沖縄-政府の再発防止策、「軍人・軍属の事件・事故は基地あるが故」ではないのか。

 政府は、再発防止策として、防犯パトロール隊の創設など今後の対策をとりまとめた。
このことについて、沖縄タイムスは2016年6月4日、「元海兵隊員で米軍属の男による女性遺体遺棄事件を受けて、政府が立ち上げた関係省庁の局長級でつくる『沖縄県における犯罪抑止対策推進チーム』の第2回会合が3日、首相官邸であり、防犯パトロール隊の創設など今後の対策をとりまとめた。ただ、取り組み内容は一般的な犯罪抑止対策の延長線で、米軍関係者の事件事故の抑止には日米地位協定の抜本的改定が必要とする県民らからは『不十分だ』との声が上がっている。」、と報じた。
 この防止策について、「対策は防犯パトロール体制強化と安全・安心な環境整備の2本柱。パトロール体制の強化では、沖縄総合事務局が非常勤職員を雇い、車両100台規模のパトロール隊を結成し、繁華街などを巡回する。まずは今月中に約20台で発足し、活動を開始する。また、本年度中にも警察官100人の増員とパトカーを20台増やし、事件事故への初動対応の強化やパトロールの充実を図る。安全・安心な環境整備としては、夜道の明るさ確保や犯罪が起きにくい街づくりをするため、防犯灯や防犯カメラの設置を進める。学校での防犯教育や学校の安全管理体制の充実も盛り込んだ。」、と伝えた。
 また、このことに関して、「政府は、こうした対策を実効性のあるものにするため、政府と県、関係市町村による協議機関を設置することも決めた。ただ、対策全体で必要な予算規模は現時点で不明。さらに、こうした対策を講じた場合の数値目標も設定されていない。」、と報じた。


 沖縄タイムスは、その社説(2016年6月4日付け)で、「具体性なく実効性疑問」、と次のように批判した。

①「だが、具体的中身となるとはっきりしないことが多い。」
②「警察官増員の時期も決まっていない。そもそも何を根拠に100人と見積もったのか。沖縄県警が採用するのか、別の都道府県から派遣されるのか。一定期間に区切った増員なのか。予算はどこから出るのか。政府側は『できるだけ速やかに』としか言わない。不可解である。」
③「地域安全パトロール隊についても今月中に約20台で発足するという。総合事務局など国の機関が所有する車両の使用を想定しているようだが、永続的に続けるのか。非常勤職員の規模はどれくらいで予算は内閣府から出るのか。昼夜パトロールだけをするのか。別業務も受け持つのか。不透明である。」
④「警察官の増員や地域安全パトロール隊は、辺野古新基地建設や東村高江のヘリパッド建設をにらんだものではないのかとの疑いも消えない。」


 この上で、沖縄タイムスは次のように主張する。


①「米軍人・軍属の事件・事故は基地あるが故である。」
②「県議会では女性遺体遺棄事件に対する抗議決議と意見書を全会一致で可決したばかりである。在沖米海兵隊の撤退、基地の整理・縮小、日米地位協定の抜本改定-などを求めている。県議会で退席した野党も、在沖米海兵隊の大幅な削減、基地の整理・縮小、日米地位協定の抜本改定などを党本部に要請している。」
③「多くの県民が求めているのは、0・6%の国土面積に米軍専用施設の74%を集中させるという極端な米軍基地のあり方をただし、事件・事故の土壌となっている不平等な日米地位協定を抜本的に改正せよ、ということである。
④「与野党が一致し、県民が求めるこれらの問題に踏み込むことなしに、付け焼き刃の再発防止策をいくらうたってみても実効性を持たない。」
⑤「政府はなぜ、いま具体的な中身が固まっていない再発防止策を打ち出したのか。環境整備として防犯灯や防犯カメラを増設することも盛り込んでいるが、どこにどれだけ設置するかも『決まっていない』という。」
⑥「県議選の投開票が5日に迫っている。参院選も22日公示、7月10日投開票の日程が決まった。県議選を重視する官邸が関係省庁に再発防止策づくりを急がせたのではないかとの疑念が拭えず、沖縄の実情を知らない霞が関の官僚が机上でつくったプランであるとしか思えない。


 痛ましい女性遺体遺棄事件を受けた後の政府のこの再発防止策は、あまりにも軽い。
 沖縄県知事は、被害者に、「守ってあげられなくてごめんと胸の中で語りかけた。事件を起こさせない仕組みを政治が作れなかった。二度と事件を起こさせないため、私が先頭に立ってがんばる」、と語らざるを得なかった。
 今、必要なのは、二度と事件を起こさせないために何をしなければならないかということだ。


 以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス社説-[政府の再発防止策]具体性なく実効性疑問-2016年6月4日 05:00



