沖縄-裁判和解後初協議は、新基地めぐり平行線。

 裁判和解後の協議について、沖縄タイムスは2016年3月24日、「沖縄県と政府は23日、名護市辺野古の新基地建設をめぐる代執行訴訟の和解成立後初となる『政府・沖縄県協議会』を首相官邸で開き、和解条項の内容を協議するための作業部会を設置することで合意した。来月にも初会合が開かれる見通し。ただ、新基地建設に対する双方の主張の隔たりは大きく、議論は平行線だった。」、と報じた。
 また、この協議会の様子について、「協議会は、和解条項にある『円満解決に向けた協議』の初会合の位置付け。翁長雄志知事が政府に『辺野古が唯一の解決策』とのかたくなな固定観念にとらわれずに協議を進めるよう求めたのに対し、菅義偉官房長官は会談後の記者会見で『辺野古が唯一』と強調するなど、双方の対立は激しいままだ。」、「新設される作業部会は、政府側から杉田和博官房副長官と法務省訟務局長、県側は安慶田光男副知事と知事公室長らで構成。県側は議事録の作成と公開を要望した。また、県側は米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止について、辺野古移設と切り離して早急に実現するよう求めた。政府側は辺野古移設への地元の協力が前提とする従来通りの考えを示した。また、20年前に日米合意された北部訓練場の過半の返還の実現に向けて、政府側はヘリパッド新設に反対する市民らの違法駐車の排除への協力を要請。翁長知事は道路法に基づいて文書指導する方針を示唆したが、強制排除には否定的な考えを示した。国と県、宜野湾市でつくる普天間飛行場負担軽減推進会議は存続させることを確認した。」、と伝えた。


 沖縄タイムスは、「今度こそ対話の成果を』との見出しの社説で、この協議について次のように指摘した。


(1)沖縄タイムスの危惧感
①和解条項の実現に向け事務方による作業部会を設置することになったが、県は、国が設定した土俵に安易に上がってしまったとの印象がぬぐえない。
②今回も夏の県議選や参院選を意識した対応だといわれているが、一度ならず二度も県民感情をもてあそぶようなことがあってはならない。
(2)和解の捉え方の違い
 政府と県が合意した和解条項は、新たな裁判が提起され判決が確定するまで「円満解決に向けた協議を行う」とうたっている。
 だが、和解成立の当日に安倍晋三首相が「辺野古への移設が唯一の選択肢」と発言するなど、協議に臨む姿勢や和解条項の解釈をめぐって、早くも隔たりの大きさが表面化している。
(3)和解の持つ問題点
①作業部会には国側から定塚誠・法務省訟務局長らが、県側から安慶田光男副知事らが出席する。定塚局長は、行政代執行訴訟の国側代理人で、行政訴訟のエキスパート。和解条項の案文や和解受け入れに深く関わった当事者だ。しかも、和解を勧告した福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判長と定塚局長は、成田空港に隣接する農地の明け渡しを求めた「成田訴訟」を千葉地裁、東京高裁の裁判官として手がけた過去がある。多見谷氏が福岡高裁那覇支部に異動になったのは昨年10月30日のことである。
②和解条項には、翁長知事の「抵抗」を封じ込めることをねらったと思われる文章表現があり、作業部会ではその解釈が焦点になりそうだ。
③和解条項の9項には、新たな訴訟の判決が確定した場合、「直ちに、同判決に従い、同主文及びそれを導く理由の趣旨に沿った手続きを実施する」ことをうたっている。この条項を国側に沿って解釈すると、県が敗訴した場合、翁長知事は抵抗の手段としての新たな訴訟や対抗措置をそぎ落とされる恐れがある。
④このほか今後の協議では、「米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止」をどのように実現していくかが重要な焦点になる。政府と県の考えは、この点でも大きく隔たっている。県側は23日の協議で、普天間飛行場の2019年2月までの運用停止を求めたが、政府側は明確な回答を避けた。「辺野古移設が前提」だという政府の姿勢は変わっていない。
⑤「5年以内の運用停止」について政府と県が実のある議論をするためには、「辺野古移設を前提としない」ということを議論の前提として確認することが大切だ。安保法制の審議が山場を迎えた昨年夏に、工事を中断して実施した集中協議は、安保法制を優先的に処理するための政治的思惑で設定されたもので、工事の一時中断以外、何一つ成果を生まなかった。


 以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス-新基地めぐり平行線 沖縄県と国、裁判和解後初協議-2016年3月24日 05:01


