原発問題-運転開始から四十年以上経過した老朽高浜原発1、2号機の延長に「待った」。

 標題について、東京新聞は2016年4月14日、「運転開始から四十年以上経過した関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の運転延長は危険性が高いとして、福井、愛知両県など十四都府県の住民七十六人が十四日、原子力規制委員会に延長を認めないよう求める訴訟を名古屋地裁に起こした。原子炉等規制法は運転期間を原則四十年に制限。ただ規制委が認めれば最長二十年延長できると定めており、関電は運転延長を目指している。住民側弁護団によると、老朽原発の安全性を問う訴訟は初めて。」、と報じた。
 この訴訟の訴状について、「新基準は東京電力福島第一原発事故の真摯(しんし)な反省を踏まえておらず問題が多く、甚大な事故を起こす危険があると主張。『四十年ルール』が厳格に運用されなければならないことは明らかだとした。さらに関電は高浜1、2号機で、新基準が求める難燃性ケーブルでなく防火シートで対応するとしており、規制委がこれを実証試験なしで認めたのは裁量権の逸脱だと指摘した。」、と伝えた。
 また、東京新聞は、この訴訟について、次のように指摘している。


①「東京電力福島第一原発事故後の法改正により、原発は運転開始四十年で原則廃炉とし、延長は『例外』とされる。その中で関西電力は高浜原発1、2号機の運転延長を目指す。差し止めを求める訴訟は全国初とみられ、事実上の適合とした原子力規制委員会の審査をどう評価するかが争点。名古屋地裁の判断は原子力政策や各地の老朽原発の動向に影響を与えそうだ。」
②「原子炉圧力容器は核分裂時に発生する中性子の影響で劣化するため、原子炉が冷えた場合に壊れやすくなったり、圧力に対してもろくなったりするとされる。
 原子力政策を提言するNPO法人『原子力資料情報室』(東京)の西尾漠(ばく)共同代表は『圧力容器はだいぶ傷んでおり、四十年の原則を破って稼働させる動きに反対するのは当然だ』と指摘する。」
③「一方、別の意見の専門家も。東京工業大の高橋実教授(原子炉工学)は『規制委は科学技術に基づき運転期間延長を審査しており、裁判所は結果を尊重してほしい』と強調する。」
④「九州大応用力学研究所の渡辺英雄准教授(原子炉材料工学)は『四十年で廃炉にする制度に技術的な根拠はない。住民の不安を和らげるため、研究者は説明を尽くす必要がある』と話した。」


 以下、東京新聞の引用。







東京新聞-高浜原発 差し止め提訴 老朽1、2号機の延長「待った」-2016年4月14日


 運転開始から四十年以上経過した関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の運転延長は危険性が高いとして、福井、愛知両県など十四都府県の住民七十六人が十四日、原子力規制委員会に延長を認めないよう求める訴訟を名古屋地裁に起こした。

 原子炉等規制法は運転期間を原則四十年に制限。ただ規制委が認めれば最長二十年延長できると定めており、関電は運転延長を目指している。住民側弁護団によると、老朽原発の安全性を問う訴訟は初めて。

 1、2号機について規制委は今年二月、運転四十年を超す原発で初めて、新規制基準に適合しているとする適合証の原案となる「審査書案」を決定した。事実上の審査適合とされる。運転延長は例外的な場合に限るとされ、名古屋地裁がその是非を判断する。

 訴状によると、新基準は東京電力福島第一原発事故の真摯(しんし)な反省を踏まえておらず問題が多く、甚大な事故を起こす危険があると主張。「四十年ルール」が厳格に運用されなければならないことは明らかだとした。

 さらに関電は高浜1、2号機で、新基準が求める難燃性ケーブルでなく防火シートで対応するとしており、規制委がこれを実証試験なしで認めたのは裁量権の逸脱だと指摘した。

 高浜1、2号機は七月七日までの期限に、老朽化対策に特化した運転延長審査など残りの手続きを終えなければならない。

 弁護団長の北村栄弁護士は提訴後に名古屋市内で記者会見し「危ない原発を止めようという大きな流れをつくりたい」と訴えた。

 規制委は「訴状が届いていないためコメントは控えたい」とした。
◆「例外」の是非問う
 東京電力福島第一原発事故後の法改正により、原発は運転開始四十年で原則廃炉とし、延長は「例外」とされる。その中で関西電力は高浜原発1、2号機の運転延長を目指す。差し止めを求める訴訟は全国初とみられ、事実上の適合とした原子力規制委員会の審査をどう評価するかが争点。名古屋地裁の判断は原子力政策や各地の老朽原発の動向に影響を与えそうだ。

 原子炉圧力容器は核分裂時に発生する中性子の影響で劣化するため、原子炉が冷えた場合に壊れやすくなったり、圧力に対してもろくなったりするとされる。

 原子力政策を提言するNPO法人「原子力資料情報室」(東京)の西尾漠(ばく)共同代表は「圧力容器はだいぶ傷んでおり、四十年の原則を破って稼働させる動きに反対するのは当然だ」と指摘する。

 一方、別の意見の専門家も。東京工業大の高橋実教授(原子炉工学)は「規制委は科学技術に基づき運転期間延長を審査しており、裁判所は結果を尊重してほしい」と強調する。

 九州大応用力学研究所の渡辺英雄准教授(原子炉材料工学)は「四十年で廃炉にする制度に技術的な根拠はない。住民の不安を和らげるため、研究者は説明を尽くす必要がある」と話した。

 <高浜原発1、2号機> 関西電力が福井県高浜町に置く加圧水型軽水炉(PWR)。1号機は1974年、2号機は75年に営業運転を開始し、出力はいずれも82.6万キロワット。関電は原則40年とされた運転期間の延長を目指し、原子力規制委員会が今年2月、新規制基準の事実上の審査適合となる「審査書案」を決定した。


by asyagi-df-2014 | 2016-04-14 17:27 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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