貧困問題-都道府県で初めてとなる県の調査で分かったこと。沖縄県内の子どもの貧困率が29・9%に上った。

 都道府県で初めて行った沖縄県の子どもの貧困の調査について、「沖縄県内の子どもの貧困率が29・9%に上ることが29日、都道府県で初めてとなる県の調査で分かった。2012年時点の全国平均16・3%の約2倍。子どもの3人に1人が貧困状態に置かれていることになり、県内の深刻な状況があらためて浮き彫りになった。ひとり親世帯の貧困率は58・9%で、全国を4・3ポイント上回った。」、と報道した。
 また、その貧困の実態について次のように伝えた。


①小中学生と保護者のアンケートでは、経済的に厳しい家庭に学用品や給食費を補助する就学援助の周知が足りず、必要な世帯に行き届いていない実態も明らかになった。
②貧困層で就学援助を受けていない割合は小学1年が57%、小学5年52%、中学2年45%に上った。比較が可能な大阪市の調査(12年度)の2倍以上だった。
③貧困層に必要な食料が届いていない現状も分かった。過去1年間に経済的な理由で食料に困窮した経験があるかとの問いでは、貧困層の保護者の約5割が「あった」と回答。このうち中学2年生の貧困層の8%、小学5年生の6%が「よくあった」と答えた。
④食料困窮の経験を詳しくみると、両親がいる世帯が25%だったのに対し、ひとり親世帯は43%と多かった。この数字は全国調査結果の22~33%より多く、深刻さが際立った
⑤生活の困窮からライフラインが脅かされる状況も表れた。電気や電話など料金を過去1年間に滞納した経験は電気やガス、電話などで貧困層が30%程度。水道料金も20%を超えていた。過去10年間に停止された経験も20%近くあった。


 さらに、アンケートを統括した千葉明徳短期大学の山野良一教授の「制度を知らなかった保護者が各年代で約20%あったと指摘。『沖縄県では貧困層で援助を受けていない割合が高い特徴がある。制度を知らせることが大事だ』と語った。」、と伝えた。
 沖縄タイムスは、「県が独自に実施した今回の調査は、子どもの貧困を社会全体の問題として取り上げ、光を当てた点に大きな意義がある。深刻ではあるが、その重要性に向き合うスタートとすべきだ。貧困率にとどまらず、全国一低い大学進学率、全国一高い若年無業者率など、子どもの成長に関係する課題は山積している。県に『子どもの貧困対策課』を立ち上げるなど体制づくりでも強い意志を示し、これまでにない大胆な発想で推進計画を練り上げてもらいたい。」、と主張した。


 沖縄県が全国で初めて行った調査は、非常に有意義である。
 貧困問題の解決は、特に子どもの貧困の解決は、緊急を要する課題となって久しいのが実態である。
 そこには、日本という国の政策が貧困問題の解決に真から向き合っていないという現実が横たわっている。
 こうした政府の方針の影響を受けて、沖縄タイムスが指摘するように、「自ら訴えることの難しい子どもの貧困は見えにくい」ことや「豊かな日本でありえないという思い込みと、個人の問題に押し込める自己責任論が、貧困を見えにくくし、助けを求めにくくしている。」、といった国民一人一人の意識の問題が背景としてある。
 さらに、国だけでなく、地方時自体においても、「沖縄県では貧困層で援助を受けていない割合が高い特徴がある。制度を知らせることが大事だ」、といった取り組みの貧しさがある。


 貧困の解決、特に子どもの貧困の解決は、日本という国の緊急の課題である。


 以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス-沖縄の子ども30%が貧困 全国の2倍 就学援助も周知足りず-2016年1月30日 11:30


 沖縄県内の子どもの貧困率が29・9%に上ることが29日、都道府県で初めてとなる県の調査で分かった。2012年時点の全国平均16・3%の約2倍。子どもの3人に1人が貧困状態に置かれていることになり、県内の深刻な状況があらためて浮き彫りになった。ひとり親世帯の貧困率は58・9%で、全国を4・3ポイント上回った。

 小中学生と保護者のアンケートでは、経済的に厳しい家庭に学用品や給食費を補助する就学援助の周知が足りず、必要な世帯に行き届いていない実態も明らかになった。

 貧困層で就学援助を受けていない割合は小学1年が57%、小学5年52%、中学2年45%に上った。比較が可能な大阪市の調査(12年度)の2倍以上だった。

 アンケートを統括した千葉明徳短期大学の山野良一教授は、制度を知らなかった保護者が各年代で約20%あったと指摘。「沖縄県では貧困層で援助を受けていない割合が高い特徴がある。制度を知らせることが大事だ」と語った。

 貧困層に必要な食料が届いていない現状も分かった。過去1年間に経済的な理由で食料に困窮した経験があるかとの問いでは、貧困層の保護者の約5割が「あった」と回答。このうち中学2年生の貧困層の8%、小学5年生の6%が「よくあった」と答えた。

