沖縄-嘉手納騒音で「年4人死亡」と、算出。これは「大規模な公害病」だ。

 北海道大学工学研究院の松井利仁教授(環境衛生学)の「戦後70年が経過したことを考慮すれば、単純計算で約300人の命が失われたことになる。大規模な公害病だ」という指摘は、まさに驚愕の事実である。「沖縄の犠牲」ということの典型的な事実である。
 このことについて、沖縄タイムスは2016年2月26日、「騒音がもたらす健康被害の専門家で、北海道大学工学研究院の松井利仁教授(環境衛生学)は25日までに、米軍嘉手納基地の航空機騒音による心筋梗塞や脳卒中で、毎年4人が死亡しているとの推計結果をまとめた。沖縄県の騒音測定結果や国勢調査を基に、英国の疫学調査で得られた死亡率を応用して算出した。騒音で心筋梗塞か脳卒中に罹患(りかん)している患者も30人に上るとしている。さらに、世界保健機関(WHO)の夜間騒音ガイドラインに基づけば、夜間騒音が原因で、軽度以上の睡眠障害に罹患している嘉手納飛行場周辺の住民は約1万人いると算出。過去の県の疫学調査を踏まえ、騒音による高血圧の住民も千人いるとした。」、と報じた。
 こうした実態について、松井教授は、「『大規模な公害病だ』と訴えた。」、というのである。
 このことについて、沖縄タイムスは同日、松井利仁教授(環境衛生学、騒音による生理学的影響に関する国際委員会健康影響部会副部会長)の見解を次のように紹介している。


(1)騒音問題の日本の実態
①騒音による死亡を含む健康影響が国内で大気汚染に次いで高いにもかかわらず、日本の騒音に関する環境基準は健康を保護していない、多くの騒音の健康被害問題が放置され続けている。
②残念なことに、日本には環境騒音による健康影響を研究する科学者は少ない。
③加えて、これまで騒音が「感覚公害」に分類されてきたことも、騒音の影響が感覚的なものに限られるという誤解を生む原因になってきた。 
(2)騒音
 騒音は大気汚染や水質汚濁の有害物質と同様、「公害病の」の原因となりうる環境要因だ。
(3)WHOの見解
 世界保健機関(WHO)は1999年の時点で、騒音により高血圧や心疾患が増加することを「環境ガイドライン」に記載した。
(4)騒音問題は引き起こしていること
①騒音が人命にまで影響することを認識した上で騒音を出し続けることは、水俣公害事件で、原因を知りながら排水を流し続けたことと同じだ。 
②沖縄戦で日本軍が住民を守らなかったという事実はしばしば報道されているが、今も米軍と日本国による住民への「殺人行為」ともいえる状態が続いているのではないか。
(5)松井教授の見解
①行政には、公害病から国民の健康を守る義務がある。行政がWHO矢科学を無視し続けることは、その役割を放棄しているにひとしい。
②騒音から健康を保護するための環境基準を策定することはもちろん、騒音による影響をより正確に把握するために、欧州のように国家レベルの実態調査が行われるべきだ。


 この記事に、驚いているだけでは済まされない。
 しっかりとこの事実を受け止め、解決に向けて動かなければならない。
 まずは、「戦後70年が経過したことを考慮すれば、単純計算で約300人の命が失われたことになる。大規模な公害病だ」という事実を確認すること。
 そしてこの事実が、「騒音が人命にまで影響することを認識した上で騒音を出し続けることは、水俣公害事件で、原因を知りながら排水を流し続けたことと同じだ。」、ということを理解すること。
 また、これが、「沖縄戦で日本軍が住民を守らなかったという事実はしばしば報道されているが、今も米軍と日本国による住民への『殺人行為』ともいえる状態が続いている。」、ことをはっきりと日本国の国民レベルで明確に認識するということが必要である。


 以下、沖縄タイムスの引用。








沖縄タイムス-嘉手納騒音で心筋梗塞や脳卒中 北海道大教授「年4人死亡」と推計-2016年2月26日 05:01


 騒音がもたらす健康被害の専門家で、北海道大学工学研究院の松井利仁教授(環境衛生学)は25日までに、米軍嘉手納基地の航空機騒音による心筋梗塞や脳卒中で、毎年4人が死亡しているとの推計結果をまとめた。沖縄県の騒音測定結果や国勢調査を基に、英国の疫学調査で得られた死亡率を応用して算出した。騒音で心筋梗塞か脳卒中に罹患(りかん)している患者も30人に上るとしている。

 さらに、世界保健機関(WHO)の夜間騒音ガイドラインに基づけば、夜間騒音が原因で、軽度以上の睡眠障害に罹患している嘉手納飛行場周辺の住民は約1万人いると算出。過去の県の疫学調査を踏まえ、騒音による高血圧の住民も千人いるとした。

 松井教授は「戦後70年が経過したことを考慮すれば、単純計算で約300人の命が失われたことになる。大規模な公害病だ」と訴えた。

 県は1995~98年、嘉手納基地周辺住民の約2万人を対象に航空機騒音と健康被害の関係を調べる疫学調査を実施しており、松井教授は調査メンバーの一人だった。

 今回の推計も当時の調査結果に、最新の科学的知見を反映させた。

 推計のための基礎データは、県などの常時騒音モニタリング結果などを基に作成した夜間騒音コンター(予測図)に、国勢調査の字別人口分布を重ね、算出した騒音曝露(ばくろ)レベル別の人口を基にした。

 英国の疫学調査は、2013年にヒースロー空港周辺の約360万人を対象に行われたもので、航空機騒音と死亡リスクの関係性を初めて明らかにした。

 松井教授は、那覇地裁沖縄支部で18日にあった米軍嘉手納基地の周辺住民が起こした第3次嘉手納基地爆音差し止め訴訟の証人尋問で、推計結果をまとめた意見書を提出。

 24日の県議会2月定例会では、仲村未央氏(社民・護憲)が松井氏の調査結果を踏まえて県に、嘉手納基地周辺住民を対象にした健康調査を求めていた。


by asyagi-df-2014 | 2016-02-29 12:24 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