労働問題-ブラック企業大賞2015はセブン-イレブンに。そして繰り返される問題は。

 これまで、ヤマダ電機(2014年)やワタミフードサービス(2013年)、東京電力(2012年)の3社がブラック企業大賞となっていたが、2015年度は、セブン-イレブンが栄えある大賞となった。
 実は、大賞発表前のLITERA(リテラ)ブログ記事を見つけた。
 この中で、セブン-イレブンを告発する次の声が載せられていた。

①「セブンイレブンが大賞とるでしょ。自分自身がここでアルバイトしてて痛感する。おせち、クリスマスケーキ、年末ギフトとノルマが課せられていて、ノルマ到達できないとオーナーにボロクソ言われる。仕方ないからわずかな給料から自腹で買ってる。時給がとんでもなく安いうえに、これしてたら、何してるかわからん」
②「セブンイレブンのオーナー店で深夜バイト中です。労働密度が濃い職場環境です。しかし、時給は県内最賃並+深夜加算です。雇用保険や健康保険、厚生年金などの各種社会保険制度には未加入です。交通費も支給されません。身体を壊して入院する人も比較的多いです。無理な勤務状況が影響しているのかもしれません。コンビニ業界は、低賃金・長時間労働を前提としたブラック的要素の濃い業態だと思います」
③「セブンイレブンは お弁当 おにぎりなどの製造している下請けにも過酷 どう考えても 時間的に無理な工程表 下請けのパート労働者は最低賃金 過酷な残業 場所に依っては 仕事がない60才以上がほとんど セブンイレブンだけの仕事をしているんだから」
④「鈴木さんは、日本のセブンイレブンをフランチャイズだと呼んでいますが、フランチャイズなどではありませんよ。鈴木さんの経営は労働搾取工場制度です。この意味、わかりますか? 人々を奴隷のように働かされているんですよ」(ハシム・サイード氏。米国セブン加盟店協会シカゴ代表)


 セブン-イレブンの経営手法については、「日本のフランチャイズシステムは、実際は『労働搾取工場制度』と化しているということだ」との、週刊金曜日の批判記事が、セブン-イレブンの実態を暴露してきていたが、このブラック企業大賞を通して、日本企業のあり方について、あらためて考えざるをえない。

 というのも、12月1日付けのLITERA(リテラ)ブログの「残念ながら本サイトの予想どおり、ほとんどのメディアは今回のセブンイレブンのブラック企業大賞受賞を完全スルーし、一切報じていないのだ。まさかとは思っていたが、ここまでとは。」、という指摘の通りの状態だからである。


LITERA(リテラ)ブログの次の指摘を、企業、マスコミだけでなく政府も真剣に考えなけねばならない。

 
「新聞、テレビはおろか、週刊誌までセブンイレブンに都合の悪い報道はできない状態なのだ。ブラック企業大賞に選ばれたことで、セブンイレブンにはこれを機にブラック体質を見直し改善をはかってもらいたいところだが、メディアがこの体たらくでは、のぞむべくもないのかもしれない。数々の自殺者まで出しながらセブンイレブンのブラック体質が一向に改善されないのには、異常な搾取構造を自社の利益のために放置するメディアの罪もまた重いことをあらためて指摘しておきたい。」

 以下、LITERA(リテラ)ブログの引用。






LITERA(リテラ)-ブラック企業大賞最有力? セブン-イレブンの搾取は本場・米国から見ても異常だ! 米国セブン経営者が「日本は軍国主義」-2015年11月27日


 ブラック企業大賞とは、労働相談に取り組んでいる弁護士や市民団体、ジャーナリストなどでつくられた実行委員会によって実施されているもので、今年で4回目。いじめや長時間過密労働、低賃金、育休・産休などの制度の不備、派遣差別、コンプライアンス違反、求人票でウソを書くなどの指標をもとにブラック企業を選ぶ。これまで、ヤマダ電機(2014年)やワタミフードサービス(2013年)、東京電力(2012年)の3社が大賞となっている。