 元海兵隊員で米軍属による女性遺体遺棄事件を受け、政府は「沖縄県における犯罪抑止対策推進チーム」の会合を首相官邸で開き、再発防止策を決めた。5月26日の初会合に続く2回の会合での決定である。

 柱となる対策は二つ。

 一つは警察官100人とパトカーを20台増やし、事件・事故が起きた場合の初動対応とパトロールを強化する。

 もう一つは沖縄総合事務局が非常勤職員を採用し、車両100台規模の「沖縄・地域安全パトロール隊」を組織。青色回転灯をつけて繁華街をはじめとする必要な場所をパトロールする。

 だが、具体的中身となるとはっきりしないことが多い。

 警察官増員の時期も決まっていない。そもそも何を根拠に100人と見積もったのか。沖縄県警が採用するのか、別の都道府県から派遣されるのか。一定期間に区切った増員なのか。予算はどこから出るのか。政府側は「できるだけ速やかに」としか言わない。不可解である。

 地域安全パトロール隊についても今月中に約20台で発足するという。総合事務局など国の機関が所有する車両の使用を想定しているようだが、永続的に続けるのか。非常勤職員の規模はどれくらいで予算は内閣府から出るのか。昼夜パトロールだけをするのか。別業務も受け持つのか。不透明である。

 警察官の増員や地域安全パトロール隊は、辺野古新基地建設や東村高江のヘリパッド建設をにらんだものではないのかとの疑いも消えない。
■    ■
 米軍人・軍属の事件・事故は基地あるが故である。

 県議会では女性遺体遺棄事件に対する抗議決議と意見書を全会一致で可決したばかりである。在沖米海兵隊の撤退、基地の整理・縮小、日米地位協定の抜本改定-などを求めている。

 県議会で退席した野党も、在沖米海兵隊の大幅な削減、基地の整理・縮小、日米地位協定の抜本改定などを党本部に要請している。

 多くの県民が求めているのは、0・6%の国土面積に米軍専用施設の74%を集中させるという極端な米軍基地のあり方をただし、事件・事故の土壌となっている不平等な日米地位協定を抜本的に改正せよ、ということである。

 与野党が一致し、県民が求めるこれらの問題に踏み込むことなしに、付け焼き刃の再発防止策をいくらうたってみても実効性を持たない。
■    ■
 政府はなぜ、いま具体的な中身が固まっていない再発防止策を打ち出したのか。

 環境整備として防犯灯や防犯カメラを増設することも盛り込んでいるが、どこにどれだけ設置するかも「決まっていない」という。

 県議選の投開票が5日に迫っている。参院選も22日公示、7月10日投開票の日程が決まった。

 県議選を重視する官邸が関係省庁に再発防止策づくりを急がせたのではないかとの疑念が拭えず、沖縄の実情を知らない霞が関の官僚が机上でつくったプランであるとしか思えない。



沖縄タイムス-米軍犯罪政府が対策 パトロール隊創設県警100人増員 実効性疑問の声も-2016年6月4日 05:30


 【東京】元海兵隊員で米軍属の男による女性遺体遺棄事件を受けて、政府が立ち上げた関係省庁の局長級でつくる「沖縄県における犯罪抑止対策推進チーム」の第2回会合が3日、首相官邸であり、防犯パトロール隊の創設など今後の対策をとりまとめた。ただ、取り組み内容は一般的な犯罪抑止対策の延長線で、米軍関係者の事件事故の抑止には日米地位協定の抜本的改定が必要とする県民らからは「不十分だ」との声が上がっている。

 対策は防犯パトロール体制強化と安全・安心な環境整備の2本柱。

 パトロール体制の強化では、沖縄総合事務局が非常勤職員を雇い、車両100台規模のパトロール隊を結成し、繁華街などを巡回する。まずは今月中に約20台で発足し、活動を開始する。また、本年度中にも警察官100人の増員とパトカーを20台増やし、事件事故への初動対応の強化やパトロールの充実を図る。

 安全・安心な環境整備としては、夜道の明るさ確保や犯罪が起きにくい街づくりをするため、防犯灯や防犯カメラの設置を進める。学校での防犯教育や学校の安全管理体制の充実も盛り込んだ。

 政府は、こうした対策を実効性のあるものにするため、政府と県、関係市町村による協議機関を設置することも決めた。ただ、対策全体で必要な予算規模は現時点で不明。さらに、こうした対策を講じた場合の数値目標も設定されていない。

 チーム長の菅義偉官房長官は会合で、「国民の生命と財産を守ることは政府の重要な責務だ。地元と十分な調整を行いながら実施していく」と話した。島尻安伊子沖縄担当相は「沖縄県民の安全安心をしっかり確保することは沖縄振興を進めていく上での基本だ」と述べ、対策の実施に努める考えを示した。


by asyagi-df-2014 | 2016-06-06 06:06 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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