 食料困窮の経験を詳しくみると、両親がいる世帯が25%だったのに対し、ひとり親世帯は43%と多かった。この数字は全国調査結果の22~33%より多く、深刻さが際立った。

 生活の困窮からライフラインが脅かされる状況も表れた。電気や電話など料金を過去1年間に滞納した経験は電気やガス、電話などで貧困層が30%程度。水道料金も20%を超えていた。過去10年間に停止された経験も20%近くあった。

 県は16~21年度の期間で数値目標を盛り込む「子どもの貧困対策推進計画」を本年度内に策定する。


子どもの貧困率
 平均的な手取り収入の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合。全国では2012年時点で過去最悪の16・3%に達した。この調査の貧困基準は122万円だったが、都道府県では初となる今回の県調査では物価調整を踏まえて126万円を基準とした。貧困の状態は学力や健康などと関係があるとされる。
■調査の方法 
 県子どもの貧困実態調査は、市町村の住民世帯や収入、社会保障データを合わせた「子どもの貧困率」と、児童・生徒や保護者の「学校アンケート」の二つで構成される。貧困率は全41市町村に2015年11月に依頼し、回答があった35市町村のうち、全データがそろった8自治体分を中間報告にまとめた。サンプル数約20万人は県内の全ての子どもの68%。

 学校アンケートは15年10~11月に県内五つの圏域から延べ73校の小中学校の児童と保護者を対象に実施。小学1年は保護者、小学5年と中学2年は子どもと保護者。子どもは計3195人、保護者は計4973人が対象で、それぞれ75%、71%の有効回答を得た。いずれの調査も県から委託を受けた県子ども総合研究所が、学識者による研究チームを組んで実施した。



沖縄タイムス社説-[子どもの貧困]3人に1人 直視せねば-2016年1月30日


 29・9%。
 沖縄の子どもの貧困率である。
 先進国の中でも高いとされる日本全体の子どもの貧困率16・3%を、2倍近く上回る極めて厳しい数字だ。
 自ら訴えることの難しい子どもの貧困は見えにくいといわれるが、「給食費を滞納し、電気やガスが止められ、日々の食事にも事欠く」-親子の現実が私たちのすぐ隣にある。  4月から5カ年計画でスタートする県子どもの貧困対策推進計画に反映させようと、県が実施した子どもの貧困率推計で明らかになった。
 18歳未満のおよそ3人に1人が貧困の中で暮らしているという結果で、ひとり親世帯では58・9%とさらに深刻だった。
 全国一低い県民所得や全国一高い失業率、共働きでも賃金水準の低い非正規雇用の多さ、女性が大黒柱となる母子世帯割合の高さなどが貧困率を押し上げている。
 「給食が唯一の栄養源」といった子どもの貧困を報じる記事に「にわかに信じられない」という反応が少なからずある。
 だが同時に実施された「沖縄子ども調査」で、貧困状態にある家庭の約半数が経済的な理由で食料を買えないことが「あった」と答えている。電気、ガス、水道を止められた経験も2割近くに上った。
 豊かな日本でありえないという思い込みと、個人の問題に押し込める自己責任論が、貧困を見えにくくし、助けを求めにくくしている。
■    ■
 調査から、早急に必要な施策がいくつか見える。
 経済的に苦しい家庭に学用品代や給食費、修学旅行費などを補助する就学援助制度を貧困層の半数が利用しておらず、制度から漏れている実態が浮かび上がったのだ。
 「就学援助を知らなかった」という保護者が2割もいたのは、周知のあり方に課題を残す。苦しいからこそ使ってほしい制度であり、学校や自治体には、積極的かつ丁寧に知らせる責務がある。
 就学援助では「周囲の目が気になって申請しなかった」という保護者が1割近くいたことも引っ掛かる。援助を受けるのは不名誉なことと思い込み、利用をためらっているのではないか。
 払えるのに払わないといったモラルが問題にされた給食費未納問題などが尾を引いているのだろう。生活保護バッシングによって、本当に困っている人の声がかき消されてしまった問題と根っこは一緒だ。
■    ■
 県が独自に実施した今回の調査は、子どもの貧困を社会全体の問題として取り上げ、光を当てた点に大きな意義がある。深刻ではあるが、その重要性に向き合うスタートとすべきだ。
 貧困率にとどまらず、全国一低い大学進学率、全国一高い若年無業者率など、子どもの成長に関係する課題は山積している。
 県に「子どもの貧困対策課」を立ち上げるなど体制づくりでも強い意志を示し、これまでにない大胆な発想で推進計画を練り上げてもらいたい。


by asyagi-df-2014 | 2016-02-03 05:56 | 書くことから-貧困問題 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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