沖縄から-辺野古のテント襲撃事件の続報。

 19日深夜から20日未明にかけて起きた辺野古のテント襲撃事件の続報について、沖縄タイムスは2015年9月21日、「19日深夜から20日未明にかけて起きた辺野古のテント襲撃事件。政治団体関係者が書き込んだと思われるツイッターには、襲撃前に撮影されたと思われる日章旗と旭日旗を掲げた黒塗りのワンボックスカー、米軍のフェンスに張られている新基地建設反対の趣旨の横断幕が取り除かれる様子が動画などでアップされていた。『辺野古不意打ち横断幕剥がし!!』と書かれたタイトルの動画では、政治団体関係者と思われる男性が横断幕を取り外し、そのそばで警戒している警察官に向かって『おまわりさんはどっちの味方ね』と問い掛けているシーンが映っている。また、同団体の賛同者に『辺野古バス停に居ますので来て下さい!!』と呼び掛け、ゲート前で抗議行動している市民らに対して『売国奴帰りなさい』との書き込みもあった。」と、報じた。

 「反対派の市民がいるときに公然と襲いかかってきたのは初めてである。」というこの事件に対して、、沖縄タイムスは2015年9月21日、その社説で「[辺野古テント襲撃]暴力的威嚇に抗議する」と、即座に抗議した。
 この中で、「自分の気に入らない意見や異論を暴力で封じるような風潮が、広がっている。今回のケースは、政治が『対話による意思決定に失敗したために生じた事件ではないのか。危険な兆候だ。」と、指摘した。
 また、こうしたことの背景には、「『暴力は政治が終わるときに出現する』と政治思想家のハンナ・アーレントは指摘するが、辺野古のテント村襲撃事件も、政治が機能不全に陥り行き詰まってしまったその裂け目から吹き出した暴発という側面がある。」とも、指摘する。

 以下、沖縄タイムスの引用。







沖縄タイムス-辺野古テント襲撃:ネットで動画拡散 政治団体関係者か-2015年9月21日 07:20


 19日深夜から20日未明にかけて起きた辺野古のテント襲撃事件。政治団体関係者が書き込んだと思われるツイッターには、襲撃前に撮影されたと思われる日章旗と旭日旗を掲げた黒塗りのワンボックスカー、米軍のフェンスに張られている新基地建設反対の趣旨の横断幕が取り除かれる様子が動画などでアップされていた。

 「辺野古不意打ち横断幕剥がし!!」と書かれたタイトルの動画では、政治団体関係者と思われる男性が横断幕を取り外し、そのそばで警戒している警察官に向かって「おまわりさんはどっちの味方ね」と問い掛けているシーンが映っている。

 また、同団体の賛同者に「辺野古バス停に居ますので来て下さい!!」と呼び掛け、ゲート前で抗議行動している市民らに対して「売国奴帰りなさい」との書き込みもあった。
 襲撃に加わった建築業の男性(40)は、沖縄タイムスの取材に「知人に誘われて来た。テントは違法な設置で許せない」と理由を説明。米軍の存在について「日本や沖縄の防衛に欠かせない。原子力潜水艦がホワイトビーチにも来るが、守ってくれてありがとうという気持ちだ」と話した。


沖縄タイムス-「テントつぶせ」20人襲撃 辺野古ゲート前騒然-2015年9月21日 07:00


 「このテントを撤去しろ」「愛国心はないのか」。19日深夜から20日未明にかけて、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で起きたテント襲撃事件。座り込みに反対する男女約20人の集団がテントに押し掛け、怒号が飛び交った。カッターナイフなどで横断幕やのぼりが切り裂かれ、いすやテーブルが倒された。座り込みの市民らともみ合いになり、騒然となった。

 座り込みの市民らによると、最初に集団が踏み込んできたのは19日午後4時すぎ。街宣車で市民らに罵声を浴びせ、写真を撮るなど嫌がらせもあったという。

 午後6時ごろから、集団が辺野古集落入り口近くの緑地帯で酒盛りをしているのを複数の市民が目撃。

 午後11時ごろ、カッターナイフなどを持った集団が再び押し掛け、フェンスの横断幕を切り裂いた。シュワブ内にいた警察官に制止され「もう一度来るからな」と言い残して集団は立ち去ったという。