 今年、ノミネートされているのは、コンビニ最大手のセブン‐イレブン・ジャパン(以下、セブンイレブン)、福井県の消防・防災機器の販売・保守点検サービスの暁産業、外食サービスのフジオフードシステム、靴販売のエービーシー・マート(ABCマート)、個別指導学習塾の「明光義塾」を運営する明光ネットワークジャパン、引越社関東(アリさんマークの引越社)の6社だ。

 Web投票などによって、この6社から1社が2015年の「ブラック企業大賞」に選ばれる。

 現在のところ、ブラック企業大賞のサイトへの書き込みを見れば、やはり圧倒的にセブンイレブンのブラックぶりを告発する声が多い。

「セブンイレブンが大賞とるでしょ。自分自身がここでアルバイトしてて痛感する。おせち、クリスマスケーキ、年末ギフトとノルマが課せられていて、ノルマ到達できないとオーナーにボロクソ言われる。仕方ないからわずかな給料から自腹で買ってる。時給がとんでもなく安いうえに、これしてたら、何してるかわからん」
「セブンイレブンのオーナー店で深夜バイト中です。労働密度が濃い職場環境です。しかし、時給は県内最賃並+深夜加算です。雇用保険や健康保険、厚生年金などの各種社会保険制度には未加入です。交通費も支給されません。身体を壊して入院する人も比較的多いです。無理な勤務状況が影響しているのかもしれません。コンビニ業界は、低賃金・長時間労働を前提としたブラック的要素の濃い業態だと思います」
「セブンイレブンは お弁当 おにぎりなどの製造している下請けにも過酷 どう考えても 時間的に無理な工程表 下請けのパート労働者は最低賃金 過酷な残業 場所に依っては 仕事がない60才以上がほとんど セブンイレブンだけの仕事をしているんだから」

 これまで本サイトでも明らかにしてきたような、フランチャイズシステムを利用したオーナー経営者への過重負担、ノルマに追われるブラックバイト......セブンイレブンはやはりブラック企業なのか。

「鈴木さんは、日本のセブンイレブンをフランチャイズだと呼んでいますが、フランチャイズなどではありませんよ。鈴木さんの経営は労働搾取工場制度です。この意味、わかりますか? 人々を奴隷のように働かされているんですよ」

 セブンイレブンの親会社である株式会社セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長・鈴木敏文氏の作りだしたフランチャイズシステムをこう批判していたのは、ハシム・サイード氏。米国セブン加盟店協会シカゴ代表だ(「週刊金曜日」2014年5月30日号「セブン‐イレブン"鈴木帝国"の落日 連載第6回『鈴木商法と戦うためにやって来た!』」)。

 ハシム・サイード代表もフランチャイズの本場米国でセブンイレブン経営を25年やっているオーナー(フランチャイジー)経営者だ。ハシム・サイード代表は昨年4月、「日本流の契約を強制され、独立事業者の地位が脅かされつつある」と初来日。日本の実情を知るにつれて、鈴木会長の作りだしたフランチャイズシステムが労働搾取工場制度だと告発しているのだ。

「週刊金曜日」でハシム氏が語ったところによれば、米国で日本のセブンイレブン支配が露骨になってきたのは、2005年からだ。

「90年代は独立した事業者として権利が認められ、仕事にやりがいがありました。だけど、2005年からチャージ率(指導料)の引き上げや仕入れ先の制限という日本流のやり方にするとの提案を聞いたとき、『これは加盟店主を支配しようとしているな』とピンときたんです」

 独自に商品を仕入れることのできる仕入れ先の制限は、オーナー経営者を「単なるマネジャー」になり下げることになる。さらに、2009年に近隣出店(ドミナント)ができるように契約書を変えはじめたのだ。

