沖縄-安倍晋三政権は、辺野古裁判和解から3日で、沖縄県に是正指示。

 標題について、沖縄タイムスは2016年3月8日、「政府は7日、名護市辺野古の新基地建設をめぐる代執行訴訟での国と沖縄県の和解を受けて、翁長雄志知事に対して、埋め立て承認を取り消した処分は違法だとして是正するよう指示した。是正指示は和解条項に基づく手続きの一環だが、和解から3日、協議再開前の早期の指示に、翁長知事は「大変残念」と反発。知事は国の是正指示に従わず、国地方係争処理委員会(係争委)に審査を申し出る見込みで、再び法廷闘争に持ち込まれる見通しだ。」、と報じた。
 また、この是正指示について、「是正指示は地方自治法に基づく手続き。指示に不服があれば、県は1週間以内に国の第三者機関の係争委に審査を申し出ることになっている。翁長知事は近く審査を申し出る見込みだ。その後、係争委が是正指示を違法ではないと判断し、県が不服なら1週間以内に是正指示の取り消しを求める訴訟を提起。逆に係争委が是正指示を違法と判断したにもかかわらず、国が期間内に指示の取り下げなど必要な措置を講じない場合、県は1週間以内に是正指示の取り消し訴訟を起こす。」、と伝えた。
 さらに、「和解条項では、判決が確定するまでの間、国と県は『円満解決』に向けた協議を行うとしている。和解からわずか3日での是正指示は『辺野古が唯一の選択肢』とする安倍政権のかたくなな姿勢を鮮明にした格好で、『辺野古は認めない』とする県側との協議はかなり難航しそうだ。
 翁長知事は県庁で記者団に『(国は)誠意ある協議をしたいというような言葉も使っていた。入り口でこういう形になるのは大変残念な気持ちだ』と述べ、協議がないまま是正指示を出した国の対応を批判した。」、と伝えた。

 このことに対して、琉球新報社説は「辺野古是正指示 独善と強権に対抗しよう」、沖縄タイムスは「 [国、是正指示]協議する気はあるのか」、と強く異論を唱えた。
 沖縄タイムスは次のように主張する。


①和解を受け入れたなら、少なくとも是正指示と並行して県と協議の場を持つべきだ。
②安倍首相は和解条項を持ち出し「円満解決に向けて話し合いを進めていきたい」と翁長知事に呼び掛けてもいた。その舌の根も乾かぬうちの是正指示だ。傍若無人な態度であり、強権的な姿勢は一向に変わらない。
③政府側に話し合う姿勢はまるで見えない。
①今回の是正指示は、和解により、結果的に修正されることになった法的手続きの一つだ。国が本来、代執行訴訟の前に取るべきだった措置である。安倍政権は、国と県を対等・協力の立場とする改正地方自治法上の必要な手続きを一切抜きにした提訴を閣議了解した。政権として法の精神を無視し、沖縄県の自治権を脅かした事実は法治国家において極めて重大だ。


 沖縄タイムスは、このように主張した上で、安倍晋三政権に対して、要求を突きつけた。


政府側に話し合う姿勢はまるで見えない。
瑕疵(かし)を修正し是正指示に臨むなら、何より政府がしなければならないことがある。それは自らの非を認め、沖縄県と県民へ謝罪することである。


 琉球新報は、「分かりやすく構図を描こう。」、とこの問題の本質を描いてみせる。


 仲介者に促され、もめ事は話し合いで解決することを目指すと約束してみせる。だが、舌の根も乾かぬうちに相手方に短刀を突き付け、あるいは足を踏み付けながら、こちらに従えと威圧する。それでいて、世間には笑顔を見せて善人ぶる。そんな厚顔極まる神経を持っているとしか思えない。
 時代劇に出てくる悪代官の話ではない。沖縄を組み敷こうとする現代の為政者だから始末に負えない。


 そして、琉球新報はこう結論づけた。


「予想されていたとはいえ、国の是正指示は裁判所が示した『円満解決』を目指す和解条項や『オールジャパンで米国と協議すべきだ』と求めた和解勧告の趣旨にもとる。敗訴を恐れ、県との歩み寄りを演出しようとしたよこしまな思惑を自ら掘り崩す挙に出たことで、世論の反作用を引き起こすだろう。」


