沖縄-宜野湾市長選が終わったとたんに、辺野古と自衛隊の工事は加速、部隊も増強。

 沖縄タイムスは、次のような記事を掲載してきた。


「先島諸島にヘリ部隊配備計画 石垣が有力候補か」(2016年1月14日)
「横田一時配備のF22・F16が嘉手納へ 計26機、沖縄で訓練か」(2016年1月22日)
「伊江島に米陸軍艦船2隻、初入港か 大型訓練で備品運搬」(2016年1月27日)
「空自那覇基地に第9航空団 31日新設 与那国陸自は3月28日」(2016年1月28日)


 このような状況を、沖縄タイムスはその社説で、「[辺野古と自衛隊]工事を加速 部隊も増強」との見出しをつけ、「宜野湾市長選が終わったとたん、これである。」、と伝えた。
 宜野湾市長選挙の動向次第では、予想可能なことではあるとは言え、あからさまな恥なき安倍晋三政権のやり方である。
沖縄タイムスの主張をまとめてみる。
まず、今回の流れを次のように指摘する。


 「嘉手納基地よりも南の都市部の米軍基地を返還する見返りに日米両政府が進めているのは、新基地建設による中北部への拠点集約化であり、それと並行して進めているのが自衛隊の増強計画である。嘉手納基地にはF22ステルス戦闘機が一時配備された。横田基地に配備予定のCV22オスプレイの沖縄での訓練も予定されている。この現実を『負担軽減』と呼ぶことはできない。」


 なぜなら、①「宜野湾市長選で当選した現職の佐喜真淳氏は期間中、『辺野古移設の是非』を一切語らず、『移設の是非』を問う選挙にはならなかった。そのような事情を無視して選挙直後に強硬姿勢を打ち出すのは、あまりに乱暴だ。」、②「県知事や地元名護市長の意向を無視して工事を強行するのも、県知事を訴えるのも、地方自治と民主主義を軽んじる異常な対応である。これ以上、強硬策を重ねてはならない。」、だからだ。
 また、安倍晋三政権からの「辺野古への新基地建設も自衛隊の増強計画も、中国の軍備増強と海洋進出をにらんだ措置だ」や「集団的自衛権の行使をうたった安保法や、日米共同作戦計画の策定を盛り込んだ日米新ガイドラインによって『抑止力が高まる』」との説明に対して、①「抑止力は魔法の言葉だ。抑止力が高まるかどうかは、それを正確に計測したり証明したりすることができない。自衛隊が宮古島などにミサイル部隊を配備すれば、中国も対抗措置をエスカレートさせるおそれがある。」、②「そもそもこうした計画は、沖縄の戦場化を想定しているにもかかわらず、そこに住む人々の『人間の安全保障』が考慮されていない。」、③「米海兵隊はもともと尖閣防衛を想定していない。離島防衛は自衛隊が主体的に実施することが日米で確認されている。辺野古が『唯一の選択肢』だという主張は崩れつつある。」、と理詰めに反論する。

 沖縄タイムスの主張は、「優先すべきは安全への配慮である。」。当たり前のことをずっと主張してきた。

 このことに関連して、琉球新報も2016年1月28日の社説で、「那覇基地F15倍増 民間空港転換を進めよ」とし、「沖縄の空に、また一つ不安が加わった。防衛省は航空自衛隊の部隊再編により、那覇基地のF15を現在の20機から倍増し、40機体制にすることを決定した。現在でも民間航空機と自衛隊機が混在する過密空港にさらに負担が増える。」「挑発的な行動を繰り返す近隣国にも問題があるのは確かだ。だが自制を求めるのに、対抗する力の増強だけでは際限がない。対話など平和的な交渉によって解決を図るよう政府は努力すべきだ。」、と主張している。


 大事なことは、「そもそもこうした計画は、沖縄の戦場化を想定しているにもかかわらず、そこに住む人々の『人間の安全保障』が考慮されていない。」(沖縄タイムス)、ということだ。


 以下、沖縄タイムス及び琉球新報の引用。








沖縄タイムス社説-[辺野古と自衛隊]工事を加速 部隊も増強-2016年1月28日 05:30


 宜野湾市長選が終わったとたん、これである。

 防衛省は、名護市辺野古の埋め立て工事を加速するため、関連業務に携わる幹部ポストを一挙に三つ増やすことを明らかにした。審議官と参事官(課長級)を一つずつ増やすほか、沖縄防衛局の次長を1人増やして2人制とする計画だ。本省と防衛局の担当職員も増員する。

 宜野湾市長選で当選した現職の佐喜真淳氏は期間中、「辺野古移設の是非」を一切語らず、「移設の是非」を問う選挙にはならなかった。そのような事情を無視して選挙直後に強硬姿勢を打ち出すのは、あまりに乱暴だ。