 【東京】沖縄県と政府は23日、名護市辺野古の新基地建設をめぐる代執行訴訟の和解成立後初となる「政府・沖縄県協議会」を首相官邸で開き、和解条項の内容を協議するための作業部会を設置することで合意した。来月にも初会合が開かれる見通し。ただ、新基地建設に対する双方の主張の隔たりは大きく、議論は平行線だった。

 協議会は、和解条項にある「円満解決に向けた協議」の初会合の位置付け。翁長雄志知事が政府に「辺野古が唯一の解決策」とのかたくなな固定観念にとらわれずに協議を進めるよう求めたのに対し、菅義偉官房長官は会談後の記者会見で「辺野古が唯一」と強調するなど、双方の対立は激しいままだ。

 新設される作業部会は、政府側から杉田和博官房副長官と法務省訟務局長、県側は安慶田光男副知事と知事公室長らで構成。県側は議事録の作成と公開を要望した。

 また、県側は米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止について、辺野古移設と切り離して早急に実現するよう求めた。政府側は辺野古移設への地元の協力が前提とする従来通りの考えを示した。

 また、20年前に日米合意された北部訓練場の過半の返還の実現に向けて、政府側はヘリパッド新設に反対する市民らの違法駐車の排除への協力を要請。翁長知事は道路法に基づいて文書指導する方針を示唆したが、強制排除には否定的な考えを示した。国と県、宜野湾市でつくる普天間飛行場負担軽減推進会議は存続させることを確認した。

 翁長知事は、13日に那覇市内で起きた米軍人による暴行事件について抗議。菅氏ら関係閣僚らから謝罪と再発防止、綱紀粛正に取り組む考えが示されたという。

 会議にはほかに、政府側から中谷元・防衛相、島尻安伊子沖縄担当相らが参加。冒頭以外は非公開で約40分間行われた。


沖縄タイムス社説-[和解後初の協議]今度こそ対話の成果を-2016年3月24日 05:00


 名護市辺野古の新基地建設をめぐる代執行訴訟の和解成立を受け、政府と県は23日、
菅義偉官房長官、翁長雄志知事らの出席のもと、首相官邸で今後の協議の進め方などを話し合った。

 政府と県が合意した和解条項は、新たな裁判が提起され判決が確定するまで「円満解決に向けた協議を行う」とうたっている。

 だが、和解成立の当日に安倍晋三首相が「辺野古への移設が唯一の選択肢」と発言するなど、協議に臨む姿勢や和解条項の解釈をめぐって、早くも隔たりの大きさが表面化している。

 和解条項の実現に向け事務方による作業部会を設置することになったが、県は、国が設定した土俵に安易に上がってしまったとの印象がぬぐえない。

 作業部会には国側から定塚誠・法務省訟務局長らが、県側から安慶田光男副知事らが出席する。定塚局長は、行政代執行訴訟の国側代理人で、行政訴訟のエキスパート。和解条項の案文や和解受け入れに深く関わった当事者だ。

 しかも、和解を勧告した福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判長と定塚局長は、成田空港に隣接する農地の明け渡しを求めた「成田訴訟」を千葉地裁、東京高裁の裁判官として手がけた過去がある。

 多見谷氏が福岡高裁那覇支部に異動になったのは昨年10月30日のことである。

 和解条項には、翁長知事の「抵抗」を封じ込めることをねらったと思われる文章表現があり、作業部会ではその解釈が焦点になりそうだ。
■    ■
 和解条項の9項には、新たな訴訟の判決が確定した場合、「直ちに、同判決に従い、同主文及びそれを導く理由の趣旨に沿った手続きを実施する」ことをうたっている。

 この条項を国側に沿って解釈すると、県が敗訴した場合、翁長知事は抵抗の手段としての新たな訴訟や対抗措置をそぎ落とされる恐れがある。

 このほか今後の協議では、「米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止」をどのように実現していくかが重要な焦点になる。

 政府と県の考えは、この点でも大きく隔たっている。県側は23日の協議で、普天間飛行場の2019年2月までの運用停止を求めたが、政府側は明確な回答を避けた。「辺野古移設が前提」だという政府の姿勢は変わっていない。

 だが、辺野古移設を前提にした「5年以内の運用停止」は非現実的で、実現不可能な考えである。
■    ■
 「5年以内の運用停止」について政府と県が実のある議論をするためには、「辺野古移設を前提としない」ということを議論の前提として確認することが大切だ。

 安保法制の審議が山場を迎えた昨年夏に、工事を中断して実施した集中協議は、安保法制を優先的に処理するための政治的思惑で設定されたもので、工事の一時中断以外、何一つ成果を生まなかった。

 今回も夏の県議選や参院選を意識した対応だといわれているが、一度ならず二度も県民感情をもてあそぶようなことがあってはならない。


by asyagi-df-2014 | 2016-03-25 06:10 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