沖縄-翁長雄志沖縄県知事が、オバマ米国大統領に面談を求めた。沖縄の現状を打開するために、交渉相手を対岸にいる『日本』ではなく『米国』を選択した。

 被害者の父親が23日、事件後初めて、遺体が見つかった恩納村の現場を訪ねた。娘の魂を拾いに来たという。
 県道脇の雑木林の地面にひざをつき、花を手向け、ふり絞るような声で娘の名前を呼んだ。
 「お父さんだよ。みんなと一緒に帰るよ。おうちに帰ろう」
 かけがえのない一人娘をなくした父親の震える声が木立を包み、周りに響く。


 沖縄タイムスは、こう綴った。
 かけがえのない一人娘をなくした父親の震える声は、テレビのニュースでも流された。

 翁長雄志沖縄県知事が2016年5月23日の安倍晋三首相との会談で、オバマ米大統領との面談を求めたことについて、沖縄タイムスは2016年5月24日、「翁長雄志知事が23日の安倍晋三首相との会談で、オバマ米大統領との面談を求めたのは、再発防止を幾度申し入れても米側に根本的な改善を求めることすらできない日本政府を見限り、自ら米側のトップに訴えざるを得ないという現状がある。」、と解説した。
 また、「沖縄での1972年の復帰から2014年までの米軍人・軍属とその家族による刑法犯罪の検挙件数は5862件に上る。県はそのたびに再発防止を申し入れたが、日本政府には当事者意識はなく、要請をそのまま米側へ伝えるだけ。米側からも実効性のある対策が示された試しはない。地位協定の抜本的な改定も、常に要請だけの一方通行だ。
 日本政府が対米追従を強めることで、かつて、日本・沖縄対米国だった構図は、今や沖縄対日本・米国の形に変わってしまっている。翁長氏は、沖縄の現状を打開するために、交渉相手を対岸にいる『日本』ではなく『米国』を選択した。」、と解説を続けた。


 沖縄タイムスは、沖縄の現実をこう説明する。


「この日、東京では翁長雄志知事が安倍晋三首相に会い、語気強く遺体遺棄事件の発生に抗議し、日米地位協定の見直しを求めた。
 『綱紀粛正とか再発防止とか、この数十年間、何百回も聞かされた』。だが、安倍首相から返ってきた言葉は『実効性のある再発防止策』というお決まりの文句だった。
 沖縄の現実は、再発防止策で事態を取り繕うような段階をとうに過ぎている。再発防止策は完全に破綻したのだ。
 本土の多くの人たちは知らないかもしれないが、沖縄でサミットが開かれた2000年7月、クリントン米大統領は森喜朗首相と会談し、米兵による相次ぐ事件に謝罪。その日の夜、クリントン大統領は、キャンプ瑞慶覧に1万5千人の軍人・軍属とその家族を集め、『良き隣人たれ』と訓示した。
 16年前の構図が今も繰り返されているのである。」


 それだけではない、この現実は実はここまで来ていると。


「事件発生のたびに米軍は夜間外出禁止や飲酒禁止などの再発防止策を打ち出し、外務省沖縄事務所は米軍関係者を対象に『沖縄理解増進セミナー』を開いた。さまざまに手を尽くしても米軍は軍人・軍属による性犯罪を防ぐことができていない。現実は、県民の受忍限度をはるかに超えて深刻だ。」


 だから、「翁長知事は、安倍首相との会談で、サミット参加のため訪日するオバマ大統領に面談する機会をつくってほしい、と要請した」、と。


 沖縄タイムスは、「基地問題は今回の事件によってまったく新しい局面を迎えた。」と押さえ、次のように指摘する。


「米軍関係者による凶悪な性犯罪が、復帰後44年たった今も、繰り返されているのはなぜか。沖縄が世界的にもまれな、基地優先の『軍事化された地域』だからだ。
 日本政府がその現実を承認し性犯罪の発生に有効な手だてが打てない状況は主権国家として恥ずべきことである。政府の政策は、沖縄の犠牲を前提にした差別的政策というほかない。
 基地問題は今回の事件によってまったく新しい局面を迎えた。
 基地の撤去、海兵隊の削減・撤退、地位協定の見直し、実効性のある再発防止策-これらの対策を組み合わせた抜本的な解決策が必要だ。」


 この指摘を、日米両国政府は、日米両国民は深く自覚しなければならない。


 以下、沖縄タイムスの引用。








沖縄タイムス-[解説]翁長知事、政府に見切り 大統領に直訴で活路-2016年5月24日 05:05


 翁長雄志知事が23日の安倍晋三首相との会談で、オバマ米大統領との面談を求めたのは、再発防止を幾度申し入れても米側に根本的な改善を求めることすらできない日本政府を見限り、自ら米側のトップに訴えざるを得ないという現状がある。

