沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(14)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(14)を考える。
 第14回目は、「米兵による犯罪発生率 県民と比較できるか?」、ということについて。
 沖縄タイムスは、「県民の犯罪率と米兵の犯罪率は、比較が成り立つのか。」、と問いかける。
 このことについて、沖縄タイムスは次のように報告する。


(1)事実経過
①米軍基地を抱えることで派生する被害の一つとして、米兵が加害者となる犯罪がある。繰り返されるたびに再発防止が叫ばれるが、悲惨な事件は後を絶たない。県民はまたかと憤り、地元メディアは大きく取り上げる。その反応を批判する声がある。
②作家の百田尚樹氏は昨年、自民党本部での勉強会で「沖縄に住む米兵がレイプ事件を犯したことが何例もあるが、沖縄県(民)自身が起こした方がはるかに率が高い。米兵が女の子を犯した、じゃあそれで米兵は出て行けというのか」と主張した。
③かつての外務省沖縄大使が記者会見で「在沖米軍関係者1人当たりの犯罪発生率は、沖縄県民よりも低い」と発言し、批判を浴びたこともある。
(2)比較が成り立たない理由
①1995年に米兵3人が県内で起こした暴行事件後、被害者救済などを目的に発足した「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表の高里鈴代氏は、両者を比較できない理由として大きく二つの視点を指摘する。
 1点目は、米兵犯罪はすべてを把握できないことだ。基地内で起きた犯罪や、特に被害者が訴えない女性暴行は表に出ない。性暴力の被害者相談窓口「強姦救援センター・沖縄(REICO)」に立ち上げから携わる高里氏は、親告罪である強姦事件は口を閉ざしたままの被害者が少なくなく、「加害者が誰であれ表に出るのは一部だと捉えるべき」と実態を語る。
 2点目は米軍が日本に駐留する根拠だ。外務省のホームページや防衛白書では、日米安保条約に触れながら「我が国の安全、アジア太平洋地域の平和と安定」などの駐留意義が紹介されている。
 高里氏は「駐留する地域を守ることを大義名分に米国から派遣されている。犯罪はゼロであるのが当然だ」と、1件も起こしてはならない立場だと憤る。
(3)結論
①米兵が犯罪を起こした場合、日本側の捜査権や裁判権には一定の制約があり、日本人と同様に裁かれないケースもある。現行の日米地位協定では、米兵が「公務中」であれば米側に第1次裁判権があると定め、米側が放棄しない限り日本側は起訴できない。
 在日米兵らの事件で「重要な案件以外、日本側は裁判権を放棄する」とした53年の「密約」を米公文書で見つけた国際問題研究者の新原昭治氏は「日本側にできるだけ裁判権を渡さないという原則姿勢は今でも残る。日本の主権に関わる問題であり、繰り返される米兵犯罪は日本政府の責任でもある」と憂う。
②新原氏は「米兵犯罪の統計は基地内発生などは排除され、ふるいにかけられたごく一部で起訴率も低い。実数が明らかになる県民の犯罪と比較はできない」とし、そもそも基礎となるデータが不透明だと強調した。


 つまり、在日米兵らの事件は、「米兵犯罪の統計は基地内発生などは排除され、ふるいにかけられたごく一部で起訴率も低い。実数が明らかになる県民の犯罪と比較はできない」ということと、「日本側にできるだけ裁判権を渡さないという原則姿勢は今でも残る。日本の主権に関わる問題であり、繰り返される米兵犯罪は日本政府の責任でもある」ことから、県民の犯罪率と米兵の犯罪率は比較が成り立たない。
 明確に認識しなければならないのは、米軍犯罪は、「『駐留する地域を守ることを大義名分に米国から派遣されている。犯罪はゼロであるのが当然だ』と、1件も起こしてはならない立場だ」、ということに尽きる。


 以下、沖縄タイムスの引用。








沖縄タイムス-【誤解だらけの沖縄基地】(14)米兵による犯罪発生率 県民と比較できるか?-2016年2月14日 07:01


 米軍基地を抱えることで派生する被害の一つとして、米兵が加害者となる犯罪がある。繰り返されるたびに再発防止が叫ばれるが、悲惨な事件は後を絶たない。県民はまたかと憤り、地元メディアは大きく取り上げる。その反応を批判する声がある。

 作家の百田尚樹氏は昨年、自民党本部での勉強会で「沖縄に住む米兵がレイプ事件を犯したことが何例もあるが、沖縄県(民)自身が起こした方がはるかに率が高い。米兵が女の子を犯した、じゃあそれで米兵は出て行けというのか」と主張した。

 かつての外務省沖縄大使が記者会見で「在沖米軍関係者1人当たりの犯罪発生率は、沖縄県民よりも低い」と発言し、批判を浴びたこともある。

 県民の犯罪率と米兵の犯罪率は、比較が成り立つのか。

 1995年に米兵3人が県内で起こした暴行事件後、被害者救済などを目的に発足した「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表の高里鈴代氏は、両者を比較できない理由として大きく二つの視点を指摘する。

 1点目は、米兵犯罪はすべてを把握できないことだ。基地内で起きた犯罪や、特に被害者が訴えない女性暴行は表に出ない。性暴力の被害者相談窓口「強姦救援センター・沖縄(REICO)」に立ち上げから携わる高里氏は、親告罪である強姦事件は口を閉ざしたままの被害者が少なくなく、「加害者が誰であれ表に出るのは一部だと捉えるべき」と実態を語る。

 2点目は米軍が日本に駐留する根拠だ。外務省のホームページや防衛白書では、日米安保条約に触れながら「我が国の安全、アジア太平洋地域の平和と安定」などの駐留意義が紹介されている。

 高里氏は「駐留する地域を守ることを大義名分に米国から派遣されている。犯罪はゼロであるのが当然だ」と、1件も起こしてはならない立場だと憤る。

 米兵が犯罪を起こした場合、日本側の捜査権や裁判権には一定の制約があり、日本人と同様に裁かれないケースもある。現行の日米地位協定では、米兵が「公務中」であれば米側に第1次裁判権があると定め、米側が放棄しない限り日本側は起訴できない。

 在日米兵らの事件で「重要な案件以外、日本側は裁判権を放棄する」とした53年の「密約」を米公文書で見つけた国際問題研究者の新原昭治氏は「日本側にできるだけ裁判権を渡さないという原則姿勢は今でも残る。日本の主権に関わる問題であり、繰り返される米兵犯罪は日本政府の責任でもある」と憂う。

 百田氏は犯罪率を比較した際、「左翼の扇動に対して立ち向かう言葉とデータを持って対抗しないといけない」とも述べている。新原氏は「米兵犯罪の統計は基地内発生などは排除され、ふるいにかけられたごく一部で起訴率も低い。実数が明らかになる県民の犯罪と比較はできない」とし、そもそも基礎となるデータが不透明だと強調した。(「沖縄基地」取材班)


by asyagi-df-2014 | 2016-02-20 06:00 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