沖縄-総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」の第9回会合が17日に開かれ、17日に結論が出される見通し。

 標題について、沖縄タイムスは2016年6月17日、「名護市辺野古の新基地建設を巡り、翁長雄志知事による埋め立て承認取り消しに対する石井啓一国土交通相の是正指示の適法性を審査する総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」(係争委)の第9回会合が17日に開かれる。地方自治法上の審査期限は21日だが、同日までに双方に決定書を通知する必要があるため、17日に結論が出される見通し。」、と報じた。
 また、このことについて、「県側は、翁長知事の取り消しは公有水面埋め立て法に基づき、適正に判断されたもので違法性はないとし、国交相の是正指示は違法な国の関与だと主張。これに対し、国側は仲井真弘多前知事の埋め立て承認に瑕疵(かし)はなく、翁長知事の取り消し処分は違法と指摘。違法な処分に是正を求める国交相の指示は適法と反論している。」、「県は、係争委が国交相の是正指示を適法と判断した場合や、是正指示を違法として係争委が国に是正指示を取り消すよう勧告しても国が応じない場合、福岡高裁那覇支部に提訴する方針。」、と説明した。
 沖縄タイムスは、主な争点を次のようにまとめている。


(1)[是正指示]
①「県側は翁長雄志知事の埋め立て承認取り消し処分は、公有水面埋立法(公水法)に基づいて適法に下されたと主張。国側が出した処分の取り消しを求める是正指示は『違法な国の関与』と指摘する。
②「国側は、取り消し処分は、適法な仲井真弘多前知事の承認処分を違法に取り消したものだと主張。埋め立て承認は、都道府県知事に権限を与える法定受託事務だが、国防・外交上から埋め立ての必要性を判断する権限までは知事にはないとした。」
(2)[前知事の承認]
①「県側は前知事の埋め立て承認について、瑕疵(かし)があると指摘。普天間飛行場の移設の必要性から直ちに辺野古の埋め立てが必要としており、論理の飛躍があるとする。」②「国側は承認前の審査で、辺野古住民の騒音被害や自然環境の影響については十分配慮されていると反論。承認処分は公水法の各要件を満たしており、重要な事実の前提や、判断内容の妥当性を欠くと認める余地はないとしている。」
(3)[取消制限法理]
①「国側は1968年の最高裁判決を引用し『例え瑕疵ある行政処分であっても、処分の放置が著しく公共の福祉に反しない限り取り消しはできない』などと主張する。本件では、取り消しによって生じる不利益は、承認処分を放置することによって生じる不利益を上回ると指摘。翁長知事の処分は違法だとしている。
②「県側は、国側の主張する『取消制限法理』は行政処分などを受けた私人の利益保護のためのものだと反論。行政体である国は、法理を主張する適格を欠いているとしている。(4)[適正・公益性要件]
①「地方自治法245条の7第1項後段は、都道府県知事の事務執行が『著しく適正を欠き、明らかに公益を害している』場合も、国による是正の指示を認めている。国側は5月、取り消し処分は『日米同盟の重要性や安全保障上の利益を軽視している』と指摘。同項後段に当たるとする。」
②「県側は、3月の是正の指示文書に明示されておらず、自治法249条にも違反していると反論。国側の主張を採用しないよう、委員会に求めている。」


 さらに、今後の見通しについて、沖縄タイムスは、次のように説明する。


①「県が係争委へ不服を申し立てた手続きは、国と県が合意した『和解条項』に基づく。条項には、係争委が国、県いずれの主張を認めた場合でも、県が是正指示の取り消しを求め訴訟を提起するとしている。係争委は結論(裁決)の決定書を期限の21日までに県、国へ届ける。仮に県の主張が認められず21日に決定書が届いた場合は翌22日から起算し、28日にも県が高裁へ提訴することになる。」
②「係争委が県の主張を認め、国の是正指示を違法と判断した場合、係争委は期間を定めて国に是正指示を取り消すよう勧告を出す。国は指示に応じないとみられ、県は勧告期間が終了してから1週間以内に地方自治法251条5の1項4号に基づき国の不作為の違法確認訴訟を高裁へ起こす。
③「国の是正指示を適法と判断した場合、県は係争委から理由を記した『決定書』が届いた翌日から起算して1週間以内に地方自治法251条5の1項1号に基づき是正指示の取り消し訴訟を高裁へ提起する。
④「係争委は過去、是非を示さず『再協議』を促す結論を出したことがある。2001年、場外馬券売り場への課税を国が不同意としたことを不服とした横浜市に対してだ。ただ、今回は和解条項に基づき、国と県は既に円満解決に向けた協議を行っており、『再協議』の結論に至る可能性は低いとみられる。」
⑤「和解条項の9項では、判決確定後は両者が判決に従うとしている。県は、判決が拘束するのは訴訟で争った埋め立て承認取り消しの適法性だけだとし、その後の設計変更など知事権限を行使して新基地建設を阻止する考えだ。一方、国は、県が敗訴した場合には設計変更など将来の行政処分も法的に拘束すると主張しており、見解が割れている。


 以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス-辺野古埋め立て取り消し 係争委きょうにも結論 21日審査期限双方に決定書-2016年6月17日 05:40


