沖縄から-普天間とキンザー、17年度に部分返還。0・03%の政治的策略ではないか。

 普天間とキンザー、17年度に部分返還について、沖縄タイムスは2015年12月5日、日米両政府は4日、米軍普天間飛行場の東側と牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の一部、計7ヘクタールについて2017年度内の返還を目指すことで合意した。既に返還された西普天間住宅地区と国道58号を道路でつなぐためにキャンプ瑞慶覧のインダストリアル・コリドー地区の一部を日米で共同使用することでも合意した。同日、菅義偉官房長官とケネディ駐日米大使が首相官邸で共同会見し、発表した。返還が決まった面積計7ヘクタールは、県内全体の米軍専用施設面積のわずか0・03%にすぎない。」、と報じた。
 また、このことについて、「米軍基地の返還に関する合意を日米の高官が共同会見で発表するのは極めて異例で、沖縄の基地負担軽減に取り組む姿勢をアピールし、名護市辺野古の新基地建設へ理解を求める狙いがある。」、と伝えた。
 あわせて、関係自治体の首長の声を、「翁長雄志知事は4日会見し、日米両政府が米軍普天間飛行場の一部返還などを発表したことに『一定評価できる』とした上で、辺野古移設が唯一の解決策と再確認したことには『辺野古の埋め立て承認取り消しをめぐり裁判で争っている中、強い憤りを感じる』と述べた。20年以上前に合意した返還で、辺野古を推進しようとする政府の姿勢を批判した。知事は、普天間飛行場の4ヘクタールの返還が『直接、危険性の除去につながらない』と指摘。5年以内の運用停止などの取り組みを早急に示すよう要求した。
 一方、佐喜真淳宜野湾市長と松本哲治浦添市長は、いずれも合意を評価し、感謝の意を示した。」、と報じた。
 さらに、「米国務省高官は4日、普天間飛行場の東側と牧港補給地区の一部7ヘクタールを2017年度内に返還する日米合意について、来年1月の宜野湾市長選や辺野古の新基地建設をめぐる国と県の法廷闘争との関連性を否定した。」、と沖縄タイムスの取材の模様を伝えた。


 この普天間とキンザー、17年度に部分返還について、沖縄タイムスは2015年12月6日の社説で、次のように指摘した。


「返還される普天間飛行場の約4ヘクタールは、1996年の普天間全面返還合意に先立って、90年に一部返還に合意していた場所である。返還予定面積は、飛行場(約481ヘクタール)全体の1%にも満たない。返還合意の揚げ足取りをするつもりはないが、小規模返還になぜ、これほど時間がかかるのか。なぜ、この時期の大々的発表なのか。
 問題なのは、訴訟が進行中であるにもかかわらず、日米共同文書の中で「名護市辺野古への移設が唯一の解決策」だと再確認していることだ。
 具体的な説明はせずに「唯一の選択肢」という言葉を乱発するのは誠実さを欠いた世論操作というしかない。」


以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス-普天間とキンザー、17年度に部分返還 在沖米軍の0.03% -2015年12月5日 05:00


 【東京】日米両政府は4日、米軍普天間飛行場の東側と牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の一部、計7ヘクタールについて2017年度内の返還を目指すことで合意した。既に返還された西普天間住宅地区と国道58号を道路でつなぐためにキャンプ瑞慶覧のインダストリアル・コリドー地区の一部を日米で共同使用することでも合意した。同日、菅義偉官房長官とケネディ駐日米大使が首相官邸で共同会見し、発表した。返還が決まった面積計7ヘクタールは、県内全体の米軍専用施設面積のわずか0・03%にすぎない。

 普天間東側は1990年の日米合同委員会で返還に向けた協議開始を確認。96年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告では、同地もキンザーの国道58号隣接地も返還することで日米が合意していた。当初の合意から20年以上かけ、返還が現実的となった。
 米軍基地の返還に関する合意を日米の高官が共同会見で発表するのは極めて異例で、沖縄の基地負担軽減に取り組む姿勢をアピールし、名護市辺野古の新基地建設へ理解を求める狙いがある。

 会見で菅氏は「沖縄の人々の生活に資する大きな意義がある。米国との話し合いが実を結んだ目に見える成果だ」と強調。ケネディ氏は「沖縄県民の日常生活にプラスの影響を与え、返還が前倒しになりうれしい。計画の早期の実現へ向け日本政府と連携していく」と述べた。防衛省は普天間移設問題と今回の合意は「別物」とし、新基地建設の進捗(しんちょく)にかかわらず、返還を進めるとしている。

 返還面積は普天間東側は約4ヘクタール、キンザーの国道58号隣接地は約3ヘクタール。いずれも道路建設が目的で、普天間は一部が基地にかかり工事が中断している市道11号を建設、キンザーは渋滞緩和のために国道58号の車線を拡大する計画。

 両地とも、フェンスや電気設備などの基地内への移設完了が条件で、移設費は日本側が負担する。防衛省は移設費用を16年度予算に計上する方針。

 コリドーは、宜野湾市が西普天間地区の利便性向上のために幹線道路の国道58号とを結ぶ高架式道路を設置する。16年には建設に必要な調査のための立ち入りが可能になる。3カ所はいずれも地元が早期の返還を求めていた。

