沖縄-米国、日本国政府は、米軍北部訓練場内のヘリパッド建設計画を中止しなけねばならない。

 米軍北部訓練場内のヘリパッド建設工事が緊急な事態を迎えている。
このことについて、琉球新報と沖縄タイムスは、「ヘリパッド資材搬入 知事は『反対』表明を 建設工事の再開を許すな」「『[ヘリパッド資材搬入』 選挙終わったら、これか」、と明確な反対の姿勢を示した。むしろ、「選挙終わったら、これか」、とあきれるほどの怒りの表現で。
 両社は、次のように主張する。


(1)主張


(琉球新報)
①「米軍、政府は東村高江に近い、米軍北部訓練場内のヘリパッド建設計画を中止すべきだ。」
②「96年の日米合同委最終報告から20年、米軍の戦略方針は大きく変わった。最たるものが海兵隊員9千人をグアムほか国外に移転するという在沖米海兵隊の比重低下だ。
 主力実戦部隊の中核である歩兵の大半がグアムに移るというのに、輸送ヘリ部隊が使う辺野古新基地建設に日米政府は固執し続けている。日米政府は辺野古新基地計画を根本から見直すべきだ。同時に北部訓練場内でのヘリパッド移設も見直して当然だ。海兵隊員の多くがグアムに移転し訓練縮小が見通される中で、従来のヘリパッド数を維持するのは理に合わない。思考停止を脱するべきだ。」
③「翁長知事は一昨年の知事選で、高江ヘリパッドについて『オスプレイの配備撤回を求めており、連動して反対する』と述べていた。県民の人権、北部の貴重な自然を守る立場から、毅然(きぜん)としてヘリパッド建設反対を表明すべきだ。」
(沖縄タイムス)
①「総面積約7800ヘクタールの北部訓練場は、国頭村と東村にまたがる国内最大の米軍専用施設だ。日米両政府は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、その半分の返還に合意した。だが返還は高江の集落を取り囲むように六つのヘリパッドを新たに建設することが条件だった。合意の背後にはオスプレイ配備も隠されていた。日米が一方的に返還計画を決め、決まったことには従えと言わんばかりの威圧的手法は、辺野古新基地を巡る問題とよく似ている。」
②「米軍にとってヘリパッドと辺野古新基地、オスプレイは三位一体のものだ。普天間に配備された海兵隊のオスプレイに加え、今後、横田基地に配備される空軍のオスプレイ訓練が、北部訓練場や伊江島補助飛行場、キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブで実施されるのはほぼ間違いない。国は広大な北部訓練場の過半を返還することで負担軽減をアピールしたい考えがあるのだろうが、北部への米軍基地の集約化は、この地域に住む人からすれば、明らかに基地機能の強化であり、負担軽減と逆行する。」


(2)建設工事の問題点


(琉球新報)
①「オスプレイが飛来するヘリパッドの建設は、住民の生活環境だけでなく、世界自然遺産の候補地にも挙がる本島北部やんばる地区の貴重な動植物の生息環境、生態系をも破壊する。」
②「選挙期間中は作業を控え、選挙が終わるやいなや工事再開に乗り出す防衛局のやり方は、露骨な選挙対策にほかならない。県民、地元の反対の声に向き合う姿勢はみじんも感じられない。」
③「そもそも米軍北部訓練場の一部返還が、ヘリパッド移設の交換条件付きで決まった経緯に大きな問題がある。北部訓練場の一部返還は、1996年の日米特別行動委員会最終報告に盛り込まれたが、既存のヘリパッド移設の交換条件は沖縄県や地元自治体、住民との協議の上で決まったわけではない。米軍に不要となった北部訓練場の一部施設を返還する一方、既存のヘリパッドの既得権益は維持する。この構図は、市街地の真ん中に位置する危険性により米軍の運用に支障がある普天間基地を返還する一方、普天間基地の軍事機能を維持強化する辺野古新基地の建設を強行していることと同一だ。『沖縄の負担軽減』を名目としつつ、本質的には米軍に都合のいい施設を温存強化する欺瞞(ぎまん)に満ちた在沖基地政策と言うしかない。」
④「オスプレイは従来ヘリより低周波音など住民生活、自然への影響が格段に大きいと指摘されている。その影響が調査されない欠陥アセスがまかり通っているのだ。」
⑤「翁長知事は今年1月、オスプレイの騒音、高温排気熱が生息動植物に与える影響を調査することなど8項目22件の環境保全措置を沖縄防衛局に要求している。これらのごく当然の要求に耳をふさいだままの工事再開は、断じて容認できない。」
⑥「参院選の最中、高江にある既設のN4地区ヘリパッドでオスプレイが夜間離着陸を繰り返し、睡眠不足となった同小中学校の児童生徒が学校を休む事態となった。住民が反対し影響が懸念される中でヘリパッドの建設と運用が強行され、懸念された通り人権侵害にも等しい被害を高江の住民、児童は被っているのだ。」
(沖縄タイムス)
①「日米両政府が、地位協定の軍属の範囲見直しを打ち出したのは参院選の5日前だった。細部が固まっていないにもかかわらず再発防止策を共同発表した。それが参院選沖縄選挙区で、政府の基地政策を厳しく批判する伊波洋一氏が大勝すると一転、県民感情を逆なでする強硬手段に出たのである。選挙で示された民意をいとも簡単に踏みにじるようでは、国と県の間に信頼関係が生まれるはずがない。」
②「東村には新たなヘリパッドが計画される前から15カ所ものヘリパッドがあり、住民は訓練に伴う騒音や墜落の危険に脅かされてきた。」 
③「建設予定地の北部訓練場は亜熱帯の原生林が広がり、ヤンバルクイナやノグチゲラなど世界中でここにしかいない動植物が生息する貴重な森である。」
④「かつて米軍はハワイでのオスプレイ運用で、遺跡への影響や地元の反対を理由に計画を取り下げたことがある。しかし沖縄では住民が騒音による睡眠不足や体調不良を訴えても、排ガスや下降気流が動植物に与える影響を指摘しても、全ての市町村がオスプレイ配備撤回の建白書を政府に提出しても、計画が変更されることはなかった。軍事上の必要性だけが強調され、本来最も大切なはずの住民の暮らしや安全が軽視されている。」


