沖縄から-辺野古工事再開を考える。

 辺野古新基地建設をめぐる辺野古工事の再開について、私たちは、今何が起こっているのかを理解し、何をしなければならないかを自らの身に問いかける必要がある。
 何故なら、「安保関連法案」をはじめ、「米軍再編」の問題等で、この国のつくりそのものを揺るがす政治的謀略が進められようとしている。
 昔から、「沖縄に学べ」とは言われてきたが、それは、沖縄の実態、つまり沖縄の構造的差別 の過酷さが被抑圧の状況を逆に証明してきたことによる。
 今、この国のあり方を考えることは、一つには、沖縄から問われていることに真摯に取り組むことでもある。
 沖縄は、今、辺野古工事再会という次のステージに向かわされた。
 このことの意味を考える上で、琉球新報及び沖縄タイムスの社説を基に考える。
 二(社)の社説の要約は次のものである。

(1)意見
・琉球新報
 県が新基地建設の中止を求め続ける中、政府は工事再開を強行した。極めて遺憾だ。安倍政権は沖縄の民意を一貫して無視し、民主主義を踏みにじる愚行をいつまで重ねるのか。怒りを禁じ得ない。
・沖縄タイムス
 米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古の新基地建設問題は、政府と県の集中協議期限が切れ、重大な局面を迎えた。
 工事を引き続き停止し、協議を継続することは、民主国家としてあまりにも当然のことである。地元の合意なしに米軍基地を造ることは、あってはならないからだ。
(2)協議について
・琉球新報
 協議は最初から結論ありきで、翁長雄志知事に理解を得る努力をした形跡を残すアリバイづくりだったと言われても仕方あるまい。
・沖縄タイムス
 期限切れを理由に、機械的に、粛々と、工事を再開した。血の通った政治とはおよそ正反対の強権的な振る舞いである。最初からそうなることを想定し話し合いの形だけを取り繕ったとすれば、政府は県民をもてあそんだことになる。
(3)主張
・琉球新報
 弁護士や環境学者ら有識者の第三者委員会は既に、手続きに「瑕疵(かし)あり」との報告書を提出している。政府の強硬姿勢に対抗するため、翁長知事はそれに基づき、埋め立て承認の取り消しを速やかに行えばよい。妥協や取引することなく、普天間飛行場の即時無条件全面返還を政府に要求すべきだ。
・沖縄タイムス
 翁長雄志知事は週明けの14日にも、前知事による埋め立て承認の取り消しを正式に表明する。知事権限を最大限に行使した抵抗であり、やむにやまれぬ意思表示である。  
 「安保法案」と「辺野古」が運動の場でドッキングし始めてきた。安保・外交政策を根本から問い直す機会である。


 週明けにも、翁長雄志沖縄県知事による「埋め立て承認の取り消し」が行われることになる。
 このことについては、二社とも、「政府の強硬姿勢に対抗するため、翁長知事はそれに基づき、埋め立て承認の取り消しを速やかに行えばよい。妥協や取引することなく、普天間飛行場の即時無条件全面返還を政府に要求すべきだ。」「知事権限を最大限に行使した抵抗であり、やむにやまれぬ意思表示である。」と、評価する。
 この間の沖縄の取り組みは、すでに充分国及び日本国民への配慮は行ってきた。だとしたら、「埋め立て承認の取り消し」に取り組むしかない。
 2014年7月1日の安倍晋三政権の「閣議決定」に対して、両社は、「これほどの大転換が、主権者たる国民の審判を仰ぐことなく、国会の採決を経ることもなく、一内閣の解釈だけでなされた。立憲主義と法治国家の否定で、内閣による国民からの主権簒奪(さんだつ)、クーデターに等しい暴挙だ。」(琉球新報)、「国会での議論もほとんどないまま、一内閣の閣議決定によって変更されるのは、『憲法クーデター』というしかない。」(沖縄タイムス)と、切っ先鋭く指摘していた。
 この意味で、沖縄タイムスの「『安保法案』と『辺野古』が運動の場でドッキングし始めてきた。安保・外交政策を根本から問い直す機会である。」との指摘の重さを、私たちは感じ取る必要がある。