 県知事や地元名護市長の意向を無視して工事を強行するのも、県知事を訴えるのも、地方自治と民主主義を軽んじる異常な対応である。これ以上、強硬策を重ねてはならない。

 辺野古だけではない。中谷元・防衛相は、31日に航空自衛隊那覇基地に第9航空団を新設することを正式に明らかにした。空自のF15戦闘機部隊は倍増され、2個飛行隊約40機体制になる。

 嘉手納基地よりも南の都市部の米軍基地を返還する見返りに日米両政府が進めているのは、新基地建設による中北部への拠点集約化であり、それと並行して進めているのが自衛隊の増強計画である。

 嘉手納基地にはF22ステルス戦闘機が一時配備された。 横田基地に配備予定のCV22オスプレイの沖縄での訓練も予定されている。

 この現実を「負担軽減」と呼ぶことはできない。
■    ■
 辺野古への新基地建設も自衛隊の増強計画も、中国の軍備増強と海洋進出をにらんだ措置、だと説明されている。

 集団的自衛権の行使をうたった安保法や、日米共同作戦計画の策定を盛り込んだ日米新ガイドラインによって「抑止力が高まる」と政府は説明する。ほんとうにそうなのだろうか。

 抑止力は魔法の言葉だ。抑止力が高まるかどうかは、それを正確に計測したり証明したりすることができない。自衛隊が宮古島などにミサイル部隊を配備すれば、中国も対抗措置をエスカレートさせるおそれがある。

 そもそもこうした計画は、沖縄の戦場化を想定しているにもかかわらず、そこに住む人々の「人間の安全保障」が考慮されていない。

 米海兵隊はもともと尖閣防衛を想定していない。離島防衛は自衛隊が主体的に実施することが日米で確認されている。辺野古が「唯一の選択肢」だという主張は崩れつつある。
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 那覇空港では昨年6月、那覇基地のCH47ヘリと民間機2機がからんだ離着陸トラブルがあった。

 航空貨物便の増加や自衛隊機によるスクランブルの増加などで、那覇空港は全国的に見ても過密である。第2滑走路が完成するのは、2019年度。工事の完了を待たずにF15戦闘機を倍増させるのは、過密を承知でさらなる過密化を進めるようなものだ。

 優先すべきは安全への配慮である。


沖縄タイムス-空自那覇基地に第9航空団 31日新設 与那国陸自は3月28日-2016年1月27日 09:15

 【東京】政府は26日の閣議で、航空自衛隊那覇基地の第9航空団を今月31日に、陸上自衛隊与那国駐屯地を3月28日にそれぞれ新設することを正式に決めた。閣議後の会見で中谷元・防衛相は「南西防衛体制の強化を目に見える形で示すものだ」と述べた。

» 先島諸島にヘリ部隊配備計画 石垣が有力候補か

 第9航空団は、築城基地(福岡県)のF15飛行隊を移駐し、2飛行隊、約40機体制とする。防衛省によると新たな航空団編成は約50年ぶりだという。31日の新編行事には中谷氏も出席する方針。

 また、新たな部隊配備となる与那国島では沿岸監視部隊員約150人の入隊式を開催する。防衛省関係者によると、3月の入隊式にも中谷氏が出席する方向で調整を進めているという。

 政府は、東シナ海での中国の海洋進出などを念頭に南西諸島の防衛力強化を打ち出している。2015年版防衛白書には与那国の沿岸監視部隊や那覇基地への第9航空団の新編などを明記。防衛省は宮古島、石垣島への陸自配備計画も進めている。


沖縄タイムス-伊江島に米陸軍艦船2隻、初入港か 大型訓練で備品運搬-2016年1月27日 09:29


 【伊江】米陸軍所属の揚陸艇「LCU2000」(総トン数667・52トン、乗員15人)2隻が26日、伊江村の伊江港に入港した。村などによると、米軍艦船の同港入港は「初めてではないか」としている。演習備品の運搬が目的。これまで米軍が伊江島に演習で使う物資を運搬する際は、民間船をチャーターしていたという。島袋秀幸村長は「県外出張で詳細を把握しておらず、コメントできない。戻り次第確認して対応したい」と話した。

» 基地と原発のニュースをフクナワでも

 一方、村内の県道で米兵約80人が大型リュックを背負い、片側1車線の車道を4列で米軍伊江島補助飛行場向けに歩く様子もみられた。日米地位協定5条で米軍の施設間の移動を認めているが、県などは隊列で進む「行軍」は周辺住民に不安を与えるため、米側に繰り返し自粛を求めている。

