沖縄-公益社団法人自由人権協会の「声明」(2016年6月22日)を読む。

 公益社団法人自由人権協会は、2016年6月22日、「辺野古問題の本質的解決に向けて国に県との協議開始を求める声明」を発表した。
 この声明を考える。
 まず、声明の要約は次のものである。


(1)国地方係争処理委員会の結論
①「2016年6月20日、国地方係争処理委員会は、沖縄県知事の辺野古埋立 承認取消しに対する地方自治法第245条の7第1項に基づく国土交通大臣の 是正の指示について、違法か否かの判断をせず、『国と沖縄県は普天間飛行場の 返還という共通の目的の実現に向けて真摯に協議するべきである』との見解を 関係者に通知した。」
②「同委員会は、問題とされた国交大臣の『是正の指示』は辺野古埋立承認出願 に始まる一連の流れの延長線にあり、争論の本質は『普天間飛行場の代替施設 の辺野古への建設の施策の是非に関する国と沖縄県の対立である』と指摘し、 そのような対立があるときは、国と県は、両者が担う公益の最大化を目指して 互いに十分協議し調整すべきであるのに、議論を深めるための共通基盤づくり が不十分であるとして、『国と沖縄県〔が〕普天間飛行場の返還という共通の目 的の実現に向けて真摯に協議し、双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努 力をすることが、問題解決に向けての最善の道である』と結論づけている。」


(2)国地方係争処理委員会の結論をどのように受け取るか
①「このように同委員会が『国と沖縄県の双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努力』を求めたのは、国に対し『辺野古移設が唯一の解決策』との立場に 固執することなく、『普天間飛行場の返還という共通の目的の実現に向けた』協 議を求めたものと解される。」②「安全保障・外交問題は国の専権事項だとして国が 一方的に『辺野古への移設』を決めることはできず、国と県がそれぞれの立場 から意見を述べて協議することが必要であるとしたのである。」
③「先の代執行訴訟においては、福岡高等裁判所那覇支部が、埋立て承認取消し を取り消すよう求めた国の主張を認めず、埋立工事強行を認めない結果となる 和解を主導した。これに続けて今回は、総務省の第三者委員会である国地方係 争処理委員会が、辺野古移転を前提とする是正の指示という国の強硬策を『適 法』と判断しなかった。今回の見解は、実質的にはこれまでの国の一連の措置 の見直しを求めるものである。」


(3)主張
①「政府は、裁判所や第三者委員会という、独立性を有する機関が国の主張を容れなかったことの意味を十分かみしめるべきである。」
②「すでに、沖縄県知事は、同委員会の見解に従い国との協議による解決を目指 す意向を表明している。当協会は、問題の本質に立ち返った解決を図るため、国もまた、同委員会の 見解を受け入れ、『辺野古が唯一の解決策である』との立場を前提とすることな く、県との真摯な協議に応じるよう求める。」
③「今回の見解は、『辺野古問題』は政治の場で解決されるべきことを示唆してい る。政府のみならず、国会もまた、党派を超えて、沖縄に負わされた過剰な負 担と、沖縄の民意をことさらに無視してきた不正義を直視し、『普天間基地の返 還』のために採り得る最善の施策を真摯に検討し議論すべきである。」
④「当協会は、国政に参加するすべての議員に対しても、同委員会の見解を受け 止め、政治的課題として取り組むよう求める。」


 一方、政府側の対応は、菅義偉官房長官の「次の司法プロセスに進むように提訴を行うべきだとの考えを示した。」(沖縄タイムス-)2016年6月21日)、との発言にみられるように、「辺野古が唯一の解決策である」との考え方に固執したままである。

 しかし、先の代執行訴訟における福岡高等裁判所那覇支部の判断及び今回の国地方係争処理委員会の結論は、「実質的にはこれまでの国の一連の措置 の見直しを求めるものである。」、ということにある。
 だとしたら、この人権協会の「声明」がこれからの方向性を示している。
この指摘「今回の見解は、『辺野古問題』は政治の場で解決されるべきことを示唆している。政府のみならず、国会もまた、党派を超えて、沖縄に負わされた過剰な負担と、沖縄の民意をことさらに無視してきた不正義を直視し、『普天間基地の返還』のために採り得る最善の施策を真摯に検討し議論すべきである。」、を安倍晋三政権は真摯に受け止めなくてはならないし、国会もまた同様である。


以下、公益社団法人自由人権協会のの引用。







野古問題の本質的解決に向けて国に県との協議開始を求める声明
                           2016 年 6 月 22日
                          公益社団法人自由人権協会


 2016年6月20日、国地方係争処理委員会は、沖縄県知事の辺野古埋立 承認取消しに対する地方自治法第245条の7第1項に基づく国土交通大臣の 是正の指示について、違法か否かの判断をせず、「国と沖縄県は普天間飛行場の 返還という共通の目的の実現に向けて真摯に協議するべきである」との見解を 関係者に通知した。
 同委員会は、問題とされた国交大臣の「是正の指示」は辺野古埋立承認出願 に始まる一連の流れの延長線にあり、争論の本質は「普天間飛行場の代替施設 の辺野古への建設の施策の是非に関する国と沖縄県の対立である」と指摘し、 そのような対立があるときは、国と県は、両者が担う公益の最大化を目指して 互いに十分協議し調整すべきであるのに、議論を深めるための共通基盤づくり が不十分であるとして、「国と沖縄県〔が〕普天間飛行場の返還という共通の目 的の実現に向けて真摯に協議し、双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努 力をすることが、問題解決に向けての最善の道である」と結論づけている。
 このように同委員会が「国と沖縄県の双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努力」を求めたのは、国に対し「辺野古移設が唯一の解決策」との立場に 固執することなく、「普天間飛行場の返還という共通の目的の実現に向けた」協 議を求めたものと解される。安全保障・外交問題は国の専権事項だとして国が 一方的に「辺野古への移設」を決めることはできず、国と県がそれぞれの立場 から意見を述べて協議することが必要であるとしたのである。
 先の代執行訴訟においては、福岡高等裁判所那覇支部が、埋立て承認取消し を取り消すよう求めた国の主張を認めず、埋立工事強行を認めない結果となる 和解を主導した。これに続けて今回は、総務省の第三者委員会である国地方係 争処理委員会が、辺野古移転を前提とする是正の指示という国の強硬策を「適 法」と判断しなかった。今回の見解は、実質的にはこれまでの国の一連の措置 の見直しを求めるものである。
 政府は、裁判所や第三者委員会という、独立性を有する機関が国の主張を容 れなかったことの意味を十分かみしめるべきである。
 すでに、沖縄県知事は、同委員会の見解に従い国との協議による解決を目指 す意向を表明している。
 当協会は、問題の本質に立ち返った解決を図るため、国もまた、同委員会の 見解を受け入れ、「辺野古が唯一の解決策である」との立場を前提とすることな く、県との真摯な協議に応じるよう求める。
 今回の見解は、「辺野古問題」は政治の場で解決されるべきことを示唆してい る。政府のみならず、国会もまた、党派を超えて、沖縄に負わされた過剰な負 担と、沖縄の民意をことさらに無視してきた不正義を直視し、「普天間基地の返 還」のために採り得る最善の施策を真摯に検討し議論すべきである。
 当協会は、国政に参加するすべての議員に対しても、同委員会の見解を受け 止め、政治的課題として取り組むよう求める。


by asyagi-df-2014 | 2016-06-30 05:45 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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