 琉球新報は、安倍晋三政権の強権的手法に対して、今後の沖縄県側のあり方を描いて見せた。


 地域の民意を背負った自治体の長と対立した国が、手だてを尽くさず、いきなりその権限剥奪を図った。それが代執行訴訟だった。
 裁判所は日本の地方自治に禍根を残すと疑問視し、和解が成立した。だが、安倍政権には独善と強権性をとがめられた反省が全くない。逆に沖縄側の対抗手段がくっきりしたと言えるだろう。


 沖縄の怒りの地響きの音は、日本中に広まる。


 以下、沖縄タイムス及び琉球新報の引用。







沖縄タイムス-辺野古裁判和解から3日 政府、沖縄県に是正指示-2016年3月8日 05:05


 【東京】政府は7日、名護市辺野古の新基地建設をめぐる代執行訴訟での国と沖縄県の和解を受けて、翁長雄志知事に対して、埋め立て承認を取り消した処分は違法だとして是正するよう指示した。是正指示は和解条項に基づく手続きの一環だが、和解から3日、協議再開前の早期の指示に、翁長知事は「大変残念」と反発。知事は国の是正指示に従わず、国地方係争処理委員会(係争委)に審査を申し出る見込みで、再び法廷闘争に持ち込まれる見通しだ。

 是正指示は文書によるもので同日午後に石井啓一国土交通相が翁長知事宛てに郵送。15日までに埋め立て承認取り消し処分の取り消しを指示している。

 一方、防衛省は同日、沖縄防衛局長による翁長知事の承認取り消しに対する審査請求と執行停止の申し立てを取り下げた。県は関係文書を確認した上で8日にも抗告訴訟を取り下げる。

 菅義偉官房長官は記者会見で、「是正指示は裁判所の和解勧告に従って出した。お互いが確認したわけだから当然のことだ」と強調。その上で「(新たな訴訟の)判決が確定するまでに普天間飛行場の返還および埋め立て事業の解決に向けて協議する」と述べ、法的手続きと並行して県側と協議する考えを示した。

 是正指示は地方自治法に基づく手続き。指示に不服があれば、県は1週間以内に国の第三者機関の係争委に審査を申し出ることになっている。翁長知事は近く審査を申し出る見込みだ。

 その後、係争委が是正指示を違法ではないと判断し、県が不服なら1週間以内に是正指示の取り消しを求める訴訟を提起。逆に係争委が是正指示を違法と判断したにもかかわらず、国が期間内に指示の取り下げなど必要な措置を講じない場合、県は1週間以内に是正指示の取り消し訴訟を起こす。

 和解条項では、判決が確定するまでの間、国と県は「円満解決」に向けた協議を行うとしている。和解からわずか3日での是正指示は「辺野古が唯一の選択肢」とする安倍政権のかたくなな姿勢を鮮明にした格好で、「辺野古は認めない」とする県側との協議はかなり難航しそうだ。

 翁長知事は県庁で記者団に「(国は)誠意ある協議をしたいというような言葉も使っていた。入り口でこういう形になるのは大変残念な気持ちだ」と述べ、協議がないまま是正指示を出した国の対応を批判した。



沖縄タイムス社説-[国、是正指示]協議する気はあるのか-2016年3月8日 05:00


 名護市辺野古への新基地建設をめぐり石井啓一国土交通相は7日、埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の処分に対し、是正を指示した。

 取り消しをめぐっては、国が県を提訴した代執行訴訟で、4日に和解が成立したばかり。安倍晋三首相は和解を受けて同日「辺野古への移設が唯一の選択肢であるという国の考え方に何ら変わりはない」と述べており、それを具体化した形だ。

 和解は(1)国は工事を中止する(2)埋め立て承認取り消しをめぐる手続きを正常化する(3)国と県は円満解決に向けて協議する-の三つの柱からなる。国の是正指示はそのうち(2)に当たる。

 一方で菅義偉官房長官は7日の会見で「沖縄県と進め方について協議していきたいというふうに思っている」と述べ、(3)にある県との話し合いについては、協議の在り方すら決まっていないことを明らかにした。

 和解を受け入れたなら、少なくとも是正指示と並行して県と協議の場を持つべきだ。

 安倍首相は和解条項を持ち出し「円満解決に向けて話し合いを進めていきたい」と翁長知事に呼び掛けてもいた。その舌の根も乾かぬうちの是正指示だ。傍若無人な態度であり、強権的な姿勢は一向に変わらない。

