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沖縄-「元米軍海兵隊兵士の事件被害者を追悼し、十分な対応と真相究明、米軍の撤退を求める要求書」の地平から考える。

 2000人が参加したと報じられた被害者追悼集会で採択された「元米軍海兵隊兵士の事件被害者を追悼し、十分な対応と真相究明、米軍の撤退を求める要求書」を、沖縄タイムスは、2016年5月23日に掲載した。
 この「要求書」の地平から、考える。

(1)この「要求書」は、アメリカ合衆国大統領、在日米国大使館、在沖米軍四軍調整官、内閣総理大臣、内閣官房長官、沖縄県知事へのそれぞれ個人名の宛先となっている。
 ここに沖縄県知事の名があることの重みである。
 1995年当時の大田元知事は、行政責任者としてその責任を吐露した。同じレベルのものが行政責任者には常に追求されているのだという自覚を持てということである。
 もちろん、これは、沖縄県知事以外のここに名前の挙がった者達への強いメッセージである。
(2)この「要求書」の地平を、次のようにしています。


①「2016年4月末から行方不明になっていた女性が遺体で発見され、5月19日元海兵隊員で軍属の男性が容疑者として逮捕されました。この痛ましい現実に直面し、何を言うべきか。怒りが痛みを持って沸き上がるのを押さえることが出来ません。」
②「この怒りや悲しみに心を配らず、責任回避や矮小化、政治の駆け引き事のように取り沙汰する声も聞こえ始めています。このようなとき、沈黙を選んではならない。私たちは声を発するためにここに集いました。」
③「私たちは何よりもまず、奪われた尊い命を悼みます。彼女を大切にしてきた人びとが、彼女を想うための時間と機会が損なわれることのないよう、求めます。」
④「私たちは、彼女がどれほどの恐怖と苦しみのなかにあったか、荒ぶるような心を鎮めることが出来ません。沖縄に暮らす私たちはみな、自分にも起こり得たことだと、言葉を失い、その痛み苦しみを共にしています。」


(2)抗議集会に集まった者たちの思い


①「私たちは、基地・軍隊の長期駐留が押し付けられている沖縄で、幾度となく繰り返される事件のたびに、被害者を貶める発言や態度にも、幾度となく引き裂かれてきました。被害に遭った人の尊厳が守られるよう、強く求めたいと思います。」
②「今年3月中旬、那覇市内のホテルで女性が米兵による性暴力の被害に遭ったときに、在沖米軍の口ーレンス・ニコルソン四軍調整官は、『沖縄にいる米軍人、家族、軍属の合計5万人を代表する』と発言して、翁長知事に謝罪しています。あれから2ケ月しか経っていません。綱紀粛正・再発防止の約束は、また反故にされたのでしょうか。この責任はどのように果たされるのでしょうか。
③「私たちは『軍隊は構造的暴力組織であり、平時と戦時とを問わず、人間の安全を保障しない』と訴え続けてきました。基地・軍隊は、人間の心と身体を深刻なまでに破壊しており、それはフェンスの内と外とを問いません。沖縄に駐留する米軍人・軍属・家族のひとりひとりにも呼びかけます。自分たちには関係ないという態度は許されません。私たちと共に悼み、怒り、抗議の声を上げて下さい。」


(3)この「要求書」の要求


「私たちは、日米両政府、米軍、沖縄県に対して、基地・軍隊の駐留がもたらすこのような現実を直視し、責任ある行動を執るよう、以下のことを強く要求します。

一、被害者を取り巻く人びとへの謝罪とケアが丁寧に行われること。
一、真実が究明され、加害者への厳正な処罰が行われること。
一、沖縄に暮らす人びとの真に安全な社会を実現するため、沖縄から全ての基地・軍隊の  撤退を求める。


 この要求に、すべてが尽きる。


以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス-【元米兵遺棄事件 被害者追悼集会要求書】-2016年5月23日 05:30


アメリカ合衆国大統領 バラク・オバマ 殿
在日米国大使館 キャロライン・ケネディ 殿
在沖米軍 口ーレンス・ニコルソン 四軍調整官 殿
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
内閣官房長官 菅義偉 殿
沖縄県知事 翁長雄志 殿


元米軍海兵隊兵士の事件被害者を追悼し、十分な対応と真相究明、米軍の撤退を求める要求書

 2016年4月末から行方不明になっていた女性が遺体で発見され、5月19日元海兵隊員で軍属の男性が容疑者として逮捕されました。この痛ましい現実に直面し、何を言うべきか。怒りが痛みを持って沸き上がるのを押さえることが出来ません。

 この怒りや悲しみに心を配らず、責任回避や矮小化、政治の駆け引き事のように取り沙汰する声も聞こえ始めています。このようなとき、沈黙を選んではならない。私たちは声を発するためにここに集いました。

 私たちは何よりもまず、奪われた尊い命を悼みます。彼女を大切にしてきた人びとが、彼女を想うための時間と機会が損なわれることのないよう、求めます。

 私たちは、彼女がどれほどの恐怖と苦しみのなかにあったか、荒ぶるような心を鎮めることが出来ません。沖縄に暮らす私たちはみな、自分にも起こり得たことだと、言葉を失い、その痛み苦しみを共にしています。

