沖縄-名護市辺野古に仮設桟橋工事について、1年間に契約を4回変更し、工事費が当初の金額2・5倍に膨らむ。

 標題について、朝日新聞は2016年2月20日、「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設予定地とされる名護市辺野古に仮設桟橋などを造る工事について、防衛省が発注後の1年間に契約を4回変更し、工事費が当初の59億円から147億円と2・5倍に膨らんでいたことが朝日新聞の調べで分かった。抗議活動への対応で追加工事が必要になったためというが、『当初の入札の意味がない。新たな契約を結ぶべきだ』と批判が出ている。」、と報じた。
 また、「この工事は本体着工前の準備工事だが、その後に発注された本体工事でも契約が直後に変更され、当初より150億円以上増えたことも判明。防衛省は2014年3月、移設の総経費を『3500億円以上』と明かしたが、膨らむ恐れがある。2・5倍になったのは『シュワブ(H26)仮設工事』。沖縄防衛局は14年6月に指名競争で入札を実施し、大手ゼネコンの大成建設と59億6千万円で契約した。落札率は97・9%だった。沖縄防衛局や契約関係書類によると、工事内容は、仮設の浮桟橋・桟橋の設置▽フロート(浮き具)やブイ(浮標)の設置▽安全対策。防衛省は14年7月、移設予定地周辺の海域約560ヘクタールを日米地位協定に基づき立ち入り禁止と設定しており、フロートやブイはその周囲に設置された。
 辺野古移設に反対する人たちは、カヌーでフロートを乗り越えて立ち入り禁止区域内に入るなどの抗議活動をしている。防衛局は当初契約4カ月後の14年10月、『フロートの設置数量が追加となった』として契約を変え、47億8千万円増額した。防衛省関係者は『カヌーが入れないようにフロートを二重三重にした。安全確保のために仕方がない』と説明する。沖縄防衛局はその後も3回契約を変更し、さらに金額は膨らんだ。この増額理由について、防衛局は詳細を明らかにしていない。」、と伝えた。
 朝日新聞は、このことについて、沖縄防衛局の話として、「現場の状況を踏まえ、工事の安全確保にさらなる万全を期す観点から、当初計画からフロートの設置数量が追加となったため、変更契約を締結した。移設の経費については、正確な数字を示すことは困難であるが、大まかな見積もりとして少なくとも3500億円以上と見込んでいる」、と報じた。
 さらに、「これほど高額な工事が何倍にも契約変更されるケースには接したことがない。当初の入札の意味がなくなり、競争性が失われてしまっている。本来、別途新たな契約を結ぶべきだ。内容でも、工事の中に多額の安全対策という業務が含まれるなどあまりに不透明。こうした増額が窓口に行かないと分からないのは仕組みとしておかしいし、最低でも増額の内容は説明されるべきだ。防衛省では09年に受けた検査院の懲戒要求に応じなかったことがあり、こうした過去の対応も今回の事例につながる一因になっているのではないか。」、と有川博・日大教授(公共政策)の話を掲載した。

以下、朝日新聞の引用。







朝日新聞-辺野古の仮設工事費2.5倍に 契約変更、1年間で4回- 2月20日(土)5時4分


 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設予定地とされる名護市辺野古に仮設桟橋などを造る工事について、防衛省が発注後の1年間に契約を4回変更し、工事費が当初の59億円から147億円と2・5倍に膨らんでいたことが朝日新聞の調べで分かった。抗議活動への対応で追加工事が必要になったためというが、「当初の入札の意味がない。新たな契約を結ぶべきだ」と批判が出ている。

 この工事は本体着工前の準備工事だが、その後に発注された本体工事でも契約が直後に変更され、当初より150億円以上増えたことも判明。防衛省は2014年3月、移設の総経費を「3500億円以上」と明かしたが、膨らむ恐れがある。

 2・5倍になったのは「シュワブ(H26)仮設工事」。沖縄防衛局は14年6月に指名競争で入札を実施し、大手ゼネコンの大成建設と59億6千万円で契約した。落札率は97・9%だった。

