ハンセン病-元患者は「胸に響かぬ」、と。「司法の責任は不問にされたに等しく、到底受け入れられるものではない」。

 「特別法廷」について、最高裁報告は「違憲」とは認めなかった。
 このことについて、朝日新聞は2016年4月26日、「ハンセン病患者を隔離された特別法廷で裁いてきた過ちを、『憲法の番人』である最高裁は25日、『違法』だったと謝罪しながらも、『違憲』とは認めなかった。検証を求めてきた元患者たちは『間違いを真摯(しんし)に認めてほしかった』と悔しさと怒りを訴えた。」、と報じた。
 朝日新聞は、次の声を伝えた。


(志村康さん-83)
「違憲ではないが違法としたうえ、最高裁判所は責任を負わないなんて、理不尽な結果だ。これで謝罪になっているのでしょうか」

(長州次郎さん-88)
「我々の胸に響くような見解ではありませんでした。本当に残念。(調査で話した)真意が伝わらなかった」。
「(法廷は)黒幕で囲われ、中の様子を見ることは絶対にできなかった。公開の原則に反していないなんて、まやかしです」

(藤田三四郎会長-90)
「(20年前の)らい予防法の廃止の時に(司法も)謝罪すべきだった。今ごろ謝罪は遅すぎる。最高裁はハンセン病に無知だった」

(北原誠学芸員-61)
「検証を始めるまで随分時間がかかったという印象だ。特別法廷は当時、十分議論されずに設置が慣例化していたのでは」

(中尾伸治さん-81)
「政府や国会は誤りを認めているのに、憲法の番人であるはずの最高裁は遅すぎる」


 私たちが、聞かなければならないのは、まさにこの声ではないのか。


 以下、朝日新聞の引用。







朝日新聞-元患者「胸に響かぬ」 ハンセン病特別法廷、違憲認めず-2016年4月26日03時49分


 ハンセン病患者を隔離された特別法廷で裁いてきた過ちを、「憲法の番人」である最高裁は25日、「違法」だったと謝罪しながらも、「違憲」とは認めなかった。検証を求めてきた元患者たちは「間違いを真摯(しんし)に認めてほしかった」と悔しさと怒りを訴えた。

 最高裁の報告書を受け、国立療養所菊池恵楓園(きくちけいふうえん、熊本県合志市)の入所者らが記者会見した。「全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)」など3団体が「司法の責任は不問にされたに等しく、到底受け入れられるものではない」などとする声明を出した。

 1948~72年にハンセン病患者の出廷を理由に開かれた95件の特別法廷のうち、35件が菊池恵楓園と患者専用だった近くの菊池医療刑務支所で開かれ、全国でも突出して多い。

 3団体は検証作業自体は評価したが、違憲を「正面から認めなかったことは、隔離政策の実情を全く理解していないもの」と批判し、最高裁に「誤りを真摯(しんし)に認めること」を求めた。

 菊池恵楓園の入所者自治会長、志村康さん(83)は「違憲ではないが違法としたうえ、最高裁判所は責任を負わないなんて、理不尽な結果だ。これで謝罪になっているのでしょうか」と怒りをあらわにした。

 全療協は14日に星塚敬愛園(鹿児島県鹿屋市)で開いた会合で、憲法違反だったと認めて報告書に盛り込むよう最高裁に求める決議文を出したばかりだった。

 43年に菊池恵楓園に入所し、園内で特別法廷を3回見たという長州次郎さん(88)は「我々の胸に響くような見解ではありませんでした。本当に残念。(調査で話した)真意が伝わらなかった」とうなだれた。「(法廷は)黒幕で囲われ、中の様子を見ることは絶対にできなかった。公開の原則に反していないなんて、まやかしです」

 現地では、無実を訴えながら殺人罪で死刑を執行された男性の特別法廷も開かれた。この「菊池事件」の再審をめざす弁護団の馬場啓弁護士は「報告書は公開原則には違反していないとしているが、憲法14条の平等原則に対する違反は認めたとも評価できる」と指摘。「再審を検察庁に要望していきたい」と話した。(籏智広太)
■各地に特別法廷 最高裁に批判
 特別法廷は各地の施設でも開かれていた。

 最高裁の有識者委員会が1月に視察した、群馬県草津町の国立療養所栗生楽泉園(くりうらくせんえん)。入所者自治会の藤田三四郎会長(90)は「(20年前の)らい予防法の廃止の時に(司法も)謝罪すべきだった。今ごろ謝罪は遅すぎる。最高裁はハンセン病に無知だった」と怒る。

 栗生楽泉園に隣接し、患者を懲罰目的で監禁していた「重監房」を復元展示する「重監房資料館」の北原誠学芸員(61)は「検証を始めるまで随分時間がかかったという印象だ。特別法廷は当時、十分議論されずに設置が慣例化していたのでは」とみる。

 東京都東村山市の国立療養所多磨全生園(たまぜんしょうえん)に入所する大竹章さん(90)によると、1960年に入所者の女性が園外で遺体で見つかった事件が起き、入所者の男性が逮捕され、特別法廷で裁かれ無期懲役となったという。男性と知り合いだった大竹さんは「どこでどう裁かれたのかもわからない。到底公開されていたとは言えない」と話す。

 岡山県瀬戸内市の長島愛生園(ながしまあいせいえん)では、9件の特別法廷が開かれた。自治会長の中尾伸治さん(81)は、傍聴した人がいないか約200人の入所者を調べたが、高齢化で記憶の定かな人はいなかった。「政府や国会は誤りを認めているのに、憲法の番人であるはずの最高裁は遅すぎる」と話した。


by asyagi-df-2014 | 2016-04-26 09:14 | ハンセン病 | Comments(0)

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