本からのもの-「逃げられないのになぜ再稼働なのか!」


著書名;DAYS JYAPAN 2015年12月号 逃げられないのになぜ再稼働なのか!
著作者;話/阿部悦子 草薙順一 写真/広河隆一 まとめ/丸井春 
出版社;DAYS JYAPAN 


 見開きの伊方原発の俯瞰図と「県指定の災害危険箇所418 佐田岬半島危険地図」が、見る者を圧倒する。
 不安から、思わず周りを見回す。
 これで、本当に、再稼働なのかと。

 

 三つの指摘を挙げる。

(1)伊方町の原子力災害時避難行動計画では、原発から5キロ圏外の住民は、原発の状況がA~Dの4段階のうち、3段階目のCレベル「全面緊急事態段階」になっても、基本的には「屋内待機の指示を実施する」と書かれている。伊方原発をとめる会の草薙順一事務局長は「自宅待避をさせた後、放射能が充満する場所に誰が助けに来られるんですか?買い物にも行けない、助けも来ない、ライフラインも使えるかどうかも分からない。『屋内退避じゃなくて、これは屋内安楽死だよ』と言う人たちもいます。」と話す。
 さらに同計画には、住民への事故の周知に際して、Cレベルまでは、「現在のところ、環境の放射能の影響はありません」とアナウンスし、最悪段階の「運用上の介入レベル事象」になってはじめて「避難の際にはマスクの着用や、ハンカチなどで口を覆うなどしてください」というアナウンスを入れることが明記されている。
 これが福島原発事故を経験した日本の安倍首相が「合理的」だと「評価」した避難計画なのだ。

(2)「河田恵昭さんという、国の中央防災会議・南海トラフ巨大地震対策検討ワ-キンググル-プの主査を務めた関西大学の教授が、南海トラフ地震が来たら、四国は全部の火力発電所が津波で被災し、5ヶ月以上停電するという論文を出しています。5ヶ月停電したらどうなるか。非常用外部電源の燃料は10日分しか備蓄がありません。外部電源喪失が原因でメトルダウンした福島の二の舞が伊方原発で起こります。浄水場のポンプも電気を使いますから水も来ない。愛媛県は、南海トラフ巨大地震が起きたときの断水などによる水の被害人口を、約140万人の県民のうち地震直後で110万人、1ヶ月後でも40万人と想定しています。断水などによる避難者は5ヶ月停電を考慮せずに約56万人です。 県は、このような地震時の想定シュミレ-ションを出しながら、他方で避難計画も曖昧なままに原発の再稼働を容認しているのだ。

(3)11月2日付けのの愛媛新聞によると、中村愛媛県知事は当初より「再稼働の是非の最終判断は、防災訓練とリンクしない、と強調」し続けてきたという。再稼働を容認した26日にも「訓練は未来永劫続けるので、(再稼働とは)切り離して考えた」と発言している。

 この記事は、最後にこう結ぶ。


 草薙さんは言う。
 「万が一を許さないこと。それが一番大事なんじゃないですか?」この原発を、絶対に動かしてはいけない。

 あらためて、最初の草薙さんの言葉に戻らせる。


「事故が起きた後だけが大変なのではなくて、原発を再稼働させるということは、人々を不安の奴隷にするということですよ」


by asyagi-df-2014 | 2015-11-23 17:22 | 本等からのもの | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