍の運用上の要望」があったことを明らかにしている。中でも、ノグチゲラの巣穴15カ所が確認されたG地区は、米側から海域を含めた訓練のために「必ず必要との要望があった」と記述している。

 国はアセスの調査で、動植物の繁殖環境として重要な「Aランク」地区上空を昼夜問わず米軍ヘリが飛んでいると認める一方、「ノグチゲラの営巣木が既存着陸帯(ヘリパッド)から73~516メートル範囲内で複数確認されている」と指摘。4地区6カ所のヘリパッドが完成しても同程度の米軍機の運用では「影響は生じない」と国側に都合のいい解釈をしている。

 「米軍の運用は明らかではない」とする一方、供用後の訓練頻度が現状と同程度の場合は「動植物の繁殖を脅かす影響は生じない」など、結論ありきともとれる調査結果となっている。
<オスプレイ運用否定>熱風や低周波影響軽視
 07年の環境影響評価(アセスメント)図書で、那覇防衛施設局(当時)はヘリパッドのオスプレイの使用を明確に否定している。オスプレイは下降気流が強く、熱風を排出するほか、低周波音や騒音などと合わせ自然環境に重大な影響を与えるのは確実。アセスと実態との乖離(かいり)が浮き彫りになっている。

 国はアセスで米軍には訓練形態や機種変更がないことを確認しており、「使用機種の変更はないと理解している」と明記している。

 米側は1992年に米海軍省が内部資料に普天間への配備を明記し、第3海兵遠征軍副司令官らが配備計画に言及してきた。一方、日本側は配備前年の2011年6月に初めて正式に認めた。

 アセス図書では、低周波音に関し、周辺集落への影響は「極めて小さい」と記述。そのため、今後、低周波音に関する事後調査は実施しないとした。研究者の調査ではオスプレイの低周波音は国の基準を大きく上回ることが明らかになっているが、騒音がもたらす影響さえ国側は把握する姿勢をみせない。

 これに対し県は、世界自然遺産登録を前提にした「やんばる国立公園」の指定に向け、7月中にもオスプレイなどの米軍機による低周波音や騒音による動植物への影響を調べる独自調査に初めて乗り出す方針だ。

 実際に、米軍がN4の使用を開始してから騒音は激増している。

 N4に近い東村高江では、ことし6月の夜間騒音発生回数が383回に上った。14年度の年平均16・2回の実に約24倍だ。睡眠不足などで体調不良を訴える子どもも相次ぎ、村や県の教育委員会が実態調査に乗り出す事態になっている。

 防衛省幹部は、残り4カ所のヘリパッドが完成すれば「訓練が分散することでN4に集中している騒音は軽減される」と言うが、日本政府は米軍の運用の実態に関し、一切把握できないのが現状だ。
■配備後も実機調査拒否
 県は、ヘリパッド建設工事の資材搬入で沖縄島にいない国内外来生物の混入や、オスプレイの排ガスに伴う化学物質で周辺の植物が枯れた可能性を指摘、沖縄防衛局に万全の対策を要求している。県の要望をくむかどうかは同局の裁量に委ねられているのが実情だ。那覇防衛施設局(当時)は07年、環境影響評価(アセスメント)を実施。だが、県が再三求めてきたオスプレイの実機調査による環境影響評価には応じていない。

 沖縄防衛局は11日、07年に実施したアセスから工法のスケジュールなどに変更があったとして独自に「環境影響評価検討図書」を提出した。県は22日、防衛局に「適切な環境影響評価が実施されたと言えず、計画変更すべきではない」との意見を伝えた。現時点で防衛局から反応はない。

 県の環境影響評価条例は通常、滑走路の長さが30メートルを超えるヘリポートが対象で、今回のような円状のヘリパットは対象外となる。施設局は「環境に配慮するため」として、07年に同条例に準じて自主的にアセスを実施、その後も年に1度の事後調査報告書を県に提出している。県はそのたびに環境保全措置要求を出しているが、強制力はない。

 動物生態学が専門の沖縄国際大学名誉教授の宮城邦治氏は「オスプレイが配備されることは日米両国の前提だったはずだ」と指摘。「工事中の現場だけではなく実質的運用が開始したN4地区のアセスをすぐに実施すべきだ」と語った。



(5)琉球新報-県外から支援相次ぐ 北部ヘリパッド建設反対 杉並区議がゲート前訪問-2016年7月31日 12:33



 【ヘリパッド取材班】東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設工事で、抗議する市民らが集まる東村高江の同基地N1地区ゲート前に31日午前、杉並区の新城節子、結柴誠一両区議が訪れ、同区で24日に開いた集会で募ったカンパ金8万円を市民らに手渡した。
 集会は15人の超党派区議で呼び掛けた「沖縄と結ぶ杉並集会」で、2002年から続いている。今回で12回目。高江や辺野古の現状を知ってもらおうと、県出身の新城区議が呼び掛けた。
 新城区議は「若い人もインターネットで高江についてよく調べている」と話し、関心の高まりを実感しているという。カンパ金は高江と辺野古に8万円ずつ託す。
 全国学校事務労働組合連絡会議の交流会の一環で約40人がゲート前を訪れ、市民らから説明を受けるなどして沖縄の基地問題について理解を深めた。
 「N1」地区ゲートへの工事資材の搬入などは午前11時半時点で確認されていない。【琉球新報電子版】

by asyagi-df-2014 | 2016-07-31 16:06 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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