 「テントをつぶせ」。午後11時55分ごろに、集団は再度押し掛けた。怒号を放ちながら横断幕を引きちぎったり、テントのいすやテーブルをひっくり返したりしたという。市民らと集団がもみ合いになり、顔を殴られた市民もいたという。

 集団は、制御する警察官に「なんでテントを放置しているんだ」などと怒号。酒に酔っている様子で、走って警察官の抑制を突破し、テントに近付こうとする人もいた。

 テントにいた女性(27)は「酒に酔っていた上、カッターで横断幕を切り裂きながら近づいてきた。本当に怖かった」と振り返った。

 一方、集団ともみ合った男性は「暴力は許せない」とした上で「彼らは主張を聞いて欲しいんじゃないかと感じた。ネットを見ていると、背後にあおっている人がいる。そちらの方が許せない」と話した。

 また、同日午後6時ごろから、市民が警察に複数回通報し対応を求めたが、「思うような対応がなかった」という。



沖縄タイムス社説-[辺野古テント襲撃]暴力的威嚇に抗議する-2015年9月21日


 自分の気に入らない意見や異論を暴力で封じるような風潮が、広がっている。今回のケースは、政治が「対話による意思決定」に失敗したために生じた事件ではないのか。危険な兆候だ。

 19日夜から20日未明にかけ、政治団体の街宣車で乗り付けた約20人の男女が、名護市辺野古の新基地建設に反対する市民が常駐しているキャンプ・シュワブゲート前のテントに乱入した。

 居合わせた市民や県警の話によると、押しかけた男女は「テントをどかせ」などと罵声を浴びせ、横断幕やのぼりを引きちぎったり、カッターナイフで切ったりして乱暴を働いた。

 制止する反対派市民ともみ合いになり、殴ってけがを負わせたとして襲撃した土木作業員の男性が傷害の疑いで、ほかに男性2人が器物損壊の疑いで逮捕された。

 テントで暴れ回った男たちは「基地がないと中国に攻められる」とも語っていたという。

 襲いかかった男女は、ツイッターを使って参加を呼びかけ、夕方から街宣車で威嚇(いかく)、嫌がらせを繰り返していたようだ。

 昨年6月には、ヘリ基地反対協議会のテントが何者かに荒らされ、看板や掲示物などが壊される被害が出ているが、反対派の市民がいるときに公然と襲いかかってきたのは初めてである。

 辺野古反対の主張や行動が気に食わないからといって、暴力で異論を封じ込めようとするのは認めがたい。暴挙というしかない。
    ■    ■
 彼らの行動は直情的で感情的で、とうてい認められるものではないが、その根に横たわる問題は見過ごすことができない。

 議会制民主主義の下での政治は、言論と対話を前提とする。少数意見を尊重し対話によって意思決定を図るのが政治であるはずなのに、辺野古の新基地建設と安全保障法の国会審議に共通するのは、そのような意味での政治の崩壊・機能不全である。

 「暴力は政治が終わるときに出現する」と政治思想家のハンナ・アーレントは指摘するが、辺野古のテント村襲撃事件も、政治が機能不全に陥り行き詰まってしまったその裂け目から吹き出した暴発という側面がある。

 辺野古の新基地建設に対する抗議行動は、「非暴力」と「あきらめないこと」を特徴としている。この姿勢を愚直に堅持し続けてきたことが幅広い共感を呼んでいるのである。
    ■    ■
 病気療養のため現場を離れている平和運動センター議長の山城博治さんがこの日、ゲート前のテントに顔を出し、「これからもしたたかに、しなやかに闘っていこう」と呼び掛けた。そして、こう付け加えるのを忘れなかった。

 「たまにはコーヒーを飲もうと(政治団体に)声を掛けてみたい。対話そのものを拒んではいけない」

 妥協せずに徹底して闘い抜くことと、暴力を否定し寛容の精神を失わないことが、山城さんの中で同居しているのである。それが反対行動の質を象徴している。


by asyagi-df-2014 | 2015-09-21 20:10 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