労働問題-非正社員の労働者にしめる割合が初めて4割に。

 厚生労働省は2015年11月4日、「就業形態の多様化に関する総合実態調査」を発表した。
 これによると、全労働者に占める正社員に占める割合が60.0%、正社員以外の労働者の割合が40.0%となり、パートや派遣などの非正社員が労働者にしめる割合が初めて4割に達した。
 なお、正社員以外の労働者に占めるそれぞれの割合は、出向社員1.2%、契約社員(専門職)3.5%、嘱託職員(再雇用者)2.7%、パートタイム労働者23.2%、臨時労働者1.7%、派遣労働者(受け入れ)2.6&、その他5.2%、となっている。
 この調査で、特徴的な点を抜粋する。


①3年前(平成23年)と比べた正社員数の変化をみると、正社員数が「減った」とする事業所割合が27.2%、「増えた」が20.6%、「変わらない」が50.5%となっている。
産業別にみると、正社員数が「減った」とする事業所割合の方が「増えた」とする事業所割合よりも高い産業が多い中で、「不動産業,物品賃貸業」、「医療,福祉」などでは正社員数が「増えた」とする事業所割合(33.9%、27.0%)が「減った」とする事業所割合(21.8%、14.5%)をそれぞれ上回っている。
事業所規模別にみると、300人以上の各事業所規模では、正社員数が「増えた」とする事業所割合が「300~999人」42.3%、「1,000人以上」43.0%で、「減った」とする事業所割合(33.9%、35.5%)をそれぞれ上回っている。
②事業所規模別にみると、事業所規模が大きいほど、3年前と比べた正社員以外の労働者比率は「上昇した」とする事業所割合が高く、今後の変化予測についても「上昇する」とする事業所割合がおおむね高くなっている。
③正社員以外の労働者がいる事業所について、正社員以外の労働者を活用する理由(複数回答)をみると、「賃金の節約のため」とする事業所割合が38.6%と最も高く、次いで「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」が32.9%、「即戦力・能力のある人材を確保するため」が30.7%などとなっている。
民営事業所について、前回と比較すると、前回同様に「賃金の節約のため」が38.8%(前回43.8%)と最も高く、次いで「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」が33.4%(前回33.9%)となっているが、これらが前回に比べて低下したのに対し、「即戦力・能力のある人材を確保するため」31.1%(前回24.4%)、「専門的業務に対応するため」27.6%(前回23.9%)、「高年齢者の再雇用対策のため」26.6%(前回22.9%)、「正社員を確保できないため」26.1%(前回17.8%)などでは前回に比べて上昇している。


 このことについて、朝日新聞は2015年11月4日、「厚生労働省が4日発表した2014年の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」で、パートや派遣などの非正社員が労働者にしめる割合が初めて4割に達した。高齢世代が定年を迎えて正社員が減るなか、人件費を抑えたい企業が非正社員で労働力を補っている実態が浮き彫りになった。」、と報じた。
 また、「非正社員を雇う理由として一番多かったのが『賃金の節約』で38・8%だった。『高年齢者の再雇用対策』(26・6%)、『正社員を確保できない』(26・1%)などの回答も目立った。厚労省の担当者は『高齢者の再雇用などが増えたほか、人手不足に非正社員で対応しているケースが多いのでは』とみる。また、労働者が非正社員を選んだ理由は、育児や介護などとの両立をあげた合計が33・4%と前回から8・9ポイント上がり、育児などと正社員としての仕事の両立が難しい実態も示された。」、と説明している。


 この調査は、非正社員の雇用の目的は、「賃金の節約のため」にあることを物語っている。それは、「人件費を抑えたい企業が非正社員で労働力を補っている実態」が現在の日本の労働状況であることを明確にしている。。
 日本の貧困問題の根源の一つが、非正規雇用にあるにあるなかで、早急な対策が必要である。

以下、朝日新聞及び厚生労働省調査の引用。







朝日新聞-非正社員、初の4割 雇用側「賃金の節約」 厚労省調査-2015年11月4日

 厚生労働省が4日発表した2014年の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」で、パートや派遣などの非正社員が労働者にしめる割合が初めて4割に達した。高齢世代が定年を迎えて正社員が減るなか、人件費を抑えたい企業が非正社員で労働力を補っている実態が浮き彫りになった。

 調査は1987年から複数年ごとに行っている。今回は昨年10月1日時点。官公営を含む従業員5人以上の事業所約1万7千カ所と、そこで働く労働者約5万3千人にたずねた。回答率は事業所が64・4%、労働者が65・2%だった。

 非正社員の割合は40・0%。民間のみの調査だった前回は38・7%。非正社員の約6割をパートが占め、次いで契約社員や定年後再雇用などの嘱託社員が多い。

 5歳刻みの集計では30~54歳で非正社員の比率が前回を上回った。90年代後半からの不況で多くの若者が就職難になった「ロストジェネレーション」の世代などが今も非正社員のままでいる実態を示している。15~29歳は、いずれも非正社員の比率が前回調査を下回った。非正社員を雇う理由として一番多かったのが「賃金の節約」で38・8%だった。「高年齢者の再雇用対策」(26・6%)、「正社員を確保できない」(26・1%)などの回答も目立った。厚労省の担当者は「高齢者の再雇用などが増えたほか、人手不足に非正社員で対応しているケースが多いのでは」とみる。

 また、労働者が非正社員を選んだ理由は、育児や介護などとの両立をあげた合計が33・4%と前回から8・9ポイント上がり、育児などと正社員としての仕事の両立が難しい実態も示された。(北川慧一)


