「反対する学者の会」が廃案求める声明

 「安全保障関連法案に反対する学者の会」が15日、法案は憲法9条に違反するとして廃案を求める声明(以下、「声明」とする)を発表した。
 このことについて、毎日新聞は2015年6月15日、「会は11日に発足。呼びかけ人には法学や政治学、歴史学、天文学などから60人以上が名を連ね、賛同する学者・研究者は2700人近くに上る。呼びかけ人で15日に記者会見した学習院大の佐藤学教授(教育学)は『再び若者を戦地に送り、殺し殺される状況にさらすことを認めることはできない』と強調。法政大の山口二郎教授(政治学)は『安倍政権の暴走に批判を加えなければ、学問の存在理由はない』と訴えた。」と、報じた。

 この「声明」は、「①日本が攻撃を受けていなくても他国が攻撃を受けて、政府が「存立危機事態」と判断すれば武力行使を可能にし、②米軍等が行う戦争に、世界のどこへでも日本の自衛隊が出て行き、戦闘現場近くで「協力支援活動」をする、③米軍等の「武器等防護」という理由で、平時から同盟軍として自衛隊が活動し、任務遂行のための武器使用を認めるものです。」と、問題点を明確にする。
 また、「声明」は、「安倍首相の言う『武力行使は限定的なもの』であるどころか、自衛隊の武力行使を際限なく広げ、『専守防衛』の建前に反することになります。武器を使用すれば、その場は交戦状態となり、憲法九条一項違反の『武力行使』となることは明らかです。60年以上にわたって積み重ねられてきた『集団的自衛権の行使は憲法違反』という政府解釈を安倍政権が覆したことで、米国の侵略戦争に日本の自衛隊が参戦する可能性さえ生じます。日本が戦争当事国となり、自衛隊が国際法違反の『侵略軍』となる危険性が現実のものとなります。」と、その侵略性を警告する。
 もちろん、この「学者の会」としての立ち位置を、「私たちは、かつて日本が行った侵略戦争に、多くの学徒を戦地へ送ったという、大学の戦争協力の痛恨の歴史を担っています。その歴史への深い反省から、憲法九条とともに歩み、世界平和の礎たらんと教育研究活動にたずさわり、再び戦争の惨禍を到来させないようにしてきました。二度と再び、若者を戦地に送り、殺し殺される状況にさらすことを認めることはできません。」に置いている。

 今、安倍晋三政権の安全保障関連法案への抵抗が大きくなっている。
 どうしても廃案に。

 以下、毎日新聞及び「声明」の引用。







毎日新聞-安保関連法案:「反対する学者の会」が廃案求める声明-2015年06月15日 


 ◇呼びかけ人に60人以上、賛同の学者・研究者2700人

 国内の幅広い分野の研究者でつくる「安全保障関連法案に反対する学者の会」が15日、法案は憲法9条に違反するとして廃案を求める声明を発表した。会は11日に発足。呼びかけ人には法学や政治学、歴史学、天文学などから60人以上が名を連ね、賛同する学者・研究者は2700人近くに上る。

 呼びかけ人で15日に記者会見した学習院大の佐藤学教授(教育学)は「再び若者を戦地に送り、殺し殺される状況にさらすことを認めることはできない」と強調。法政大の山口二郎教授(政治学)は「安倍政権の暴走に批判を加えなければ、学問の存在理由はない」と訴えた。【樋岡徹也】

 ◇「安全保障関連法案に反対する学者の会」の呼びかけ人(50音順、敬称略)