 「沖縄は、軍事植民地ではないか。」
 「軍事上の必要性だけが強調され、本来最も大切なはずの住民の暮らしや安全が軽視されている。」、という沖縄の現実は、このことを証明するものではないか。
 「参院選の最中、高江にある既設のN4地区ヘリパッドでオスプレイが夜間離着陸を繰り返し、睡眠不足となった同小中学校の児童生徒が学校を休む事態となった。住民が反対し影響が懸念される中でヘリパッドの建設と運用が強行され、懸念された通り人権侵害にも等しい被害を高江の住民、児童は被っているのだ。」(琉球新報)、という事実だけでも、こんなことが許されていいはずはない。

 ちょっと考えてみればわかる。
 選挙の次の日に、政府がこんな行動を起こすことが沖縄県以外で可能なのかということを。
もう一度いう。
「沖縄は、軍事植民地ではないか。」。
 いや、日本人は沖縄を軍事植民地にしているのではないか。


 以下、琉球新報及び沖縄タイムスの引用。







琉球新報社説-ヘリパッド資材搬入 知事は「反対」表明を 建設工事の再開を許すな-2016年7月13日 06:01


 米軍、政府は東村高江に近い、米軍北部訓練場内のヘリパッド建設計画を中止すべきだ。

 オスプレイが飛来するヘリパッドの建設は、住民の生活環境だけでなく、世界自然遺産の候補地にも挙がる本島北部やんばる地区の貴重な動植物の生息環境、生態系をも破壊する。
 沖縄防衛局は参院選投開票翌日の早朝、ヘリパッド工事再開へと資材搬入を強行した。ヘリパッド建設反対は、参院選で示された圧倒的な辺野古新基地計画反対の民意と同根だ。翁長知事は民意を踏みにじるヘリパッド建設への反対を明確に打ち出してもらたい。

露骨な選挙対策

 選挙期間中は作業を控え、選挙が終わるやいなや工事再開に乗り出す防衛局のやり方は、露骨な選挙対策にほかならない。県民、地元の反対の声に向き合う姿勢はみじんも感じられない。
 翁長知事が「選挙で民意が示された数時間後に、用意周到にこういうことをやることは容認できない」と表明したのは当然だ。
 そもそも米軍北部訓練場の一部返還が、ヘリパッド移設の交換条件付きで決まった経緯に大きな問題がある。
 北部訓練場の一部返還は、1996年の日米特別行動委員会最終報告に盛り込まれたが、既存のヘリパッド移設の交換条件は沖縄県や地元自治体、住民との協議の上で決まったわけではない。
 米軍に不要となった北部訓練場の一部施設を返還する一方、既存のヘリパッドの既得権益は維持する。この構図は、市街地の真ん中に位置する危険性により米軍の運用に支障がある普天間基地を返還する一方、普天間基地の軍事機能を維持強化する辺野古新基地の建設を強行していることと同一だ。
 「沖縄の負担軽減」を名目としつつ、本質的には米軍に都合のいい施設を温存強化する欺瞞(ぎまん)に満ちた在沖基地政策と言うしかない。
 96年の日米合同委最終報告から20年、米軍の戦略方針は大きく変わった。最たるものが海兵隊員9千人をグアムほか国外に移転するという在沖米海兵隊の比重低下だ。
 主力実戦部隊の中核である歩兵の大半がグアムに移るというのに、輸送ヘリ部隊が使う辺野古新基地建設に日米政府は固執し続けている。日米政府は辺野古新基地計画を根本から見直すべきだ。同時に北部訓練場内でのヘリパッド移設も見直して当然だ。海兵隊員の多くがグアムに移転し訓練縮小が見通される中で、従来のヘリパッド数を維持するのは理に合わない。思考停止を脱するべきだ。

