沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(3)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(3)を考える。
 第3回目は、「地理的に重要だから海兵隊を置くのか?」ということについて。


 沖縄タイムスは、「防衛省や外務省の幹部が好んで使う、こんな言葉がある。『沖縄は脅威の場所から近すぎず、遠すぎない。戦略上、重要な位置である』。軍事用語で『縦深性(じゅうしんせい)が高い』とも言われる。沖縄は他国から狙われづらく、逆に攻撃を仕掛けやすい位置にあり、普天間飛行場の米海兵隊が駐留するのに適しているという主張だ。」、と切り出す。
 そして、「こうした『地理的優位性』は不変なのだろうか。」、と問いかける。
 この問題については、次のように、その「地理的優位性」について反論する。
①2014年8月。米オンライン政治誌「ハフィントン・ポスト」に、こんな論文が寄稿された。筆者は知日派の重鎮で、元米国防次官補のジョセフ・ナイ氏だ。ナイ氏はミサイル攻撃で、嘉手納基地や普天間飛行場の機能が無力化する事態を警戒。在沖米軍基地を自衛隊の管理に移行し、米軍の拠点を太平洋地域に分散し、巡回配備で沖縄に立ち寄る案を提唱した。
②米国の専門家も、沖縄の「地理的優位性」を絶対視していない傾向がうかがえる。
③そもそも、沖縄の位置が軍事戦略上、有益か危険かは、脅威の対象によって様変わりする。中国関連では、中国大陸だけでなく台湾での有事も想定される。6日に4度目の核実験をした北朝鮮も、弾道ミサイルを保有する脅威の対象だ。海兵隊は03年のイラク戦争では中東に派遣され、普天間飛行場が閑散とした。
 脅威の主体によって沖縄からの距離は変化し、唯一の正解はないのが現状だ。
 さらに、沖縄の米軍基地の正当性として説明される「抑止力」(他国に「日本を攻撃したら深刻な反撃を受け、不利益が大きい」と判断させ、攻撃を思いとどまらせる力)についても、屋良朝博氏の論を紹介する中で次のように答える。


①「宗教的な色彩を帯びた神学論争だ」と指摘する。「正解が誰にも分からない議論」という意味だ。
②「平時の在沖海兵隊の任務は、アジア太平洋地域で深刻な自然災害が起きた場合の復旧支援や紛争への即応。タイやフィリピン軍との共同演習で、他国と信頼関係を醸成することも重視している」
③「一方で、大規模な紛争が起きれば10万人以上の兵力を投入する。沖縄に残る数千人にすぎない海兵遠征部隊を、他国が抑止力と見なすかどうか。答えは『神のみぞ知る』だ」


 結局、「地理的優位性」や「抑止力」という「論」は、すでに根拠をもたないということなのだ。


 以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス-【誤解だらけの沖縄基地】(3)地理的に重要だから海兵隊を置くのか?-2016年1月12日 07:00


 防衛省や外務省の幹部が好んで使う、こんな言葉がある。

 「沖縄は脅威の場所から近すぎず、遠すぎない。戦略上、重要な位置である」。軍事用語で「縦深性(じゅうしんせい)が高い」とも言われる。

 沖縄は他国から狙われづらく、逆に攻撃を仕掛けやすい位置にあり、普天間飛行場の米海兵隊が駐留するのに適しているという主張だ。こうした「地理的優位性」は不変なのだろうか。
  ■    ■
 「中国の弾道ミサイルの開発で、沖縄の基地の脆弱(ぜいじゃく)性は増している」

 2014年8月。米オンライン政治誌「ハフィントン・ポスト」に、こんな論文が寄稿された。筆者は知日派の重鎮で、元米国防次官補のジョセフ・ナイ氏だ。

 ナイ氏はミサイル攻撃で、嘉手納基地や普天間飛行場の機能が無力化する事態を警戒。在沖米軍基地を自衛隊の管理に移行し、米軍の拠点を太平洋地域に分散し、巡回配備で沖縄に立ち寄る案を提唱した。

 米国の専門家も、沖縄の「地理的優位性」を絶対視していない傾向がうかがえる。

 そもそも、沖縄の位置が軍事戦略上、有益か危険かは、脅威の対象によって様変わりする。

 中国関連では、中国大陸だけでなく台湾での有事も想定される。6日に4度目の核実験をした北朝鮮も、弾道ミサイルを保有する脅威の対象だ。海兵隊は03年のイラク戦争では中東に派遣され、普天間飛行場が閑散とした。

 脅威の主体によって沖縄からの距離は変化し、唯一の正解はないのが現状だ。
  ■    ■
 「普天間飛行場を名護市辺野古に移設し、抑止力を維持するように」。昨年10月7日、首相官邸。安倍晋三首相は組閣に伴い、中谷元・防衛相にこう指示した。

 「抑止力」とは、他国に「日本を攻撃したら深刻な反撃を受け、不利益が大きい」と判断させ、攻撃を思いとどまらせる力を指す。

 海兵隊の実情に詳しいジャーナリストの屋良朝博氏は「宗教的な色彩を帯びた神学論争だ」と指摘する。「正解が誰にも分からない議論」という意味だ。

 屋良氏は「平時の在沖海兵隊の任務は、アジア太平洋地域で深刻な自然災害が起きた場合の復旧支援や紛争への即応。タイやフィリピン軍との共同演習で、他国と信頼関係を醸成することも重視している」と説明。

 「一方で、大規模な紛争が起きれば10万人以上の兵力を投入する。沖縄に残る数千人にすぎない海兵遠征部隊を、他国が抑止力と見なすかどうか。答えは『神のみぞ知る』だ」と皮肉を込める。 (「沖縄基地」取材班)


by asyagi-df-2014 | 2016-01-14 06:27 | 沖縄から | Comments(0)

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