「70年内閣総理大臣談話」を考える(3)。

 2015年8月14日の内閣総理大臣談話について、各国の反応を次のように伝えた。

 韓国の反応を、朝日新聞は光復節の2015年8月15日、「『残念な部分が少なくない』と指摘しつつも、歴代内閣の歴史認識を継承するとした点に注目。今後は『誠意ある行動』が必要だとし、慰安婦問題の早期解決を求めた。」、「15日付の韓国各紙は安倍談話について詳細に分析し、「巧妙な言葉で『植民地支配への謝罪』を避けた」(朝鮮日報社説)などと批判が相次いだが、朴大統領は演説で具体的な問題点は取り上げず、不満を表明するだけにとどめた。今後の日本との関係改善を意識して、批判を抑えたとみられる。」と。

 北朝鮮の反応を、朝日新聞は2015年8月15日、「北朝鮮外務省の報道官は14日、戦後70年の『安倍談話』について、『日本の侵略の歴史についての誠実な認定と謝罪が込められていない』と批判する談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。談話は『すべての過去の犯罪の清算を通じ、わが国をはじめとする周辺国の信頼をまず得なければならない』などとしている。」と。

中国の反応を、「中国外務省は14日深夜に談話へのコメントを発表し、『過去の歴史を正確に認識・対応し、正義を守ることは日本とアジアの隣国との関係改善の重要な基礎だ』と指摘。その上で『侵略の歴史に正面から向き合い、深く反省し、実際の行動でアジアの隣国と国際社会の信頼を得るよう求める』と、安倍首相の歴史認識を批判した。中国共産党関係者は『言葉は入っていても首相の誠意が感じられない』と、不信感を示した。
 ただ中国政府は、安倍首相が間接的でも『侵略』や『おわび』を明記したことで、日中関係改善を進めていくとの方針は今後も堅持していくとみられる。」と。

 台湾の反応を、「台湾の馬英九(マーインチウ)総統は『日本政府が今後も引き続き歴史を正視し、深く反省し、教訓を銘記することを期待する』と表明した。『建設的思考と責任ある態度で周辺国家との友好協力を発展させ、地域の平和と繁栄にともに努力すべきだ』とも呼びかけた。」と。

 米国の反応を、「米国家安全保障会議(NSC)のプライス報道官は14日、『第2次世界大戦中に日本がもたらした苦しみに対する痛切な反省を安倍首相が表明したことを歓迎する』との声明を発表した。」と。

 外国米メディアの反応は、「外国のメディアは、安倍首相の『おわび』が、過去の内閣の方針を引用する間接的な表現になったことや、次世代に『謝罪を続ける宿命を負わせてはならない』と述べた点に注目した。英BBCの東京特派員は、安倍首相が歴代首相の謝罪を踏襲したものの、『彼自身の新たなおわびではなく、過去の謝罪から距離をおいた』と紹介。『日露戦争がアジアやアフリカの人々を勇気づけた』という箇所については『修正主義的な歴史観で、安倍首相の支持基盤である右派の間で人気があるが、中国や韓国は受け入れないだろう』と解説した。英フィナンシャル・タイムズ紙は『首相は自ら明確な謝罪をすることを拒否した』とした。米ワシントン・ポスト紙も『過去の首相の謝罪を明確に繰り返すことを避けた』と報じた。またAFP通信は『深い反省を表明したが、将来の世代が謝罪し続けるべきではないとも強調した』とした。仏ルモンド紙も同様に『歴代内閣が表明した『痛切な反省』を『揺るぎない』としながらも、この悔恨を相殺するかのように、戦争を知らない世代にこの責任を背負わせてはならないと呼びかけた』と伝えた。ロシアのインタファクス通信も、『戦争に関係ない世代に、謝罪を続ける重荷を負わせるべきではない、と付け加えた』と伝えた。エジプトの政府系アハラム紙の電子版は『日本首相が深い悲しみを表明/新たなおわびなし』との見出しの英文記事を掲載した。」と。

 以下、朝日新聞の引用。







朝日新聞-談話に中韓「言葉入っても誠意感じぬ」「責任避けた」-2015年8月15日


 中国外務省は14日深夜に談話へのコメントを発表し、「過去の歴史を正確に認識・対応し、正義を守ることは日本とアジアの隣国との関係改善の重要な基礎だ」と指摘。その上で「侵略の歴史に正面から向き合い、深く反省し、実際の行動でアジアの隣国と国際社会の信頼を得るよう求める」と、安倍首相の歴史認識を批判した。中国共産党関係者は「言葉は入っていても首相の誠意が感じられない」と、不信感を示した。

