沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(20)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(20)を考える。
 第20回目は、「日米地協定 騒音規制は形骸化」について。
 沖縄タイムスは、この問題について、「地位協定問題に取り組む新垣勉弁護士は『国内法が適用できるよう改定しなければ抜本的な解決はできない』と強調。米軍は自国では法を守って活動しても、支障はない。なぜ日本では平時でさえ自由に活動する権利を持つのか。『日本政府が対等な主権国家として基本的な要求すらしていないのが原因だ』」、と結論づける。
 つまり、現在の辺野古新基地建設の問題の一つには、「日本政府が対等な主権国家として基本的な要求すらしていないのが原因」ではないかと、指摘するのである。
 だから、沖縄の「事実」を次のように並べてみせる。


(1)2013年11月29日、沖縄県環境生活部は新基地完成後の問題として、米軍に国内法が適用されず日本側が関与できない現状では適切な環境保全ができないことを明確に示した。
①沖縄防衛局は「米軍に周知する」と対策を説明していた。
②これに対し、基地被害を受けながら住民生活より米軍の運用優先の歴史を知る県が「米軍任せでは不確実」と強く反論した格好だ。
(2)背景にあるのは、日米地位協定3条で米軍の排他的管理権を認め、同16条で国内法の適用を実質的に免除している点だ。
①その不平等な状態を改善する一つとして、日米で合意したのが1996年の航空機騒音規制措置。嘉手納、普天間の両飛行場を対象に周辺の騒音被害を防ぐための規制措置を盛り込む。
②具体的には「学校や病院、住宅密集地の上空を避ける」「午後10時~午前6時の飛行は必要な場合を除き制限する」「日曜日や慰霊の日など特別に意義のある日の飛行を最小限にとどめる」といった内容だ。
③しかし、実際は夜間・早朝や住宅地上空の飛行は常態化している。県が昨年3月に高校入試期間の飛行自粛を米軍に求めた際も、飛行と騒音が確認された。
(3)県の測定によると2014年度の航空機騒音は、嘉手納周辺の北谷町砂辺で日平均64回と最多で、平均70デシベルと環境基準(62デシベル)を大幅に超えた。午後10時~午前6時の騒音は月平均で嘉手納町屋良B117回、同町屋良A105回、同町嘉手納99回の発生となっている。
(4)普天間や北部訓練場、キャンプ・ハンセン、伊江島補助飛行場の周辺でも夜間飛行は頻繁に確認される。
(5)住民らが損害賠償と飛行差し止めを求めた爆音訴訟で、裁判所が「騒音規制措置は形骸化している」と指摘したことがある。ただ、この種の裁判では「賠償は認めるが、差し止めは棄却」という判決が続く。
(6)被害は認めるが、米軍は国内法の及ばない「第三者」なので日本政府に飛行差し止めの権限はないという「第三者行為論」を持ち出し、日米地位協定の下での司法の限界を示している。


 沖縄タイムスは、琉球新報も含めて、確かに、地方紙ではある。
 しかし、沖縄が抱えさせられている課題からすると、ただ単に、一地方の問題としてではなく、日本のあり方までも見通して論を立てなければならないことがよく分かる。
 米軍基地被害という基本的人権の剥奪の状況は、それは本来「73.8%」もの集中させられている沖縄県だけの問題ではないはずだが、そうはなっていない。
「背景にあるのは、日米地位協定3条で米軍の排他的管理権を認め、同16条で国内法の適用を実質的に免除している」ことにより、日本の司法は、「被害は認めるが、米軍は国内法の及ばない『第三者』なので日本政府に飛行差し止めの権限はないという『第三者行為論』を持ち出すしかない」という日米地位協定の下での「司法の限界」を示すしかない。
 この「司法の限界」は、「日本国の主権の限界」を現すものでしかない。
 そうであるとすれば、沖縄タイムスと琉球新報は、「日本国の主権の限界」を問いただすのを自らの新聞の使命とするしかない。
 逆に、私たちは、そのことにより分かることが、残念だが多くある。


 以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス-【誤解だらけの沖縄基地】(20)日米地協定 騒音規制は形骸化-2016年3月15日 07:01


 仲井真弘多前知事が辺野古の埋め立てを承認する直前の2013年11月29日、沖縄県環境生活部は新基地完成後の問題として、米軍に国内法が適用されず日本側が関与できない現状では適切な環境保全ができないことを明確に示した。

 辺野古の飛行場を使用する航空機の騒音など県側の懸念に関し、沖縄防衛局は「米軍に周知する」と対策を説明していた。これに対し、基地被害を受けながら住民生活より米軍の運用優先の歴史を知る県が「米軍任せでは不確実」と強く反論した格好だ。

 背景にあるのは、日米地位協定3条で米軍の排他的管理権を認め、同16条で国内法の適用を実質的に免除している点だ。

 その不平等な状態を改善する一つとして、日米で合意したのが1996年の航空機騒音規制措置。嘉手納、普天間の両飛行場を対象に周辺の騒音被害を防ぐための規制措置を盛り込む。

 具体的には「学校や病院、住宅密集地の上空を避ける」「午後10時~午前6時の飛行は必要な場合を除き制限する」「日曜日や慰霊の日など特別に意義のある日の飛行を最小限にとどめる」といった内容だ。

 しかし、実際は夜間・早朝や住宅地上空の飛行は常態化している。県が昨年3月に高校入試期間の飛行自粛を米軍に求めた際も、飛行と騒音が確認された。

 県の測定によると2014年度の航空機騒音は、嘉手納周辺の北谷町砂辺で日平均64回と最多で、平均70デシベルと環境基準(62デシベル)を大幅に超えた。午後10時~午前6時の騒音は月平均で嘉手納町屋良B117回、同町屋良A105回、同町嘉手納99回の発生となっている。

 普天間や北部訓練場、キャンプ・ハンセン、伊江島補助飛行場の周辺でも夜間飛行は頻繁に確認される。

 住民らが損害賠償と飛行差し止めを求めた爆音訴訟で、裁判所が「騒音規制措置は形骸化している」と指摘したことがある。ただ、この種の裁判では「賠償は認めるが、差し止めは棄却」という判決が続く。

 つまり被害は認めるが、米軍は国内法の及ばない「第三者」なので日本政府に飛行差し止めの権限はないという「第三者行為論」を持ち出し、日米地位協定の下での司法の限界を示している。

 地位協定問題に取り組む新垣勉弁護士は「国内法が適用できるよう改定しなければ抜本的な解決はできない」と強調。米軍は自国では法を守って活動しても、支障はない。なぜ日本では平時でさえ自由に活動する権利を持つのか。「日本政府が対等な主権国家として基本的な要求すらしていないのが原因だ」(「沖縄基地」取材班)


by asyagi-df-2014 | 2016-03-17 08:44 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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