 【東京】名護市辺野古の新基地建設を巡り、翁長雄志知事による埋め立て承認取り消しに対する石井啓一国土交通相の是正指示の適法性を審査する総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」(係争委)の第9回会合が17日に開かれる。地方自治法上の審査期限は21日だが、同日までに双方に決定書を通知する必要があるため、17日に結論が出される見通し。

 会合は午後3時から総務省内で開かれ、会合後に小早川光郎委員長が記者会見する。

 県側は、翁長知事の取り消しは公有水面埋め立て法に基づき、適正に判断されたもので違法性はないとし、国交相の是正指示は違法な国の関与だと主張。これに対し、国側は仲井真弘多前知事の埋め立て承認に瑕疵(かし)はなく、翁長知事の取り消し処分は違法と指摘。違法な処分に是正を求める国交相の指示は適法と反論している。

 県は、係争委が国交相の是正指示を適法と判断した場合や、是正指示を違法として係争委が国に是正指示を取り消すよう勧告しても国が応じない場合、福岡高裁那覇支部に提訴する方針。

 県の係争委への審査申し出は、県と国が合意した代執行訴訟などの「和解条項」に基づく手続きの一環。
■是正指示の適法性争う
 国土交通相の是正指示を違法として県が審査を申し出た係争委は17日に審査の結論を出すとみられる。主な争点をまとめた。

[是正指示]
 県側は翁長雄志知事の埋め立て承認取り消し処分は、公有水面埋立法(公水法)に基づいて適法に下されたと主張。国側が出した処分の取り消しを求める是正指示は「違法な国の関与」と指摘する。

 これに対し国側は、取り消し処分は、適法な仲井真弘多前知事の承認処分を違法に取り消したものだと主張。埋め立て承認は、都道府県知事に権限を与える法定受託事務だが、国防・外交上から埋め立ての必要性を判断する権限までは知事にはないとした。
[前知事の承認]
 県側は前知事の埋め立て承認について、瑕疵(かし)があると指摘。普天間飛行場の移設の必要性から直ちに辺野古の埋め立てが必要としており、論理の飛躍があるとする。

 国側は承認前の審査で、辺野古住民の騒音被害や自然環境の影響については十分配慮されていると反論。承認処分は公水法の各要件を満たしており、重要な事実の前提や、判断内容の妥当性を欠くと認める余地はないとしている。
[取消制限法理]
 国側は1968年の最高裁判決を引用し「例え瑕疵ある行政処分であっても、処分の放置が著しく公共の福祉に反しない限り取り消しはできない」などと主張する。本件では、取り消しによって生じる不利益は、承認処分を放置することによって生じる不利益を上回ると指摘。翁長知事の処分は違法だとしている。

 県側は、国側の主張する「取消制限法理」は行政処分などを受けた私人の利益保護のためのものだと反論。行政体である国は、法理を主張する適格を欠いているとしている。
[適正・公益性要件]
 地方自治法245条の7第1項後段は、都道府県知事の事務執行が「著しく適正を欠き、明らかに公益を害している」場合も、国による是正の指示を認めている。国側は5月、取り消し処分は「日米同盟の重要性や安全保障上の利益を軽視している」と指摘。同項後段に当たるとする。

 県側は、3月の是正の指示文書に明示されておらず、自治法249条にも違反していると反論。国側の主張を採用しないよう、委員会に求めている。
■決定書到着後県が訴訟提起
 県が係争委へ不服を申し立てた手続きは、国と県が合意した「和解条項」に基づく。条項には、係争委が国、県いずれの主張を認めた場合でも、県が是正指示の取り消しを求め訴訟を提起するとしている。係争委は結論(裁決)の決定書を期限の21日までに県、国へ届ける。仮に県の主張が認められず21日に決定書が届いた場合は翌22日から起算し、28日にも県が高裁へ提訴することになる。

 係争委が県の主張を認め、国の是正指示を違法と判断した場合、係争委は期間を定めて国に是正指示を取り消すよう勧告を出す。国は指示に応じないとみられ、県は勧告期間が終了してから1週間以内に地方自治法251条5の1項4号に基づき国の不作為の違法確認訴訟を高裁へ起こす。

 逆に、国の是正指示を適法と判断した場合、県は係争委から理由を記した「決定書」が届いた翌日から起算して1週間以内に地方自治法251条5の1項1号に基づき是正指示の取り消し訴訟を高裁へ提起する。

 一方、係争委は過去、是非を示さず「再協議」を促す結論を出したことがある。2001年、場外馬券売り場への課税を国が不同意としたことを不服とした横浜市に対してだ。ただ、今回は和解条項に基づき、国と県は既に円満解決に向けた協議を行っており、「再協議」の結論に至る可能性は低いとみられる。

 和解条項の9項では、判決確定後は両者が判決に従うとしている。県は、判決が拘束するのは訴訟で争った埋め立て承認取り消しの適法性だけだとし、その後の設計変更など知事権限を行使して新基地建設を阻止する考えだ。

 一方、国は、県が敗訴した場合には設計変更など将来の行政処分も法的に拘束すると主張しており、見解が割れている。


by asyagi-df-2014 | 2016-06-17 08:48 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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