青井未帆(学習院大教授・憲法学)▽浅倉むつ子(早稲田大教授・法学)▽淡路剛久(立教大名誉教授・民法、環境法)▽池内了(名古屋大名誉教授・宇宙物理学)▽石田英敬(東京大教授・記号学、メディア論)▽市野川容孝(東京大教授・社会学)▽伊藤誠(東京大名誉教授・経済学)▽上田誠也(東京大名誉教授・地球物理学)▽上野健爾(京都大名誉教授・数学)▽上野千鶴子(東京大名誉教授・社会学)▽鵜飼哲(一橋大教授・フランス文学、フランス思想)▽内田樹(神戸女学院大名誉教授・哲学)▽内海愛子(恵泉女学園大名誉教授・日本−アジア関係論)▽宇野重規(東京大教授・政治思想史)▽大沢真理(東京大教授・社会政策)▽岡野八代(同志社大教授・西洋政治思想史、フェミニズム理論)▽小熊英二(慶応大教授・歴史社会学)▽戒能通厚(早稲田大名誉教授・イギリス法、法社会学)▽海部宣男(国立天文台名誉教授・天文学)▽加藤節(成蹊大名誉教授・政治哲学)▽金子勝(慶応大教授・財政学)▽川本隆史(国際基督教大教授・社会倫理学)▽君島東彦(立命館大教授・憲法学、平和学)▽久保亨(信州大教授・歴史学)▽栗原彬(立教大名誉教授・政治社会学)▽小林節(慶応大名誉教授・憲法学)▽小森陽一(東京大教授・日本近代文学)▽斉藤純一(早稲田大教授・政治学)▽酒井啓子(千葉大教授・イラク政治研究)▽佐藤学(学習院大教授・教育学)▽島薗進(上智大教授・宗教学)▽杉田敦(法政大教授・政治学)▽高橋哲哉(東京大教授・哲学)▽高山佳奈子(京都大教授・法学)▽千葉真(国際基督教大特任教授・政治思想)▽中塚明(奈良女子大名誉教授・日本近代史)▽永田和宏(京都大名誉教授、京都産業大教授・細胞生物学)▽西川潤(早稲田大名誉教授・国際経済学、開発経済学)▽西崎文子(東京大教授・歴史学)▽西谷修(立教大特任教授・哲学、思想史)▽野田正彰(精神病理学者)▽浜矩子(同志社大教授・国際経済)▽樋口陽一(憲法学者)▽広田照幸(日本大教授・教育学)▽広渡清吾(専修大教授・前日本学術会議会長、法学)▽堀尾輝久(東京大名誉教授・教育学)▽益川敏英(京都大名誉教授・物理学、ノーベル賞受賞者)▽間宮陽介(青山学院大特任教授・経済学)▽三島憲一(大阪大名誉教授・哲学、思想史)▽水島朝穂(早稲田大教授・憲法学)▽水野和夫(日本大教授・経済学)▽宮本憲一(大阪市立大名誉教授・経済学)▽宮本久雄(東京大名誉教授、純心大教授・哲学)▽山口二郎(法政大教授・政治学)▽山室信一(京都大教授・政治学)▽横湯園子(前中央大教授、元北海道大教授・臨床心理学)▽吉岡斉(九州大教授・科学史)▽吉田裕(一橋大教授・日本史)▽鷲谷いづみ(中央大教授・保全生態学)▽渡辺治(一橋大名誉教授・政治学、憲法学)▽和田春樹(東京大名誉教授・歴史学)


「戦争する国」へすすむ安全保障関連法案に反対します


「戦争しない国」から「戦争する国」へ、戦後70年の今、私たちは重大な岐路に立っています。安倍晋三政権は新法の「国際平和支援法」と10本の戦争関連法を改悪する「平和安全法制整備法案」を国会に提出し、審議が行われています。これらの法案は、アメリカなど他国が海外で行う軍事行動に、日本の自衛隊が協力し加担していくものであり、憲法九条に違反しています。私たちは憲法に基づき、国会が徹底審議をつくし、廃案とすることを強く求めます。

法案は、①日本が攻撃を受けていなくても他国が攻撃を受けて、政府が「存立危機事態」と判断すれば武力行使を可能にし、②米軍等が行う戦争に、世界のどこへでも日本の自衛隊が出て行き、戦闘現場近くで「協力支援活動」をする、③米軍等の「武器等防護」という理由で、平時から同盟軍として自衛隊が活動し、任務遂行のための武器使用を認めるものです。

安倍首相の言う「武力行使は限定的なもの」であるどころか、自衛隊の武力行使を際限なく広げ、「専守防衛」の建前に反することになります。武器を使用すれば、その場は交戦状態となり、憲法九条一項違反の「武力行使」となることは明らかです。60年以上にわたって積み重ねられてきた「集団的自衛権の行使は憲法違反」という政府解釈を安倍政権が覆したことで、米国の侵略戦争に日本の自衛隊が参戦する可能性さえ生じます。日本が戦争当事国となり、自衛隊が国際法違反の「侵略軍」となる危険性が現実のものとなります。

私たちは、かつて日本が行った侵略戦争に、多くの学徒を戦地へ送ったという、大学の戦争協力の痛恨の歴史を担っています。その歴史への深い反省から、憲法九条とともに歩み、世界平和の礎たらんと教育研究活動にたずさわり、再び戦争の惨禍を到来させないようにしてきました。二度と再び、若者を戦地に送り、殺し殺される状況にさらすことを認めることはできません。

私たちは、学問と良識の名において、違憲性のある安全保障関連法案が国会に提出され審議されていることに強く抗議し、それらの法案に断固として反対します。

2015年6月
安全保障関連法案に反対する学者の会


by asyagi-df-2014 | 2015-06-16 12:52 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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