本からのもの-「福島県と周辺の県については、がん登録と県民手帳(被ばく者手帳)をフォローアップする必要がある」

著書名;DAYS JYAPAN 2015年8月号
著作者;おしどりマコ
出版社;DAYS JYAPAN 

 おしどりマコは、DAYS JYAPAN 2015年8月号で、 厚生労働科学研究成果データの「食品安全行政における政策立案と政策評価手法等に関する研究」のなかの「日本の食品安全行政の現状分析-福島県甲状腺がんの発生に関する疫学的検討-」を取りあげた。
 おしどりマコは、この報告書の内容、①「福島県と周辺の県については、がん登録と県民手帳(被ばく者手帳)を組み合わせフォローアップする必要がある」、②「甲状腺がんの発生動向の解釈については、まだ事故の影響がないとは断定できないことを丁寧に表現すべきである」、③「事故による小児甲状腺がんの増加が否定できないために検査を続け、注意深く見守る必要があるということも、はっきり伝えるべきである」、という研究の結論に驚かされると記述する。
それは、この研究報告が、①「原発事故の影響がないと断定できない」、②「原発事故による甲状腺がんの増加が否定できない」、という結論を報告しているからであり、したがってこの「検討結果を出したことは非常に大きな意味がある」と評価する。
 なぜなら、これまでのやり方は、「多くの検討会やそこで出された報告書は『小児甲状腺の検査は被爆の影響は無いが、県民の安心のための検査である』という名目であった」ことに過ぎず、その違いを高く評価している。

 これだけでは留まらず、おしどりマコのフットワークは軽く、岡山大学の津田俊秀巨樹を取材する。
 次の内容が、その質問と回答等である。主なものを取りあげる。

①「現在の福島県の甲状腺がんの有病率が高いという共通認識至るまでにどのような議論があったのか」については、「いや、これなもう多発ということは議論の対象ではなく、一致しているんです。検討会でも特に異論はありませんでした。」。
②「スクリーニング」については、「スクリーニング効果はせいぜい2倍程度しか説明できない。数十倍となっている現状は、まあ問題外です。」。
③「福島県の検査で多数診断されている小児甲状腺がんは、過剰診断なのか」については、「これは私の意見ですが、いいえと言わざるを得ません。福島県立医科大の鈴木眞一医師の小児甲状腺がんの症例報告を評価して、過剰診断は無いと思います。」。
④このことに続けて、「この非常に大規模な多発は、スクリーニング効果や過剰診断では説明できないんです。」、「ハリソンという世界で信頼されている医学の教科書がありますが、そこには小児甲状腺がんの原因の1つ目には、はっきりと放射能と書いてあります。原発事故があり、周囲で小児甲状腺がんの多発が見られた。これは何らかの影響があったのではと判断することが最も合理的と私は考えます。」。
⑤「周辺他県とはどこを指すのか」については、「事故直後の放射性プルームの状況からいいますと、私は茨城、栃木、千葉、群馬、東京都考えています。」。
⑥「今からでもできる対策として何がありますか」については、「妊婦さんから子どもが産まれてがんになる確率というのは、年間5ミリシーベルト以上の被爆で起こりうる。もうちょっと下でも起こりうる。というのは論文でも明らかになっています。だから、下の年齢層ほど避難も含めた対策が必要だと思います。」、また続けて「年間20シーベルトの地域に住民を帰還させていくことなど、論外です。また、周辺県だけでなく、19歳以上の福島県民にも何らかのフォローが必要でしょう。福島県の捜査の対象者は2011年3月11日時点で18歳以下の福島県民です。18歳以下にだけ影響があり、19歳以上は関係が無いということはありえないと思います。」。

 おしどりマコは、最後に、「政府や環境省は、原発事故後の健康評価の在り方について、この最新の評価をもとに、対策を取り直すべきであろう。」と、結んでいる。
 これを読みながら、おしどりマコの怒る様子が目に浮かんだ。


by asyagi-df-2014 | 2015-07-24 06:17 | 本等からのもの | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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