 村議会で基地問題を追及する名嘉實議員は行軍を目にし、「銃は携帯していなかったが危険で、観光イメージとしても良くない。やめるべきだ」と指摘した。

 村によると、船籍港は米海兵隊の金武レッドビーチ訓練場。米側は26~29日の午前7時~午後1時に使用する入港届を村に提出。揚陸艇からトラックやコンテナ、重機などが運び出された。本部発伊江島行きのフェリーには米兵約110人が乗船。村は米軍から27日~2月8日の大型訓練実施を口頭で確認した。

 名嘉議員によると、同訓練は年に1、2回実施され、同飛行場内にテントを張り空砲での銃撃戦など実施するという。飛行場に近い西崎区の住民は「早朝から夜間まで頻繁にヘリなど飛び、眠れない時もある。やめてほしい」と話した。


沖縄タイムス-先島諸島にヘリ部隊配備計画 石垣が有力候補か-2016年1月14日 05:05


 【東京】防衛省の真部朗整備計画局長は13日の衆院安全保障委員会で、宮古島、石垣島への陸上自衛隊配備に合わせ、先島諸島へヘリ部隊の配置を計画していることを明らかにした。防衛省が先島へのヘリ部隊配置計画を正式に明らかにしたのは初めて。赤嶺政賢氏(共産)の質問に答えた。

 真部氏は、ヘリ部隊に関し「先島諸島への配置の可能性を白紙的に検討している」と言及。具体的な配備先は現時点で決まっていないとしているが、次期中期防衛力整備計画(2019~23年度)内で陸自警備部隊などの配備を目指す石垣島内を有力候補地として検討しているとみられる。

 石垣への陸自配備にあたり、赤嶺氏が地元の同意が不可欠か問いただしたのに対し、中谷元・防衛相は「地元の理解を頂くことが不可欠だ」と述べ、地元同意が必要との認識を示した。

 一方、安倍晋三首相が12日の衆院予算委員会で、「安全保障に関することは一地域の選挙で決定するものではない」と述べ、選挙で出た民意と基地問題の関係性を否定したことに関し、中谷氏は「選挙を否定する発言ではない」と述べた。

 中谷氏は首相の発言について、普天間飛行場の移設問題の解決に長期間を要していることから「危険性除去のために辺野古移設を進める責任を果たさなければならないとの思いだったのではないか」と釈明。安全保障に関わる政策は「選挙を含む国内外の状況を総合的に勘案して決定すべきだ」との考えを示した。


琉球新報社説-那覇基地F15倍増 民間空港転換を進めよ-2016年1月28日


 沖縄の空に、また一つ不安が加わった。防衛省は航空自衛隊の部隊再編により、那覇基地のF15を現在の20機から倍増し、40機体制にすることを決定した。現在でも民間航空機と自衛隊機が混在する過密空港にさらに負担が増える。

 那覇空港で自衛隊機が関係する事故は、過去に何度も起きている。1985年には自衛隊機が接触して、民間機のエンジン下部がもぎ取られる重大事故があった。昨年6月にも空自ヘリが滑走路を横切り、民間機が離陸を中止した。あわや大惨事という事態だ。これ以外にも自衛隊機トラブルで滑走路が閉鎖された例が何度もある。そのたびに利用者に大きな影響が出ている。
 観光立県、アジアハブ構想など県経済自立への要となる空港機能を阻害するのは、軍民共用という特殊な形態だ。国は「軍」の増強でなく、民間専用空港への転換にこそ力を注ぐべきだ。
 昨年6月の事故の際にも、県内の経済関係者から「安全・安心」への不安や観光へのイメージダウン、事故時の物流への影響が懸念されていた。自衛隊機倍増で那覇空港でのトラブルが増えるリスクは高まりこそすれ、減りはしない。
 安倍晋三首相は昨年、「慰霊の日」のあいさつでこう述べた。
 「アジアと日本をつなぐゲートウェイとしての沖縄。沖縄の発展は、日本の発展をけん引するものであり、私が先頭に立って、沖縄の振興を、さらに前に進めていく」
 その言葉が本当なら那覇空港から、軍用機を一刻も早く撤退させるべきだ。整備が進む第2滑走路は、経済振興に必要とされるものだ。自衛隊の運用能力を向上させるためのものではない。
 一方でF15部隊の増強は年々増加する緊急発進への対応とされる。
 確かに空自の緊急発進は、2014年度に943回あり、冷戦末期の1980年代とほぼ同数になった。中国機に対する緊急発進は464回で10年の96回から約5倍に急増した。
 だが空自が14年度に「特異な飛行」として公表した51件中、領空侵犯は1件もなく、36件がロシア機によるもので、尖閣周辺の飛行は1件にすぎなかった。
 挑発的な行動を繰り返す近隣国にも問題があるのは確かだ。だが自制を求めるのに、対抗する力の増強だけでは際限がない。対話など平和的な交渉によって解決を図るよう政府は努力すべきだ。


by asyagi-df-2014 | 2016-02-01 06:12 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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