熊本地震の被災者支援のため、米海兵隊の輸送機MV22オスプレイ2機が、1水や食料など約20トンを搬送した。

 2016年4月18日、オスプレイが熊本地震の被災者支援のため、熊本県内に到着した。水や食料など約20トンを搬送した。
 実際に、地震の被害を受けている者の一人として、やはり、複雑な思いを抱かざるを得ない。
 沖縄タイムスの記者は、次のように指摘してくれた。


「2機は18日午後3時半ごろ、山口県の岩国基地を離陸し、約45分後に熊本県益城町の陸上自衛隊高遊原分屯地に着陸。同県南阿蘇村の白水運動公園に救援物資を運んだ。同分屯地広報室によると、輸送した物資はペットボトルの水2リットル計1200本や食料(ごはん・パン)、テント80張り、簡易トイレ160個など。
 オスプレイは19日以降も、輸送を行う。活動中は、同県八代市沖に停泊している海自のヘリコプター搭載型護衛艦「ひゅうが」で燃料補給を受ける予定。安倍晋三首相は衆院特別委員会で「高い能力を生かした支援を期待できる」と述べた。
 被災地では、オスプレイの救援物資輸送への歓迎と懸念が交錯した。益城町木山の団地から避難した男性(32)は「水も食べ物もない中での支援は本当にありがたい」と評価。同町惣領に住む男性(65)は「ニュースで事故が多いと聞いた。万が一何か起きたら話にならないし、そもそも他の手段があるのでは」と首をかしげた。」


 また、沖縄タイムスは、次のように指摘する。


①「県民の意思に反する形で強行配備されたオスプレイの危険性が『支援』の背後に隠れ、有用性だけが取り沙汰されることに懸念の声があるのも事実だ。」
②「県幹部は『被災地を支援する役割は重要だが、国民にオスプレイの危険性が忘れ去られ【被災地のためだから必要だ】というイメージだけが刷り込まれてしまうことが心配だ』と懸念。」
③「物資の単純な積載能力ならCH53ヘリなどの方が優れているとして『なぜ、わざわざオスプレイを選ぶのか。航続距離の問題があるかもしれないが、意図的なものも感じる』と述べ、世論向けアピールの側面を指摘する。」
④「『危険イメージを拭い去るための日米によるデモンストレーションだ』。軍事評論家の前田哲男氏はこう批判し、オスプレイ使用に疑問を投げ掛ける。
 前田氏は『日米両政府はオスプレイの活躍の場をつくりたかった』と指摘。その背景にあるのは、佐賀県へのオスプレイ配備の問題だ。
 政府は2014年7月、陸自に導入するオスプレイ17機を19年度から佐賀空港へ配備する方針を一度決めたが、地元の強い反発で計画は頓挫している。
 前田氏は、佐賀問題で『苦境』に陥っている政府は『災害支援の様子を見せることで反対する市民を説得できると思っているのではないか』と指摘する。
⑤近接の佐賀県に常時即応態勢を敷く自衛隊目達原駐屯地があることにも着目し『自衛隊の空輸能力で十分だ』と強調する。」
⑥「オスプレイは機体の特徴からローターの操作が不安定で、強力な下降気流が発生するため『近くに人がいる学校や空き地などには着陸できず、災害支援には不向きだ』と指摘。集団的自衛権の行使を可能とする安全保障法制の施行直後であることから、『日米の結束を示す、ちょうど良い舞台だった』とも読む。
 政府関係者はオスプレイの政治利用は否定しつつ、こうも語る。「結果として認識が広がることは悪くない」


 やはり、このオスプレイの問題で、一方では、「迅速な物資輸送に期待の声が上がる」のは状況からしてわかることである。
 しかし、安倍晋三政権の政治手法を考える時、「結果として認識が広がることは悪くない」という政府関係者の声は、「オスプレイの『危険イメージ』払拭(ふっしょく)のためのデモンストレーション、『強固』な日米同盟をアピールするための演出」、でしかないのではないか。


 以下、沖縄タイムスの引用。









沖縄タイムス- 熊本に普天間のオスプレイ2機到着 救援歓迎と懸念-2016年4月19日 05:00


 【熊本県で新垣卓也】普天間飛行場に配備されている米海兵隊の輸送機MV22オスプレイ2機が18日午後4時すぎ、熊本地震の被災者支援のため、熊本県内に到着した。水や食料など約20トンを搬送。日本の災害支援に初めてオスプレイが参加した。

