沖縄から-米軍が、8月20日に事前通告なしのパラシュート降下訓練を実施

 米軍の事前通告なしのパラシュート降下訓練を実施について、琉球新報は2015年8月22日、「米軍が20日午前11時前、うるま市津堅島訓練水域で事前通告なしにパラシュート降下訓練を実施した問題で、県は20日夕、沖縄防衛局を通じて『関係機関への通告がないまま訓練が行われたことは大変遺憾だ』と口頭で米軍に申し入れた。同時に『SACO(日米特別行動委員会)最終報告の趣旨に沿って(降下訓練は)伊江島で実施するよう配慮してもらいたい』と求めた。翁長雄志知事は21日、新たに就任したジョエル・エレンライク在沖米総領事との県庁での会談で『県民は戦後70年間これだけ基地を預かってきた。昨日もパラシュート訓練があったが、米国の運用に日本が何も言えない状況がある。『良き隣人』と言われながら『何で私たちだけ』という思いがある』と抗議した。」と、報じた。
 またあわせて、米軍の反応について、「同基地報道部は21日、通告なしで訓練した理由を『津堅島訓練水域を使用する場合、通常は海兵隊が日本側に通告するが、事務的なミスがあった。謝罪したい』と琉球新報に回答した。」と、伝えた。

 琉球新報は、2015年8月22日付けの社説で、「米軍の安全軽視と軍事最優先の運用がまた明るみに出た。一般漁船が操業できる海域に突然、米兵や物資がパラシュートで降下した。異常事態そのものだ。」と、厳しく指摘した。
 その社説の要約は、次のとおりである。
(抗議理由)
(1)「空から降りてくるのは困る。ウミンチュの生活に関わる問題だ」。勝連漁業協同組合長の切実な訴えが事態の重大さを物語る。降下海域は日ごろから津堅島往復の定期船や漁船が航行しており、備えのない漁船の乗組員などが被害に遭う可能性は拭えない。県民の命を危険にさらす行為に厳重に抗議したい。
(2)7日前までになされないといけない事前通告について、米軍は「内部手続きの不備」で通告していなかったことを認めた。米本国なら起こり得ただろうか。日米地位協定で排他的管理権を付与され、やりたい放題に近い訓練ができる沖縄で、緊張感を欠いた運用が続いている表れではないか。
(3)うるま市沖で起きたMH60ヘリ墜落事故も原因が究明されないまま、飛行が再開され、県民の反発が強まっている。そのさなかの通告なき降下訓練実施である。
 軍の規律の緩みと沖縄軽視が交錯する不祥事だ。手続きを怠ったという説明だけでは済まされない。
(琉球新報の主張)
(1)パラシュート降下訓練は、1996年のSACO(日米特別行動委員会)最終報告で、読谷補助飛行場から伊江島に集約された。沖縄防衛局は陸域の訓練に限るとしているが、降下訓練には危険が付きまとう。陸海を含めて県内での訓練は中止すべきだ。
(2)米軍の訓練通告は期間と種類だけが示されたメモ程度の内容で、いつ、どこで、どんな訓練があるのかはつかめない。住民や漁民の安全確保に不可欠な情報が乏し過ぎる。
 米本国の基地では種類や開始日時と時間帯など、訓練内容が地元自治体と住民に公開されている。沖縄の訓練実態には差別を帯びた二重基準が目立つ。一刻も早く是正しなくてはならない。


 「空から降りてくるのは困る。ウミンチュの生活に関わる問題だ」という生活者からの痛切な訴えを、どのようにくみ取る事ができるかが、政治の使命である。
 「沖縄防衛局は米軍に『遺憾の意』を伝えた」とされるが、その段階でとどまって、ごまかすことはもはや許されない。
 今こそ、安倍晋三政権は、政治の使命を果たすべきである。