厚生労働省- 平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況-2015年11月4日


2 3年前と比べた正社員数及び正社員以外の労働者比率の変化
(1)正社員数の変化【新規調査項目】
3年前(平成23年)と比べた正社員数の変化をみると、正社員数が「減った」とする事業所割合が27.2%、「増えた」が20.6%、「変わらない」が50.5%となっている。
産業別にみると、正社員数が「減った」とする事業所割合の方が「増えた」とする事業所割合よりも高い産業が多い中で、「不動産業,物品賃貸業」、「医療,福祉」などでは正社員数が「増えた」とする事業所割合(33.9%、27.0%)が「減った」とする事業所割合(21.8%、14.5%)をそれぞれ上回っている。
事業所規模別にみると、300人以上の各事業所規模では、正社員数が「増えた」とする事業所割合が「300~999人」42.3%、「1,000人以上」43.0%で、「減った」とする事業所割合(33.9%、35.5%)をそれぞれ上回っている。(表2)
(2)正社員以外の労働者比率の変化
3年前(平成23年)と比べた正社員以外の労働者比率の変化をみると、「ほとんど変わらない」とする事業所割合が66.4%、「低下した」が14.2%、「上昇した」が14.1%となっている。
産業別にみると、「低下した」とする事業所割合は、「宿泊業,飲食サービス業」で21.9%と高く、一方、「上昇した」とする事業所割合は「教育,学習支援業」、「電気・ガス・熱供給・水道業」でそれぞれ20.1%、19.3%と高くなっている。
また、今後の変化予測をみると、正社員以外の労働者比率は「ほとんど変わらない」とする事業所割合が61.0%、「上昇する」が9.3%、「低下する」が7.4%となっており、産業別にみると、「低下する」とする事業所割合は、「宿泊業,飲食サービス業」で14.6%と他の産業に比べて高くなっている。
事業所規模別にみると、事業所規模が大きいほど、3年前と比べた正社員以外の労働者比率は「上昇した」とする事業所割合が高く、今後の変化予測についても「上昇する」とする事業所割合がおおむね高くなっている。
3年前と比べた正社員数の変化の状況別にみると、正社員数が「増えた」事業所では、3年前と比べた正社員以外の労働者比率が「上昇した」とする事業所割合が20.1%、「ほとんど変わらない」が57.0%、「低下した」が18.5%となっており、正社員数が「減った」事業所では、3年前と比べた正社員以外の労働者比率が「上昇した」が23.1%、「ほとんど変わらない」が45.6%、「低下した」が25.8%となっている。(表3)
(3)3年前と比べて労働者比率が上昇した正社員以外の就業形態及び今後比率が上昇すると思われる正社員以外の就業形態
3年前と比べて正社員以外の労働者比率が上昇した事業所について、比率が上昇した正社員以外の就業形態(複数回答)をみると、「パートタイム労働者」が59.3%と最も高く、次いで「嘱託社員(再雇用者)」が21.6%、「契約社員(専門職)」が12.7%などとなっている。産業別にみると、多くの産業で「パートタイム労働者」と回答した事業所割合が最も高い中で、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「サービス業(他に分類されないもの)」、「鉱業,採石業, 砂利採取業」、「建設業」では、「嘱託社員(再雇用者)」がそれぞれ61.6%、47.4%、46.4%、38.2%と最も高くなっている。(表4)
さらに、今後正社員以外の労働者比率が上昇すると回答した事業所について、比率が上昇すると思われる正社員以外の就業形態をみると、「パートタイム労働者」が62.1%と最も高く、次いで「嘱託社員(再雇用者)」が27.3%、「契約社員(専門職)」が16.7%などとなっている(表5)。

3 正社員以外の労働者の活用
(1)正社員以外の労働者を活用する理由
正社員以外の労働者がいる事業所について、正社員以外の労働者を活用する理由(複数回答)をみると、「賃金の節約のため」とする事業所割合が38.6%と最も高く、次いで「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」が32.9%、「即戦力・能力のある人材を確保するため」が30.7%などとなっている。
民営事業所について、前回と比較すると、前回同様に「賃金の節約のため」が38.8%(前回43.8%)と最も高く、次いで「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」が33.4%(前回33.9%)となっているが、これらが前回に比べて低下したのに対し、「即戦力・能力のある人材を確保するため」31.1%(前回24.4%)、「専門的業務に対応するため」27.6%(前回23.9%)、「高年齢者の再雇用対策のため」26.6%(前回22.9%)、「正社員を確保できないため」26.1%(前回17.8%)などでは前回に比べて上昇している。
主な正社員以外の就業形態別にみると、「契約社員(専門職)」では「専門的業務に対応するため」49.9%(前回41.7%)が最も高く、次いで「即戦力・能力のある人材を確保するため」38.7%(前回37.3%)、「嘱託社員(再雇用者)」では「高年齢者の再雇用対策のため」78.7%(前回75.9%)が最も高く、次いで「即戦力・能力のある人材を確保するため」39.0%(前回31.9%)、「パートタイム労働者」では「賃金の節約のため」41.5%(前回47.2%)が最も高く、次いで「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」39.5%(前回41.2%)と、この3つの就業形態の活用する理由の上位2つは変わらなかったが、「派遣労働者(受け入れ)」では「即戦力・能力のある人材を確保するため」34.5%(前回30.6%)が最も高く、次いで「正社員を確保できないため」33.0%(前回20.6%)で、前回2位の「専門的業務に対応するため」は28.2%(前回27.0%)と、今回は「臨時・季節的業務量の変化に対応するため」28.7%(前回17.4%)に次ぐ4位となっている。


by asyagi-df-2014 | 2015-11-06 05:34 | 書くことから-労働 | Comments(0)

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