 今回の日米合意では、普天間飛行場の辺野古移設が唯一の解決策であることも再確認した。
■新基地引き替え 知事憤る
 翁長雄志知事は4日会見し、日米両政府が米軍普天間飛行場の一部返還などを発表したことに「一定評価できる」とした上で、辺野古移設が唯一の解決策と再確認したことには「辺野古の埋め立て承認取り消しをめぐり裁判で争っている中、強い憤りを感じる」と述べた。20年以上前に合意した返還で、辺野古を推進しようとする政府の姿勢を批判した。
 知事は、普天間飛行場の4ヘクタールの返還が「直接、危険性の除去につながらない」と指摘。5年以内の運用停止などの取り組みを早急に示すよう要求した。

 一方、佐喜真淳宜野湾市長と松本哲治浦添市長は、いずれも合意を評価し、感謝の意を示した。


沖縄タイムス-辺野古との関連性否定 普天間一部返還で米高官-2015年12月6日 08:29


 【平安名純代・米国特約記者】米国務省高官は4日、普天間飛行場の東側と牧港補給地区の一部7ヘクタールを2017年度内に返還する日米合意について、来年1月の宜野湾市長選や辺野古の新基地建設をめぐる国と県の法廷闘争との関連性を否定した。沖縄タイムスの取材に答えた。

 米国務省のトルドー報道部長は同日の記者会見で、「今回の早期返還は、日米間の協力を目に見える形で示したものと信じている」と述べた上で「日米両政府が13年に発表した在沖米軍基地をめぐる整理統合計画やその他の日米合意が、日米安全保障条約上の約束を果たす能力を確保しながら、米軍駐留による影響を軽減する」と意義を強調した。


沖縄タイムス社説-[一部用地先行返還]政治的思惑がぷんぷん-2015年12月5日


 名護市辺野古の新基地建設をめぐる県と国の対立は、「世論への働きかけ」と「訴訟の応酬」という二つの面で、激しさを増してきた。

 日米両政府は進行中の裁判を意識し、県内外の世論を意識し、来年1月の宜野湾市長選を意識して、負担軽減に取り組んでいることをアピールするのに必死だ。

 4日には、菅義偉官房長官とケネディ駐日米大使が官邸で会見し、普天間飛行場の一部約4ヘクタールと牧港補給地区の国道隣接地約3ヘクタールを2017年度中に返還することを明らかにした。

 嘉手納基地より南の「基地統合計画」で示された返還時期よりも早い前倒し返還が実現することになる。

 会見にはドーラン在日米軍司令官も同席した。何とも仰々しいお膳立てだ。成果をアピールしたい気持ちがありあり、である。

 ただし、返還される普天間飛行場の約4ヘクタールは、1996年の普天間全面返還合意に先立って、90年に一部返還に合意していた場所である。返還予定面積は、飛行場(約481ヘクタール)全体の1%にも満たない。

 返還合意の揚げ足取りをするつもりはないが、小規模返還になぜ、これほど時間がかかるのか。なぜ、この時期の大々的発表なのか。

 問題なのは、訴訟が進行中であるにもかかわらず、日米共同文書の中で「名護市辺野古への移設が唯一の解決策」だと再確認していることだ。

 具体的な説明はせずに「唯一の選択肢」という言葉を乱発するのは誠実さを欠いた世論操作というしかない。
    ■    ■
 翁長雄志知事は、辺野古移設を再確認したことについて「20年前に合意した返還の推進をもって、辺野古の建設を押しつけようとする政府の姿勢は、基地負担軽減を願う県民の気持ちに向き合うものではなく、誠に残念」だと不信感をあらわにした。

 翁長知事が代執行訴訟の第1回口頭弁論で意見陳述した翌々日に先行返還を発表するのも政治的な作為を感じる。

 翁長知事は昨年の知事選で、埋め立てを承認した現職の仲井真弘多氏を約10万票の大差で破り、当選した。昨年実施された名護市の市長選や市議選、衆院選でも「辺野古反対」を主張する候補が完全勝利した。政府は、何よりもまずその結果に謙虚に向き合うべきである。

 沖縄は明治以来、日本外交の道具として使われ、政府の都合で包摂されたり排除されたりしてきた。沖縄から見れば国家エゴにほかならない。
    ■    ■
 国が公権力を行使して基地建設を強行すれば、日米政府は、大きな政治的代償を支払うことになるだろう。

 県は4日の庁議で、翁長知事の埋め立て承認取り消しの効力を停止した石井啓一国土交通相の決定を不服として、取り消しを求める抗告訴訟を起こすことを正式に決めた。 来週8日、県議会に提案する。今後、代執行訴訟、抗告訴訟、国地方係争処理委員会の三つの舞台で政府の基地政策が問われることになる。日本のどの自治体も経験したことのない異常な事態だ。


by asyagi-df-2014 | 2015-12-07 06:01 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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