 以下、琉球新報の引用。






琉球新報-米軍「事務的ミス」 県、訓練移転申し入れ 津堅沖無通告降下-2015年8月22日 7:29


 米軍が20日午前11時前、うるま市津堅島訓練水域で事前通告なしにパラシュート降下訓練を実施した問題で、県は20日夕、沖縄防衛局を通じて「関係機関への通告がないまま訓練が行われたことは大変遺憾だ」と口頭で米軍に申し入れた。同時に「SACO(日米特別行動委員会)最終報告の趣旨に沿って(降下訓練は)伊江島で実施するよう配慮してもらいたい」と求めた。翁長雄志知事は21日、新たに就任したジョエル・エレンライク在沖米総領事との県庁での会談で「県民は戦後70年間これだけ基地を預かってきた。昨日もパラシュート訓練があったが、米国の運用に日本が何も言えない状況がある。『良き隣人』と言われながら『何で私たちだけ』という思いがある」と抗議した。
 一方、訓練を行った部隊は米空軍嘉手納基地の第353特殊作戦群だったことが分かった。同基地報道部は21日、通告なしで訓練した理由を「津堅島訓練水域を使用する場合、通常は海兵隊が日本側に通告するが、事務的なミスがあった。謝罪したい」と琉球新報に回答した。一方で具体的な訓練内容は明かさず、「通常訓練だった」とした。
 沖縄防衛局も無通告降下を米側から確認した20日午後に「通告なしで訓練を行ったことは大変遺憾だ。今後、このようなことがないよう、米側内部機関で連帯を図ってほしい」と文書や口頭で米軍に申し入れた。
 県などはSACO最終報告で読谷補助飛行場のパラシュート降下訓練が伊江島に移転したことから、伊江島以外では降下訓練をしないよう求めてきた。これに対し嘉手納基地は21日、「津堅訓練場での訓練は認められたものだ」との見解を示した。沖縄防衛局は同日「訓練に当たっては公共の安全に配慮するのは当然だ」とする一方、降下訓練は「従来から実施されている。即応体制を維持するために不可欠」と回答した。
 エレンライク氏は翁長知事からの抗議に対し、「事件事故を抑制するために協力を継続したい」と応じた。米軍は防衛局の申し入れにも「今後このようなことが二度と起きないよう、手順を守って訓練に臨む」と回答した。


琉球新報社説-通告なき降下訓練 規律の緩みが危険を増幅する-2015年8月22日

 米軍の安全軽視と軍事最優先の運用がまた明るみに出た。
 一般漁船が操業できる海域に突然、米兵や物資がパラシュートで降下した。異常事態そのものだ。
 事前通告なきまま、米軍は津堅島沖の訓練水域でパラシュート降下訓練を実施した。目撃者によると、4人の兵士に加えてボートとみられる物資も着水した。
 「空から降りてくるのは困る。ウミンチュの生活に関わる問題だ」。勝連漁業協同組合長の切実な訴えが事態の重大さを物語る。降下海域は日ごろから津堅島往復の定期船や漁船が航行しており、備えのない漁船の乗組員などが被害に遭う可能性は拭えない。県民の命を危険にさらす行為に厳重に抗議したい。
 パラシュート降下訓練は、1996年のSACO(日米特別行動委員会)最終報告で、読谷補助飛行場から伊江島に集約された。沖縄防衛局は陸域の訓練に限るとしているが、降下訓練には危険が付きまとう。陸海を含めて県内での訓練は中止すべきだ。
 7日前までになされないといけない事前通告について、米軍は「内部手続きの不備」で通告していなかったことを認めた。
 米本国なら起こり得ただろうか。日米地位協定で排他的管理権を付与され、やりたい放題に近い訓練ができる沖縄で、緊張感を欠いた運用が続いている表れではないか。
 うるま市沖で起きたMH60ヘリ墜落事故も原因が究明されないまま、飛行が再開され、県民の反発が強まっている。そのさなかの通告なき降下訓練実施である。
 軍の規律の緩みと沖縄軽視が交錯する不祥事だ。手続きを怠ったという説明だけでは済まされない。
 沖縄防衛局は米軍に「遺憾の意」を伝えたが、対応は生ぬるい。懲戒処分を科したかを確認し、県やうるま市に報告するぐらいの厳しい姿勢を示すべきだ。日ごろの米軍への弱腰がこうした事態を招く遠因であることを自覚してほしい。
 米軍の訓練通告は期間と種類だけが示されたメモ程度の内容で、いつ、どこで、どんな訓練があるのかはつかめない。住民や漁民の安全確保に不可欠な情報が乏し過ぎる。
 米本国の基地では種類や開始日時と時間帯など、訓練内容が地元自治体と住民に公開されている。沖縄の訓練実態には差別を帯びた二重基準が目立つ。一刻も早く是正しなくてはならない。


by asyagi-df-2014 | 2015-08-23 09:25 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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