沖縄-翁長沖縄県知事は、2016年7月18日に、鹿児島県西之表市の馬毛島を視察することになった。

 沖縄タイムスは2016年7月16日、「翁長知事、18日に馬毛島視察 普天間の訓練移転探る」、と報じた。
 このことに関して、「翁長雄志知事は18日、鹿児島県西之表市の馬毛(まげ)島を視察する。米軍普天間飛行場の早期の運用停止に向け訓練移転の可能性を探るとともに、政府が名護市辺野古への新基地建設が『唯一の解決策』とする中、国内世論に県外移設の可能性を発信する狙いがある。県が15日に発表した。」、「県は、政府が約束した2019年2月までの普天間飛行場の運用停止を求めているが実現は不透明だ。県自ら視察することで運用停止に向けた具体的な動きを加速させたい考え。翁長知事が就任後、訓練移転候補地を訪問するのは初めて。」、と伝えた。
あわせて、沖縄県の考え方を、「県は馬毛島を普天間飛行場の訓練や基地の移転候補地として政府に提案することはないとする。ただ、21日の普天間飛行場負担軽減推進会議や月末に福岡県である全国知事会で話題になれば、視察の状況などを報告するとみられる。視察を通し、辺野古新基地建設をはじめとする基地問題の解決策を全国民で検討する契機としたい考えだ。」、と伝えた。


 沖縄タイムスは同日、このことに関して次のような解説を報じている。
その要約は次のとおり。


(1)沖縄県の視察の背景
①「翁長雄志知事が18日に馬毛島を視察する背景には、政府が県と約束した普天間飛行場の5年以内の運用停止の見通しが一向に立たず、トップ自ら動かなければ負担軽減が進まないという現状がある。2014年2月を起点とする「5年以内」は、既に残り期間が2年7カ月となっている。だが、実現の見通しは立っておらず、米側からは否定的な見解が相次いでいる。」
②「知事は、辺野古以外の代替案を県側に求める政府の姿勢を『政治の堕落』と厳しく批判してきた。そして、日米安全保障の負担は全国で分かち合うべきだと訴えてきた。だが、就任から1年7カ月たっても、政府は沖縄の声に耳を傾けず、国内議論の高まりもみられない。馬毛島はあくまでも「訓練」の移転候補地で、普天間の代替施設候補地の位置付けではないものの、知事自ら動き、政府、そして国内世論を喚起する必要性に迫られた形だ。」

(2)馬毛島の状況
①「馬毛島は2007年から硫黄島に代わる米軍空母艦載機の着陸訓練地や普天間飛行場の代替候補地として取り上げられてきた。だが、地元自治体の根強い反対で実現していない。」
②「さらに、仮に訓練を移転するにしても滑走路や各種インフラ整備などに時間がかかり、『5年以内』の期限である19年2月に間に合わせるのは厳しい状況だ。」


(3)沖縄県内の反応
①「翁長雄志知事が18日に馬毛島を視察することに、提案者の維新は『県民のトップが対案を出す動きを始めた』と歓迎した。一方、県議会の与野党からは驚きや困惑の声が上がった。オスプレイの訓練移転という負担軽減が目的であるものの『無人島に移転できる実現可能性があるのか』と懐疑的な見方が強い。」
②「維新県総支部の大城憲幸政調会長は『普天間飛行場の5年内運用停止には、馬毛島などの活用が必要。知事の対案提示に向けた動きは評価したい』と述べた。」
③「与党最大会派、社民・社大・結の県議は、佐賀空港を例に『インフラが整っている空港なら分かるが、無人島の視察は、ふに落ちない』と疑問視。」
④「別の与党県議は『維新の下地幹郎衆院議員に、すり寄っていると受け止められかねない』と警戒した。」
⑤「野党最大会派の沖縄・自民所属県議は『実現可能性がない案としか思えず、知事お得意のパフォーマンスだろう』と指摘。県議選の那覇市区で、知事を支えてきた保守系の前那覇市議2人が落選したことを引き合いに『保守系議員の基盤が弱まっていることに危機感を持ち、保守系の下地氏と連携を強化しようという狙いではないか』と分析した。」


(4)主張
①「実現可能性が低く、視察後も県は政府や全国へ候補地として正式に提案はしない-。にもかかわらず、なぜ、知事はあえて馬毛島を視察するのかが判然としないのも事実だ。また、「公党」の提案を重く受け止めて視察するという今回の流れからすれば、今後、他党の提案のたびに視察を強いられはしないか。」
②「視察後には、視察の意義、そして候補地としての評価と将来への展望に関する知事の説明が必要だ。そして、国は、一自治体の首長自ら動かざるを得ない状況を重く受け止めるべきだ。」


 確かに、沖縄タイムスの「視察後には、視察の意義、そして候補地としての評価と将来への展望に関する知事の説明が必要だ。そして、国は、一自治体の首長自ら動かざるを得ない状況を重く受け止めるべきだ。」 、との指摘を沖縄県は、重たく受け止めなくてはならない。


