沖縄-沖縄タイムスが実施した全国知事アンケートでわかったこと。それは、沖縄の基地負担軽減に後ろ向きな姿勢が目立つこと。

 沖縄タイムスが実施他全国知事アンケ-トの結果について、沖縄タイムスは2016年1月12日、「辺野古新基地建設で国と県が対立する中、沖縄タイムスが実施した全国知事アンケートでは多くが具体的な回答を避け、沖縄の基地負担軽減に後ろ向きな姿勢が目立った。翁長雄志知事が訴える『全国の問題』にはほど遠い内容となったが、回答からはそれぞれの政治姿勢や地域の実情も読み取れる。仮に、政府から『米軍普天間飛行場』の受け入れを打診されたら-。受け入れ協議に『応じる』『応じない』の選択肢を選ぶ知事はゼロだった。だが記述回答欄をひもとけば、各知事の米軍基地に対するスタンスが浮かび上がる。『その他』を選んだが、記述回答欄で『普天間』受け入れに協議の門戸を開く構えを見せたのは秋田県の佐竹敬久知事と滋賀県の三日月大造知事の2人。いずれも米軍専用施設を持たない県だ。」、「一方で、協議に『応じない』の選択肢は選ばなかったものの、記述回答欄で協議入りに難色をにおわせた知事は8人。このうち埼玉、神奈川、山口の3県は、米軍専用施設を抱える。沖縄の基地負担を減らす必要性に言及しつつも、自県の基地負担の重さを挙げながら『これ以上の負担増は困難』(神奈川、山口)と答え、複雑な胸中をのぞかせた。専用施設はないが、米軍の実弾射撃訓練を受け入れた大分県も同様で『安全保障は国全体で負担することが大事だが、これ以上の負担は難しい』と答えた。残る岩手、兵庫、徳島、香川の4県も専用施設は持たないが『地方自治や国民主権の観点から、簡単に応じられない』(岩手)、『県土が狭あいで騒音問題など多くの課題が予想されるので、応じるのは難しいのではないか』(香川)、『適地がない』(兵庫、徳島)などそれぞれの理由で困難視した。」、と報じた。

 また、沖縄タイムスは、このアンケート結果について、「沖縄タイムスが実施した全国知事アンケートでは、基地負担軽減という『総論』では一定の理解が読み取れるが、辺野古新基地建設問題をめぐる国・県の対立には多くの知事が国に責任を預け、『各論』には踏み込まない姿勢が垣間見える。同問題は『1県の問題』として矮小(わいしょう)化される懸念もあり、今後、沖縄側には世論喚起へ、より一層の発信力が求められている。」、と解説し、「沖縄の発信力が鍵 共感に可能性」とまとめた。


 辺野古新基地建設の問題は、沖縄タイムスの「『辺野古が唯一』と決めつけ、強硬に新基地建設を進める政府の姿勢は、翁長知事が言うように、沖縄の自由、平等、人権、自己決定権を侵害するもので、日本の民主主義、地方自治の在り方が問われている。」ということにある。
 日本国、日本人の問題なのである。
 ここでもまた、この指摘を繰り返すことになる。


 「日米安保体制、自衛隊、憲法九条の三者セットで成り立ってきた戦後日本の『平和』は、沖縄を犠牲とすることで初めて可能だったのではないか。戦後の『平和』の『現状維持』論は、沖縄の米軍基地問題を放置することにならないか。」(高橋哲哉)


 以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス-基地負担後ろ向き、全国問題にほど遠く 知事アンケート-2016年1月12日 09:05


 辺野古新基地建設で国と県が対立する中、沖縄タイムスが実施した全国知事アンケートでは多くが具体的な回答を避け、沖縄の基地負担軽減に後ろ向きな姿勢が目立った。翁長雄志知事が訴える「全国の問題」にはほど遠い内容となったが、回答からはそれぞれの政治姿勢や地域の実情も読み取れる。

 仮に、政府から「米軍普天間飛行場」の受け入れを打診されたら-。受け入れ協議に「応じる」「応じない」の選択肢を選ぶ知事はゼロだった。だが記述回答欄をひもとけば、各知事の米軍基地に対するスタンスが浮かび上がる。

 「その他」を選んだが、記述回答欄で「普天間」受け入れに協議の門戸を開く構えを見せたのは秋田県の佐竹敬久知事と滋賀県の三日月大造知事の2人。いずれも米軍専用施設を持たない県だ。

 これまで翁長知事は、米軍基地を造るために埋め立てられようとしている名護市辺野古沿岸部を、各県の「宝」になぞらえて共感を訴え掛けてきた。秋田、滋賀の両県にも「安全保障のために十和田湖(青森、秋田両県)や松島湾(宮城県)、琵琶湖(滋賀県)を埋め立てるようなことを、それぞれの地方は認めるのですか」などと“名指し”したことがある。

 訴えが届いたのか。秋田、滋賀の両県はアンケートで、辺野古埋め立て承認を取り消した翁長知事の対応にも「県民の声を大切にする姿勢に共感する。一方で処分の取り消しは慎重にあるべき」(秋田)、「地域の思い、事情、感情を毅然(きぜん)と伝えていく沖縄県知事、沖縄県の皆様方の姿勢に敬意を表する」(滋賀)と理解を示した。

 一方で、協議に「応じない」の選択肢は選ばなかったものの、記述回答欄で協議入りに難色をにおわせた知事は8人。このうち埼玉、神奈川、山口の3県は、米軍専用施設を抱える。沖縄の基地負担を減らす必要性に言及しつつも、自県の基地負担の重さを挙げながら「これ以上の負担増は困難」(神奈川、山口)と答え、複雑な胸中をのぞかせた。