 政府側に話し合う姿勢はまるで見えない。

 昨年夏、政府が県と集中協議するとして約1カ月の期間を設定したことを思い出す。

 工事を中断し「歩み寄り」をアピールしたが、協議とは名ばかり。「辺野古が唯一の解決策」との言葉を繰り返す政府の姿勢に、県は話し合いの端緒さえつかめなかった。
■    ■
 今回も工事は中断されている。本来なら、国側の提訴取り下げにより正常化された法的手続きを進めながら、双方による真の話し合いが行われるはずだ。その期間は、もし新たな訴訟が始まった場合でも半年以上を有するとみられている。

 和解勧告では、その間の協議の方向性について「最善の解決策を合意して米国に協力を求めるべきである」とし、国と県に対し計画変更を前提とした協議を求めている。

 こうしたことを鑑みれば、そもそも「辺野古唯一」はあり得ないのである。

 協議の場すらつくらないままの是正指示は、和解の趣旨を全くないがしろにしたものと言わざるを得ない。
■    ■
 今回の是正指示は、和解により、結果的に修正されることになった法的手続きの一つだ。国が本来、代執行訴訟の前に取るべきだった措置である。

 安倍政権は、国と県を対等・協力の立場とする改正地方自治法上の必要な手続きを一切抜きにした提訴を閣議了解した。政権として法の精神を無視し、沖縄県の自治権を脅かした事実は法治国家において極めて重大だ。

 瑕疵(かし)を修正し是正指示に臨むなら、何より政府がしなければならないことがある。

 それは自らの非を認め、沖縄県と県民へ謝罪することである。



琉球新報社説-辺野古是正指示 独善と強権に対抗しよう-2016年3月8日 06:02


 分かりやすく構図を描こう。

 仲介者に促され、もめ事は話し合いで解決することを目指すと約束してみせる。だが、舌の根も乾かぬうちに相手方に短刀を突き付け、あるいは足を踏み付けながら、こちらに従えと威圧する。それでいて、世間には笑顔を見せて善人ぶる。そんな厚顔極まる神経を持っているとしか思えない。
 時代劇に出てくる悪代官の話ではない。沖縄を組み敷こうとする現代の為政者だから始末に負えない。
 これは、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を伴う新基地建設をめぐる安倍政権の対応である。辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事に対し、国は取り消し処分の是正を指示した。
 4日に成立した代執行訴訟の和解条項は県側との「円満解決」に向けた協議をすることが盛り込まれたが、国は協議の段取りを一切踏まず、わずか3日後に是正指示を出した。取りも直さず、「唯一の解決策」と印象操作する辺野古移設に向け、司法判断を得ることを最優先すると宣言したわけだ。
 中谷元・防衛相はすぐに米政府高官へ報告し「辺野古が唯一の選択肢」と確認した。米国に忠誠を誓う姿と沖縄への強硬姿勢の落差という見飽きた光景である。
 予想されていたとはいえ、国の是正指示は裁判所が示した「円満解決」を目指す和解条項や「オールジャパンで米国と協議すべきだ」と求めた和解勧告の趣旨にもとる。敗訴を恐れ、県との歩み寄りを演出しようとしたよこしまな思惑を自ら掘り崩す挙に出たことで、世論の反作用を引き起こすだろう。
 それにしても、和解成立後、翁長知事と会談した際に浮かべた安倍晋三首相の笑顔は何だったのか。
 再協議に入るはるか前段での是正指示に対し、県幹部は「協議設定は国にとって『刺し身のつま』のようなものか」と吐き捨てた。県は不服を申し立ててあらがう。新基地を止める手だては裁判以外にも多くある。県は臆せずに渡り合ってほしい。
 地域の民意を背負った自治体の長と対立した国が、手だてを尽くさず、いきなりその権限剥奪を図った。それが代執行訴訟だった。
 裁判所は日本の地方自治に禍根を残すと疑問視し、和解が成立した。だが、安倍政権には独善と強権性をとがめられた反省が全くない。逆に沖縄側の対抗手段がくっきりしたと言えるだろう。


by asyagi-df-2014 | 2016-03-08 09:12 | 沖縄から | Comments(0)

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