 ただ中国政府は、安倍首相が間接的でも「侵略」や「おわび」を明記したことで、日中関係改善を進めていくとの方針は今後も堅持していくとみられる。

 韓国でも、安倍談話は過去の歴史への反省や謝罪が間接的な表現にとどまっているとの批判が出ている。

 韓国政府関係者によると談話発表後、岸田文雄外相が尹炳世(ユンビョンセ)外相に電話をして「歴代内閣の歴史認識は今後も揺るがない」と説明。尹外相は「日本政府の誠意ある行動が何よりも重要だ」と強調したという。

 与党・セヌリ党の報道官は「反省と謝罪に言及したという点では意味ある談話だ」と一定の評価をしたうえで、「慰安婦についても間接的にしか言及していないことは物足りない」と指摘した。

 最大野党・新政治民主連合の報道官は「キーワードはすべてあったが、巧妙なやり方で加害者としての責任を避けた」と指摘。村山談話から大きく後退したと論評した。

 朴槿恵(パククネ)大統領は2013年2月の就任後、安倍首相との二国間の会談を一度もしていない。米国からも関係改善を求められるなか、首脳会談への環境を整えるには安倍談話の中身が重要で、尹外相も今後の日韓関係を左右する「試金石」と述べていた。

 ただ、外交筋は「批判をしすぎれば関係改善の機運をそぐことになる。韓国政府にとっては難しい判断になるのでは」と話す。

 オバマ米政権は安倍首相の歴史認識で日韓関係が悪化すれば、中国などを利することになり、米の外交戦略を狂わせかねないとの警戒から「安倍談話」に注目。歴代の首相談話の継承を求めてきただけに、米国家安全保障会議(NSC)のプライス報道官は14日、「第2次世界大戦中に日本がもたらした苦しみに対する痛切な反省を安倍首相が表明したことを歓迎する」との声明を発表した。

 米シンクタンク「アトランティック・カウンシル」のアジア専門家、ジェイミー・メッツル上級研究員は「おわびは非常に重要なことだが全てを変える魔法の言葉ではない。日本はドイツのように深い歴史の説明責任を果たすことで前進する必要がある」と述べた。

 欧米メディアは「安倍首相が改めて謝罪するには至らなかった」(AP通信)「首相は自ら明確な謝罪をすることを拒否した」(フィナンシャル・タイムズ紙)と報じ、安倍首相の「おわび」が、過去の内閣の方針を引用する間接的な表現になったことに注目。AFP通信など複数のメディアが、次世代に「謝罪を続ける宿命を負わせてはならない」と述べた点を相次いで報じた。


朝日新聞-韓国の朴大統領「日本の誠意ある行動が必要」 安倍談話-2015年8月15日


 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は15日、日本の植民地支配からの解放を祝う「光復節」の式典で演説した。戦後70年の安倍談話について「残念な部分が少なくない」と指摘しつつも、歴代内閣の歴史認識を継承するとした点に注目。今後は「誠意ある行動」が必要だとし、慰安婦問題の早期解決を求めた。

 朴大統領は、慰安婦問題に関する河野談話や戦後50年の村山談話などの歴史認識を「韓日関係を支えてきた根幹だった」と位置づけた。15日付の韓国各紙は安倍談話について詳細に分析し、「巧妙な言葉で『植民地支配への謝罪』を避けた」(朝鮮日報社説)などと批判が相次いだが、朴大統領は演説で具体的な問題点は取り上げず、不満を表明するだけにとどめた。今後の日本との関係改善を意識して、批判を抑えたとみられる。

 また、「謝罪と反省を根幹にした歴代内閣の立場がこれからも揺るぎないと国際社会に明らかにした点に注目する」と語り、具体的な行動で示すよう求めた。特に慰安婦問題について「速やかに適切に解決することを望む」とした。「困難がたくさん残っているが、正しい歴史認識をもとに新しい未来に向かって共に進むべき時だ」とも述べ、未来志向の日韓関係を打ち出した。

 朴大統領は2013年2月の就任以来、安倍晋三首相とは一度も二国間の首脳会談は行っていない。15日の演説では安倍談話をめぐる韓国内の批判に留意しつつも、具体的な行動を求めることで関係改善につなげたいとのメッセージを日本側に送ったとみられる。(ソウル=東岡徹)

 
朝日新聞-北朝鮮も安倍談話を批判「誠実な謝罪込められてない」-2015年8月15日


 北朝鮮外務省の報道官は14日、戦後70年の「安倍談話」について、「日本の侵略の歴史についての誠実な認定と謝罪が込められていない」と批判する談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。談話は「すべての過去の犯罪の清算を通じ、わが国をはじめとする周辺国の信頼をまず得なければならない」などとしている。(ソウル=貝瀬秋彦)