 私たちは、基地・軍隊の長期駐留が押し付けられている沖縄で、幾度となく繰り返される事件のたびに、被害者を貶める発言や態度にも、幾度となく引き裂かれてきました。被害に遭った人の尊厳が守られるよう、強く求めたいと思います。

 今年3月中旬、那覇市内のホテルで女性が米兵による性暴力の被害に遭ったときに、在沖米軍の口ーレンス・ニコルソン四軍調整官は、「沖縄にいる米軍人、家族、軍属の合計5万人を代表する」と発言して、翁長知事に謝罪しています。あれから2ケ月しか経っていません。綱紀粛正・再発防止の約束は、また反故にされたのでしょうか。この責任はどのように果たされるのでしょうか。

 私たちは「軍隊は構造的暴力組織であり、平時と戦時とを問わず、人間の安全を保障しない」と訴え続けてきました。基地・軍隊は、人間の心と身体を深刻なまでに破壊しており、それはフェンスの内と外とを問いません。沖縄に駐留する米軍人・軍属・家族のひとりひとりにも呼びかけます。自分たちには関係ないという態度は許されません。私たちと共に悼み、怒り、抗議の声を上げて下さい。

 私たちは、日米両政府、米軍、沖縄県に対して、基地・軍隊の駐留がもたらすこのような現実を直視し、責任ある行動を執るよう、以下のことを強く要求します。

一、被害者を取り巻く人びとへの謝罪とケアが丁寧に行われること。
一、真実が究明され、加害者への厳正な処罰が行われること。
一、沖縄に暮らす人びとの真に安全な社会を実現するため、沖縄から全ての基地・軍隊の撤退を求める。

2016年5月20日

 基地・軍隊を許さない行動する女たちの会、ワンストップ支援センターの設立を強く望む会、強姦救援センター・沖縄(REICO)、ジェンダー問題を考える会、女団協、I女性会議、新日本婦人の会、沖縄県母親大会連絡会、沖教組、高教組、高退教、沖退教、SEALDs琉球、安保法案に反対するママの会@沖縄、那覇ブロッコリー、わんから市民の会、ピースキャンプ沖縄準備会、合意してないプロジェクト、沖縄県内学生有志、ヘリ基地反対協、ヘリパッドいらない住民の会、Weぷらんにんぐ、沖韓民衆連帯、WILPF京都、国際法市民研究会、トリイ基地の強化に反対し読谷村自治基本条例を生かす会、「今、ここからはじめよう」、オキスタ107、Hawaii Peace and Justice、HOA:Hawaii Okinawa Alliance、雑誌las barcas、monaca、稲嶺市政を支える女性の会(いーなぐ会)、みやこ・あんなの会、てぃだのふぁ島の子の平和な未来を創る会、沖縄県憲法普及協議会、沖縄人権協会
(22日改訂現在、36団体)


沖縄タイムス-「全基地 撤去を」2000人無言の抗議 遺体遺棄で米軍司令部前-2016年5月23日 05:10


 元海兵隊員で米軍属の男による女性遺体遺棄事件を受けて「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」(高里鈴代、糸数慶子共同代表)など36団体は22日、在沖米軍司令部のあるキャンプ瑞慶覧の石平ゲート前(北中城村)で追悼抗議集会を開いた。黒や白の服装に身を包んだ約2千人(主催者発表)が、フェンス沿いの歩道を無言で行進。シュプレヒコールやガンバロー三唱もなく、「もう我慢できない」などと書かれたプラカードを一斉に掲げ、沖縄から全基地・軍隊を撤退するよう要求した。

 集会の冒頭、亡くなった被害女性を悼み、1分間の黙とう。高里共同代表は「今日は追悼と抗議の意思を示す行動。元凶である全ての基地・軍隊の撤退を求める1時間にしたい」と呼び掛けた。

 この日は、各団体代表のあいさつや決意表明などは控え、集会で恒例のシュプレヒコールをすることもなくデモ行進した。時折、各自が持つプラカードを一斉に基地内に向けて掲げ、抗議の意思を表した。

 逮捕された男は、性的暴行や殺害を認める供述をしており、女性を中心とした参加者からは「基地があるせいで女性の人権が踏みにじられた」「人ごとではない」などの声が上がった。

 集会の声明文は「彼女がどれほどの恐怖と苦しみにあったか。沖縄に暮らす私たちは皆、自分にも起こり得たことだと言葉を失い、痛みを共にしている」とし、(1)被害者家族らへの謝罪とケア(2)真実究明と加害者の厳正な処罰(3)沖縄から全ての基地・軍隊の撤退-の3点を求めた。

 高里共同代表は集会後、「女たちの会」発足の契機となった1995年の米兵暴行事件に触れ「この20年、基地と軍隊の撤退を訴えてきたが、結果としてこのような事件を起こしてしまった。悔いても、悔いきれない」と話した。


by asyagi-df-2014 | 2016-05-26 05:42 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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