沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(6)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(6)を考える。
 第6回目は、「沖縄の負担軽減は進んでいるのか?」、ということについて。
今回は、安倍晋三政権側がよく宣伝する、「広範な計画の一部。完全に実施されると、空軍嘉手納基地より南の土地の68%が返還される」、ということの検証である。
 沖縄県側の反論・疑問について、沖縄タイムスは、「県幹部は早期返還を望む一方、『国民の誤解を誘う表現だ』と懸念。」、「『負担軽減』の名の下で、老朽化や不要となった基地を目の届きにくい北部地域に更新し、使い勝手の良い基地を手に入れるという構図が見え隠れする。」、とし、具体的に次のことを伝える。


①「沖縄戦などで強制的に奪った土地を返すのが負担軽減と言えるのか。しかも県内の他の施設に機能を移すなどの条件が多く、たらい回しという批判は免れない」
②6施設・区域のうち、普天間飛行場、那覇軍港、牧港補給地区などは20年前のSACO最終報告に盛り込まれた後、二転三転し、13年4月発表の統合計画でようやく返還の時期が決まった。しかし、普天間は辺野古移設を条件に22年度、牧港は読谷村トリイ通信施設などへの移設を条件に25年度、那覇軍港は浦添移設を条件に28年度、いずれも「またはその後」と付記し、不確定要素を残す。
③返還予定の1048ヘクタールは東京ドーム220個分の広さ。嘉手納より南の米軍施設面積の68%を占めるが、県全体では「約4・5%」。政府関係者は「沖縄の大動脈である国道58号沿いからフェンスを取っ払うことが大切」と説明する。
④1048ヘクタールが戻れば、在日米軍専用施設面積に占める県内の割合はどれほど減るか。政府の回答は「73・8%から73・1%」。県内移設が条件で分母と分子が同時に減り、割合は「0・7ポイント」の減にとどまる。
⑤SACO合意した北部訓練場の約4千ヘクタールの返還も、東村高江の集落を囲むように六つのヘリパッドを建設する条件で、地元住民の反発を受ける。


 安倍晋三政権が唱えてきた「沖縄の負担軽減」は」、実は、「県内で混乱を招くが、本土はほとんど影響を受けない。」、ということに過ぎないとする沖縄県側の主張を伝える。 また、このことについて、沖縄タイムスは、 東京大学大学院の高橋哲哉教授の「日米安保条約を支持するなら『応分に負担せよ』と議論するのは正当。基地のたらい回しで、本土は沖縄を軍事要塞(ようさい)化しようとしており、負担軽減と言われても沖縄の人が実感できないのは当然だ」と語った。」、との声を紹介する。


 実は、「沖縄の負担軽減は進んでいるのか?」ということへの答えは、「嘉手納より南の返還でもたった0・7ポイントしか減らない」というのが実情なのである。


 以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス-【誤解だらけの沖縄基地】(6)沖縄の負担軽減は進んでいるのか?2016年1月19日 07:15


 昨年12月4日、東京の首相官邸会議室。ケネディ駐日米大使と菅義偉官房長官が並んで、普天間飛行場と牧港補給地区の一部など約7ヘクタールの返還に合意したと発表した。県内の米軍施設面積の0・03%にすぎないことを意識してか、ケネディ氏はこう切り出した。

 「広範な計画の一部。完全に実施されると、空軍嘉手納基地より南の土地の68%が返還される」

 人口の集中する嘉手納より南の6施設・区域の1048ヘクタールの返還は、大幅な負担軽減につながるという考えだ。「68%」は、菅氏ら日本側も頻繁に使う。

 県幹部は早期返還を望む一方、「国民の誤解を誘う表現だ」と懸念。「沖縄戦などで強制的に奪った土地を返すのが負担軽減と言えるのか。しかも県内の他の施設に機能を移すなどの条件が多く、たらい回しという批判は免れない」

 6施設・区域のうち、普天間飛行場、那覇軍港、牧港補給地区などは20年前のSACO最終報告に盛り込まれた後、二転三転し、13年4月発表の統合計画でようやく返還の時期が決まった。

 しかし、普天間は辺野古移設を条件に22年度、牧港は読谷村トリイ通信施設などへの移設を条件に25年度、那覇軍港は浦添移設を条件に28年度、いずれも「またはその後」と付記し、不確定要素を残す。

 返還予定の1048ヘクタールは東京ドーム220個分の広さ。嘉手納より南の米軍施設面積の68%を占めるが、県全体では「約4・5%」。政府関係者は「沖縄の大動脈である国道58号沿いからフェンスを取っ払うことが大切」と説明する。

 「負担軽減」の名の下で、老朽化や不要となった基地を目の届きにくい北部地域に更新し、使い勝手の良い基地を手に入れるという構図が見え隠れする。

 1048ヘクタールが戻れば、在日米軍専用施設面積に占める県内の割合はどれほど減るか。政府の回答は「73・8%から73・1%」。県内移設が条件で分母と分子が同時に減り、割合は「0・7ポイント」の減にとどまる。

 SACO合意した北部訓練場の約4千ヘクタールの返還も、東村高江の集落を囲むように六つのヘリパッドを建設する条件で、地元住民の反発を受ける。

 政府の言う「沖縄の負担軽減」は県内で混乱を招くが、本土はほとんど影響を受けない。
 「沖縄の米軍基地を県外で受け入れるべきだ」と主張する東京大学大学院の高橋哲哉教授は「日米安保条約を支持するなら『応分に負担せよ』と議論するのは正当。基地のたらい回しで、本土は沖縄を軍事要塞(ようさい)化しようとしており、負担軽減と言われても沖縄の人が実感できないのは当然だ」と語った。(「沖縄基地」取材班)
■移転条件多く不透明 嘉手納より南の米軍基地返還計画
 米軍嘉手納基地より南の6施設・区域に関する統合計画は2013年4月5日、日米で合意した。1996年の日米行動特別委員会(SACO)や2006年の在日米軍再編計画で返還合意した内容で、新たに時期を示したが、いずれも「またはその後」と加えられ、想定通りの返還は不透明なままだ。

 返還予定の1048ヘクタールのうち、牧港補給地区の北側進入路1ヘクタールが2013年8月に、キャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区52ヘクタールが昨年3月に返還された。ただ、大半は22年度以降とされ、施設や機能の移転が条件の場合も多い。

 計画発表当日の市町村説明会で、当時の翁長雄志那覇市長が「在日米軍専用施設に占める沖縄の割合はどうなるか」と防衛相に質問。「73・8%から73・1%」という回答を引き出し、「期限を示した計画を本土の人は『よくやった』と思うかもしれないが、実際は73・8%が73・1%だ」と負担軽減の観点から効果を疑問視した。

 翁長氏は知事就任後も「嘉手納より南の返還でもたった0・7ポイントしか減らない」と本土との不平等は改善されないと訴えている。


by asyagi-df-2014 | 2016-01-23 06:05 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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