沖縄-国際自然保護連合(IUCN)の世界自然保護会議第6回総会で、日本自然保護協会など国内の非政府組織6団体が日米両政府、IUCNに沖縄島の外来種対策を求める勧告案を共同提出。

 標題について、沖縄タイムスは2016年7月2日、「9月に米ハワイ州で開かれる世界最大の自然保護団体、国際自然保護連合(IUCN)の世界自然保護会議第6回総会で、日本自然保護協会など国内の非政府組織(NGO)6団体が日米両政府、IUCNに沖縄島の外来種対策を求める勧告案を共同提出したことが1日、分かった。IUCN内で勧告案の文言を巡る議論が進んでいるが、島外から大量の埋め立て土砂が搬入される名護市辺野古の新基地建設計画に触れ、搬入前に第三者的立場の専門家が関与するよう求める内容を含む見通し。」、と報じた。
 また、「総会の『対立関係を視野に入れた保全の取り組み』分野のワークショップでは稲嶺進名護市長も新基地建設問題を報告、国際的な支援を呼び掛ける予定だ。」、と伝えた。
 このことについて、琉球新報は2016年7月5日、「IUCN勧告案 辺野古阻止へ国際圧力を」とする社説を掲げた。
 その要約は次のものである。
(1)経過
①「国内の環境保護6団体は普天間飛行場の辺野古移設計画を批判し、ジュゴンやウミガメ、サンゴなど貴重生物と自然環境の保護を訴えてきた。」
②「これを受け自然保護の国際的な権威であるIUCNは2000年、04年、08年の3度、日本政府に対しジュゴン保護などの勧告を行っているが、自然保護の国際世論に背を向け、政府は強引に辺野古新基地建設を進めている。」
(2)辺野古の状況
①「辺野古海域の埋め立てには2100万立方メートル、県庁70棟分もの土砂の投入が予定される。海域の埋め立てはそれ自体、海洋生態系を破壊するが、加えて土砂に混じって搬入される外来生物の影響がクローズアップされている。」
②「埋め立て土砂は国内6県7地区からも搬入する計画だが、これらの地区ではアルゼンチンアリやセアカゴケグモなど在来種を駆逐したり毒性があったりする生物9種が確認された。侵入すれば生態系への深刻な影響が懸念される。」
(3)問題点
①「昨年11月に外来生物の混入する土砂の搬入を規制する県条例が施行されたが、実効性には疑問がある。広大な海域を埋め立てる大量の土砂に微細な有害生物が混入していないかの万全なチェックが、果たして可能なのか。」
②「北部三村の陸海域の『やんばる国立公園』指定が決まったばかりだが、同地区は世界自然遺産の有力候補地でもある。近隣の辺野古地区に外来生物の侵入を許せば、やんばるの固有動植物、生物多様性に影響を及ぼす可能性がある。」
③「世界自然遺産はIUCNの勧告を受け決まる。辺野古基地建設によるジュゴンへの影響や外来生物への政府の対応は、やんばるの世界自然遺産登録の成否をも左右しかねない。」
(4)主張
①「日本政府は10年の生物多様性条約締約国会議の議長国を務めた。IUCN総会で審議される外来生物対策の勧告案の論議に、政府は真摯(しんし)に向き合う責任がある。」
②「IUCN総会には稲嶺進名護市長が参加を決めている。県も参加すべきだ。日本自然保護協会ほか国内、県内の各団体が連携し、無謀な辺野古基地建設を阻止する国際圧力を高めてほしい。」


 以下、沖縄タイムス及び琉球新報の引用。







沖縄タイムス-世界自然保護会議に辺野古土砂搬入外来種対策勧告案-2016年7月2日 07:15


 9月に米ハワイ州で開かれる世界最大の自然保護団体、国際自然保護連合(IUCN)の世界自然保護会議第6回総会で、日本自然保護協会など国内の非政府組織(NGO)6団体が日米両政府、IUCNに沖縄島の外来種対策を求める勧告案を共同提出したことが1日、分かった。IUCN内で勧告案の文言を巡る議論が進んでいるが、島外から大量の埋め立て土砂が搬入される名護市辺野古の新基地建設計画に触れ、搬入前に第三者的立場の専門家が関与するよう求める内容を含む見通し。

 IUCNは世界160カ国の政府や政府機関、NGOで構成され、野生生物の保護に大きな影響力を持つ。日本も政府として加盟している。勧告に法的拘束力はないが、採択されれば、島外から過去に例のない規模の土砂を持ち込む新基地建設計画の見直しを求める声がより高まりそうだ。

 勧告案は日本自然保護協会、ジュゴン保護キャンペーンセンター、野生生物保全論研究会(JWCS)、日本野鳥の会、ラムサール・ネットワーク日本、WWFジャパンが共同で、ことし2月に提出。9月の総会に向け、日本政府を含むIUCNメンバー内で文言を巡る議論を進めている。

 総会の「対立関係を視野に入れた保全の取り組み」分野のワークショップでは稲嶺進名護市長も新基地建設問題を報告、国際的な支援を呼び掛ける予定だ。(社会部・篠原知恵)


琉球新報社説-IUCN勧告案 辺野古阻止へ国際圧力を-2016年7月5日



 辺野古新基地建設の土砂搬入で危惧される外来生物侵入の問題が、9月の国際自然保護連合(IUCN)総会で議論されることになった。日本自然保護協会などの提起を受け、IUCN総会で日本政府への勧告案が採決に付される。

 国内の環境保護6団体は普天間飛行場の辺野古移設計画を批判し、ジュゴンやウミガメ、サンゴなど貴重生物と自然環境の保護を訴えてきた。
 これを受け自然保護の国際的な権威であるIUCNは2000年、04年、08年の3度、日本政府に対しジュゴン保護などの勧告を行っているが、自然保護の国際世論に背を向け、政府は強引に辺野古新基地建設を進めている。
 辺野古海域の埋め立てには2100万立方メートル、県庁70棟分もの土砂の投入が予定される。海域の埋め立てはそれ自体、海洋生態系を破壊するが、加えて土砂に混じって搬入される外来生物の影響がクローズアップされている。
 埋め立て土砂は国内6県7地区からも搬入する計画だが、これらの地区ではアルゼンチンアリやセアカゴケグモなど在来種を駆逐したり毒性があったりする生物9種が確認された。侵入すれば生態系への深刻な影響が懸念される。
 昨年11月に外来生物の混入する土砂の搬入を規制する県条例が施行されたが、実効性には疑問がある。広大な海域を埋め立てる大量の土砂に微細な有害生物が混入していないかの万全なチェックが、果たして可能なのか。
 北部三村の陸海域の「やんばる国立公園」指定が決まったばかりだが、同地区は世界自然遺産の有力候補地でもある。近隣の辺野古地区に外来生物の侵入を許せば、やんばるの固有動植物、生物多様性に影響を及ぼす可能性がある。
 日本政府は10年の生物多様性条約締約国会議の議長国を務めた。IUCN総会で審議される外来生物対策の勧告案の論議に、政府は真摯(しんし)に向き合う責任がある。
 世界自然遺産はIUCNの勧告を受け決まる。辺野古基地建設によるジュゴンへの影響や外来生物への政府の対応は、やんばるの世界自然遺産登録の成否をも左右しかねない。
 IUCN総会には稲嶺進名護市長が参加を決めている。県も参加すべきだ。日本自然保護協会ほか国内、県内の各団体が連携し、無謀な辺野古基地建設を阻止する国際圧力を高めてほしい。


by asyagi-df-2014 | 2016-07-13 05:45 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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