 日本と違い、米国のフランチャイズ契約は、店の営業権・経営権を自由に転売できる「Bタイプ」というものだった。この場合、フランチャイズ権はオーナー経営者の資産となる。このため、店の営業権・経営権の資産価値を下げるような近隣出店もできなかった。

「本部は事業拡大のために加盟店主に店の経営を任せます。そのかわり加盟店も手っ取り早くお金稼いで、店を転売できるんですよ。(略)つまり、本部と加盟店は『ギブ・アンド・テイク』なんですよ、もともとが」
「隣りに店など出されたら『のれん代』が毀損され、売却するとき店の価値が下がり、投資の回収ができなくなり、大問題です」

 このため、オーナー経営者たちは猛反発。セブンイレブン支配が進む日本の実情を知るために来日しようとしたが、米国セブンの役員たちが非常に嫌がったという。

「われわれが日本でこうして事実を喋ることを恐れ、阻止しようと必死になったんです。米国セブンのCEO(最高経営責任者)も、ミーティングで日本から帰ると、『鈴木さんが恐い、鈴木さんが恐い』としきりに言っていました。日本で相当吊るし上げられたんでしょうね。私は、鈴木さんに会ってじかに話がしたかったんです。米国のCEOじゃ、解決できないとわかっていたからです」

 加盟店を代表して、ハシム・サイード代表が来日。今回、セブン本部への面談を申し入れたが門前払いされたのだ。ハシム・サイード代表は日本のセブンイレブンのフランチャイズを知れば知るほど、労働搾取工場制度としかいえないと「金曜日」に語っている。

「日本のフランチャイズのやり方を調べたのですが、これは戦時中の軍国主義のやり方ですよ。若い特攻隊員を犠牲にして戦いましたよね、軍の指導部は。あれとまったく同じじゃないですか?」

 仕入れ商品に関して、米国では請求書・領収書を渡すのが当然のガラス張りだが、日本では創業以来40年、仕入れ商品の請求書・領収書をオーナー経営者に渡していない秘密主義に貫かれている。このため、仕入れ代金のピンハネ疑惑が囁かれている。契約更新に関しても、米国では「違反ガイドライン」で判断し、契約を解除した場合、営業補償金を支払わなくてはならないが、日本では本部に異議を唱えると本部の考えで契約解除ができるのだ。

 フランチャイズ発祥の地・米国では連邦法、州法、反トラスト法(不当取引規制)とフランチャイズを規制する法律があるが、日本では独占禁止法などしかなく、いわば本部のやり放題という環境が続いてきた。

 日本では、本部がボロ儲けの一方で、オーナー経営者は自殺に追い込まれ、ブラックバイトはノルマ地獄に追い込まれる無法地帯になっている。日本のフランチャイズシステムは、実際は「労働搾取工場制度」と化しているということだ。

 他のノミネート企業も相当にひどい会社ばかりだが、やはり今年の大賞はセブン・イレブンが最有力かもしれない。
(小石川シンイチ)


LITERA(リテラ)-セブン-イレブンのブラック企業大賞受賞をマスコミが完全無視! 最強セブンタブー支配されたメディアの実態とは-2015年12月1日


 既報のとおり、昨日ブラック企業大賞2015にコンビニ最大手のセブン‐イレブン・ジャパン(以下、セブンイレブン)が選ばれた。

 しかし、残念ながら本サイトの予想どおり、ほとんどのメディアは今回のセブンイレブンのブラック企業大賞受賞を完全スルーし、一切報じていないのだ。まさかとは思っていたが、ここまでとは。

 本サイトのほか、「ねとらぼ」、「弁護士ドットコム」など数えるほどのネットメディアが報じただけで、新聞・テレビ、週刊誌も完全無視だ。

 唯一、スポーツ報知がきのうの大賞決定直後に「「セブン-イレブン」がブラック企業大賞、副賞に「ポケット六法」」と授賞式の写真とともに報じたのだが、この記事もなぜか30分もしないうちに削除されてしまった。