 専用施設はないが、米軍の実弾射撃訓練を受け入れた大分県も同様で「安全保障は国全体で負担することが大事だが、これ以上の負担は難しい」と答えた。

 残る岩手、兵庫、徳島、香川の4県も専用施設は持たないが「地方自治や国民主権の観点から、簡単に応じられない」(岩手)、「県土が狭あいで騒音問題など多くの課題が予想されるので、応じるのは難しいのではないか」(香川)、「適地がない」(兵庫、徳島)などそれぞれの理由で困難視した。
■民主主義の尊重 4氏共鳴
 地方自治や民主主義の尊重を掲げて新基地にあらがう翁長知事に「共感する」と答えたのは岩手、秋田、滋賀、鳥取の4県の知事だった。翁長知事に共鳴した知事の横顔とは-。
 自他共に認める「小沢(一郎)チルドレン」の岩手県の達増拓也知事は2015年8月、民主・生活の党など野党5党の支援を受けて無投票3選した。告示直前に自民・公明両党後押しの候補を出馬断念に追い込んだ政治劇も記憶に新しい。

 滋賀県の三日月大造知事も14年7月、自民・公明両党が推薦する候補との接戦を制して知事の座へ。沖縄県知事選を前に、沖縄でも「安倍政権に打撃を与えた」などと報じられた。15年6月には翁長知事と面談し、平和への思いを語り合った関係でもある。

 一方、猫好きで有名な秋田県の佐竹敬久知事も13年3月、公明・社民の両党の支持を受けて無投票再選を果たした。

 翁長知事に「選挙を重ねて示された沖縄県民の考え方の上に、行動を起こしている姿勢は評価したい」とエールを送った旧自治省OBの平井伸治鳥取県知事も、自民・民主・公明3党の推薦で15年4月に3選。

 ダジャレ好きで「スタバ(スターバックス)はなくても、スナバ(鳥取砂丘)はある」などの名言もある。

 一方、「共感」まで行かずとも翁長知事の姿勢に理解を示す回答も。

 山梨県の後藤斎知事は「一般論として地方自治は最大限尊重されるべきだ」、埼玉県の上田清司知事は「(辺野古承認取り消しは)翁長知事が公約を守るためのやむを得ない選択だったのでは」とした。
■総論賛成、従来通り 抑止力に懐疑的見方も
 名護市辺野古に普天間飛行場を移設しなければならない理由として、政府が掲げるのが「中国など近隣諸国への抑止力」。これに翁長知事は納得せず、抑止力とは何か問い続けている。「抑止力」は政府と沖縄県の二者だけでなく全国レベルの議論といえるが、抑止力に説得力があるか、ないかを明言した知事は3人にとどまった。

 説得力が「ある」と答えたのは高知県の尾﨑正直知事と福岡県の小川洋知事。「ない」と回答したのは岩手県の達増(たっそ)拓也知事で、達増知事は今回、普天間移設問題の解決策に「国外」の選択肢を選んだ唯一の知事でもある。

 一方で、「その他」を選んだ上で“持論”を展開する知事も。山梨県の後藤斎知事は「(移設先が)沖縄県以外であっても一定の抑止力はある」とし、移設問題の解決策を問う自由回答では「海兵隊のグアム移転などの情勢をを踏まえ、国外移設を含めて検討すべきだ」と踏み込んだ。

 兵庫県の井戸敏三知事も「(在日米軍の)現在の機動力を考えればもっと縮小できる」との考えを記した。

 ただ、多数は「抑止力」についての言及を避けた。「知事として権限外の『防衛政策』で意見を述べる立場にない」とした徳島県知事に象徴されるように、「国の専管事項」(広島)などとして政府に議論のげたを預けた知事が11人。「説明が足りない」(滋賀)、「実情を十分に把握していないので意見は控える」(茨城)との声もあり、議論の生煮え感も拭えなかった。

【解説】沖縄の発信力が鍵 共感に可能性
 沖縄タイムスが実施した全国知事アンケートでは、基地負担軽減という「総論」では一定の理解が読み取れるが、辺野古新基地建設問題をめぐる国・県の対立には多くの知事が国に責任を預け、「各論」には踏み込まない姿勢が垣間見える。同問題は「1県の問題」として矮小(わいしょう)化される懸念もあり、今後、沖縄側には世論喚起へ、より一層の発信力が求められている。(社会部・島袋晋作)

 全国組織の知事会は昨年末、負担軽減策を協議する場を設置する方針を決めた。だが山田啓二会長(京都府知事)は、新基地建設の是非は協議内容になじまないとの立場だ。

 こうした「総論賛成」にとどまる知事会のスタンスは、これまでも繰り返されてきた。2010年5月、当時の鳩山政権が負担軽減に「協力」を呼び掛けた際には、“飛び火”などを懸念する知事が相次いで反発。最終的に了承した統一見解では「真摯(しんし)に対応していく」にとどまった経緯がある。

 今回のアンケートでも多くが「外交・防衛は国の専管事項。よって国が責任を持って解決すべきだ」との論理を挙げる。だが、国の安全保障という全国的なテーマであり、住民生活や自然環境に多大な影響を与える側面も無視できない。

 「辺野古が唯一」と決めつけ、強硬に新基地建設を進める政府の姿勢は、翁長知事が言うように、沖縄の自由、平等、人権、自己決定権を侵害するもので、日本の民主主義、地方自治の在り方が問われている。

 全国の知事がそこに共感し、問題解決へ具体的に踏み込むことで、政府が真剣に向き合う可能性もある。沖縄の訴えは草の根の市民運動も相まって海外にも届き始めている。今後そうした「共感の輪」を内外に、確実に広げていけるかどうかが試されている。


by asyagi-df-2014 | 2016-01-15 05:51 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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