 以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス-翁長知事、18日に馬毛島視察 普天間の訓練移転探る-2016年7月16日 05:10


 翁長雄志知事は18日、鹿児島県西之表市の馬毛(まげ)島を視察する。米軍普天間飛行場の早期の運用停止に向け訓練移転の可能性を探るとともに、政府が名護市辺野古への新基地建設が「唯一の解決策」とする中、国内世論に県外移設の可能性を発信する狙いがある。県が15日に発表した。

 県は、政府が約束した2019年2月までの普天間飛行場の運用停止を求めているが実現は不透明だ。県自ら視察することで運用停止に向けた具体的な動きを加速させたい考え。翁長知事が就任後、訓練移転候補地を訪問するのは初めて。

 馬毛島への訓練移転は、おおさか維新の会の下地幹郎衆院議員がことし5月に県へ提案。県は提案を受け、島にある滑走路の状況などを確認する必要があるとして視察を決めた。島の大部分の土地を所有している男性も訓練移転を前提とした売却に賛同している。

 一方、県は馬毛島を普天間飛行場の訓練や基地の移転候補地として政府に提案することはないとする。ただ、21日の普天間飛行場負担軽減推進会議や月末に福岡県である全国知事会で話題になれば、視察の状況などを報告するとみられる。視察を通し、辺野古新基地建設をはじめとする基地問題の解決策を全国民で検討する契機としたい考えだ。

 県関係者によると、今月10日の鹿児島県知事選で当選した元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓氏と翁長知事との会談も近く調整するという。

 馬毛島は民主党政権下で普天間の移転候補地として検討された。


沖縄タイムス-[解説]知事自ら世論喚起 馬毛島視察 負担軽減国に迫る-2016年7月16日 05:15



 翁長雄志知事が18日に馬毛島を視察する背景には、政府が県と約束した普天間飛行場の5年以内の運用停止の見通しが一向に立たず、トップ自ら動かなければ負担軽減が進まないという現状がある。(政経部・大野亨恭)

 2014年2月を起点とする「5年以内」は、既に残り期間が2年7カ月となっている。だが、実現の見通しは立っておらず、米側からは否定的な見解が相次いでいる。

 知事は、辺野古以外の代替案を県側に求める政府の姿勢を「政治の堕落」と厳しく批判してきた。そして、日米安全保障の負担は全国で分かち合うべきだと訴えてきた。

 だが、就任から1年7カ月たっても、政府は沖縄の声に耳を傾けず、国内議論の高まりもみられない。馬毛島はあくまでも「訓練」の移転候補地で、普天間の代替施設候補地の位置付けではないものの、知事自ら動き、政府、そして国内世論を喚起する必要性に迫られた形だ。

 一方、馬毛島は2007年から硫黄島に代わる米軍空母艦載機の着陸訓練地や普天間飛行場の代替候補地として取り上げられてきた。だが、地元自治体の根強い反対で実現していない。

 さらに、仮に訓練を移転するにしても滑走路や各種インフラ整備などに時間がかかり、「5年以内」の期限である19年2月に間に合わせるのは厳しい状況だ。

 実現可能性が低く、視察後も県は政府や全国へ候補地として正式に提案はしない-。にもかかわらず、なぜ、知事はあえて馬毛島を視察するのかが判然としないのも事実だ。また、「公党」の提案を重く受け止めて視察するという今回の流れからすれば、今後、他党の提案のたびに視察を強いられはしないか。

 視察後には、視察の意義、そして候補地としての評価と将来への展望に関する知事の説明が必要だ。そして、国は、一自治体の首長自ら動かざるを得ない状況を重く受け止めるべきだ。
■提案の維新は歓迎 県議会与野党 実現性疑う
 翁長雄志知事が18日に馬毛島を視察することに、提案者の維新は「県民のトップが対案を出す動きを始めた」と歓迎した。一方、県議会の与野党からは驚きや困惑の声が上がった。オスプレイの訓練移転という負担軽減が目的であるものの「無人島に移転できる実現可能性があるのか」と懐疑的な見方が強い。

 維新県総支部の大城憲幸政調会長は「普天間飛行場の5年内運用停止には、馬毛島などの活用が必要。知事の対案提示に向けた動きは評価したい」と述べた。

 与党最大会派、社民・社大・結の県議は、佐賀空港を例に「インフラが整っている空港なら分かるが、無人島の視察は、ふに落ちない」と疑問視。

 別の与党県議は「維新の下地幹郎衆院議員に、すり寄っていると受け止められかねない」と警戒した。

 野党最大会派の沖縄・自民所属県議は「実現可能性がない案としか思えず、知事お得意のパフォーマンスだろう」と指摘。

 県議選の那覇市区で、知事を支えてきた保守系の前那覇市議2人が落選したことを引き合いに「保守系議員の基盤が弱まっていることに危機感を持ち、保守系の下地氏と連携を強化しようという狙いではないか」と分析した。


by asyagi-df-2014 | 2016-07-17 06:10 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