生活、生態系を破壊

 ヘリパッド移設に伴う環境影響評価(アセスメント)に対しては「オスプレイ運用に対する評価がなされていない」と看過できぬ問題点が指摘されている。
 オスプレイは従来ヘリより低周波音など住民生活、自然への影響が格段に大きいと指摘されている。その影響が調査されない欠陥アセスがまかり通っているのだ。
 翁長知事は今年1月、オスプレイの騒音、高温排気熱が生息動植物に与える影響を調査することなど8項目22件の環境保全措置を沖縄防衛局に要求している。
 これらのごく当然の要求に耳をふさいだままの工事再開は、断じて容認できない。
 参院選の最中、高江にある既設のN4地区ヘリパッドでオスプレイが夜間離着陸を繰り返し、睡眠不足となった同小中学校の児童生徒が学校を休む事態となった。
 住民が反対し影響が懸念される中でヘリパッドの建設と運用が強行され、懸念された通り人権侵害にも等しい被害を高江の住民、児童は被っているのだ。
 翁長知事は一昨年の知事選で、高江ヘリパッドについて「オスプレイの配備撤回を求めており、連動して反対する」と述べていた。県民の人権、北部の貴重な自然を守る立場から、毅然(きぜん)としてヘリパッド建設反対を表明すべきだ。


沖縄タイムス社説-[ヘリパッド資材搬入] 選挙終わったら、これか-2016年7月13日 05:00


 参院選から一夜明けた11日早朝、沖縄防衛局はヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設に向け、米軍北部訓練場に資材を搬入した。

 搬入作業は12日も続き、東村高江のメインゲート前では、工事車両を止めようとする市民を機動隊が強制排除するなど、混乱と緊迫の状態が続いている。

 選挙が終わったとたん、手のひらを返したような国の対応だ。

 日米両政府が、地位協定の軍属の範囲見直しを打ち出したのは参院選の5日前だった。細部が固まっていないにもかかわらず再発防止策を共同発表した。

 それが参院選沖縄選挙区で、政府の基地政策を厳しく批判する伊波洋一氏が大勝すると一転、県民感情を逆なでする強硬手段に出たのである。

 選挙で示された民意をいとも簡単に踏みにじるようでは、国と県の間に信頼関係が生まれるはずがない。

 総面積約7800ヘクタールの北部訓練場は、国頭村と東村にまたがる国内最大の米軍専用施設だ。日米両政府は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、その半分の返還に合意した。

 だが返還は高江の集落を取り囲むように六つのヘリパッドを新たに建設することが条件だった。合意の背後にはオスプレイ配備も隠されていた。

 日米が一方的に返還計画を決め、決まったことには従えと言わんばかりの威圧的手法は、辺野古新基地を巡る問題とよく似ている。
■    ■
 東村には新たなヘリパッドが計画される前から15カ所ものヘリパッドがあり、住民は訓練に伴う騒音や墜落の危険に脅かされてきた。 

 建設予定地の北部訓練場は亜熱帯の原生林が広がり、ヤンバルクイナやノグチゲラなど世界中でここにしかいない動植物が生息する貴重な森である。

 かつて米軍はハワイでのオスプレイ運用で、遺跡への影響や地元の反対を理由に計画を取り下げたことがある。

 しかし沖縄では住民が騒音による睡眠不足や体調不良を訴えても、排ガスや下降気流が動植物に与える影響を指摘しても、全ての市町村がオスプレイ配備撤回の建白書を政府に提出しても、計画が変更されることはなかった。

 軍事上の必要性だけが強調され、本来最も大切なはずの住民の暮らしや安全が軽視されている。 
■    ■
 米軍にとってヘリパッドと辺野古新基地、オスプレイは三位一体のものだ。

 普天間に配備された海兵隊のオスプレイに加え、今後、横田基地に配備される空軍のオスプレイ訓練が、北部訓練場や伊江島補助飛行場、キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブで実施されるのはほぼ間違いない。

 国は広大な北部訓練場の過半を返還することで負担軽減をアピールしたい考えがあるのだろうが、北部への米軍基地の集約化は、この地域に住む人からすれば、明らかに基地機能の強化であり、負担軽減と逆行する。


by asyagi-df-2014 | 2016-07-14 05:52 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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