 翁長氏は就任後、昨年5月には米国、9月には国連人権理事会などの国際舞台で名護市辺野古への新基地建設反対や沖縄が抱える不条理を訴えてきた。

 それは、選挙結果という民意に耳を傾けずに新基地建設を強行するなど、民主主義をないがしろにする日本政府との交渉には限界があると考えたからだ。

 今月は、再び訪米して新基地建設阻止の考えを伝えた。米上下両院の議員からは沖縄の現状に理解を示す声が出て、辺野古計画見直しにまで含みを持たせた有力議員もいた。日本政府に頼っていては得られなかった成果を自ら引き出すことに成功したといえる。今回、オバマ大統領との会談を求めたのも、同じ構図だ。

 沖縄での1972年の復帰から2014年までの米軍人・軍属とその家族による刑法犯罪の検挙件数は5862件に上る。県はそのたびに再発防止を申し入れたが、日本政府には当事者意識はなく、要請をそのまま米側へ伝えるだけ。米側からも実効性のある対策が示された試しはない。地位協定の抜本的な改定も、常に要請だけの一方通行だ。

 日本政府が対米追従を強めることで、かつて、日本・沖縄対米国だった構図は、今や沖縄対日本・米国の形に変わってしまっている。翁長氏は、沖縄の現状を打開するために、交渉相手を対岸にいる「日本」ではなく「米国」を選択した。

 自国民を守るための実効性のある対策すら求められない日本政府は、翁長氏のオバマ大統領との会談要請を受け入れるべきだ。残念ながら、沖縄から見る日本政府の外交交渉には、期待できようもない。
(政経部・大野亨恭)


沖縄タイムス社説-[オバマ氏との面談]政府の責任で実現図れ-2016年5月24日 05:00


 被害者の父親が23日、事件後初めて、遺体が見つかった恩納村の現場を訪ねた。娘の魂を拾いに来たという。

 県道脇の雑木林の地面にひざをつき、花を手向け、ふり絞るような声で娘の名前を呼んだ。

 「お父さんだよ。みんなと一緒に帰るよ。おうちに帰ろう」

 かけがえのない一人娘をなくした父親の震える声が木立を包み、周りに響く。

 この日、東京では翁長雄志知事が安倍晋三首相に会い、語気強く遺体遺棄事件の発生に抗議し、日米地位協定の見直しを求めた。

 「綱紀粛正とか再発防止とか、この数十年間、何百回も聞かされた」

 だが、安倍首相から返ってきた言葉は「実効性のある再発防止策」というお決まりの文句だった。

 沖縄の現実は、再発防止策で事態を取り繕うような段階をとうに過ぎている。再発防止策は完全に破綻したのだ。

 本土の多くの人たちは知らないかもしれないが、沖縄でサミットが開かれた2000年7月、クリントン米大統領は森喜朗首相と会談し、米兵による相次ぐ事件に謝罪。その日の夜、クリントン大統領は、キャンプ瑞慶覧に1万5千人の軍人・軍属とその家族を集め、「良き隣人たれ」と訓示した。

 16年前の構図が今も繰り返されているのである。

 事件発生のたびに米軍は夜間外出禁止や飲酒禁止などの再発防止策を打ち出し、外務省沖縄事務所は米軍関係者を対象に「沖縄理解増進セミナー」を開いた。

 さまざまに手を尽くしても米軍は軍人・軍属による性犯罪を防ぐことができていない。現実は、県民の受忍限度をはるかに超えて深刻だ。

 翁長知事は、安倍首相との会談で、サミット参加のため訪日するオバマ大統領に面談する機会をつくってほしい、と要請した。

 クリントン氏の「約束」が実現できていない現実を踏まえ、政府はあらゆる手を尽くして翁長知事とオバマ大統領の面談の実現を図るべきである。

 米国陸軍歴史編纂(へんさん)所が発行した軍政文書を収めた「沖縄県史資料編14 琉球列島の軍政」はこう記している。

 「少数の兵士は米軍の沖縄上陸と同時に、住民を苦しめ始めた。とくに性犯罪が多かった」

 沖縄の女子を「かどわかした罪」で3人の米兵を追っていた沖縄の警察官が容疑者に射殺されるという事件も起きている。

 米軍関係者による凶悪な性犯罪が、復帰後44年たった今も、繰り返されているのはなぜか。沖縄が世界的にもまれな、基地優先の「軍事化された地域」だからだ。

 日本政府がその現実を承認し性犯罪の発生に有効な手だてが打てない状況は主権国家として恥ずべきことである。政府の政策は、沖縄の犠牲を前提にした差別的政策というほかない。

 基地問題は今回の事件によってまったく新しい局面を迎えた。

 基地の撤去、海兵隊の削減・撤退、地位協定の見直し、実効性のある再発防止策-これらの対策を組み合わせた抜本的な解決策が必要だ。


by asyagi-df-2014 | 2016-05-24 13:21 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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