 17日、4機のオスプレイが演習先のフィリピンから普天間飛行場を経由して米軍岩国基地に到着した。関係者によると2機は整備などの都合で初日は運用しなかった。

 2機は18日午後3時半ごろ、山口県の岩国基地を離陸し、約45分後に熊本県益城町の陸上自衛隊高遊原分屯地に着陸。同県南阿蘇村の白水運動公園に救援物資を運んだ。同分屯地広報室によると、輸送した物資はペットボトルの水2リットル計1200本や食料(ごはん・パン)、テント80張り、簡易トイレ160個など。

 オスプレイは19日以降も、輸送を行う。活動中は、同県八代市沖に停泊している海自のヘリコプター搭載型護衛艦「ひゅうが」で燃料補給を受ける予定。安倍晋三首相は衆院特別委員会で「高い能力を生かした支援を期待できる」と述べた。

 被災地では、オスプレイの救援物資輸送への歓迎と懸念が交錯した。益城町木山の団地から避難した男性(32)は「水も食べ物もない中での支援は本当にありがたい」と評価。同町惣領に住む男性(65)は「ニュースで事故が多いと聞いた。万が一何か起きたら話にならないし、そもそも他の手段があるのでは」と首をかしげた。


沖縄タイムス-【深掘り】オスプレイ投入に疑念 日米蜜月イメージ戦略か-2016年4月19日 08:40


 熊本地震への支援のため18日、米軍普天間飛行場のオスプレイが初めて投入された。迅速な物資輸送に期待の声が上がる一方、オスプレイの「危険イメージ」払拭(ふっしょく)のためのデモンストレーション、「強固」な日米同盟をアピールするための演出だとの指摘も上がる。(政経部・大野亨恭、吉田央、社会部・新垣卓也、東京報道部・上地一姫)

 「危機の時こそ友人同士は助け合うものだ」。18日、外務省で岸田文雄外相と会談したブリンケン米国務副長官は、日米同盟の強化をアピールした。

 政府高官はオスプレイ使用の利点を、「物品を山間部など被災者がいる場所に配ること。いろいろな国から支援の申し出があるが、日本にいて日ごろから自衛隊と訓練している米軍とはオペレーションが組みやすい」と説明する。安倍晋三首相は18日の国会で「高い能力を生かした支援が期待できる」と強調した。

 だが、県民の意思に反する形で強行配備されたオスプレイの危険性が「支援」の背後に隠れ、有用性だけが取り沙汰されることに懸念の声があるのも事実だ。

 県幹部は「被災地を支援する役割は重要だが、国民にオスプレイの危険性が忘れ去られ『被災地のためだから必要だ』というイメージだけが刷り込まれてしまうことが心配だ」と懸念。

 物資の単純な積載能力ならCH53ヘリなどの方が優れているとして「なぜ、わざわざオスプレイを選ぶのか。航続距離の問題があるかもしれないが、意図的なものも感じる」と述べ、世論向けアピールの側面を指摘する。

 「危険イメージを拭い去るための日米によるデモンストレーションだ」。軍事評論家の前田哲男氏はこう批判し、オスプレイ使用に疑問を投げ掛ける。

 前田氏は「日米両政府はオスプレイの活躍の場をつくりたかった」と指摘。その背景にあるのは、佐賀県へのオスプレイ配備の問題だ。

 政府は2014年7月、陸自に導入するオスプレイ17機を19年度から佐賀空港へ配備する方針を一度決めたが、地元の強い反発で計画は頓挫している。

 前田氏は、佐賀問題で「苦境」に陥っている政府は「災害支援の様子を見せることで反対する市民を説得できると思っているのではないか」と指摘する。

 さらに、近接の佐賀県に常時即応態勢を敷く自衛隊目達原駐屯地があることにも着目し「自衛隊の空輸能力で十分だ」と強調する。

 オスプレイは機体の特徴からローターの操作が不安定で、強力な下降気流が発生するため「近くに人がいる学校や空き地などには着陸できず、災害支援には不向きだ」と指摘。集団的自衛権の行使を可能とする安全保障法制の施行直後であることから、「日米の結束を示す、ちょうど良い舞台だった」とも読む。

 政府関係者はオスプレイの政治利用は否定しつつ、こうも語る。「結果として認識が広がることは悪くない」


by asyagi-df-2014 | 2016-04-19 11:48 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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