 安倍晋三首相の米議会演説で「植民地支配」「おわび」といった表現が盛り込まれなかったことをめぐり、韓国主要紙は30日付の1面で、「謝罪はおろか自賛だけ……安倍の40分の詭弁(きべん)」(東亜日報)、「慰安婦は言及しなかった」(中央日報)といった見出しでいっせいに批判した。

 一方で、韓国政府の外交戦略の見直しを求める論調も増えている。朴槿恵(パククネ)大統領は就任してから一度も、安倍首相と会談していない。これに対し、安倍首相は今回の訪米で日米関係を強化し、22日にはジャカルタで中国の習近平(シーチンピン)国家主席とも会談。韓国内には韓国が孤立するのではないかとの懸念がある。東亜日報は30日付の社説で歴史認識問題を重視する韓国外交について「方向転換を模索しなければならない」と指摘した。(ソウル=東岡徹)

朝日新聞-ドイツ紙「首相自身の言葉でおわび言わず」 安倍談話-2015年8月15日


 安倍晋三首相が14日発表した戦後70年の首相談話について、第2次大戦中のナチスの過去と向き合ってきたドイツの主要紙は、緊張が高まる近隣諸国への配慮や与党内の圧力を受け、歴代首相の言葉を踏襲したなどと分析した。

 フランクフルター・アルゲマイネ紙(14日付、電子版)は、「謝罪――しかし疑心は残る」との見出しで、安倍首相が近隣諸国の不快を和らげるため歴代首相の謝罪の言葉などを盛り込んだが、「首相自身の言葉でおわびは言わなかった」と指摘した。「日露戦争がアジアやアフリカの人々を勇気づけた」との箇所については、「侵略がどのような行為か歴史家の議論にゆだねた」と解説した。

 一方、南ドイツ新聞(同)は「安倍首相は圧力に対して頭を下げた」との見出しを掲げ、「首相が半年前は侵略や謝罪について話すつもりはなかったが、与党内や歴代首相、多くの国民からの圧力に屈した」と分析。ただし、「首相自身の見解を変えたわけではない」などと伝えた。(ベルリン=玉川透)


朝日新聞-台湾総統「今後も歴史の正視を」 安倍談話に各国反応-2015年8月15日


 安倍晋三首相が14日に発表した戦後70年の首相談話について、第2次大戦で日本と関わった国・地域の首脳やメディアから、様々な反応があった。

 台湾の馬英九(マーインチウ)総統は「日本政府が今後も引き続き歴史を正視し、深く反省し、教訓を銘記することを期待する」と表明した。「建設的思考と責任ある態度で周辺国家との友好協力を発展させ、地域の平和と繁栄にともに努力すべきだ」とも呼びかけた。

 オーストラリアでは、公共放送ABCテレビが安倍首相の記者会見を生中継した。アボット首相は「第2次大戦中の豪州や他の国々の苦しみを認めている」と談話を歓迎した。「この70年で豪州と日本は、友情と信頼、共通の価値観に基づく特別な関係を形成した。彼の言葉は、万人のためのよりよい未来への日本の関与を他の国々が受け入れやすくし、日本との友情をより強くすべきものだ」と評価した。(台北=鵜飼啓、シドニー=郷富佐子)

■英BBC「過去の謝罪から距離をおいた」 米ワシントン・ポスト紙「謝罪の繰り返し避けた」

 外国のメディアは、安倍首相の「おわび」が、過去の内閣の方針を引用する間接的な表現になったことや、次世代に「謝罪を続ける宿命を負わせてはならない」と述べた点に注目した。

 英BBCの東京特派員は、安倍首相が歴代首相の謝罪を踏襲したものの、「彼自身の新たなおわびではなく、過去の謝罪から距離をおいた」と紹介。「日露戦争がアジアやアフリカの人々を勇気づけた」という箇所については「修正主義的な歴史観で、安倍首相の支持基盤である右派の間で人気があるが、中国や韓国は受け入れないだろう」と解説した。英フィナンシャル・タイムズ紙は「首相は自ら明確な謝罪をすることを拒否した」とした。米ワシントン・ポスト紙も「過去の首相の謝罪を明確に繰り返すことを避けた」と報じた。

 またAFP通信は「深い反省を表明したが、将来の世代が謝罪し続けるべきではないとも強調した」とした。仏ルモンド紙も同様に「歴代内閣が表明した『痛切な反省』を『揺るぎない』としながらも、この悔恨を相殺するかのように、戦争を知らない世代にこの責任を背負わせてはならないと呼びかけた」と伝えた。ロシアのインタファクス通信も、「戦争に関係ない世代に、謝罪を続ける重荷を負わせるべきではない、と付け加えた」と伝えた。

 エジプトの政府系アハラム紙の電子版は「日本首相が深い悲しみを表明/新たなおわびなし」との見出しの英文記事を掲載した。


by asyagi-df-2014 | 2015-08-16 09:18 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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