 沖縄防衛局や契約関係書類によると、工事内容は、仮設の浮桟橋・桟橋の設置▽フロート(浮き具)やブイ(浮標)の設置▽安全対策。防衛省は14年7月、移設予定地周辺の海域約560ヘクタールを日米地位協定に基づき立ち入り禁止と設定しており、フロートやブイはその周囲に設置された。

 辺野古移設に反対する人たちは、カヌーでフロートを乗り越えて立ち入り禁止区域内に入るなどの抗議活動をしている。防衛局は当初契約4カ月後の14年10月、「フロートの設置数量が追加となった」として契約を変え、47億8千万円増額した。防衛省関係者は「カヌーが入れないようにフロートを二重三重にした。安全確保のために仕方がない」と説明する。

 沖縄防衛局はその後も3回契約を変更し、さらに金額は膨らんだ。この増額理由について、防衛局は詳細を明らかにしていない。

 防衛局は仮設工事を進める傍ら、14年10月~15年2月に岸壁建設など本体工事を7件発注。当初契約では計413億7千万円だったが、うち4件について1~2カ月後に契約を変更し、総額は計564億9千万円となった。契約変更調書には、理由について「設計精査」と記されている。

 会計検査院は今年1月に沖縄防衛局に検査に入っており、移設工事の妥当性を調べているとみられる。

 辺野古移設を巡っては、会計検査院の07年度の検査で、約8億円の予算だった海底地質調査に関し、旧那覇防衛施設局が抗議活動への対応として次々に追加で事業を出し、計約22億円を支払っていたことが発覚。この際は契約変更の会計手続きも怠っていたとして、検査院が悪質なケースに当たる「不当事項」と指摘した。検査院は09年、この事例で当時の局長2人を懲戒処分するべきだと防衛省に要求したが、防衛省は従わなかった。

 辺野古移設を巡っては、防衛省は昨年10月末、沖縄県が反対するなか本体工事に着手した。国は今後、本体工事を本格化させるとみられる。(大谷聡)
■増額分の閲覧、現地窓口のみ
 この仮設工事は、広く入札参加を募る「一般競争」ではなく、参加業者を発注側が選ぶ「指名競争」で発注された。だが、入札を行ったことが明らかにされたのは、契約を結んだ後。工事の内容を記し、入札時に業者に示された書類は、いまも公開されていない。

 入札参加業者名などを記した書類は契約後に公表されたが、それによると四つの大手ゼネコンや共同企業体が参加し、大成建設以外の3者は予定価格を超過していた。

 沖縄防衛局は工事や業務の契約について、当初契約の金額はホームページ上で公開しているが、変更後の契約金額については出していない。辺野古移設事業の増額分についても、沖縄県嘉手納町の同防衛局窓口まで行って書類を閲覧しなければ把握できない。同防衛局は「防衛省内のルールに従っており、沖縄防衛局としては適切に公表を行っていると認識している」としている。
■安全確保の観点から
 《沖縄防衛局の話》 現場の状況を踏まえ、工事の安全確保にさらなる万全を期す観点から、当初計画からフロートの設置数量が追加となったため、変更契約を締結した。移設の経費については、正確な数字を示すことは困難であるが、大まかな見積もりとして少なくとも3500億円以上と見込んでいる。
■入札の意味ない、新たな契約結ぶべきだ
 《元会計検査院局長の有川博・日大教授(公共政策)の話》 これほど高額な工事が何倍にも契約変更されるケースには接したことがない。当初の入札の意味がなくなり、競争性が失われてしまっている。本来、別途新たな契約を結ぶべきだ。内容でも、工事の中に多額の安全対策という業務が含まれるなどあまりに不透明。こうした増額が窓口に行かないと分からないのは仕組みとしておかしいし、最低でも増額の内容は説明されるべきだ。防衛省では09年に受けた検査院の懲戒要求に応じなかったことがあり、こうした過去の対応も今回の事例につながる一因になっているのではないか。


by asyagi-df-2014 | 2016-02-22 10:05 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