沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(30)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(30)を考える。
 第30回目は、「他県より予算もらいすぎているの?」について。
  今回の沖縄タイムスは、「有史以来ないというくらいの気持ちの予算。いい正月になるなというのが実感だ」と言った前知事の話から始まる。

①「2013年12月25日、当時の仲井真弘多知事は、官邸で安倍晋三首相との面談後、記者団に語った。21年度まで沖縄振興予算3千億円台を確保する、と政府が約束したことを指す。」
②「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で、知事が埋め立てを承認するかどうかに注目が集まっていた時期だ。知事は都内の病院に入院し、腰の治療を続けながら、菅義偉官房長官ら政府幹部と非公開で面会を重ねていた。」
③「首相との面談の2日後、埋め立てを承認。全国メディアでは、沖縄振興予算と埋め立て承認の判断を絡めるような報道が目立った。」
④「承認そのものと、『いい正月』発言が尾を引く形で、仲井真氏は翌年11月の知事選で、翁長雄志氏に大差を付けられ落選した。」
⑤「翁長氏は『県民の誇りと尊厳を取り戻す』と強調してきた。県内では『基地と振興はリンクしない』『沖縄経済は基地に依存していない』という認識が広まっていたが、『いい正月』発言で『県民の誇りと尊厳が崩れ落ちるような無念さがあった』と感じたからだ。」

 沖縄タイムスは。「他県より予算もらいすぎているの?」、という問いに答える。


①「国から沖縄への財政移転は、社会保障費や公共事業費などの国庫支出金と、地方交付税を合わせると7330億円で全国14位、人口1人当たりに換算すると51万8千円で全国6位となり、『基地があるからもらいすぎ』とは言えない。
②「国や県、市町村の機関への公共サービス提供のために必要な人件費、物件費といった『政府最終消費支出』と、公共事業費にあたる『公的総固定資本形成』を足した『公的支出額」や、公的支出額を県民総所得で割った『財政依存度』などを、地方自治体の財政力を示す『財政力指数』の近い類似県と比較した指標もある。」
③「11年度の沖縄の公的支出額は実数で1兆5150億円の全国27位。類似県の和歌山、宮崎、鹿児島、長崎、徳島、秋田、鳥取、高知、島根と比べると、鹿児島の18位、長崎の26位より少ない。財政依存度は39・8%で、高知、島根、鳥取に次いで全国4番目の高さ、1人当たりの公的支出額では105万円で全国18位に位置する。
 長崎以外に米軍基地はなく、基地と公的支出の相関性を探すのは難しい。」


 そして、沖縄タイムスは、「沖縄国際大学の宮城和宏経済学部長は、沖縄関係予算の制度や構造が誤解を招く要因の一つではないか、と考える。」、との言葉を紹介するとともに、「一括交付金を含む国庫支出金は特定財源で、政府のさじ加減で左右できる。基地への協力姿勢が予算に影響しているような仕組みを生み出し、政府がそれを利用しているようにも映る」、との指摘を載せた。


 つまり、「他県より予算もらいすぎているの?」という疑問を誘導することも含めて、「一括交付金を含む国庫支出金は特定財源で、政府のさじ加減で左右できる。基地への協力姿勢が予算に影響しているような仕組みを生み出し、政府がそれを利用している」、のが日本という国が沖縄を統治する手法の一つではないかということ。


 以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス-他県より予算もらいすぎているの?【誤解だらけの沖縄基地・30】-2016年5月20日 11:00


 「有史以来ないというくらいの気持ちの予算。いい正月になるなというのが実感だ」

 2013年12月25日、当時の仲井真弘多知事は、官邸で安倍晋三首相との面談後、記者団に語った。21年度まで沖縄振興予算3千億円台を確保する、と政府が約束したことを指す。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で、知事が埋め立てを承認するかどうかに注目が集まっていた時期だ。知事は都内の病院に入院し、腰の治療を続けながら、菅義偉官房長官ら政府幹部と非公開で面会を重ねていた。

 首相との面談の2日後、埋め立てを承認。全国メディアでは、沖縄振興予算と埋め立て承認の判断を絡めるような報道が目立った。

 承認そのものと、「いい正月」発言が尾を引く形で、仲井真氏は翌年11月の知事選で、翁長雄志氏に大差を付けられ落選した。

 翁長氏は「県民の誇りと尊厳を取り戻す」と強調してきた。県内では「基地と振興はリンクしない」「沖縄経済は基地に依存していない」という認識が広まっていたが、「いい正月」発言で「県民の誇りと尊厳が崩れ落ちるような無念さがあった」と感じたからだ。

 国から沖縄への財政移転は、社会保障費や公共事業費などの国庫支出金と、地方交付税を合わせると7330億円で全国14位、人口1人当たりに換算すると51万8千円で全国6位となり、「基地があるからもらいすぎ」とは言えない。

 また、国や県、市町村の機関への公共サービス提供のために必要な人件費、物件費といった「政府最終消費支出」と、公共事業費にあたる「公的総固定資本形成」を足した「公的支出額」や、公的支出額を県民総所得で割った「財政依存度」などを、地方自治体の財政力を示す「財政力指数」の近い類似県と比較した指標もある。

 11年度の沖縄の公的支出額は実数で1兆5150億円の全国27位。類似県の和歌山、宮崎、鹿児島、長崎、徳島、秋田、鳥取、高知、島根と比べると、鹿児島の18位、長崎の26位より少ない。財政依存度は39・8%で、高知、島根、鳥取に次いで全国4番目の高さ、1人当たりの公的支出額では105万円で全国18位に位置する。

 長崎以外に米軍基地はなく、基地と公的支出の相関性を探すのは難しい。

 沖縄国際大学の宮城和宏経済学部長は、沖縄関係予算の制度や構造が誤解を招く要因の一つではないか、と考える。

 そしてこう指摘した。「一括交付金を含む国庫支出金は特定財源で、政府のさじ加減で左右できる。基地への協力姿勢が予算に影響しているような仕組みを生み出し、政府がそれを利用しているようにも映る」


by asyagi-df-2014 | 2016-06-04 05:23 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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