 実行委員のひとりでレイバーネット日本の松元千枝氏は「セブンイレブンがブラック企業大賞に輝いた直後にネットにニュースをアップして、また30分後にはそのニュースが消えている...というのが2件もあると、なんだかなー、と思わざるをえないよね。あえてどことは言わんけど。それだけセブンからの圧力がすごいんだろう。」とツイート。

 実は、このマスコミの無視はノミネート発表の直後から始まったのだという。

「ノミネートの段階では、新聞、テレビ各社がこぞってきていたんですが、『セブン』が入っていたことを知って、各社、一斉に引いてしまったようです。実際、『セブンが入ってるので、今年は書けません』と言っていた記者もいたらしい。大賞の発表の際にはほとんどマスコミはいなかったようですね」(ブラック企業大賞関係者)

 たしかに、たとえば居酒屋チェーンのワタミや、すき家のゼンショーHDのブラック問題についてメディアがこぞって報じていたのに比べると、とりわけセブンイレブンのブラック問題についての報道は圧倒的に少ない。というより、ほとんど皆無に近い。ワタミやゼンショーなどに比べて、セブンイレブンのブラック体質がマシということではまったくない。

 今回の受賞理由にも挙げられているが、セブンイレブンでは奴隷契約のような本部有利のフランチャイズ契約に追いつめられ、加盟店オーナーの自殺も続出し、契約のしわ寄せがさらに末端にまで及びアルバイトも低待遇で酷使されている。フランチャイズシステムそのものに搾取の構造が組み込まれており、個別の案件だけでなく、本来ならセブンイレブンの企業体質そのものが問われてしかるべき問題だ。

 自殺者まで出ているにもかかわらず、セブンイレブンのブラック体質が一向に改善されないのには、このメディアにおけるセブンイレブンタブーの影響も無関係ではない。

 本サイトでも繰り返し指摘したが、ひとつはセブンイレブンの巨大広告費の存在が大きい。たとえば2014年2月期には524億円もの広告費が投入されるなど、マスコミとってセブンイレブンは貴重な大スポンサーだ。

 また、週刊誌や新聞にとっては、コンビニはいまや書店に代わって最有力の販売チャンネル。なかでも最大手のセブンイレブンに置いてもらえるかどうかは死活問題だ。

 さらに、セブンイレブンは雑誌や書籍の流通の生命線である「取り次ぎ」もおさえている。セブンイレブンの鈴木会長は大手取次会社「トーハン」出身であり、現在、トーハンの取締役も務めている。00年に発売された『鈴木敏文 経営を語る』(江口克彦/PHP研究所)では「いまではチェーン全体の書籍と雑誌の年間売上げは約一四〇〇億円。基本的にセブン‐イレブンで売っている出版物はすべてトーハン経由ですから、トーハンの売上高の約一割はセブン‐イレブンのもの」と語っているほど。00年当時2兆円だった全売上高は昨年には3.7兆円にまでなっており、セブンイレブンの影響力がより大きくなっていることは想像にかたくない。

 実際、取り次ぎを使って、実力行使に出た過去もある。鈴木会長の独裁体制による社内の閉塞状況をあばいた『セブン-イレブンの正体』(古川琢也、金曜日取材班/金曜日)が取次より配本拒否にあったのだ。

 新聞、テレビはおろか、週刊誌までセブンイレブンに都合の悪い報道はできない状態なのだ。

 ブラック企業大賞に選ばれたことで、セブンイレブンにはこれを機にブラック体質を見直し改善をはかってもらいたいところだが、メディアがこの体たらくでは、のぞむべくもないのかもしれない。

 数々の自殺者まで出しながらセブンイレブンのブラック体質が一向に改善されないのには、異常な搾取構造を自社の利益のために放置するメディアの罪もまた重いことをあらためて指摘しておきたい。
(編集部)


by asyagi-df-2014 | 2015-12-03 05:54 | 書くことから-労働 | Comments(0)

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