 以下、琉球新報及び沖縄タイムスの引用。








琉球新報社説-辺野古工事再開 民主主義踏みにじる愚行-2015年9月13日


 政府は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け、県との集中協議のため1カ月中断していた新基地建設へ向けた関連工事を再開した。
 県が新基地建設の中止を求め続ける中、政府は工事再開を強行した。極めて遺憾だ。安倍政権は沖縄の民意を一貫して無視し、民主主義を踏みにじる愚行をいつまで重ねるのか。怒りを禁じ得ない。
 沖縄防衛局は「政府と県の集中協議期間が終了し、県の調査も終了したため、再開した」と説明しているが、工事を加速し、新基地建設の既成事実化を図るのが狙いだろう。来週にも埋め立て工事の前段となる海底ボーリング調査を再開する予定だ。
 新基地建設をめぐる県と安倍政権の集中協議は、完全な平行線をたどり、安倍晋三首相が出席した5回目で決裂した。政府側は、前知事による埋め立て承認に固執するばかりで、その後の名護市長選、同市議選、県知事選、衆院選で新基地建設拒否の候補者が圧勝し、沖縄の民意が何度も示されたことについて言及はなかった。本来なら政府は県と真摯(しんし)に向き合い、民意を直視すべきだったはずだ。
 協議は最初から結論ありきで、翁長雄志知事に理解を得る努力をした形跡を残すアリバイづくりだったと言われても仕方あるまい。
 翁長知事は、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認の取り消しを14日にも表明、必要な手続きに着手する方針だ。
 弁護士や環境学者ら有識者の第三者委員会は既に、手続きに「瑕疵(かし)あり」との報告書を提出している。政府の強硬姿勢に対抗するため、翁長知事はそれに基づき、埋め立て承認の取り消しを速やかに行えばよい。妥協や取引することなく、普天間飛行場の即時無条件全面返還を政府に要求すべきだ。
 政府は「辺野古が唯一の選択肢」とかたくなな姿勢を取り続けている。だが新基地建設の反対運動は県内ばかりでなく、国内、海外でも草の根レベルで盛り上がっている。12日午後に行われた国会包囲行動には2万2千人(主催者発表)が参加し「辺野古新基地ノー」の声を上げた。世界の識者109人も新基地阻止に賛同している。
 翁長知事は21、22の両日に国連人権理事会で演説する。そこで沖縄の民主主義的正当性を強く訴え、民意を無視する日本政府の理不尽さを内外に示してほしい。


沖縄タイムス社説-[辺野古工事再開]対立激化し重大局面に-2015年9月13日


 米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古の新基地建設問題は、政府と県の集中協議期限が切れ、重大な局面を迎えた。

 政府は12日朝、集中協議のため8月10日から9月9日まで中断していた作業を約1カ月ぶりに再開した。

 立ち入り制限区域を示すフロート(浮具)や仮設桟橋を設置したあと、来週にも、残る5地点の海底ボーリング調査を再開する。

 話し合いがかみ合わず、期間中に成果を得ることができなければ、協議を延長する。そうするのが普通だ。ましてや、各種世論調査で6~7割の県民が辺野古移設に反対し、県知事選、名護市長選、衆院選でも「辺野古ノー」の民意が圧倒的な形で示されたのである。
 工事を引き続き停止し、協議を継続することは、民主国家としてあまりにも当然のことである。地元の合意なしに米軍基地を造ることは、あってはならないからだ。

 しかし、安倍政権はそうはしなかった。そんなことさえしなかった。期限切れを理由に、機械的に、粛々と、工事を再開した。血の通った政治とはおよそ正反対の強権的な振る舞いである。

 最初からそうなることを想定し話し合いの形だけを取り繕ったとすれば、政府は県民をもてあそんだことになる。

 翁長雄志知事は週明けの14日にも、前知事による埋め立て承認の取り消しを正式に表明する。

 知事権限を最大限に行使した抵抗であり、やむにやまれぬ意思表示である。

    ■    ■
 仲井真弘多前知事による埋め立て承認について県の第三者委員会は(1)埋め立ての必要性に合理的な疑いがある(2)環境保全措置は適正と言い難い-などと指摘。埋め立て申請は法の要件を満たさず、これを承認した手続きに四つの法的瑕疵(かし)がある、との結論をまとめ翁長知事に提出した。

 県が承認を取り消せば、政府は埋め立ての法的根拠を失う。行政不服審査法に基づく審査請求など、政府がすかさず対抗措置を打ち出すのは確実である。

 県は11日まで、コンクリートブロックによるサンゴ礁の損傷状況を調査するため辺野古で潜水調査を実施した。その結果次第では、前知事が出した埋め立て予定地の岩礁破砕許可を取り消す可能性もある。

 知事権限を行使して埋め立て工事に待ったをかける一方、知事は国連人権理事会で演説し、沖縄の実情を国際社会に訴える予定だ。
    ■    ■
 辺野古問題をめぐって政府と県の攻防が一段と激化するのは間違いない。

 キャンプ・シュワブゲート前での抗議行動に呼応し、国会議事堂周辺では「止めよう!辺野古埋め立て9・12国会包囲」が行われ、主催者発表で約2万2千人が参加した。

 週明けから安全保障関連法案をめぐる動きも「17日採決」をめぐって一気に緊迫化する。

 「安保法案」と「辺野古」が運動の場でドッキングし始めてきた。安保・外交政策を根本から問い直す機会である。


by asyagi-df-2014 | 2015-09-14 05:37 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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