沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(19)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(19)を考える。
 第19回目は、「日米地位協定 身柄引き渡しは米側に裁量」、ということについて。
 このことについて、沖縄タイムスは2016年3月1日、次のように報じる。
今回の指摘は、「日米地位協定をめぐる問題で筆頭に挙げられるのは、事件を起こした米軍人・軍属の日本側への起訴前の身柄引き渡しをめぐる刑事裁判権だ。日米地位協定17条は第1次裁判権について、米軍人・軍属の公務中に起こした犯罪は米国にあり、公務外の場合は日本にあると定めている。だが、公務外の場合でも、米側が先に身柄を確保した場合、起訴するまで日本側に引き渡されず、主権国家であるはずの日本側が捜査の主導権を持てないとの問題が指摘される。」、と
 また、このことに関して、「沖縄では保守・革新の政治立場を問わず日米地位協定には裁判権の点で問題があるとの共通認識があり、本土で米軍基地を抱える地域も同様の考えだ。2008年3月、仲井真弘多知事(当時)は米軍基地を抱える14都道県でつくる渉外知事会の会長を務める松沢成文神奈川県知事と協定の抜本的な見直しを政府に要請した。」。
 しかし、高村正彦外相は裁判権の見直しについて、「裁判権は外国との協定と比べると最も進んでいる。この件を理由に改定は極めて難しい」、と言い切った。
 こうした背景には、「高村氏や官僚の『日米の協定は他国よりも進んでいる』という考えの背景には、ドイツに駐留する米軍の地位協定であるボン補足協定では、身柄引き渡しが原則として判決が執行された時であることなどがある。」、と。
さらに、「政府側の考えの根拠となるのは『運用改善』だ。」、と。
 このことの根拠となっているのが、次のことである。


「1995年に本島北部で米兵3人による暴行事件が起きた際、県警は逮捕のため容疑者の身柄引き渡しを米側に求めたが米側は17条を理由に拒否し、県民が強く反発した。これを受けた日米両政府は「殺人と強姦(ごうかん)」については起訴前の身柄引き渡しに『好意的考慮を払う』という協定の運用改善を合意。2004年には配慮の対象を『日本政府が重大な関心を持ついかなる犯罪も排除されない』とし、殺人と強姦以外の犯罪も適用することを口頭で確認した。 」


 沖縄タイムスは、こうしたことについて、村上有慶氏の反論を掲載する。


「好意的配慮はあくまで米側に裁量がある。1996年から約10年間活動していた米軍人・軍属による事件被害者の会で事務局を務めた村上有慶氏は『米側の配慮にはほとんど期待できず、運用改善では沖縄が抱える問題は解決に向け一歩も前進しない』と語る。」

「外務省の資料によると、実際にこれまで米軍が日本側の起訴前に身柄の引き渡しに応じたのは沖縄の2件を含めて全国で5件にとどまる。2002年に北谷町で起きた暴行未遂事件では日本側の要求を米側が拒否した。村上氏は『日米地位協定のどこが平等なのか。日本に主権があるかすら疑問だ』と指摘した。」


 以下、沖縄タイムスの引用。






沖縄タイムス-【誤解だらけの沖縄基地】(19)日米地位協定 身柄引き渡しは米側に裁量-2016年3月1日 07:01


 日米地位協定をめぐる問題で筆頭に挙げられるのは、事件を起こした米軍人・軍属の日本側への起訴前の身柄引き渡しをめぐる刑事裁判権だ。

 日米地位協定17条は第1次裁判権について、米軍人・軍属の公務中に起こした犯罪は米国にあり、公務外の場合は日本にあると定めている。だが、公務外の場合でも、米側が先に身柄を確保した場合、起訴するまで日本側に引き渡されず、主権国家であるはずの日本側が捜査の主導権を持てないとの問題が指摘される。

 沖縄では保守・革新の政治立場を問わず日米地位協定には裁判権の点で問題があるとの共通認識があり、本土で米軍基地を抱える地域も同様の考えだ。

 2008年3月、仲井真弘多知事(当時)は米軍基地を抱える14都道県でつくる渉外知事会の会長を務める松沢成文神奈川県知事と協定の抜本的な見直しを政府に要請した。
 しかし、高村正彦外相は裁判権の見直しについて、こう言い切った。

 「裁判権は外国との協定と比べると最も進んでいる。この件を理由に改定は極めて難しい」

 高村氏や官僚の「日米の協定は他国よりも進んでいる」という考えの背景には、ドイツに駐留する米軍の地位協定であるボン補足協定では、身柄引き渡しが原則として判決が執行された時であることなどがある。

 さらに政府側の考えの根拠となるのは「運用改善」だ。

 1995年に本島北部で米兵3人による暴行事件が起きた際、県警は逮捕のため容疑者の身柄引き渡しを米側に求めたが米側は17条を理由に拒否し、県民が強く反発した。これを受けた日米両政府は「殺人と強姦(ごうかん)」については起訴前の身柄引き渡しに「好意的考慮を払う」という協定の運用改善を合意。2004年には配慮の対象を「日本政府が重大な関心を持ついかなる犯罪も排除されない」とし、殺人と強姦以外の犯罪も適用することを口頭で確認した。

 ただ、好意的配慮はあくまで米側に裁量がある。1996年から約10年間活動していた米軍人・軍属による事件被害者の会で事務局を務めた村上有慶氏は「米側の配慮にはほとんど期待できず、運用改善では沖縄が抱える問題は解決に向け一歩も前進しない」と語る。

 外務省の資料によると、実際にこれまで米軍が日本側の起訴前に身柄の引き渡しに応じたのは沖縄の2件を含めて全国で5件にとどまる。2002年に北谷町で起きた暴行未遂事件では日本側の要求を米側が拒否した。村上氏は「日米地位協定のどこが平等なのか。日本に主権があるかすら疑問だ」と指摘した。(「沖縄基地」取材班)


by asyagi-df-2014 | 2016-03-08 06:07 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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